韓国は、同盟国の米国から集中砲火を浴びている。文大統領の「GSOMIA破棄」は裏切り行為に映るのだ。
『中央日報』(8月28日付)は、「米当局者、GSOMIA 「11月の終了前に韓国が考え変えるよう」と圧迫」と題する記事を掲載した。
米国高位当局者は27日、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が11月に終了する前に韓国が考えを変えることを望むと話したとAFP通信が報道した。
(1) 「AFP通信によると、匿名を要求した米高位当局者はこの日取材陣に対し、11月22日までGSOMIAが終了した上で、米国は韓国がその時までに考えを変えることを望むと話した。 GSOMIAが実際に終了する11月まで時間が残っているだけに、韓国にGSOMIA終了決定を再考するよう促したと分析される」
米国は、11月22日に正式終了する「GSOMIA破棄」を、継続するように韓国政府に圧力を掛けていることを窺わせている。米国の要求を一度、断った手前、二度目も断るわけには行くまい。文氏は「反日」で騒ぎすぎたので、簡単に収拾策が見つかるはずもあるまい。苦しいところだ。
(2)「李洛淵(イ・ナギョン)首相は27日の青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府与党による会議で、「GSOMIAが終了する11月23日まで約3カ月の期間が残っている。その期間に打開策を求め、日本の不当な措置を原状回復し、われわれはGSOMIA終了を再検討できると考える。両国が真の姿勢で対話するよう望む」と話していた。この当局者は一連のことは青瓦台と日本国内の人々に関連したものとしながら米国とは関連がないともしたとAFPは伝えた」
韓国首相は、「ホワイト国除外」と「GSOMIA破棄」をバーター取引しようとしているが、別次元の問題である。日本政府は、これに強く反対している。
(3)「AFP通信は「韓国は米国を通じ依然として日本と(軍事)情報を共有する考えだというが、別の米国の当局者はそうした方式は核武装をした北朝鮮に直面した時に効果的でないと話した」と伝えた。 この当局者は2016年のGSOMIA締結以前の三角情報共有について、「危機状況では相当にわずらわしく非常に不便で事実上使えない。特に危機状況で、核実験やミサイル発射がある時には時間が核心だ」と話したと同通信は説明した」
韓国政府は、GSOMIA締結以前の三角情報共有(米国を経由して日韓が情報共有すること)に戻るだけと主張しているが、時間的な制約の中では困難と指摘している。
米国からは、韓国政府批判が噴出しているだけに、韓国外交部は苦しい立場に追い込まれている。
『聯合ニュース』(8月28日付)は、「韓国次官、米大使に韓日軍事協定破棄への失望表明の自粛要請」と題する記事を掲載した。
韓国外交部の趙世暎(チョ・セヨン)第1次官は28日、ハリス駐韓米大使をに呼び、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了をはじめとする韓日関係懸案や韓米関係全般について協議した。
(4)「外交部によると、趙氏はハリス氏に対し、韓日のGSOMIAを終了するのは韓日関係において検討・決定したものであり、韓米同盟とは関係がないことを説明。今後も米国側と緊密に協力し、韓米日の安保協力を維持していく意思を伝達した。また韓日の外交当局は意思疎通を続ける必要があることで一致していると説明し、両国が合理的な解決策を導き出せるように努力していくと強調した」
韓国は、GSOMIAが日韓だけの問題と指摘している点で、米国から再度の非難が出そうである。米国は、日米韓三カ国の問題と捉えているからだ。この点、韓国の視点が狭い。
(5)「この席で趙氏は韓国政府の今回の決定について、米政府が失望と懸念を繰り返し表明したことについて、韓米関係を強化する上で役立たないと指摘し、自制するよう要請したことが分かった。趙氏はまた、日本とのGSOMIAの終了決定は韓米同盟をさらに発展させていくという意思が反映されたもので、韓国が自らの国防力を備えるための努力の一環である点を明らかにしたという」
韓国が、米国の非難に参っていることがよく分かる。その度に、野党を喜ばせるだけに,韓国政府の立場は苦しくなる。党利党略で決めた「GSOMIA破棄」である。米国から大いに非難されて目を覚ますが良い。