中国の王毅外相は21日、訪中したソロモン諸島のマネレ外相と北京で会談し、両国の国交を樹立する共同声明に署名した。習近平指導部はソロモンに台湾と断交し、中国と国交を樹立するよう働きかけていた。シーレーン(海上交通路)の要所にある南太平洋で、中国の影響力が強まるのは必至とされている。
「捨てる神あれば拾う神あり」で、ドイツ国民から台湾との復交求める請願が1万人超となった。規定により10月9日までに5万人を超えれば、ドイツ連邦議会が審議に入るという。
『大紀元』(9月20日付)は、「『台湾と国交を』ドイツで請願活動、1万人超が署名」と題する記事を掲載した。
(1)「ドイツ国民が5月、連邦議会に「民主国家の台湾と国交を結ぼう」を求める請願書を提出した。南太平洋のソロモン諸島政府が台湾との断交を発表したのを受け、台湾で同署名活動が注目を集めた。9月18日時点で、1万人以上のドイツ市民が請願書に署名した。台湾メディア「自由時報」15日付などによると、台湾との国交締結を呼びかける「第95643請願書」は現在、独連邦議会のウェブサイトに掲載されている」
ドイツは、経済的に中国との関係を深めている。とりわけ、自動車メーカーが中国市場で優遇されているほどだ。メルケル首相の訪中回数は、訪日よりもはるかに多く、蜜月振りを発揮してきた。そのドイツ国民が、皮肉にも「反中意識」を強めている。天安門事件で、国民が大量に殺害され、その事実を隠蔽し続けていることへの批判である。
(2)「同請願書は、「今年は天安門事件発生から30周年にあたる。この虐殺を行った中国はいまも国連の一員で、各国に承認されている。しかし、中国当局は新疆ウィグル自治区で強制収容所を設立し、世界最大の監視システムを作り上げた。南シナ海での蛮行など、中国当局は国際法を無視し続けている」と批判した。また、「中華民国(台湾)は民主主義の国家である。ドイツが中華民国を承認しないのは理解しがたい。政府に対して中華民国と正式な外交関係を樹立するよう呼び掛けたい」とした」
中国への批判は辛らつである。下線部分はすべて事実である。一方の台湾は、民主主義国でありながら断交しているのは理解できぬとしている。ドイツは、中国政府による「一つの中国」という原則論でやむなく、台湾と断交して現在に至っている。日本も同じ事情である。
(3)「台湾メディアによれば、今月11日以降、ネット上でドイツ国内外から署名が集まっている。外国人も署名できる。10月9日までに、署名者数が5万人を上回れば、連邦議会が審議に入るという。9月16日、ソロモン諸島政府は台湾と断交する方針を決定した。米ラジオ・フリー・アジア(RFA)18日付は、中国当局の圧力強化で友邦国を次々と失った台湾の立法院(国会)議員はドイツの陳情活動に励まされ、感謝の意を示したと伝えた」
署名が、10月9日までに5万人を超えれば連邦議会は審議に入るという。海外からも請願署名はインターネット上で可能という。ソロモン諸島政府は、台湾と断交したので、「同情票」が、どれだけ積み増されるか、関心が集まっている。