韓国では、日本と政治的摩擦を引き起こすと必ず行なうことがある。日本から輸入する中間財を国内で代替生産しようという素材独立論である。今回の日韓対立では「反日不買」と同時に、素材独立を行なう立法を27日、行なった。その法律名は、「素材・部品・装備(装置や設備)産業の競争力強化に向けた特別措置法」と長たらしい。要するに、今度こそは日本に負けない産業競争力を実現するというのだ。
『聯合ニュース』(12月27日付)は、「日本超える競争力育成、素材・部品・装備特措法可決」と題する記事を掲載した。
「2001年に制定された現行の素材・部品特別法を全面的に見直したもので、対象に素材・部品に装備を加え、目標を今の「専門企業の育成」から「産業全般の競争力強化」に変更した。素材・部品・装備産業の中核戦略技術の選定、これら産業を先導する企業の選定・育成、買収・合併支援の法的根拠整備などを通じ、技術開発や人材育成、性能評価、需要創出にいたるまで全方位的に支援する。企業間の協力モデルに対し金融や立地など支援パッケージの内容も手厚くする。また、来年に2兆1000億ウォン(約2000億円)の特別会計を設ける。産業通商資源部の関係者は「素材・部品・装備産業の競争力強化を国家的課題とし、一貫性を持って持続的に推進する」と話した」
2001年以来、この「国産化論」は政府の研究補助金が付いてきたはずなのに、なぜ効果をあげられなかったのか。それは政権が変れば、関心が薄れるという韓国特有の政治事情がある。朴槿惠政権ですら、同じ保守党政権であった李明博政権の目玉政策であった「環境政策」を引き継がず、朴政権は新たな柱をつくった。こうして前政権の目玉が、次期政権ではお蔵入りするケースが圧倒的である。
国産化はなぜ進まないのか。政権交代で関心が薄れる以外に、次のような事情を抱えている。
「韓国の電機大手幹部は、「品質、価格、納期。すべてを満たしているのが日本だからだ」と明快である。「韓国企業もつくろうと思えば、何とかつくれる。ただ歩留まりが悪かったり、割高になったりして、採用は難しい。価格や納期も品質のうちだ」。「研究開発と製品化の間には「死の谷」と呼ばれる高いハードルがある。それを越えるのは難しい」。サムスン電子の尹鍾龍(ユン・ジョンヨン)元副会長は指摘する。「生産技術のプロセスづくりは日本企業に一日の長がある。短期で成果を上げようとしても、うまくいくかはわからない」と言うのだ」(『日本経済新聞』(11月8日付)
日本が世界を牽引する「部品・素材」大国である。「品質、価格、納期。すべてを満たしているのが日本だからだ」と舌を巻かれる存在が日本である。韓国が、この日本と喧嘩しても
勝てるはずがないのだ。だから、感情論で世界中に日本の悪口を言いふらして鬱憤晴らしをするのであろう。
日韓でのノーベル化学賞受賞者数の格差を見ても、韓国が日本に太刀打ちできないという見方もある。
『中央日報』(7月6日付)は、「半導体素材の国産化率50%…その裏には韓日ノーベル化学賞0:8」と題する記事を掲載した、
(1)「半導体素材で最も多く使用されるのが化学・金属材料だ。韓国半導体協会のアン・キヒョン常務は「日本は基礎化学と金属製錬技術で韓国を大きく上回る」と述べた。基礎化学技術をみても日本は8人(今年を含めて9人)のノーベル化学賞受賞者を輩出したが、韓国は一人もいない。また日本には鉱山があるが、韓国は特にない」
日本は銅・鉛・亜鉛という非鉄鉱山が多く、明治時代から鉱毒や鉱山の煙害に悩まされてきた。それ故、この分野の研究が進んだという事情を見落としてはならない。ノーベル化学賞の受賞者が多いという背景には、こうした側面もあろう。
(2)「韓国より長い日本の半導体史も無視できない。日本は1990年代初期-2000年代後半に世界メモリー半導体市場を掌握した。上位企業10社の半分がNEC・東芝・日立など日本企業だった。今でも東芝などが健在だ。サムスン電子がトップになったのは2010年代初期だ。半導体業界の関係者は「20年以上も半導体強国だった日本とは違い、韓国が世界で頭角を現してからまだ10年も経っていない」とし「日本が半導体世界市場を掌握した当時に成長した素材・装備企業が、今でも高付加価値素材・部品の競争力を維持している」と説明した」
1990年前後の日本は、半導体世界一の座を米国から奪い、日米経済摩擦が深刻化した。米国は、半導体が安全保障に関わるという理由で、日本に生産調整を要求、さらに急速な円高で、日本の半導体は息の音を止められた。日本は半導体製品で頓挫したが、半導体素材や生産設備で世界を牽引していることに変わりない。韓国が、日本に敵うわけがないのだ。





