韓国ご自慢のコロナウイルス感染検査キットは、FDA(米国食品医薬局)から緊急使用承認を受けられず、50万セットが米国の倉庫に眠っている。コロナで苦しんできた米国が、韓国産検査キットの使用を認めない理由は不明である。憶測するに、性能が劣っていることだ。韓国が、ことあるごとに日本へ見せびらかしていた検査キットは今後、どうなるだろうか。
『中央日報』(4月30日付)は、「米メリーランド州知事が輸入した韓国製コロナ診断キットFDA承認受けられず」と題する記事を掲載した。
(1)「米国メリーランド州のレリー・ホーガン州知事が直接空輸した韓国企業ラボジノミクスの新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)診断キットが米国食品医薬局(FDA)の緊急使用承認(EUA)を受けられなかったことが確認された。これに伴い、50万件分の診断キットが移送されて10日が過ぎたが、現場での使用が不透明な状態だ」
韓国ラボジノミクス社は、文大統領が企業訪問したほどの企業だから、企業自体に問題はあるまい。その最新検査キットに、FDAからの緊急使用許可が出ないのだ。韓国ではすでに4社製品が、緊急使用許可を受けている。これは、米国がコロナ蔓延中という最悪事態で、「やむなく行なった」措置に見える。FDAは、コロナ感染が落ち着いてきたので、緊急使用許可を渋っていると読める。
(2)「外交部関係者は4月29日、中央日報の電話インタビューに「ラボジノミクスの新型コロナ診断キットがまだFDAの緊急使用承認を受けられなかったのは事実」としながら「だが、新型コロナ事態によって連邦政府がFDAの承認がなくても州政府次元で診断キットを売れるように規制を緩和した状態で販売は可能だ」と話した。実際、ドナルド・トランプ政府は新型コロナ事態発生後、診断能力の困難を経験した後、州政府次元でFDAの承認なしでも診断キットを購入して使えるように許可した。
下線のように、感染が最悪事態においては、人命救助が優先されFDAの承認がなくても販売を認めてきた。だが、この混乱状況が収まってきた以上、FDAの承認は従来の厳格路線に戻ったということであろう。
(3)「これに先立ちホーガン州知事は駐米韓国大使との電話会談を通じて韓国側に診断キットを買えるように取り持ってほしいと要請した。今月18日、大韓航空機を通じてボルチモア・ワシントン国際空港に診断キットが移送されて2日後の20日、ホーガン州知事は「われわれは該当企業とともにテストを終えた」と明らかにしたことがある。しかしFDAは、ラボジノミクスの診断キット緊急使用承認検討について尋ねる現地メディアに、この日も「まだ検討していない」と答えた」
ラボジノミクス社の診断キットの性能に問題があるのだろう。これまで、韓国4社の製品には緊急承認を出したが、もはやそういう状況でない、と「拒否姿勢」を滲ませている。
(4)「州知事が、FDAの承認なく自己判断で診断キットを使って、万一生じかねない政治的責任と医学的責任により、簡単に使用決定を下せずにいるのではないかとの分析が出ている。実際、ホーガン州知事は韓国産診断キットを自らの空輸した後、トランプ大統領と舌戦を繰り広げていた。トランプ大統領は当時、ホーガン州知事が韓国からキットを購入して連邦政府の検査能力拡大努力を無にしているとして不快感をあらわにした。これに対してホーガン州知事は「トランプ政府は州政府が自ら(診断キットを確保)しなければならないと繰り返し明確に話した」とし、政府指針に従った行為だったと反論した」
下線部分を読んで浮かび上がってくる事実は、FDAの検査能力拡大によって、ラボジノミクス社の診断キットの性能では、パスしないということだ。州知事は、そういう客観情勢の変化を読めずに右往左往している。
(5)「現在、新型コロナ診断キット関連でFDAの緊急使用承認を受けた韓国企業は4社だけだ。これに先立ち3月24日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がトランプ大統領との電話会談で「(米国に診断キットを支援するには)FDA承認手続きが必要な場合もある」と言及した後、比較的早く緊急使用承認を受けた。だが、以降の状況がやや変化して、韓国の外交部や食品医薬処など関係部署は該当企業と共に米側と協議中だが、複雑なFDA承認手続きを通過するのに困難を経験しているという」
このパラグラフから浮かび上がる点は、韓国製検査キットが能力的に低いという判定が出ていることだ。この防疫学的な判定は、政治力を持ってしても覆す訳にいかず、州知事はジレンマに立たされている。日本が、内々で行なわれた韓国からの検査キット購入要請に慎重だったのは、米国から情報として入っていたのであろう。韓国は、米国で大恥をかく結果となった。自慢もほどほどにしておくべきだったのだ。