勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2020年05月

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    韓国は、輸出先1位の中国と同2位の米国が、コロナ発祥を巡る対立の影響を懸念している。米国は、サプライチェーンの「脱中国」目標を掲げるまでになった。トランプ大統領は、中国製品に1兆ドルの関税を科すと発言するなど、雲行きが怪しくなっているのだ。

     

    米中デカップリング論は、米国で年初からくすぶっていた議論である。中国が、コロナ問題について情報を明かさないという不満も手伝い、米国の生産機能を中国から分離するという構想である。本欄は、この問題について最初から詳細に報じてきた。今ようやく、具体的な形を取ってきたが、問題の根の深さを知ることが重要であろう。つまり、グローバル経済の効率性追求よりも、防疫を含めた安全保障の重要性が認識されてきたことだ。

     

    歴史は、一直線に進むものではない。必ず、揺り戻しが起きる。旧ソ連の崩壊で、世界から共産主義の脅威が消えたと思い、「グローバル経済」という新たな地平が開けた。以来、30年間で世界経済は大きく発展した。その間に再び中国という「鬼っ子」が生まれ、手に負えないほどの力を誇示し始めている。米国は、これに驚き「米中デカップリング論」を唱えているもの。歴史は繰返す、とは至言である。

     

    こういう視点で現実を眺めれば、韓国はどのように対処すべきか、自ずと選択すべき道が浮かび上がるはずだ。米韓同盟の中で生きることである。米ソ対立時代、日本は日米同盟の枠で行動し、そのお陰で高度経済成長を実現し安全保障を確実なものにしたのである。韓国の場合、中国への親近感が格別という歴史的な背景がある。さて、どうするのか。

     

    『中央日報』(5月6日付)は、「韓国政府は米中葛藤を乗り越える対策があるのか」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)により世界がまた2つに分かれている。新型肺炎の発病と拡散の責任をめぐってだ。一方は米国を中心にした欧米、もう一方は中国だ。彼らは「新冷戦」といえるほど激しい対立を見せている。

     

    (1)「新型肺炎に関連してドナルド・トランプ米国大統領は数日前「ぞっとするような失敗を犯した」と中国を批判した。マイク・ポンペオ米国務長官は「新型肺炎が中国武漢の実験室で始まったという巨大な証拠がある」と主張した。米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなど英語圏5カ国の情報同盟体「UKUSA協定」が内部的に中国責任論を提起したという報道もあった。中国中央電視台はポンペオ長官の発言に対して「まともな精神状態でない」と応酬した」

     

    情報同盟体「UKUSA協定」は、ファイブアイズと呼ばれている。米・英・豪・加・ニュージーランド5ヶ国が、第二次世界大戦中に発足させた高度の秘密情報共有の組織である。ここが、先に15ページにわたる報告書を提出した。本欄でもその詳細を紹介しているが、中国の武漢遺伝子実験室が破壊されていると記述している。中国は例によって、感情的な反発で証拠を隠している。

     


    (2)「米国をはじめとする欧米側は「新型肺炎が昨年11月発生したにも関わらず、中国が隠して事態が大きくなった」と猛非難した。中国は反対に米軍が武漢に新型肺炎をまき散らした可能性を提起した。ついに各国は中国を相手に総額が26兆ドル(約2764兆円)に達する訴訟を起こした。中国は「愚かな訴訟で嘲弄を自ら招いている」と批判した。世界保健機関(WHO)が中国を擁護するような立場を続けざまに取ると米国は「WHOの資金支援を中断する」と脅しをかけた。中国は株式市場が中止になった間につけこんで欧米の有望企らを買収合併(M&A)しようとすることで米国と欧州各国の機嫌を損ねた」

     

    中国は、コロナ問題で弱味を見せまいと強気の対応をしている。これが、火に油を注ぐ結果となり、下線を引いたような賠償問題に発展している。中国一ヶ国で世界を相手に戦えるはずがない。そうかといって、習近平氏が頭を下げれば中国国内の反発を招く。中国最高指導部は、ジレンマに立たされている。

    (3)「世界は両国が手を握って情報を公開し、世界の経済回復に向けてともに努力する姿を期待している。葛藤は簡単に解決できないかもしれない。米中両国はほぼ自尊心をかけたような衝突を見せている。その影響が今後どれぐらいの期間に、どれだけ飛び火するか分からない状況だ。新しい冷戦に不確実性まで重なった局面だ。世界経済の回復にはひどい悪材料となっている」

     

    このパラグラフは、建前論である。中国が情報を公開したら、自らの誤りを認めるようなもの。中国は、絶対に共産党に不利になる情報を出すはずがない。となれば、今回のコロナ禍は米中対立へ発展せざるを得ないのだ。米中デカップリング論が、現実味を帯びるであろう。

     

    (4)「韓国はすでに米中の間に挟まって経済が数回疲弊した。高高度ミサイル防御(THAAD)体系の配備や米中貿易葛藤によることだ。似たような、もしかしたらさらにひどい状況に再び直面している。賢明に対処して被害を最小化する外交・経済・政治的な総合対策が必要だ。危機と不確実性の中で道を案内し国民を安堵させるのはひたすら政府の役割だ」

     

    文政権は、「親中朝・反日米」が基本路線である。この状況で起こっている米中デカップリング論である。これにどう対応するかと言っても、妙案があるわけでない。米中二股外交を断念するしか道はないのだ。韓国には、米中対立を緩和させる力があるわけでない。「親中朝・反日米」路線を修正するしかないが、それも不可能であろう。結局、どっちつかずの中で、韓国経済は疲弊するであろう。これが、私の見立てである。



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    中国が、世界中にばらまいたコロナウイルスは、中国への反発を生み出している。中国最高指導部は、これにお構いなく「マスク外交」を行い、善人ぶった振る舞いを続けてきた。だが、中国のシンクタンクが「反中感情の高まり」を警戒する報告書を最高指導部へ提出したという。

     

    『ロイター』(5月4日付)は、「反中感情、天安門事件以来にも、コロナ受け中国で報告書」と題する記事を掲載した。

     

    中国が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)対応を巡り世界的な反中感情の高まりに直面し、米国との対立に発展する恐れがあると、国内の有力シンクタンクが中国政府指導部に警鐘を鳴らしていたことが関係筋の情報から明らかになった。

     

    (1)「関係筋によると、報告書は中国現代国際関係研究所(CICIR)が作成し、中国国家安全省が4月初旬、習近平国家主席を含む政府指導部に提出した。報告書は、世界的に高まる反中感情が1989年の天安門事件以来の水準に悪化する恐れがあると指摘。米国が新型コロナ対応を巡り中国への反発をあおり、中国政府は米国との武力衝突という最悪のシナリオも想定する必要があるとした

     

    今回の新型コロナウイルスによる巨大被害は、全て中国に責任がある。それにも関わらず、下線を引いたように、中国が、米国と武力衝突するとはどういうことなのか。中国が、ここまで話をエスカレートさせるのは、コロナ禍を世界中に拡散させて、欧米の経済力を疲弊させる目的であったのだろうか。もし、そういうあくどい戦略を描いていたとすれば、中国は自滅の道を歩むだけだ。欧米の総合科学力は、コロナ禍を克服する実力を持っているからだ。中国は、逆立ちしても欧米に敵うはずがない。

     


    (2)「米政府が、中国の台頭を経済および国家安全保障への脅威、さらに西側諸国の民主主義への課題と見なしており、国民の信頼を低下させることで中国共産党の弱体化を狙っているとも指摘した。イターは報告書を直接確認していない。中国外務省報道官事務所は、報告書を巡り「関連情報はない」と応じた。CICIRはコメントを控えている。報告書が中国政府指導部のスタンスをどの程度反映しているのか、さらに政策への影響があるかどうかは不明だ。しかし、こうした報告書が提出されたことは、中国政府が反中感情の高まりを一定の脅威として真剣に受け止めている様子を浮き彫りにしている」

     

    下線部の「米政府が、中国の台頭を経済および国家安全保障への脅威、さらに西側諸国の民主主義への課題と見なしており、国民の信頼を低下させることで中国共産党の弱体化を狙っているとも指摘した」点は、その通りであろう。中国の台頭は、民主主義への挑戦であるからだ。米国を初めとする西側が、結束してコロナ禍に立ち向かっている姿を軽視してはならない。「マスク外交」でくさびを打ち込めるという程度の生温い話でない。

     

    具体的には、G7はWHO(世界保健機関)改革に立ち上がるだろう。WHOと中国の不明朗な関係を浮き彫りにして、中国を国際機関のトップから追放する動きを見せるだろう。中国が、焦って獲得した国際機関トップの座は、次第に狭められるに違いない。その意味で、今回のコロナ禍は、中国にとって痛恨のミスとなってはね返る。それほど、世界中が中国への怒りの声を上げているのだ。

     

    米国の世論調査では、「中国不信」が強まっている。世論調査大手ピュー・リサーチ・センターが4月21日に発表した最新調査によると、米国人の66%が、中国に対して否定的な考えを抱いていることがわかった。これは、2005年に調査を始めて以来最も高い水準である。また、約9割が、中国の影響力や権力を脅威とみなしていることも分かった。トランプ政権は、国民の「中国不信」感を背景に「WHOと中国」の癒着関係を暴き出すという、平時には考えられない手段を取るであろう。中国にとっては、「九仞(じん)の功を一簣(き)にかく」事態である。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月28日付)は、「コロナ危機、米ナショナリズムの潮流に拍車」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「コロナ危機によって、米国民に流れるナショナリスト的感情が強さと勢いを増している。もう既にそうなっていたのかもしれない。かつてドナルド・トランプ大統領の政治顧問を務めたスティーブ・バノン氏はインタビューで「ポピュリズムとナショナリズムの時代がやって来る」と断言していた。しかし、コロナ・パンデミック(世界的大流行)がその潮流をあおっている」

     

    コロナ危機は、米国人のプライドを粉々にした。「世界一の米国が、なぜこういう惨めな姿になったのか」という疑念を抱かせた。単純に言えば、中国という存在がWHOを引き込んで起こした混乱であるという認識である。中国の振る舞いが一層、米国人にこうした疑念を強めさせている。まさに、「ポピュリズムとナショナリズムの結合」である。中国は、責任逃れのために、米国との間で維持すべき親和関係を切断している。ここで、中国が米国へ協力する姿勢を示せば、ここまで米国を怒らせなかったであろう。歴史は後から振り返れば、こういう些細なことが、大きな対立軸になるのだ。

     

     

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    第二次世界大戦中、米・英・加・豪・ニュージーランド5ヶ国は、最高度の軍事情報探索において大きな成果を上げた。この組織は、「ファイブ・アイズ」と呼ばれ現在では、中国情報の収集に動いている。その「ファイブ・アイズ」が、中国武漢での新型コロナウイルス感染の経緯を調査した15ページの報告書をまとめた。それによると、中国が隠蔽しWHO(世界保健機関)は、中国の振り付けのままに動いていたことが明らかにされている。

     

    『大紀元』(5月5日付)は、「ファイブ・アイズ、武漢研究所は『高リスクの科学研究していた』」と題する記事を掲載した。

     

    英語圏5カ国の情報機関同盟「ファイブ・アイズ」による調査報告によると、中国武漢から発生した中共ウイルス(新型コロナウイルス、武漢肺炎)について、中国当局は、発生の証拠を意図的に隠したり、破棄したりしていたことが明らかになった。ファイブ・アイズは米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの情報機関から成る同盟。このほど、オーストラリアの『デイリー・テレグラフ週末版』は、ファイブ・アイズがまとめた報告書を入手した。

     

    15ページの報告書には、中国共産党はウイルスが人から人への感染の可能性を知っていながら隠ぺいしたこと。また、警告を発した医師への抑圧、実験室の証拠の破壊、海外の科学者に検体を提供することを拒否したことなど、既報の主張や情報をまとめたものだ。報告では、武漢のウイルス研究所が出所だという可能性には見方が分かれるが、同研究所はリスクの高い科学研究を行っていたと指摘している。研究所に対する評価は、5カ国の情報組織のほか、米国やオーストラリアの科学者とも協力して実施されたという。

     

    (1)「報告は、中国当局が早期警戒行動を怠り、この感染症の重症化を意図的に隠したと指摘している。特に、20191231日、中国当局は検索エンジンやSNS上のウイルスに関するコメントの検閲を開始しており、「薩斯変体(SARSの変種)」「武漢海鮮市場」「武漢不明肺炎」といった言葉を検閲し、削除したことに注目している。その3日後の13日、中国国家衛生健康委員会は、ウイルスの検体を指定の検査施設に移し、破棄するよう分析機関に命じ、武漢肺炎に関連した情報の「発表禁止」を発令した」

     

    中国当局が、昨年12月31日の段階で、この感染症の重症化を意図的に隠したと指摘している。最初から、隠し通そうという明確な意思を持っていたのだ。それは、中国の体面を守るという国家エゴである。

     


    (2)「報告は、中国共産党の隠ぺいの実態を時系列に並べている。 例えば、武漢市保健委員会は15日、毎日の新たな感染例データの公開を中止し、13日間更新しなかった。また、発生状況を調査した北京大学第一病院の呼吸器専門医・王広発氏は110日、ウイルスは「予防可能でコントロール可能」であり、ほとんどの患者は「中等度か軽度」としていた。しかし、王医師自身が12日後に同ウイルスに感染した。112日、ウイルスのゲノム配列を公開した上海の張永振教授の研究室は閉鎖された。124日、中国共産党当局者は、武漢ウイルス研究所が米テキサス大学の研究室とウイルスサンプルへの提供を拒否した。最も悪質なのは、120日の時点で、中国共産党当局は、ウイルスが「人から人への感染」により拡大する可能性を否定した」ことだ」

     

    1月20日の時点で、中国共産党当局は、ウイルスが「人から人への感染」により拡大する可能性を否定した。これが、世界各国を安心させパンデミックへ道を開くことになった。なぜ、感染するという重要事実を隠したのか。

     

    (3)「ファイブ・アイズの報告書はまた、世界保健機関(WHO)を非難し、「早くも1231日には台湾当局者から、14日には香港の専門家から警告があった」にもかかわらず、WHOは「誰も証拠を示していない」として、中国側の主張をただオウム返ししていると批判した。WHOの公式Twitterアカウントには114日のツイートが残っている。『中国当局が行った予備調査によると、中国・武漢で発見された新型コロナウイルス肺炎は、人から人へ感染する可能性があるという明確な証拠は見つかっていない』としていた。ファイブ・アイズの報告では、武漢ウイルス研究所では、雲南省の洞窟からコロナウイルスのサンプルを発見し、「万病の薬」としてコウモリ由来のコロナウイルスを合成する研究を行っていたという」

     

    WHOは、中国の出張所に成り下がっていた。中国の言い分を疑って見ることがなく、オオム返しに繰返していたのだ。WHOの存在意義を疑われる初動ミスを冒した。遺伝子調査では、雲南省のコウモリ由来とされるコロナウイルスが突き止められている。「万病の薬」として、コウモリウイルスを研究していたとは、中国の非科学的動機に驚くほかない。

     

    (4)「報告によれば、2月に「中国政府は国内の移動を厳しく制限しているにもかかわらず、米国、イタリア、インド、オーストラリア、東南アジアの隣国などに旅行制限しないよう(圧力をかけて)求めた」としている。「中国政府が123日に武漢を封鎖する前に、何百万人もの人々がすでに武漢を離れた」。報告書は感染が世界に拡大後、発生源の調査を求める各国に中国が圧力をかけたことにも言及した。423日、欧州連合(EU)が発表した「中国共産党のプロパガンダの世界的展開に関する報告書」は、中国の外交および経済的な脅しにより「EUは報告内容の変更を余儀なくされた」としている。また同様に、「オーストラリアがウイルスに関する独立した調査を要求したとき、中国はオーストラリアとの貿易を妨害すると脅した。同様に、米国に対しても情報の透明性を求める声に強く反応している」という」

     

    中国政府が、事態の急変に驚いて各国へ圧力をかけたことが浮き彫りになっている。2月に、「中国政府は国内の移動を厳しく制限しているにもかかわらず、米国、イタリア、インド、オーストラリア、東南アジアの隣国などに旅行制限しないよう(圧力をかけて)求めた」のはなぜか。世界中に、コロナウイルスをまき散らす意図であったのだろう。中国だけの打撃に終わらせることなく、世界を巻き込んで被害を負わせようと企んだと言える。人への感染を知っていた中国ゆえに、極めて解せない振る舞いをしたのだ。

     

    (5)「米FOXニュースは415日、米情報当局者はウイルスが武漢の研究室から来た可能性が高いとの見方を強めていると報じた。トランプ米大統領は430日、ホワイトハウスの記者会見で、ウイルスが同研究室から来たとする証拠を「見た」と述べ、「WHOは中国共産党のPR会社みたいなもの。恥をかくべきだと思う」と付け加えた。ポンペオ国務長官は53日に記者会見で、ウイルスが研究所から来たとの「膨大な証拠」があると述べた。大統領は「近く証拠を公表する」とFOXニュースの取材に語っている。米FOXニュースは複数の情報源の話として、武漢の研究室のウイルスの管理基準は、新型コロナウイルスの漏えい前からずさんだと指摘されていて、中国当局は発生当初から情報を隠ぺいしていたと報じている。 そしてWHOは最初から中国の隠ぺいに協力した」

     

    WHOが、中国のPR会社みたいなものとは、実にツボを抑えた指摘である。WHO上層部が、中国当局の振り付けのままに動いていたことはWHOの歴史に大きな汚点を残した。


    テイカカズラ
       

    韓国では、先の総選挙で与党が歴史的な大勝を収めた。全議席の6割の180議席を占める結果となった。ところが、選挙当日の政党別投票分布と期日前投票のそれが全く異なっていることが判明。統計学者から、このような結果はあり得ないと、強い疑義が上がっている。

     

    敗れた野党は沈黙している。投票箱のスリ替え操作をしない限り、起こり得ない現象ゆえに、証拠もなく訴えを起こすことは憚られる。ところが、韓国の教授集団が異議申立てを始めている。先ず、4月28日には不正選挙を探知する統計分析専門家、ミシガン大教授のウォルター・メベイン氏が不正選挙を告発している。「2020年韓国総選挙での不正」と題する論文で、「事前投票に異常な点が発見される」と主張したのだ。2日後、全国377の大学の現職・元教授が所属する「社会正義を望む全国教授会」は、選挙不正疑惑を究明すべきだとする声明を発表したのである。

     

    『朝鮮日報』(5月5日付)は、「事前投票の結果は統計的に理解不能、韓国選管に疑惑解消の責任」と題する記事を掲載した。元韓国統計学会会長・ソウル大統計学科名誉教授朴聖ヒョン氏へのインタビューである。

     

    (1)「韓国統計学会会長、韓国科学技術翰林院院長を歴任した朴聖ヒョン(パク・ソンヒョン)ソウル大統計学科名誉教授(75)はこう切り出した。「事前投票を巡り諸説があるため、全国253の選挙区のデータを詳細に見た。統計的観点では確実に起こりにくい投票結果だった。どんな形であれ人為的介入があった可能性を排除することは難しいと思う。不正の証拠だとは断言できなくとも、統計学者の目にはとても疑わしく映る。非常に偶然にそんなことが起きたと主張することはできるが、統計的にはそんな偶然が起きることは容易ではない。あえて言うならば、『神があらかじめそうしようと決めていなければ起こり得ない』ものだった」

     

    全国253の選挙区のデータを詳細に分析すると、「神があらかじめそうしようと決めていなければ起こり得ない」ものだったという。統計的に不揃いな投票結果が出るべきなのに、事前に準備された投票結果が出ていると指摘している。

     

    (2)「今回はソウルの49選挙区で全て民主党の事前投票での得票率が、投票日当日の得票率を12ポイント上回った。選挙区別の標準偏差も2.4%で、ほぼ同じパターンを示した」。さらに細かく、ソウルに424ある洞の単位でも1カ所の例外もなく、民主党の事前投票での得票率が当日の得票率を上回った。洞ごとに(支持に)特色があるにもかかわらず、一律的な結果が出た。統計的には到底発生しないことだ選挙当日の投票では民主党45.6%、統合党46.0%だった。当日の結果に従えば、民主党が123議席、統合党が124議席、無所属が5議席、正義党が1議席を得る。そんな『民心』が事前投票箱を開くと、民主党163議席、統合党84議席に変わった。事前投票で現政権を支持する民心が黒雲のように覆ったと仮定しよう。それならば、45日後の選挙当日の投票ではなぜ突然民心が変わったのか。説明がつかない」

     

    選挙当日の投票結果と事前投票結果が、余りにもかけ離れている。これは、統計的にあり得ない現象であると、指摘している。選挙当日の投票では与党の民主党45.6%、野党の統合党46.0%だった。要するに、互角の支持率であった。それが、事前投票では、与党が野党を大きく引き離している。僅かな期間の差では、そのようなことが起こり得ないのだ。結果として、与党の大勝という選挙当日とは予想外のことが起った。

     


    (3)「今回事前投票した人の内訳は60代以上が30.8%で最多。次に50代が21.9%だった。50代以上を合計すれば52.7%となり、若い層よりも事前投票した人が多かった。50代以上の全般的な支持傾向が変わったとは言えないのではないか。50代以上の層で政府・与党を支持する人ばかりが事前投票したとは言えない。むしろ自分の周囲では文在寅政権に審判を下す意思を示すため、事前投票を行ったとする人が多かった。事前投票から45日後に支持傾向がなぜこのように変わったのか説明できない

     

    事前投票では、50代以上の人たちが多く投票している。失業問題など経済的な危機に直面していた人たちが、文政権批判票が多かったと見られる。それが開票したら、文政権支持票に化けてしまったという疑惑である。それは、総選挙当日の結果とかけ離れているからだ。

     

    (4)「2016年総選挙で民主党の事前得票における得票率は高かったが、低かった選挙区も随分あった。反対に統合党(当時のセヌリ党)候補が事前投票でリードした選挙区もあった。当時両党の事前得票での得票率差は5ポイントだった。しかし、今回は約22ポイントの差がついた。統計的にはこうなるはずはない有権者全体を母集団としたとき、事前投票グループと当日投票グループは無作為に分かれるものだ。ところが、民主党の事前投票での得票率は当日投票よりも平均で10.7ポイント高かった。一方、統合党は当日投票よりも11.1ポイント低かった。重ねて言うが、45日間の間隔で投票傾向が10ポイント以上異なるはずはない

     

    2016年の総選挙では、事前投票で進歩派と保守派がバラバラの結果になった。今回の事前投票では、バラバラの結果でなく事前に準備されたような「与党大勝利」になっている。これは、統計学的にあり得ないことである、と指摘する。投票箱のすり替えなしには、起こり得ない現象というのである。

     

    (5)「17選挙区で63対36という数字出ることは統計学的にはほぼ不可能だ。さらにソウル・仁川・京畿という広域自治体で全て63対36になる確率は非常に低い。17選挙区で63対36という数字出ることは統計学的にはほぼ不可能だ。さらにソウル・仁川・京畿という広域自治体で全て63対36になる確率は非常に低い」

     

    17選挙区で一律に、63対36という数字出ることは、統計学的にはほぼ不可能だという。誰かが、投票箱を入れ換えた結果と指摘する。これが、仕組まれたことであれば、大疑獄に発展する。韓国選挙管理委員会は、自ら調査してこの疑問に答えなければならない。

     

     

     

     

     

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    韓国は、新型コロナウイルス感染者数の激減で胸を張っている。海外から、そのノウハウを問い合わせるケースが増えているからだ。一時は、中国に次いで世界2番目の感染者数であった。それが、見る見るうちに激減させた。「3分診療」という神風治療が成果を上げた、と韓国医療陣は成果の内幕を語る。少ない医療費予算で最大限の効果を出す。そのために編み出された治療法という。野戦病院のような話である。これでは、高度の治療を必要とする難病への備えはお留守にされるだろう。コロナ禍は毎年、起こるのではない。

     

    事情を知らない海外では、韓国を高く評価しているという。「コリア(K)プレミアム」が発生しているという。ケチをつける訳でないが、その裏で、韓国経済を取り巻く事情は、確実に悪化している。文政権の登場によって、家計・企業・政府の総債務残高が昨年、240%へ接近しているのだ。米、欧、中国に次ぐ「高債務国」に落込んでいる。

     

    『韓国経済新聞』(5月5日付)は、「『Kプレミアム』時代、メイド・イン・コリアの待遇が変わった」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「新型コロナウイルスを契機に韓国の国格と世界での位置づけが見違えるように高まっている。「コリア・ディスカウント時代は過ぎコリア・プレミアム時代が来た」という自負心が全方向に拡散している。韓国で地域感染が爆発的に増えた2月には想像できなかった大転換だ。米国や欧州などほとんどの先進国市民が「韓国の再発見」を話している。韓米経済学会長を務めた米アラバマ大学経済学科のイ・ジュンス教授は「従来の携帯電話と半導体をうまく製造する国から、防疫と医療体系、IT、バイオなどさまざまな分野で能力と底力を備えた国と認識され始めた」と話した」

     

    米欧では、「韓国の再発見」と言うほど見直され、高い評価を受けているという。「防疫と医療体系、IT、バイオなどさまざまな分野で能力と底力を備えた国と認識され始めた」というのだ。ただ、コロナ二波、三波を克服してこそ「勝者」の証となる。油断しないことだ。

    (2)「韓国は世界史的に危機を機会に変えた数少ない国に挙げられる。新型コロナウイルス問題もやはり同じ経路を経て、また新たな跳躍を可能にする発火点になるという期待が出ている。買い占めがない国、医療陣の犠牲と献身、世界最高の診断技術とシステム、市民の強力なソーシャルディスタンスと成熟した意識、防疫当局の透明で体系的な対応。これらすべてが韓国の魅力を引き上げていると分析される」

     

    大変な自画自賛ぶりだが、国力は総合判断である。「一種目」で好成績を出しても、総合優勝は覚束ない。自重が必要である。



    (3)「ロックダウン政策で市民の自由を制限しなかった点も高い評価を受けている。中国は武漢を長期封鎖したが、韓国は大邱(テグ)の出入りを遮断しなかった。各国の指導者、メディア、研究所などはすでに韓国をロールモデルとしている。フィンランドのニーニスト大統領は先月22日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談で、「新型コロナウイルス問題で『ソリューション』を提供した韓国は他の分野でも世界と戦略を共有できる有利な位置を先取りした」と評価した。外信は韓国で流行した「ダルゴナコーヒー」など韓国人の生活文化と食べ物まで報道している。過去の躍動的ストーリーにも再度スポットが当てられている。強大国の植民統治を体験した国の中で唯一産業化と民主化を成し遂げた国、K-POPをはじめドラマや映画がすべて世界的水準に上がっている文化的成就が改めて際立って見えているのだ」

    「強大国の植民統治」とは、日韓併合を指している。日韓併合による近代化が、現在の韓国の基礎をつくったことを忘れている。欧米流の近代教育は、日本の手によって行なわれたのだ。京城帝国大学を初めとする教育制度。朝鮮半島に張り巡らして鉄道網。近代官僚制の普及。日韓併合がなかったならば、現在の韓国はなかったのだ。その日韓併合を正しく評価しない文政権の登場が、韓国経済の内部腐食を早めている。新たな経済危機が迫ってきた。

     

    『韓国経済新聞』(5月5日付)は、「いつのまにか4540兆ウォン、韓国の政府・家計・企業『負債急増』」と題する記事を掲載した。

     

    (4)「韓国は政府の財政健全性が世界的に良好な水準と評価されている。昨年末基準の韓国の国家債務は国内総生産(GDP)比40%を下回る。しかしこれは「半分の真実」というのが経済専門家の診断だ。政府の負債は比較的良好な状態だとしても、家計と企業の負債まで考慮した総負債をみると、すでに「警告灯」がついた状態という指摘だ。特に新型コロナウイルス事態の中で家計と企業の活動が顕著に萎縮し、家計と企業の負債の相当部分が政府の負債に転移するかもしれないという点で、総負債管理の側面で接近すべきという分析が説得力を持つ」

    韓国の政府債務残高は、対GDP比40%を下回るが、企業と家計の民間債務が激増している。経済政策の失敗がもたらした跛行的現象である。

     

    (5)「国際決済銀行(BIS)が最近出した2019年末基準の国別負債資料でもこうした点が明確に表れる。昨年末基準で政府、家計、企業の3大部門を合わせた韓国の総負債(金融機関除く)は4540兆ウォン(約400兆円)にのぼる。部門別の負債規模をみると、非営利機関を含む政府が759兆ウォン、家計が1827兆ウォン、企業が1954兆ウォン。韓国の総負債は昨年の韓国のGDPの237%というのがBISの分析だGDP比の総負債比率は調査対象43カ国のうち22番目に高かった。総負債が多い米国(254%)、欧州平均(262%)、中国(259%)よりやや低い水準だ」

     

    BIS(国際決済銀行)によれば、韓国の総負債の対GDP比は、2018年の224%から19年には同237%にも達した。実に1年間で13%ポイントもの増加である。シンガポール、チリ、香港に次いで世界で4番目に速い増加幅である。中国(9%ポイント)、米国・日本(5%ポイント)英国(1%ポイント)など主要国と比較してはるかに大きいのだ。債務の増加幅が大きいことは、警戒信号となっている。国際金融界における韓国の信用度は落ちているのだ。

     

    これは、韓国が通貨危機に陥るリスクの大きいことを示している。「Kプレミアム」どころか、「Kディスカウント」の危機が迫っていることを暗示している。コロナ患者の急減速は、「3分診療」という歓迎すべきでない医療体制から生まれたもの。有頂天になっていると、通貨危機の到来を招くであろう。


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