勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2020年06月

    a0960_008567_m
       

    韓国は、日本を思い通りに動かせるものと錯覚している。歴史問題を持ち出せば、日本が有無を言うことなく、韓国提案に賛成すると思っていたのであろう。日本が、米トランプ氏の「G7拡大案」に不賛成であることを表明したので、改めて日本との関係改善なくして、国際社会で地位を向上させることは不可能と思い知ったようだ。

     

    韓国は、WTO(世界貿易機関)事務局長に立候補の意思を示している。この候補者は、日本の半導体主要3素材輸出手続き規制強化の際、先頭に立って口汚く日本を罵った女性である。日本人が、余り好感を持てないようなタイプの人物だけに、賛成するとは思えない。韓国は、早くもこういう予感を持ち始めている。やはり、隣国との関係は大事である。韓国はそれを切実に思っているようである。

     

    『聯合ニュース』(6月29日付)は、「G7拡大にWTO事務局長選、日本が国際社会で韓国の足かせとなるか」と題する記事を掲載した。

     

    韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた強制徴用判決や、日本の対韓輸出規制など、これまで2国間で生じていたあつれきが国際社会に舞台を拡大している。

     

    (1)「菅義偉官房長官は29日午前の定例会見で、先進7カ国首脳会議(G7サミット)拡大構想を巡り、G7の枠組みを維持することが大変重要だとする立場を明らかにした。韓国を名指しすることはなかったものの、トランプ大統領がG7に韓国、オーストラリア、インド、ロシアなどを含める構想を明らかにした状況で「枠組みの維持」を強調したのは、韓国の参加に反対したものと受け止められる」

     

    韓国は、米国のG7拡大案を「決定事項」と誤解している。7ヶ国の合意が前提である。他国も拡大案を否定している。日本だけを恨むことはないのだ。

     


    (2)「韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長が立候補した世界貿易機関(WTO)の事務局長選挙でも、日本は協力しないとみられる。兪氏は日本の対韓輸出規制に対する韓国政府のWTO提訴を担当してきた人物であり、兪氏のWTO事務局長就任は日本政府としては負担になる。日本政府は兪氏の立候補について、公式的に反対の立場を明らかにしてはいないものの、韓国外交部は対応策を模索している」

     

    日韓は、貿易問題でWTOを舞台に最も争ってきた関係である。韓国が、そのWTO事務局長立候補は、日本が不利な立場になることを意味している。日本とすれば、他国の候補者を選びたいと思うのは当然であろう。仮に、日本が立候補したとすれば、韓国も忌避するであろう。常識で判断すればそうなるはずだ。

     

    (3)「WTO事務局長選は支持が最も低い候補が脱落する過程を繰り返し、最終的に1人の候補者を全会一致で選任する方式のため、日本が反対して否定的な流れを作れば悪影響を及ぼす可能性がある。外交消息筋は、「WTO事務局長の選出にはすべての加盟国の同意が必要なため、日本の反対が強ければ、合意に至る過程で障害になる可能性もある」と述べた」

     

    日本が、韓国の立候補者に対して積極的な反対論を言わなくても、他の候補者を選べば済むことだ。韓国は、国連事務局長も出した国であるから満足すべきだ。さらに、他の官職も欲しいとなれば、日本への対応を変えることだろう。隣近所も、普段の付き合いが大事なのだ。

     

    (4)「G7の拡大にも日本を含むすべての加盟国の同意が必要だ。外交部当局者は「G7の構造改革問題は現在の加盟国の合意が必要で現在、米国政府内で検討が進行中と承知している」と説明した。韓国の青瓦台(大統領府)と政府は、日本のけん制をある程度予想していたものの、不快感をあらわにしている。G7拡大構想を巡り、日本が韓国の参加反対を米国に伝えたと報じられたことについて、青瓦台関係者は29日、聯合ニュースの取材に対し、「隣国に害を与えることに慣れた日本の一貫して反省しない態度にはもう驚きもしない」とし、「恥知らず」と強く批判した」

     

    下線を引いた部分の発言を聞けば、日本は意地になっても反対しようと思うはずだ。「感情国家」韓国高官らしい発言で苦笑せざるを得ない。日韓併合は75年も昔のこと。それをあたかも、数年前のように大仰に言っている。日韓基本条約で、すべて清算済みである。

     

    (5)「両国はこれまでも歴史問題などにより、国際社会で互いをけん制してきた。2006年の国連事務総長選では当時、外交通商部長官だった潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が出馬したが、日本は4回目の模擬投票で安全保障理事会の理事国15カ国のうち、唯一、棄権した。韓国も日本が安保理常任理事国入りを目指し推進する常任理事国の拡大に反対してきた。金在信(キム・ジェシン)国立外交院日本研究センター顧問は、「今の韓日関係では、日本はG7拡大やWTOでの韓国の地位向上を望まないと思う」とし、「政府は米国など関連国を対象に友好的な国際世論作りに努力を傾ける必要がある」と指摘した」

     

    韓国は中国と一緒になって、日本の国連常任理事国昇格に反対した国である。日本が、どんな思いで韓国を見ているか、その気持ちを忘れては困るのだ。隣国としての儀礼に反したことをやった以上、日本が賛成しないのは致し方あるまい。外交関係も、「目には目を歯には歯を」が原則であろう。

     

     

     

     

    a1320_000159_m
       

    中国が、世界で最も貿易のしにくい国と悪評が立っている。相手国と妥協せずに、気に入らないとなれば制裁を加える国になったからだ。理由は、自国の経済的な行き詰まりを隠すためのカムフラージュと見破られている。

     

    『ロイター』(6月29日付)は、「中国、世界で最も『扱いにくい貿易相手国』に」と題する記コラムを掲載した。

     

    中国は近く、米国を抜いて世界で最も「扱いにくい貿易相手国」となるかもしれない。中国はインドや日本とも対立。問題を抱える2国間関係は増える一方だ。

     

    (1)「中国政府は、貿易相手国が一致団結して反撃してくることはないと考えているかもしれないが、それは危険な想定と言える。習近平国家主席は国内で権力基盤を固めており、今年、対外強硬姿勢を一段と強めている。新型コロナウイルスが流行する中、南シナ海で軍事力を増強。6月にはインドとの係争地域で死者の出る衝突が起きた。中国国営メディアは勝ち誇ったように傷口に塩を擦り込むような報道をしている」

     

    中国が、周辺国と争いの種を増やしているのは、国内向けにあえて「強い中国」を演出する目的もあろう。本気で、衝突しようと考えているとすれば、正気の沙汰ではない。インドと国境紛争を起こして、インド側に20名の死者を出させる惨事となった。中国側の犠牲者数は未発表である。中国国営メディアが、勝ち誇ったように傷口に塩を擦り込むような報道をしているとすれば、インドの強い怒りを買い、経済面で大きな報復を受けるはずだ。

     

    具体的には、次世代通信網「5G」で中国ファーウェイ製品の採用見送りである。これは、将来の「5G」の世界普及において、西側メーカーの後塵を仰ぐ要因になるはずだ。世界覇権を夢見る中国の前に、インドが怒りで立ちふさがるであろう。それすら見通せない習近平氏とすれば、国家主席の資格はなさそうだ。

     

    (2)「米国、カナダ、豪州との関係は最悪。アフリカ諸国も中国国内で自国民が差別されていると神経をとがらせている。欧州連合(EU)は強硬姿勢で中国との投資協定交渉に臨んでいる。日中関係も一時は改善したが、再び冷却化に向かっている。中国は、経済面では「あめ」が少なく「むち」が多い貿易相手国といえる。中国の国内消費はまだ貿易相手国を大きく助けるほど回復していない。輸入は昨年12月以降、減少が続いており、5月は17%減少した。これを受け、同月の対米貿易黒字は280億ドルに拡大している」

     

    米国は、中国の「立ち枯れ」を確実に予測している。中国の人口動態が、一人っ子政策による極端な「少子高齢化」が進行するからだ。これまでは、「一人っ子政策」による「人口ボーナス期」で、実力以上の経済成長を実現した。2010年をピークにして、この状態が逆転した。「人口オーナス期」入りによって、経済減速が予想以上のスピードで進むのである。

     

    米国は、この状態を完全に読み切っている。超高齢社会への突入で潜在成長力が低下するので、中国による技術窃取さえ防げれば、中国経済の「自然衰退」を眺めるだけ、という冷めた見方だ。この米国の「冷笑」が分からないのか、あちこちで威張り散らして歩いている姿は、哀れに映るであろう。

     

    (3)「中国と対立する経済大国も連携が取れていない。米国とEUが反中統一戦線を組むとの観測も出ているが、通商問題を巡る中国やロシアへの対応で米国とドイツの意見はかみ合っていない。ただ、二国間の報復措置は徐々に増えている。米国は香港への統制を強める中国に対し、本格的な制裁を検討。アジア太平洋地域に中距離ミサイルを配備する計画も浮上している。インド政府は中国からの投資を制限。日本政府も中国から国内に回帰する日本企業を支援している。中国が実現を望んでいる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などの貿易協定も、一連の対立で交渉に遅れが出るかもしれない」

     

    米国が、アジア太平洋地域に中距離ミサイルを配備する計画を明確にしている。中国は、これまで米国が中距離ミサイルを持たない前提で、アジアの軍事覇権確立を狙ってきた。だが、この想定は崩れた。米国の中距離ミサイルは、南シナ海と東シナ海の防衛を容易にするので、中国軍の身勝手な振る舞いが不可能になる。

     

    南シナ海の島嶼不法占領は、ベトナム・フィリピン・インドネシアなどとの関係を悪化させている。なぜ、中国が突如として海洋進出を始めたのか。領土拡張以外に目的はない。帝国主義国家として振る舞う意図を明確にしたからだ。共産主義という装いをした帝国主義国家の登場である。過去の歴史に登場し没してきた国々の再現である。決して物珍しいケースではない。

     

    (4)「中国の対外強硬姿勢には、国民の不満をそらす狙いもあるだろう。だが、特に新型コロナウイルスの感染第2波が起き、深刻な状況に見舞われた場合、海外との対立に加え、国内経済に予想以上の問題が生じるリスクがある。中国の強硬姿勢が行き過ぎだったことが近いうちに判明するかもしれない」

     

    中国は、コロナ・ワクチン開発で米国へハッカー攻撃を掛けていた。技術情報窃取目的である。どうやら技術窃取に失敗したようである。中国のカンシノ・バイオロジクス(康希諾生物)は6月29日、人民解放軍の軍事科学院と共同開発している新型コロナウイルスのワクチンを同軍に限定して使用する承認を得たと発表した。これは、最終臨床試験である。カンシノによると、このワクチンは第1相、第2相の治験で新型コロナ感染症を予防する可能性が示されたが、実用化のめどは立っていないという。以上は、『ロイター』(6月29日付)が報じた。

     

    米国が、7~9月にコロナ・ワクチン接種を始める段階へこぎ着けた点から見れば、中国の出遅れ感は否めない。世界をパンデミックに巻き込んだ中国が、世界の孤児になる可能性が強まっている。

    a0001_002230_m
       

    中国の習近平氏は、何を考えているのだろうか。気に入らないことがあれば、すぐに経済制裁で鬱憤晴らしをしているからだ。その典型例が、豪州虐めである。

     

    豪州は4月、新型コロナウイルスの発生源調査を世界に呼び掛けた。すると、中国は猛反発。豪産農産物輸入で「制裁措置」に踏み切り、豪州行きを避けるよう国民に求めた。こうした揺さぶりに豪州は不快感を示し、コロナ後の国際情勢をにらみ日本やインドなど「価値観を共有する国」との連携を強めている。『時事通信』(6月14日付)は、こう報じた。

     

    中国は、同様の手口で韓国虐めをやって、韓国から譲歩を引き出した。韓国の安全保障の重要部分を中国に相談するという「腑抜け」な振る舞いをしたのだ。これに味をしめた中国は、豪州にも同じ手を使っている。

     

    韓国は、不甲斐なく中国の軍門に下った。だが、民主主義で筋金入りの豪州は、韓国の二の舞いにならず、昂然と中国へ対抗姿勢を見せている。それは、日本、米国、印度という民主主義国と胸襟を開いた関係を構築しているからだ。

     


    『日本経済新聞 電子版』(6月29日付)は、「豪、中国との対立鮮明に、サイバー攻撃巡りけん制」と題する記事を掲載した。

     

    オーストラリアが中国との対立構図を鮮明にしている。新型コロナウイルス発生源の独立調査を要求。反発した中国が農産品の輸入規制に踏み切ると、新たに公的機関が受けたサイバー攻撃で、中国側の関与を事実上示唆してけん制するなど、収束はみえない。

     

    (1)「政府や公的機関が数カ月前からサイバー攻撃を受けている――。6月中旬、モリソン豪首相は唐突にこんな発表をした。特定国の名指しは避けたが、豪公共放送ABCは政府関係者の話として、中国情報機関の関与が疑われると報じた。中国との緊張が高まる中でのあえての公表は、中国へのけん制との見方が強い」

     

    中国のサイバー攻撃は、お家芸である。スパイで成り立っているようなお国柄だ。自国の研究成果の足らざる部分をサイバー攻撃で技術窃取して補っている。言葉は悪いが、「山賊国家」である。

     

    (2)「両国関係の緊張が急激に高まったのは4月下旬だ。モリソン氏が中国と対立する米国に合わせるように、新型コロナの発生源に関する独立した調査を訴えたことだ。すぐに中国は反発。5月に一部の豪産食肉の輸入を停止し、大麦にも80%超の追加関税を課した」

     

    経済制裁による口封じである。

     

    (3)「6月には豪州で中国人への差別的な動きがあるとし、自国民に旅行や留学の中止を勧告するなど「報復」ともとれる動きに踏み切った。中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は、新型コロナを巡り国際世論が厳しくなる事態を警戒し、豪州への姿勢を強めたとみられる」

     

    中国外交特有の「連衡」政策である。豪中の一対一の関係で、豪州を潰してしまう戦略である。だが、どっこい豪州は、「日米印三ヶ国」との同盟意識が強くなっている。前記三ヶ国の強い引力で、中国の圧力をはね返す姿勢である。「一帯一路」関係国の弱腰とは、本質的に違うのだ。中国は、ここら辺りを相当に誤解している。

     


    (4)「次々と圧力をかける中国に豪州も黙ってはいない。「豪州は常に国益に沿って行動し、いかなる脅しにも屈しない」。11日出演したラジオで、中国との関係を問われモリソン氏はこう述べた。16日にはペイン外相が講演で「人種差別を理由とした豪州への旅行や留学に再考を促す警告は、偽情報として拒絶する」と中国に反論した。そこに新たにでてきたのがサイバー攻撃だ。モリソン氏はいまだ会見で中国を名指ししていないが、オーストラリア国立大学のローリー・メドカフ教授(安全保障)は「(必要なら名指しで非難できるという)威嚇射撃」だと分析している。

     

    中国は、民主主義国と発展途上国を同一視している。発展途上国であれば、中国の一喝は効くだろうが、民主主義国から見た中国は「田舎者」である。むしろ、闘志を燃やしてやり返す気力を持っている。民主主義を甘く見てはいけないのだ。

     

    (5)「両国関係の改善の兆しが見えない中で、豪州の経済的な影響は深刻だ。2019年6月までの1年間で、豪州の中国向け輸出は1530億豪ドル(約11兆円)と全体の3割超を占めている。コロナ後を見据えた成長戦略を描く際、豪州にとって中国は不可欠な存在だ」

     

    豪州にとって中国は、輸出全体の3割超を占めている。それでも、中国の不法な圧迫に屈せずに抵抗している。韓国が、見習うべき相手である。

     

     

    a0960_006628_m
       

    中国共産党機関紙『人民日報』の電子版である『人民網』が、中国南部の大洪水被害を報じた。南部地域で1200万人が被害を被っているという。6月28日、中央気象台は4段階のうち2番目に深刻なレベルの暴雨黄色警報の発令を継続している。

     

    中国気象局の専門家は、6月末に大雨が降った後、72日から、江漢、黄淮、江淮、江南などの地域で、再び豪雨になると予測されている。大雨や豪雨が重なり、総降水量は例年の平均値の1~2倍になると予測されている。以上は、『人民網』(6月29日付)が報じた。

     

    『大紀元』(6月29日付)は、「三峡ダム下流、宜昌市で水害多発、放水が原因か」と題する記事を掲載した。

     

    長江の三峡ダムの下流から40キロ以上離れた湖北省宜昌市では、6月27日に集中豪雨と洪水に見舞われた。建物は浸水被害が出ており、現地当局は暴風雨警報を発令した。今回の洪水の原因は、複数のダムの放水ではないかとの憶測が出ている。

     

    (1)「湖北省気象局によると、27日午前9時に宜昌市で大雨が降り、午前11時までに西嶺区と長陽東部で60mm以上の雨が降った。市内の一部では洪水が確認され、主要な交通道路は遮断された。午前中の3時間の総降雨量は129.mmに達し、吉昌市でも74.mmの降雨量に達した。午後0時40分、宜昌市は大雨の赤色警報を発令し、武家港区では90mm以上の降水量を記録している」

     

    雨量から見れば、日本の集中豪雨ほどではないが、長期間にわたる大雨だけに洪水被害が出ている。

     

    (2)「ネットユーザーは相次ぎその洪水の模様を撮影した動画をアップロードした。道路は浸水し、洪水の流れが速い地域もある。乗用車が水の流れに押し流されている様子も映っている。宜昌市では27日午後から夜にかけて大雨と集中豪雨に見舞われた。 宜昌市文化観光局は、水に関連した全ての観光スポットを閉鎖する緊急通知を出した。また、湖北省では南西風と強い季節風の影響で、低気圧が発生した。今後、低気圧は湖北省、河南省、安徽省、江蘇省を通過し、風雨による影響をもたらすとみられる」

     

    洪水の動画では、乗用車が次々と流されていく姿が生々しく伝えられている。

     


    (3)「気象当局によると、6月27~28日までに重慶、上海、湖南、貴州、湖北、河南、安徽、江蘇など8つの省・市では、非常に激しい雨が降った。河南、湖北、安徽の地方をはじめ、一部の地域で大雨から集中豪雨になった。6月下旬に入ってから、大雨の影響を受けて金沙川の中流域の36の河川が氾濫した。 また、三峡ダム上流の重慶でも洪水が発生し、綦江上流本流と四川大渡河の支流である小金川で歴史的な洪水が起きた。 重慶市総合水文監視所が80年ぶりに赤色洪水警報(特別警報に相当)を発令した。一部のネットユーザーは、宜昌市の洪水は放水が原因と考えている」

     

    三峡ダムから約40キロメート下流の宜昌市が、大雨と三峡ダムの「放水」で水害事故に遭遇している。

     

    (4)「中国官製メディア・新華社通信は24日、洪水の影響を抑えるために長江本流の4つの落水式発電所を全稼働させると報じた。翌日の25日、香港の東方日報は、三峡ダムもまた「放水」を行っていると報じた。最も激しい雨に見舞われ続けている長江上流の三峡ダム周辺地域にある貯水池は、警戒レベルを超えている。揚子江中下流域の貯水池1000カ所近くが、氾濫の恐れがある。上流域の三峡、葛子場、錫露頭、翔家場の水力発電所は洪水を遅らせるために全稼働している

     

    水力発電所は、洪水を遅らせるために全稼働している。水が下流へ「放水」されている。

    a0001_000268_m
       

    韓国は今秋、米国で開かれる「G7」にトランプ米大統領から招待された。その際、G7を拡大して、「G11」にしたいというトランプ発言に対し、日本が反対したと激怒している。韓国メディアは、「狭量」とか「だから太平洋戦争を始めたのだ」と罵詈雑言を浴びせているのだ。

     

    「G7拡大案」は、米国だけの意思では決められないシステムである。7ヶ国全体の意思が固まらなければ、メンバー国を増やすことも減らすことも出来ない仕組みになっている。韓国は、先ずこの事実を知るべきである。欧州もメンバー国の増加に反対姿勢を示した。すでに「G20」があるからだ。その上、「G11」に拡大意味がないとしている。

     

    『朝鮮日報』(6月29日付)は、「日本は『韓国G7参加』に反対ではなく歓迎すべきだ」とする社説を掲載した。

     

    (1)「先進7カ国首脳会議(G7サミット)を拡大して韓国を参加させるというトランプ米大統領の構想に、日本が反対する考えを伝えたという。米国は「トランプ大統領が最終判断する」と答えたとのことだ。G7とは米国・ドイツ・英国・フランス・カナダ・イタリア・日本の7カ国のことだ。トランプ大統領はこれに韓国・オーストラリア・インド・ロシア・ブラジルを含めてG11あるいはG12体制に拡大したいとして韓国を招待する考えを明らかにし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「招待に喜んで応じる」と言った。ところが、日本は「G74」会議に韓国が参加することを反対し、妨害に出たのだ」

     

    韓国は、身勝手な主張をしている。トランプ氏が「G7」拡大案を提示したからと言って、自動的に決まるシステムでないことだ。メンバー国の同意が必要である。欧州各国は、はっきりと反対の意向を示した。

     

    韓国は、自らを自由主義国と考えているが、外交姿勢でも日和見である。断固として民主主義を守る姿勢に欠けている。中国や北朝鮮への「容共的姿勢」は、G7各国と異なっているのだ。こういう異端児が、G7に加わったらどうなるか。結束を乱す原因となるだけである。自由に発言したければ、国連の場で行なえば良いのである。

     


    (2)「日本はG7の既存メンバーとして、新メンバー加入に反対する権利を持っている。しかし、反対する理由からして納得できない。日本は「(韓国は)中国や北朝鮮への外交姿勢がG7と異なると懸念」している、として韓国の参加に反対したという。文在寅政権が南北和解を優先し、中国寄りの傾向を見せているため反対するということだ。今、世界はこれまで以上に主要国のリーダーたちが話し合っていかなければならない時期にある。自由主義的国際秩序と相互協力が話し合われるG11体制は、ただ反中国だけのためのものではない。今の韓国政府の北朝鮮に対する姿勢が懸念すべきものであることは事実だが、現政権の任期はいくらも残ってない。韓国と政権は区別すべきだ」

     

    文政権の任期は、2022年5月までである。韓国と文政権を分けて考えろと主張している。過去の日韓問題の紛争から見て、韓国は国際法を誠実に守る姿勢の乏しい国であることを示している。韓国大法院(最高裁)が、日韓基本条約を一部破棄する判決(旧徴用工賠償問題)を下す国は、国際法=民主主義の原則を遵守する政治意識の欠如を意味しているのだ。

     

    こういう法意識の欠けた韓国が、「G7」に加わることは、他国と意見の不一致をもたらし、結束した行動にブレーキとなるのは確実である。しかも、恒常的に日本と対立する韓国が、G7に参加したいと言うのは、対立の原因をG7に持込むだけとなろう。

     


    (3)「日本が韓国のG7参加に反対する本当の理由は、アジアで唯一のG7加盟国という地位を維持したいとの思いからだという。これは「韓国を正式メンバーではなく、一時的な招待の形で参加させることには反対しない」という日本政府の見解からも分かる。日本は長い間、アジア唯一の先進国という自負心を持ってきただけに、韓国が先進国クラブの正式メンバーになって肩を並べることをよしとしないのだ。稚拙で心の狭い考えだ。そうした考えでいたために太平洋戦争の悲劇が起こった。日本政府は名分のない韓国のG11参加反対見解を引っ込め、逆に歓迎して世界の舞台でアジアの発言権を高める機会にすべきだ

     

    韓国はかつて、日本・ドイツ・ブラジルを国連常任理事国に昇格させるという米国案に、中国と一緒に反対した事実がある。この過去を思い起こすべきだ。韓国は、明らかに中国と行動をともにする外交パターンである。下線のような主張をするならば、なぜ日本の国連常任理事国昇格に反対したのか。中国は、常任理事国としての既得権益を守るために反対し、韓国を反対運動に引入れたのである。韓国こそ、自主性がない国である。日本がG7拡大に賛成しない理由であろう。

    このページのトップヘ