勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2020年11月

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    韓国は、米国からインド太平洋構想に参加するよう求められている。だが、康外交部長官や大統領府の文特別補佐官は、「クアッド」(日米豪印4ヶ国)への参加が、中国を敵視することになると発言。これに対して、米国から強い抗議が出されている。

     

    『朝鮮日報』(11月4日付)は、「『クアッド参加反対』文正仁発言に米専門家『同盟の評価を切り下げるな』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官は先日「韓国が米国による反中軍事訓練に参加すれば、中国は韓国を敵と見なすだろう」と発言したが、これを巡って米国国内で波紋が広がっている。米国ではこの発言について「中国をけん制する安保協議体『クアッド』拡大構想に堂々と反対した」と受け取られており、さらに「同盟の評価を切り下げている」といった批判の声も出ている。

     

    (1)「米ランド研究所上級防衛アナリストのブルース・ベネット氏は3日、米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)とのインタビューで「文正仁氏をはじめとする韓国の安全保障専門家の多くは、韓米同盟が『相互防衛条約』によって構築された事実を忘れている」「両国による条約の名称に『相互』という言葉が入っているのは、双方が互いに助け合うことで合意したという意味だ」と指摘した」

     

    韓国は、米韓同盟が「相互防衛条約」であることを忘れている。米国が戦えば、韓国も共に戦うという取り決めである。韓国が、ベトナム戦争に参加したのはこういう理由であろう。米国が、中国を仮想敵として「クアッド」を結成したことは、韓国もこれに加わるのが当然の行為なのだ。韓国は、中国だけは「敵でない」と言っているのと同じである。朝鮮戦争を忘れた「戯れ言」である。

     

    (2)「ベネット氏はさらに「米国は韓国に対してここ70年間、かなりの軍事支援を行ってきた。その米国が今、中国を『米国に対して積極的に冷戦を仕掛ける国』と見なしている」「韓国が米国に負っている多くの負債を返すべき時というのが米国の見方だ」とも述べた」

     

    米国は、これまで韓国に対して行なってきた支援を、韓国の「クワッド」参加でお返しする必要があるとまで言ってきた。朝鮮戦争で流した米兵の血の代償を求めているのである。

     

    (3)「パシフィック・フォーラムCSIS(戦略国際問題研究所)のラルフ・コッサ名誉会長は、「現在、クアッドはいかなる種類の同盟でもなく、自由で開かれたインド・太平洋を促進する民主主義諸国の集まりだ」「文教授はこの原則に反対しているのか、あるいは米国政府が支持することに対して無条件反対するのか気になるところだ」と話した。米ヘリテージ財団のブルース・クリンナー上級研究員は、「韓国が(クアッドに)参加すれば、新冷戦時代の最前線に立つかもしれない」とする文氏の発言を引き合いに出し「実際は韓国が1950年に北朝鮮に侵攻されて以来、冷戦の最前線に立ってきたということだ」と皮肉った」

     

    米国は、民主主義の価値を守るという大義で中国と対決する姿勢を強めている。「クアッド」もその一環である。韓国が民主主義を守るという意識であれば、これに参加することになぜ躊躇するのか。それは、文政権特有の「親中朝・反日米」路線に縛られている結果と見なされるのだ。すでに文政権は、韓国の民主主義を弾圧する傾向を強めている。中朝への親近感は、それを表わしている。

     


    (4)「このような中で米国、インド、日本、オーストラリアからなるクアッド4カ国は、この日からインド洋東北部のベンガル湾で定例の合同海上軍事訓練「マラバール」を実施すると発表した。米国は現在、複数の経路を通じて韓国にもクアッドに参加するよう説得しているが、韓国政府は判断を保留している」

     

    文政権は、韓国の民意から著しく逸脱している。国民世論の8割は米国支持である。中国支持は数%に過ぎない。中国接近は、圧倒的に少数派なのだ。文政権だけの思いで、中国へ接近しようとするのは国民意思を裏切ることである。

     

    韓国は、いずれ駐韓米軍の大幅削減によって目を覚まされるに違いない。ドイツのメルケル政権が、反米姿勢を強めた結果、在独駐留米軍の大幅削減を受けて目を覚ましたのと同じケースとなろう。現在のドイツは、急速に米国へ接近する姿勢を見せている。

     

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    世界人口の首位は、中国である。これが、2027年になればインドが取って代わると、見られている。人口面で、中国とインドは競り合う関係になった。これは同時に安全保障上、中国にとって隣国インドが最大のライバルとしてのしあがることを意味している。

     

    6月15日深夜、中国軍がヒマラヤ山中でインド軍を急襲して20名のインド兵を殺害した動機は、インド軍の士気を挫く狙いであった。この中国による荒業は、インドの激しい反発を呼び起こし、米国・日本・豪州との「4ヶ国連携」(クワッド)へと進ませている。中国は大きな失敗をしたのだ。以上のような伏線を頭に入れて、次の記事を読んでいただきたい。

     

    『レコードチャイナ』(11月3日付)は、「『米国企業1000社が中国からインドへ移転』はなぜ起こらなかったのか―中国メディア」と題する記事を掲載した。

     

    中国共産党機関紙、人民日報系の『環球時報』(電子版)は11月3日、「米国企業1000社が中国からインドへ移転はなぜ起こらなかったのか」とする記事を掲載し、香港英字メディアの『アジア・タイムズ・オンライン』の2日付報道を要約して、次のように伝えている。

     

    (1)「インドのメディアは今年4月と5月、「パンデミックの中、米国企業1000社が中国からインドへ移転する」と騒ぎ立てた。だがこれまでに実際にインドに移転した企業はごくわずかだ。アナリストは、工場をインドへ移転しない主な理由として、「インド国内に広く存在する特定の非経済的およびガバナンス関連の要因が含まれる」との見方を示している。まず、インドでビジネスを行うことは、中国よりも法的手続きが長いためはるかに面倒だ。世界銀行によると、インドで会社を登録するのに18日かかるのに対し、中国ではわずか9日だ」

     

    外資系企業が、中国へサプライチェーンを置いた理由は、生産コスト削減である。だが、今回のパンデミックによって生産が切断される事態を招いた。そこで浮上したのは、サプライチェーン集中のリスクである。こうして、「コスト削減」から「リスク増大」という認識が高まっている。この重大な変化を見落としてはならない。

     

    こうなると、次のような遅れは大した問題ではない。インドは、中国よりも法的手続きに長い期間を要することが、どれほど問題なのか。無視できるはずだ。

     

    (2)「次に、インドで生産に必要な土地や水、電気などの基本的な快適性を得ることは、他の目的地ほど容易ではない。例えば、電気が使えるようになるまでには8日から3週間かかる。また、インドの高速道路や鉄道網などのインフラは、中国に比べて脆弱(ぜいじゃく)で効率が悪い。港や空港も中国に比べて貨物の取り扱い効率が悪い。政治と政策の安定性もとても重要だ。インドの税制は変化し続けており、税率も中国よりもはるかに高い」

     

    インフラ投資の脆弱性は、当初の中国も同じだった。日本のODA(政府開発援助)で整備できたのだ。インドも現在、日本から最大のODA支援を受けている。インフラ投資は、整備されるはず。時間の問題である。

     

    問題は、賃金水準である。インド人口は今後も増え続けるので、賃金が高騰するリスクは少ない。安心して投資できる国である。中国は、すでにこの段階をとうの昔に過ぎてしまった。

     

    (3)「さらに、企業がインドに進出するよりもインドを退出する方が複雑だ。インドはこの状況を改善しようと試みているが、改革措置は不十分であり、プロセスは依然として煩雑だ。多くのビジネスアナリストは、米国企業がインドに来ない理由として、上記のような要因を挙げているが、それらは二次的な要因であり、主な決定要因はより経済的なものだ」

     

    中国は今も企業が退出する時、行政官庁へ根回しするなどの苦労をしている。インドも同じこと。

     

    (4)「まず、インドは通貨変動が比較的少ない新興市場経済の一つだ。ただしインドの通貨変動は中国よりもはるかに大きい。通貨の変動率の大きさはビジネスリスクを劇的に増加させる。対照的に、安定した通貨はリスクを軽減し、企業の投資、売上、利益、ブランド価値を高める」

     

    インドの為替相場は、先進国と同じ自由変動相場制である。中国の為替相場は、管理型変動相場制である。この硬直した為替制度は、IMF(国際通貨基金)から早急に自由変動相場制移行を求められている。中国が、決して自慢すべきことでない。

     

    ただ、中国は海外からのドル資金を導入すべく、為替相場を実勢相場に合せる動きを始めている。政府の介入度合いを減らしているのだ。こうなると、人民元相場も自由変動相場制へ移行せざるを得まい。その準備が始まったと見るべきだろう。

     

    (5)「2番目の要因は市場の需要だ。インドの13億人のうち8億人が貧困層、低所得層、または低中所得層だ。こうした人々は、米国企業の高価な商品やサービスの消費者ではない。人口が多いからという理由だけで外国企業が移転してくることはない。製品を消費するのに十分な購買力がなければならない。中国は生産国であり消費国でもある。そこには約8億人の中高所得層がいる」

     

    インドの人件費が魅力なのは、生産コストが安いことだ。これは、インドが輸出基地になる可能性を意味している。こういうプロセスを経て、所得水準が高まれば、インドの国内消費市場がハイレベルになる。

     

    中国は今後、生産国でなく、消費国として性格を変えるだろう。だが、この転換には時間を要する。20年以上はかかるはずだ。中国の対GDP比の個人消費は、たったの38%に過ぎない。これで、「消費国」とはおこがましい。日本は56%見当だ。中国は、ざっと日本から20年以上も遅れている。自慢するには及ばないのだ。

     

    (6)「最小のリスクは、最大の投資を引き付ける。中国を離れる企業が、経済的リスクが高いインドに移転することはない。したがって、米国企業が中国市場を離れてインドに来ると期待するのはばかげている」

     

    生産機能は、人件費の高い国から安い国へ移転するもの。水が、高い場所から低い場所へ流れるのと同じだ。この現実にあわせて、付加価値の高い産業を育成強化することが、国運を上昇気流に乗せる秘訣である。中国は、米国と長期対立時代に入った。これは、決してプラスにならないのだ。習氏が独裁体制を維持するにはプラスでも、中国の国運は下がる一方であろう。間違った選択をしたものである。

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    中国は、米国の技術封鎖を受けて2020年代のGDP成長率は3%台に低下すると予測されている。習近平氏は、中国の独自技術開発で「質の高い成長」を目指すとしている。だが、基礎技術の脆弱な中国が、どうやって高水準の応用研究を実現するのか、具体案は全く見えないのだ。

     

    半導体製造では、詐欺まがいの話が持ち上がっており、工場建設も頓挫するという悲劇が引き起されている。「儲かる」と聞いて集まってくる業者には、半導体の「ハ」の字も知らない素人まで混じっている。壮絶な「金儲け主義」のオンパレードである。独自技術開発は、「言うは易く行うは難し」の典型例が見られる。

     

    『ロイター』(11月3日付)は、「中国『技術的自立で成長鈍化』 今後10年で平均3%にーS&P分析」と題する記事を掲載した。

     

    格付け大手S&Pグローバルは10月2日発表したリポートで、中国が科学技術分野の自立と二酸化炭素の排出を実質ゼロにする「炭素中立」の実現を追求した場合、経済成長が今後10年間で平均3%に半減すると分析した。

     

    (1)「中国は10月29日、第19期中央委員会第5回総会(5中総会)のコミュニケで、2035年までに技術的自立の実現と核心的技術の重要な進展を達成する目標を提示した。リポートでは、この目標が、2060年までの炭素中立を目指すとした宣言とともに、来年3月に発表する2021~25年までの新5カ年計画の中心に据えられることが、確実視されていると指摘。その上で、「中国がこうした戦略を追求すれば、世界経済はいまから根本的な再編に迫られる」との見方を示した」

     

    中国が、技術的自立の実現と核心的な技術開発で2035年まで5%前後の成長を目指すと、胡鞍鋼・北京大教授が日経インタビュー記事で述べている。私は即座に、不可能とした。中国の製造業技術は、外資系企業からの強制公開に基づくものが多く、自主開発技術など数えるしかない。

     

    国際収支でのサービス収支(知的財産権等使用料収支尻)は、2019年で276億8400万ドルの赤字である。UNCTAD資料に基づき169ヶ国中168位である。つまり、ほぼどん尻である。技術的に自立などできるはずがない。夢のまた夢である。ちなみに、前記統計で1位は米国の746億6800万ドルの黒字。2位は日本の208億7800万ドルの黒字である。これでは、米日に全く歯が立たない状況である。

     

    (2)「中国自体も多様なサプライチェーン(部品供給網)から生まれる「ネットワーク効果」(規模の拡大に伴って価値が高まるとする考え方)の恩恵が得られなくなるため、「自立を高める代償として、経済成長の鈍化が避けられない」と指摘した。下振れするシナリオでは、少なくとも当初は投資の増加に見合ったリターンが十分に得られず、中国の実質GDP(国内総生産)の伸びは202130年の平均ベースで3%に低下する可能性があると分析した。これは直近数年の6~8%の半分以下で、S&Pの今後10年間の現行予測(4.6%)も下回っている

     

    下線の通り、2021~30年のGDP平均レベルは3%と慎重に見ている。S&Pは、これまで4.6%と予測していたので、この3分の2へと低下する。「借り物技術国」には、米国の技術封鎖が厳しくて当然なのだ。

     

    昨年12月の時点で、豪州中央銀行は厳しい予測をしていた。

     

    『ブルームバーグ』(2019年12月12日付)は、「中国の経済成長率、30年までに3%前後に低下する可能性-豪中銀」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「中国の経済成長率は2030年までに3%前後に低下するとの見通しをオーストラリア準備銀行(中央銀行)が示した。出生率と生産性の低下に加え、企業債務を巻き戻す取り組みが景気拡大を鈍らせるとしている」

     

    豪州中央銀行は、次の3要因が経済成長率の低下を招くと指摘した。私のコメントを加えた。

    1)出生率の低下=合計特殊出生率は、韓国に次いで世界最悪の「1」前後になっている。

    2)生産性の低下=インフラ投資主体で生産性が極端に低下している。

    3)企業債務の返済圧力=過剰投資によって過剰債務を抱えている。日本の不動産バブル当時を上回る企業債務に陥っている。

     

    (4)「豪中銀のアイバン・ロバーツ、ブレンダン・ラッセル両氏は12月12日に公表した研究論文で、「中国の『ノーマル超え』の成長期は終わりに近づきつつある」と指摘。こうした環境が「高水準の債務から生じるリスクを未然に防ぎながら、所得を伸ばし続け」ようと図る政策立案者にとっての課題を生むと分析した。中国は豪州にとって最大の貿易相手国。豪中銀はニューヨークとロンドンのほか、北京にも海外拠点を置いている」

     

    過剰債務の返済と新規投資の並行はあり得ない。先ず、債務の返済を行ってから新規投資に取り組むものだ。この間の数年は、中国企業の活動は不活発を余儀なくされよう。

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    東北3省は、戦前の「満州国」である。日本が、重工業を移植して高い生産性を誇った地域である。その東北3省が、今や見る影もない凋落ぶりだという。いずれも国有企業であり、生温い統制経済の中で朽ち果てたのであろう。

     

    『大紀元』(11月3日付)は、「遼寧省の国営企業が相次いでデフォルト、10月以降2社目」と題する記事を掲載した。

     

    中国遼寧省では10月末、同省の国営エネルギー会社である瀋陽盛京能源発展集団有限公司(旧名は瀋陽城市公用集団、以下は瀋陽盛京能源)の社債2銘柄が不履行(デフォルト)になったことがわかった。同月、同省の国営企業のデフォルトは、自動車メーカーの華晨汽車集団に続き2社目となった。

     


    (1)「ロイター通信10月29日付によると、瀋陽盛京能源が発行した社債、「17瀋公用PPN001」と「18瀋公用PPN001」のそれぞれの満期日は2020年10月31日と2021年8月10日となっていた。しかし、瀋陽市の法院(地裁)が瀋陽盛京能源の破産手続き開始の申し立てを受理したことから、この2つの社債の満期日は10月23日に繰り上げられた。このため、市場関係者らは、デフォルトの可能性があると注目していた。同社の情報筋がロイター通信に対して、「2つの社債がデフォルトになったことは確かだ」が、10月28日に「債券担保側が代わりに全額支払った」とした。元本など総額は5億元(約78億円)とみられる」

     

    国有企業2社の債務は、5億元と見られる。東北3省は、これまでもGDPの水増し発表をするなど困窮状態であった。国有企業がデフォルトに陥るほど、経営が悪化していたが重工業ゆえに転換もできなかったのであろう。

     

    (2)「また、事情を知る関係者は、デフォルトの主因は「債務超過だ」と指摘した。「瀋陽盛京能源は今まで、本業以外の多くの事業に手を出し、景気悪化で資金不足に陥った」という。中国メディアの報道では、「債券担保側」は、瀋陽市国有資産監督管理委員会の配下にある遼寧瀚華融資担保有限公司だ。

     

    デフォルトの原因は、過剰債務である。これは、中国企業全般に共通なことである。低い経済成長率では、債務返済に行き詰まるのは当然である。明日の中国企業すべてに当てはまる話だ。

     


    (3)「中国金融市場では、「投資不過山海関(山海関より北の地方、つまり東北地方に投資しない)」との言い方がある。東北地方では長年、計画経済や国有企業の影響を強く受けており、市場化の度合いが低く、地方政府の行政効率が悪く、民間部門における法の支配が欠如しているため、外国人投資家が損失を被ることが多い。これを背景に、東北地方の企業に投資しないとの言い方が生まれた」。

     

    投資家の間では、東北3省の企業に投資するなという言い方がされている。信用不安が限界を超えているのだ。新中国発足当時、東北3省の企業が中国経済の屋台骨を支えたほど。毛沢東から甘やかされた結果が、今日の破綻へ結びつくのであろう。

     

    (4)「遼寧省の国営企業が相次いでデフォルトになったため、市場では同省の経済状況への懸念が高まり、他の事業体が発行する社債にも影響が出ている。ある債券ディーラーは、投資家の間で、遼寧省で他の国営企業の社債を売却する動きが加速していると述べた。他のディーラーは、「中国東北の3つの省の債券は、ほぼダメになった。投資家はポートフォリオを調整している」とし、浙江省などの地方債の買い注文が増えたという

     

    日本の高度経済成長時代、地方への企業移転を目指して広大な工場用地が造成された。それが、平成バブル崩壊後に遊休化して地方財政を圧迫する事態となった。中国でも、これと同様な現象が起こるのであろう。日本の経験した破綻現象は、今後の中国で再現されるに違いない。

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    謹厳実直そのものに映る文在寅大統領には、凄い裏の顔がある。自分に不利なことがあれば、約束を守らないのだ。文氏が「共に民主党」代表時に、「党所属として選挙で選ばれた公職者による重大な過ちによって再選挙・補欠選挙が実施される場合、該当する選挙区に候補者を推薦しない」と定められている。この規約が、軽く破られたのである。

     

    来年、補欠選挙が予定されているソウルと釜山の両市長は、いずれもセクハラで退任した。前記の「共に民主党」の規約によれば、与党は候補者を出せる状態でない。だが、野党の候補者だけの立候補となれば、韓国1位と2位の市長が野党に占められ、22年の大統領選が与党に不利という判断であろう。ここで、前記の規約が破られたのだ。

     

    文大統領が、真の「義人」であれば、今回の与党の動きを止めさせたはずだ。それがなかったことは、文氏が「ニセ義人」と言われてもやむを得まい。有言不実行。これが文大統領につけられる形容詞となろう。

     


    『朝鮮日報』(11月3日付)は、「不出馬を定めた党規約を作った文大統領は雲隠れ、恥ずかしくないのか」と題する社説を掲載した。

     

    韓国与党・共に民主党は昨日、「全党員による投票を実施した結果、党員の86%が公認に賛成した」として、来年4月に予定されているソウル市長と釜山市長の補欠選挙に党として候補者を出すことを決めた。共に民主党は「圧倒的な賛成の声は、補欠選挙に党として候補者を出すことを求める全党員の意思だ」と説明した。投票には全党員の3分の1にも満たない26%しか参加しなかったが、それでも「圧倒的な賛成の声」と表現した。正しくないことをしておきながら、「党員の声」を口実に正当化したのだ。

     

    (1)「『過ちがあれば推薦しない』とするこの規約は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が党の代表だった2015年に同党革新委員会によって定められ、「政治改革」として国民に公表された。文大統領は当時「政治発展の出発点」と誇っていた。「革新案が否決されれば、代表を辞任する」とまで明言していた。「補欠選挙で推薦しない」との約束は、文大統領が代表の職を賭してまで貫徹した党の規約だ。ところがこの規約を最初に適用すべき状況になると、民主党はこれを「なかったこと」にしたのだ。「補欠選挙で推薦しない」という約束を「政治発展の出発点」と自慢したのであれば、その約束違反は何の出発点になるだろうか」

     

    文在寅氏は当時、党代表として自らの職を賭して、「過ちがあれば推薦しない」という規約を決めさせた。それが、破られてもなんらの意見も出さないで雲隠れ状態である。政治家は「言葉の人間」である。自らが発した言葉に責任を持たないのでは、政治不信を招くだけ。すでに、韓国政治は混乱の極にある。

     

    (2)「文大統領自ら「政治改革」と主張した国民との約束。これを民主党が破る様子を目の当たりにしても、文大統領は何も言わなかった。自らが代表の地位を賭してとりまとめた規約が紙くずとなって捨てられても、文大統領は何も語らなかったのだ。青瓦台(韓国大統領府)は「党で行われることについて、青瓦台として言うべきことはない」と説明している。これはうそだ。文大統領の同意あるいは指示がなければ、民主党が規約を改正することなどできるはずがない」

     

    文氏は、「社会派弁護士」として名を売ってきたが、それは職業上のことである。その本質は、約束を守らない人間である。日韓関係が、ここまで悪化させた責任のすべては、文氏の「二枚舌」にある。それが今、国内政治に現れたというべきだろう。

     

    (3)「文大統領によるこの種の行動は今回が初めてではない。「生きている権力にも厳正に対処せよ」と指示したが、実際に青瓦台の不正行為を捜査しようとした検察官たちは全て左遷された。「言論の掌握はない」と明言したが、地上波テレビ局を含むほとんどのメディアは政権の応援団に成り下がった。「フェミニスト大統領」を自認したが、朴元淳元市長のセクハラには今なお沈黙している。文大統領の友人を蔚山市長に就任させるため、青瓦台が直接動いて選挙工作を行ったが、これについても文大統領は一切コメントしていない。文大統領は自らに有利な時は改革だとか正義、公正を叫ぶが、不利になれば逆の行動を取って自分は国民の前から消えてしまうのだ」

     

    このパラグラフに、文大統領による不実の数々が挙げられている。下線部分は、文氏が大統領退任後に検察捜査を受けて当然の「悪行」である。弁護士の悪知恵を働かせて逃げられると見ているだろうが、動かせぬ証拠は文氏を追い詰めるはずだ。

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