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中国とカナダの外交関係は、ギクシャクしている。中国ファーウェイの孟晩舟副会長がカナダで逮捕されて以来、中国政府はカナダ人を報復逮捕して人質にしている。

 

チェコは8月、中国の反対を押し切って台湾へ89名の大使節団を送った。「一つの中国」を理由にして、中国は台湾訪問に圧力をかけたもの。中国の王毅外相は、チェコに「大きな代償を払わせてやる」と恫喝したが、独仏外相から強烈な反発を受け、「大恥」をかく結果になった。欧州からは、そういう恫喝に屈しないと宣言されたのである。

 

チェコは、人権弾圧の中国に対して「一つの中国」という殺し文句を拒否している。人権こそ、最大の普遍価値という認識から、カナダにも中国の恫喝に屈するなとエールを送っている。

 


『大紀元』(10月31日付)は、「チェコ・プラハ市長がカナダに提言『威圧的な中国当局に』屈するな」と題する記事を掲載した。

 

カナダ政府は、2018年12月に中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長を逮捕してから、中国当局の報復と脅迫を受けてきた。チェコの首都プラハのズデニェク・フジブ市長は、中国当局の力は「過大評価されている」とし、カナダ政府はより強い姿勢で中国当局に対抗すべきだとの見解を示した。カナダ紙『トロント・スター』が10月24日伝えた。

 

(1)「駐カナダ叢培武中国大使は10月15日に開いた記者会見で、カナダ政府が香港にいる30万人のカナダ人の「健康と安全」に関心を持っているならば、香港のデモ参加者らを難民として受け入れるべきではないと警告した。カナダ国内で、この発言は中国当局のカナダ政府への直接的な恫喝とみなし、波紋が広がっている。フジブ氏は『トロント・スター』紙の取材に対して、「(カナダ市民は)中国当局が信頼できる協力パートナーではないという事実を認識すべきだ。中国側に従順になって、中国当局が一方的にルールを決めるのを許す理由はどこにもない」と語った」

 

中国経済は一時の輝きを失い今後、凋落過程を余儀なくされるという認識が、欧州に広く伝わっている。特に、中国は東欧諸国などへ経済支援を約束したが、空手形に終わっており、中国の財力の限界を露呈している。中国の経済力が見透かされているのだ。

 

(2)「フジブ氏は2018年、プラハ市長に就任してから、プラハ市と中国北京市の姉妹都市協定をめぐり、同協定に記載されている台湾を中国の領土の一部とする「一つの中国」原則の内容を削除するよう求めていた。中国側に拒否されたため、プラハ市は19年、北京市と「姉妹都市」関係を解消した。これを受けて、中国側はプラハ市に対する報復を示唆した。フジブ氏が所属する野党海賊党は、フェイスブックに非難声明を掲載し、「この独裁政権(中国当局)に屈することを拒否する」と反発した。声明には、中国の習近平国家主席の写真と、習氏の容姿が似ているとして揶揄されるディズニーキャラクターの「くまのプーさん」の写真が並べられた」

 

プラハは、旧ソ連支配下にあって共産主義への強い嫌悪感がある。その延長で、中国に対しても違和感が強い。中国を堂々と「独裁政権」と呼び捨てるほどの自信に溢れている。

 

(3)「今年1月、プラハ市と台北市は、姉妹都市協定を締結した。フジブ市長は、姉妹都市は「互いに敬意を持って接するべきだ」「北京との関係では、その敬意が見当たらなかった。しかし、台北市とのパートナーシップからは、敬意を絶対に得られるだろう」と語った。チェコ政治ナンバー2の地位にあるビストルチル上院議長は8月末、89人の代表団を率いて台湾を訪問した。フジブ市長も訪台団に加わった。チェコ側の訪台に対して、中国の王毅外相は「高い代償を払う」ことになると恫喝した」

 

プラハ市が、北京との姉妹都市関係を破棄し、台湾の台北市と姉妹都市関係を結んだことは象徴的である。「一つの中国」という壁を乗り越えたのだ。これは、今後の先駆的な動きとなろう。

 

(4)「中国側が警告した報復措置について、フジブ氏は「中国企業が、チェコのピアノメーカーに出した11台のピアノの注文を取り消しただけだった」と述べた。市長は「中国側がチェコに与えた損失は、この程度であり、笑えるほどだ。彼らの力は過大評価されている」と指摘した」

 

中国の王毅外相は、「必ず代償を払わせる」と啖呵を切った。それが、ピアノ11台の注文取消しであった。この商談取消しは、チェコ国内の富豪が肩代わりして「実損」ゼロである。これでは、中国の恫喝は空回りで、かえって失笑を買う羽目になっている。中国の力衰えたり、という印象を強めるだけであった。