勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2020年11月

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    中国の王毅外相は、26~27日にわたり韓国を訪問した。その前日は、日本訪問であった。その際、王氏は日韓でそれぞれ挨拶している。日本は、「一衣帯水」、韓国は、「守望相助」と言ったのだ。「一衣帯水」は、平和共存を強調して使った言葉。守望相助」は、隣村同士、外敵の侵入に対抗して共に守り互いに見張りをしながら助けるという意味だという。

     

    韓国では、中国が日本よりも韓国に親近感を持っていると大喜びした日に、導入した中国製の監視カメラが、とんだ食わせ物であったことが発覚した。導入先の韓国軍の情報が、すべて中国へ転送されるマルウェアが仕組まれていた。何が、守望相助」か、と新たな怒りを買っている。

     

    『朝鮮日報』(11月27日付)は、「韓国軍の監視カメラに遠隔アクセス可能 中国に映像流出しかねず」と題する記事を掲載した。

     

    韓国軍の配備した監視カメラシステムが、中国に情報が流出し得るように設計されたものだったことが判明し、大きな波紋が広がっている。

     


    (1)「韓国国防部(省に相当)は26日、「納入された監視カメラシステムからこのような事実が発見され、緊急措置を取っている」とし「監視装置はまだ稼働しておらず、実際に軍事機密が流出してはいない」とコメントした。だが韓国野党は「軍事安保支援司令部が実施した海岸警戒システムに対する調査の結果、随所でセキュリティー上の弱点が明らかになった」と批判した」

     

    中国企業が納品した韓国軍の監視カメラなど警戒地域の監視装備から軍事機密流出の恐れがあるマルウェアが発見され、緊急措置を取っていることが分かった。マルウェアを分析した結果、保存ルートを任意に変更し、情報を別の装置に保存でき、遠隔アクセスが可能になるようインターネット網が開かれており、第3者がシステムに簡単に侵入することができた。このマルウェアと連結されたサーバーが中国・北京にあることが確認された。これは、『東亜日報』の報道である。

     

    韓国によって、ここまで突き止められると、中国はグーの音も出まい。ファーウェイの「5G」にマルウェアが仕組まれていることは、すでに既知のことになったが、監視カメラにもこのマルウェアが仕組まれていたとは恐怖である。米陸軍でも中国製監視カメラを導入して、同じマルウェアを発見している。韓国軍が、こういう情報に疎かったとは驚きである。



    (2)「安保支援司令部が警戒システムの脆弱点を点検した結果によると、中国製の核心パーツを使った215台の監視カメラ全てが中国の悪性コード流布サイトに接続するよう設定されていた。このサイトを通して悪性コードが流入したら韓国軍の映像情報が中国など外部に筒抜けになりかねない、ということを意味する。また、韓国軍の監視カメラシステムに遠隔アクセスできるようになっていた。非認可ユーザーが監視システムに侵入できる、ということだ」

     

    この監視装備の設置は完了したが、実際の運用はまだ始まっていない。現在、運用中の監視装備をすべて緊急調査しなければならないと、韓国軍は大騒ぎだ。

     

    (3)「映像情報の保存先もUSBメモリーなど他の装置に変えることができた。誰が、何の目的でこれを設置したのかは確認されなかった。高麗大学情報大学院の鍾仁(イム・ジョンイン)教授は「個別の監視カメラを管理するシステムが悪性コードに感染したら、韓国軍の監視システム全体がコントロール、操作、歪曲(わいきょく)されかねない」と語った。

     

    韓国の中国への警戒心の甘さを示している。米国では、昨年はじめにファーウェイ「5G」のマルウェアに気づき中国製監視カメラ全体への警戒が広がった。中国製車両にも秘かに監視カメラが据え付けられていれば、米国要人の列車移動を察知して、テロ事件すら引き起されるという警戒にまで発展した。これが、正常な警戒心である。

     

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    米中対立の長期化予想が強まるとともに、中国が外貨準備高の資産構成を変えている。米国債を売却し、日本国債の買い入れを増やしているのだ。表面的に見れば、米国への嫌がらせと日本への急接近という、中国外交姿勢の変化を表わしているとも読める。

     

    だが、米国債は基軸通貨国・米国の発行する国債である。信頼度において最も高い証券である。現金と同様の流動性が保証されているのだ。その米国債を売却するには、それに代わるものがあるはず。残念ながら、日本国債がドルの穴埋めをするほどの信頼があるわけでない。ただ、誤解されると困るので補足したい。円はドルに次ぐ強い通貨として扱われている。対外純資産が世界一という実績を背景としているからだ。

     


    『レコードチャイナ』(11月27日付)は、「中国、米国債減らし日本国債買い増す『ドル絶縁と見なすのは過度の解釈』との見方も」と題する記事を掲載した。

     

    中国が米国国債の保有残高を減らす一方、日本の国債を買い増していると韓国紙(注:中央日報)が報じた。米中対立の進行と深刻化が背景にあるともみられるが、同時に「これをドルとの絶縁と見なすのは過度な解釈というのが市場全般の雰囲気だ」とのアナリストの見方も紹介した。

     

    (1)「韓国『中央日報』は、香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(SCMP)の記事を引用。「米財務省によると、中国が9月に62億2000万ドル(約6440億円)規模の米国債を売却した」と伝えた。5カ月連続で減少し、中国の米国債保有残高は1兆617億ドル(ブルームバーグ通信集計)となった。2017年2月以来の低い水準だ」

     

    中国が、米国債を売却している理由は、資産の入れ替えの結果と見られる。FRBが、長期の低金利維持政策を発表している。これは、債券よりも株式が投資対象となることを意味する。先に、米国のダウ平均が史上初の3万ドルを突破した裏には、前記のような「債券より株式」という流れがあるはずだ。中国が、米国債を売却して米国株式を買い入れている可能性が強いだろう。中国が、米国への意趣返しに国債を売っているという見方は、感情論に偏った見方と言えよう。

     

    (2)「米中の対立が深まるほど中国は米国債の保有を減らす傾向を見せている。昨年すでに米国の第1債権者の地位を日本(9月の米国債保有残高1兆2962億ドル)に譲り渡した。上海財経大の奚君羊教授は中国紙のインタビューで「中国は徐々に米国債保有残高を8000億ドル以下に減らしていくだろう」との見解を明らかにした」

     

    中国は、米国債を売却して米国政府をギャフンとさせたいという気持ちあろう。だが、それだけでなく、ソロバンも弾いているはずだ。ただ、「徐々に米国債保有残高を8000億ドル以下に減らしていくだろう」との見解には賛成し難い。中国政府は、米ドルで約1兆ドルの借入れをして、外貨準備高3兆ドル強を支えているからだ。中国の外貨準備高で米国債を8000億ドル以下に減らせば、人民元投機が起こった場合、売り方の格好の材料にされるはずだ。そういう危機を招くようなことをすれば、自ら人民元投機売りの原因をつくるようなものだ。

     


    (3)「3兆1400億ドルに上る中国の外貨準備高のうち米国債の空席を埋めているのは日本国債だ。SCMPは財務省の資料を基に中国は9月に277億円規模の日本国債を購入したと報道。その結果、今年19月に中国が購入した日本国債は2兆4000億円になり、前年同期に比べ73%も増えた」

     

    米国債を売却し日本国債を購入するのは、外貨準備高の資産構成の見直しと、日本への外交的な接近を感じる。「中国を捨てないで」という意味が含まれている。現在の中国には、日韓との関係を深めることが、地政学的にもっとも重要な意味を持っているからだ。

     

    (4)「中国の米国債離れについて、SCMPはアナリストの発言として「中国の米国債保有残高の減少を米ドル建て資産の保有を減らしたものと解釈すべきでない。米国債の代わりに株式や社債のなど他のドル建て資産を購入しているかもしれない」と指摘した。中国銀行証券の首席グローバルエコノミストも、「中国政府が米ドル資産を売却しているが、民間部門は依然として購入している」と分析。「外国人投資家が米国債保有残高を減らしていくのを米ドルの地位の低下と評価するのは適切でない」と言及した」

     

    中国が、実際に米国債離れを起こせば、米国にとって中国を叩きやすい相手を見るであろう。米国は、基軸通貨国として世界の金融をコントロールできる力を備えている。中国は、自らドル圏から中国を追放できる理由を与えることになろう。そういう愚を犯すとは思えないのだ。

     

     

     

     

    テイカカズラ
       

    中国の王毅外相は、外交官には似つかわしくない言動をする。韓国訪問中、韓国外相との会談に27分遅刻した。大統領との握手では、コロナを理由に躊躇する仕草を見せるなど、韓国メディアを怒らせている。王毅氏は、8月に訪欧した際もチェコに対して侮辱発言し、独仏外相からたしなめられたほど。大国・中国の外相として、ふんぞり返っているようだ。

     

    韓国で最大の発行部数を誇る『朝鮮日報』が、下記のように辛辣な社説を掲げた。王毅外相は、27日も韓国に滞在する。当然、この社説が目に入るはず。少しは、反省することになるだろうか。

     

    『朝鮮日報』(11月27日付)は、「中国で序列25位以下の王毅外相、韓国に来れば国家元首クラス」と題する社説を掲載した。

     

    中国の王毅・国務委員兼外相が26日、韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官との会談に24分遅刻した。外交部庁舎から4~5キロしか離れていないホテルから出発したにもかかわらず、「交通渋滞」を口実にした。会談の冒頭では謝罪の一言もなく、昼食会になってやっと理解を求めたという。

     


    (1)「会談直後、「米中対立」について問う質問に王毅外相は「この世界には米国だけが存在するわけではない」と述べた。米国の同盟国である韓国に来て「米国の側に立つな」と圧力をかけたのだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が握手を求めると、「コロナ防疫を理由に予定にはなかった儀典」との理由でぐずついた。昨年12月に来韓した際には、韓国側の関係者100人を突然昼食会に呼びつけておきながら37分遅刻した。謝罪もなかった。その一方で王毅外相は米国務長官が30分遅刻した際には、謝罪を受けても顔を赤らめたような人物だ」

     

    王毅外相は、日本の創価大学に留学している。日本語はべらべらである。ただ、顔つきからも分かるように、「柔和」ではない。顔が表わすように「不作法」なことも多いのだ。外交官として、遅刻することがどれだけ、礼儀に反するかは百も承知のはず。今回は、事前に遅れると連絡があったという。だからと言って、許されるはずはない。この不作法は、発言にも現れている。中国が、米国と対等の関係と思い上がっている。米中の実力は、月とスッポンである。その違いが分からないのだ。

     


    (2)「王毅外相の中国共産党における序列は25位以下だ。政治局員でもない中央委員だ。それでも韓国に滞在する期間、大韓民国において序列1位の大統領、2位の国会議長、さらには元与党代表、大統領特別補佐官や側近などに次々と会う。自家隔離中の与党代表は「コロナの渦中における来韓に大きく感動した」という手紙を送った。ある長官は会談に応じてさえもらえなかった。これとは別に序列がより高い中国の楊潔チ・外交政治局員は今年8月に来韓した際、文大統領に会いに行くこともなく、ソウルではない釜山で青瓦台(韓国大統領府)安保室長だけに会って帰国した。このあり得ない動きに韓国も中国も今なお一言の説明もしていない」

     

    王毅外相の中国共産党における序列は25位以下だ。政治局員でもない中央委員だ。社説では、中国国内での地位の低さを指摘している。その王毅氏が、トップのような振る舞いだと怒らせている。韓国儒教は、中国よりも「正統」であると自認している。それだけに、礼儀作法に厳しい面があるのだ。座らせた椅子が、相手より小さいかどうか。詮索するのは、礼儀作法に厳しい結果である。

     

    その韓国が、日本に対しては不作法の連続である。「化外」(けがい)という言葉の通り、儒教では中国から地理的に遠くなるほど「野蛮」とされている。この論法で、韓国における日本の位置は「野蛮国」扱いである。このように韓国は、中国以上に儒教理念が生きているのだ。

     


    (3)「中国は周辺国と平等な立場に基づいた外交をしてきた歴史がない。常に朝貢外交だけだった。このような国を相手にする際、軽々しく頭を下げるとその後も無視され続ける。ところが韓国政府は中国が文大統領の特使を香港行政長官の席に座らせても、大統領の取材記者が激しく集団暴行を受けても、さらには王毅外相が大統領の腕をたたいても一言の抗議さえしなかった。コロナの感染が一気に拡大していた当時も中国からの入国は一切制限せず、また中国が6・25南侵(注:朝鮮戦争)を歪曲(わいきょく)しても沈黙した。中国を前にすると「猫の前のねずみ」だ。世界10位圏の民主国家の国民にこれ以上恥ずかしい思いをさせないでほしいものだ」

     

    中国は、秦の始皇帝以来、世界の中心という意識である。始皇帝が、国名を中国と名付けたのも「世界の中心」という意味である。こういう尊大な国には、現実の厳しさをしっかりと認識させることが重要である。間違っても、卑屈になって対応してはいけないのだ。駄目なことはダメ、とはっきり言うべきである。その点で、韓国はあまりにも卑屈になっている。

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    中国の開発しているコロナワクチンは、治験情報を伏せているので、海外では評価のしようがないとサジを投げている。その中で、英医学誌『ランセット』が17日、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発するワクチンについて、初期段階の治験データを分析した論文を掲載した。それによると、有効性は「中程度」とされる。

     

    中国は一時、世界のコロナワクチン開発の最先端を走っているような印象を与えていた。現実は、米国2社の開発から大きく遅れているようだ。それは、ワクチンの製造方法に違いがあるからだ。米国2社は、「mRNA」ワクチンで、遺伝子情報を体内へ送って免疫性を強めコロナを死滅させる最新方法である。中国は、従来の「不活化」ワクチンである。mRNAワクチンは、短時間に大量生産できるメリットがあるほか、コロナが変種した場合、mRNA情報を書き換えるだけで対応可能という「夢のワクチン」とされている。

     


    『日本経済新聞 電子版』(11月26日付)は、「中国ワクチン足踏み、予防効果が不十分との指摘」と題する記事を掲載した。

     

    中国企業による新型コロナウイルスワクチンの開発に不透明感が漂っている。臨床試験(治験)中に大規模投与に踏み切り、一時は世界の開発レースの先頭にいたが、予防効果や検証が不十分とする指摘が出ている。欧米勢の実用化は秒読みの状況で、中国が力を入れる「ワクチン外交」にも影響が出かねない。

     

    (1)「英医学誌『ランセット』が17日、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発するワクチンについて、初期段階の治験データを分析した論文を掲載した。論文はシノバックなどの研究チームがまとめたものだ。治験結果から、「感染を防ぐ予防抗体は(コロナ感染から)回復した人のレベルより低い」とし、有効性は「中程度」と評価していた」

     

    シノバックの有効性が「中程度」とは、50%前後であろう。米国2社は、いずれも95%前後である。この差は歴然としている。米中の「科学力」の差とも言えよう。

     


    (2)「有効性「90%以上」をうたう米ファイザーや米モデルナ、「70%」とする英アストラゼネカなど、最新技術を使った欧米勢のワクチンと比べて、見劣りするデータだ。シノバックのワクチンは病原性をなくしたウイルスを使う昔ながらの手法を採用する。インフルエンザワクチンなどで長年使われている手堅い技術だ。安定した予防効果が見込まれただけに論文の内容は波紋を呼んだ。論文で研究チームは「抗体が確認され、安全性も問題ない」とし、最終段階の治験に進むデータとしては十分な結果だと結論づけた。また、シノバック幹部の孟偉寧氏は20日、オンラインの国際会議で「12月中には最終治験のデータが得られるだろう」と発言し、今後の有効な解析結果に期待をにじませた」

     

    シノバックのワクチンは、病原性をなくした(不活化)ウイルスを使う昔ながらの手法を採用する。これは、不活化ウイルスを「原料」にするから、有効性はもっと高くて当然であるようだ。それが、「中程度」とは科学力が足りないのだろう。

     

    (3)「世界で治験の最終段階にある11種類のワクチンのうち4種類が中国のワクチンだ。中国は1月からワクチン開発を急ピッチで進めてきた。けん引役はシノバックと、国有製薬大手である中国医薬集団(シノファーム)だ。両社は78月から、最終治験の途中段階にもかかわらず、国内で緊急投与に乗り出した」

     

    両社ともに、不活化ウイルスによるワクチンである。

     


    (4)「シノファームは今月18日には、緊急投与によるワクチン接種が100万人近くに達したと発表した。9月時点では約35万人だったが、国有企業の社員などを対象に2カ月で3倍近くに増やした。「9月にワクチンを接種したが、シノファームから何も連絡がない」。国有企業に所属する複数の社員はこう証言する。
    開発中にもかかわらず、接種後に健康状態などを確認していない可能性が指摘される。通常であれば、直後はもちろん、半年から1年以上の時間をかけて、経過を観察することが求められる」

     

    接種後、経過観察もされないという杜撰な状況である。治験データは、まともに処理されているのか。データねつ造の中国ゆえに、新たな懸念が生まれるのだ。中国製ワクチンは遠慮したい。

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    昨年7月以来、反日不買の運動はもの凄い勢いだった。文大統領は、「二度と日本に負けない」と広言するほど、韓国中に「NO JAPAN」や「NO 安倍」という幟を立て、まなじりを決する悲愴さを滲ませていた。あれから1年以上経った今、文大統領が日本へ「ラブコール」を送るほどに変ってきている。

     

    これでは、反日不買も尻つぼみとなって当然。再びスーパーのバーゲンセールでは、日本製ビールが客寄せに使われ始めている。41万ウォン(約930円)で店頭に山積みされているという。

     

    『朝鮮日報』(11月23日付)は、「ノー・ジャパンは終わった? 再び登場した日本製ビール『41万ウォン』」と題する記事を掲載した。

     

    日本製品不買運動(ノー・ジャパン)の影響で影を潜めていた日本製ビールが、41万ウォン(約930円)などの割引イベントで大手スーパーやコンビニエンスストアに再び姿を現した。

     

    (1)「韓国流通業界が23日に明らかにしたところによると、ロッテマートは系列会社のロッテアサヒ酒類が輸入・販売するアサヒビールを41万ウォンで販売している。ロッテマートは昨年7月に日本製品不買運動が起きて以降、日本製のビールに関するイベントを中止していたが、最近になってアサヒビールをはじめとする90種類のビールを対象に割引セールを始めた」

     

    日本製ビールが、再び店頭に山積みにされる日がやってきた。絶対に「飲まない」と力んでいたが、韓国人にはもともと人気がある。「昼間は反日、夜は日本ビール」と揶揄されるほどであった。

     

    (2)「セブンイレブンやCUなど一部のコンビニエンスストアでも、アサヒビールを1缶2500ウォン(約233円)で販売している。事実上、41万ウォンと同じ価格だ。コンビニ業界の関係者は「取引先(ロッテアサヒ酒類)が最近になって供給価格を引き下げたものであり、当社が自ら割引イベントを実施しているわけではない」と説明した。しかし値下げによって、一度背を向けた消費者の心をつかむことができるかは未知数だ」

     

    アサヒビールは、1缶2500ウォン(約233円)だという。韓国ビールは拙い。SNSでは、「やっぱり日本製ビール」と書き込みがされている。反日青年からは、相変わらず反日批判が書き込まれているが結構、反論も多いという。ようやく、反日不買運動も峠を超えたと見られる。

     

    (3)「アサヒビールは輸入ビール1位で、500ミリリットル缶を3000ウォン(約280円)で販売していたが、日本製品不買運動によって販売量が急減した。関税庁などによると、今年7月の日本製ビールの輸入額は68万5000ドル(約7100万円)で、1年前に比べ84.2%減少した」、

     

    今年7月の日本製ビールの輸入額は、前年比84.2%減という。まさに「激減」というにふさわしい減り方である。あれだけ、親しんでいた日本製ビールを口にしなくなったのだ。これは、「見事」と言うほかない。激昂したときの韓国社会は、手をつけられなくなる一例である。

     

    これと関連して現在、韓国で起こっている法務部長官による検察総長の業務停止命令に対し、庶民の怒りがどう展開するか、という新たな関心が浮かぶ。検察総長に政権の犯罪を捜査させないようにする「検察総長の業務停止命令」は、国民をないがしろにする暴挙と言うほかない。

     

    国民の怒りが、反日から文政権腐敗糾弾に向かうのか。目が離せなくなってきた。

     


    『中央日報』(11月26日付)は、「日本製品不買運動弱まると、対日貿易赤字が再び拡大の兆し」と題する記事を掲載した。

     

    (4)「昨年、16年ぶりに最低値まで減少した対日貿易赤字規模が再び拡大する兆しを示している。26日、韓国貿易協会によると、今年1~10月に韓国が日本との貿易で出した貿易赤字幅は、165億6000万ドル(1兆73000億円)。昨年同期間の164億2000万ドルよりも赤字規模が僅かに拡大した」

    1~10月の期間、韓国から日本へ輸出した金額は、前年比13.0%減の206億3000万ドルに対し、日本から輸入した金額は7.3%減の371億9000万ドル。日韓の輸出入額の減少率では、韓国側が大きくなっている。不買運動をやっても、韓国の対日赤字の減少には限界がある。日本は、韓国の貿易赤字国1位国で、韓国は2004年から毎年200億~300億ドル規模の貿易赤字を出している。

     

    これは、韓国が加工型貿易である結果だ。日本から素材や部品を輸入し、それを加工して輸出するという産業構造のもたらす必然的な貿易赤字である。韓国にとっては、不可避の赤字である。その日本と反日不買運動を引き起したのだ。商人に喩えれば、仕入れ先の日本と喧嘩しているようなもの。あまり賢いやり方ではなさそうだ。国と国との間にも、感情というもの働く。日本を刺激しても加工型貿易構造が変らない以上、もう少し上手くやる方法を探すべきだろう。



     

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