中国が開発したコロナワクチンは、有効性について未発表である。理由は、有効性が劣るからであろう。そこで、ついに米国のファイザーやモデル両社の生産方法を後追いすることになった。
中国のコロナワクチン製造方法は、伝統的方式であるウイルスやウイルスの一部を、病原性をなくした上で接種して免疫をつけるものである。この有効性が50%程度とされている。
米国のファイザーやモデルナのワクチン製造方法は、革新技術の採用による成果であった。ウイルスの遺伝情報の一部を接種することにより、体内でウイルスの一部が作られ、免疫ができる「mRNA(伝令RNA)」方式である。
この革新技術によって、開発時間が脅威的に短縮され、有効性も90%台という従来の常識を打ち破る成果を上げた。中国が、スパイを使って必死にこの技術窃取に力を入れようとしていた理由である。中国も後追いで、メンツを捨てて「mRNA(伝令RNA)」方式の生産を開始することになった。
中国の旧来方式によるワクチンは、ブラジルで最終治験を行っている。成果は芳しくなく結果発表が延期されるほどだ。
『日本経済新聞』(12月24日付)は、「ブラジル、中国ワクチンの治験結果の公表先送り」と題する記事を掲載した。
ブラジルのサンパウロ州は23日、中国の製薬会社、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が同州で実施している新型コロナウイルス向けワクチンの臨床試験(治験)について、有効性は50%以上に上るとの見方を示した。ただ結果公表は見送り、薬事当局への申請も先送りした。
(1)「シノバックのワクチン「コロナバック」については、サンパウロ州にあるブタンタン研究所で7月から治験を続けている。同州のジェアン・ゴリンシタイン保健相は、緊急使用に必要な「有効性は確認されているが、再評価が必要だ」と指摘した。当初は12月上旬にも治験結果が公表される見通しだったが、遅れている。今後15日以内で結果を公表したい考えで、ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)への申請を目指す」
中国製ワクチンの最終治験が今後、公表されるのは世界で初めてである。これまで、断片的に報じられたが、報道陣に公開されることはなかった。当初は、12月上旬にも治験結果が公表される見通しだった。遅れているのは、有効性が芳しくないのであろう。仮に、50%見当とすれば、米国のファイザーやモデルナ両社のワクチンから著しく見劣りする。
中国は、大宣伝してきた自国製ワクチンが米国製に比べて著しく見劣りすることから、米国と同じ「mRNA(伝令RNA)」方式の生産に着手することになった。
『朝鮮日報』(12月22日付)は、「中国もモデルナ・ファイザー方式のワクチン工場を建設」と題する記事を掲載した。
中国が、新技術のメッセンジャーRNA(mRNA、伝令RNA)方式による新型コロナウイルスワクチン製造工場を建設する。中国でmRNAコロナワクチンの工場が建設されるのは今回が初めてだ。
(2)「新華社通信と中国新聞網は22日、雲南省玉渓市にmRNA方式のコロナワクチン工場を建設し、年間1億2000万回分のワクチンを製造する計画だと報じた。中国は8か月以内に工場を完成させ、来年下半期にはワクチンを出荷する予定だ。工場の起工式は前日に行われた。ワクチンは、人民解放軍軍事医学研究院、蘇州艾博生物科技、雲南沃森生物技術が共同で開発した。このワクチンは独自の知的財産権を保有し、核心原料と設備を国産化した。今年6月に国家薬品監督管理局の薬物臨床試験の承認を得ており、近く第2相臨床試験に着手する」
中国が、mRNA方式のコロナワクチン工場を建設するのは、事実上の敗北宣言である。米国式の技術に転換しようというものだ。
(3)「研究チームは、このワクチンが動物の体内で高い水準の中和抗体と特異的T細胞の免疫反応を誘導することができ、安全性と免疫原性が優秀だと主張した。また、2~8度の保管が可能で、安定性に優れているとアピールした。雲南沃森生物技術の李雲春会長は「mRNAワクチンには高い技術障壁がり、現在は米国とドイツの少数の会社だけが技術を保有している」と話した。mRNAワクチンは第3相臨床試験を実施しているワクチンの中で、有効性が95%で最も高い」
こういう書き方は不謹慎だが、中国は米国のmRNA方式のコロナワクチン技術を窃取したのだろうか。あれだけ猛烈なスパイ活動を行っていたのだから、何らかのヒントを得たに違いない。それにしても、メンツをかなぐり捨てて米国2社に追随するのは、有効性において相当の開きがあるのだろう。