韓国は、新型コロナウイルス第3波の襲来に手を焼いている。文大統領の楽観的な見通しが外れ、感染者数は全国で1000人を超える日が常態化している。だが、対策を「レベル3」へ引上げると、ロックダウン(都市封鎖)になるので、その一歩手前で食い止めるべく、首都圏で「5人以上の会合」を禁止し、罰金300万ウォン(約28万円)を科す方針を発表した。
日本政府も、年末年始で「5人以上」の会合を自粛するように呼び掛けている。ただ、あくまでも自粛である。韓国のような罰金を伴うものではない。この背景には、日本の「実効再生産指数」(1人の感染者が何人の感染者をつくるかを示す)が、12月21日現在「1.03」であり、12月15日の「1.11」から改善傾向を示していることもある。確かに、現在の実効再生産指数が下降に向かっている。それだけに、確実に「1」を切って感染拡大局面を終わらせることが重要である。政府や都知事が、懸命に呼び掛けているように、日本はあと一息である。
『ハンギョレ新聞』(12月22日付)は、「韓国、首都圏5人以上の私的会合「禁止」、摘発されれば過料300万ウォン」と題する記事を掲載した。
ソウル、京畿、仁川(インチョン)の首都圏全地域で、23日から来年1月3日まで、室内外を問わず5人以上の私的な会合が禁止される。私的な会合そのものを禁止するわけではなく、4人までは容認することで接触を最小化することが趣旨となっている。
(1)「ソウル市、京畿道、仁川市は21日、こうしたことを内容とする集合禁止行政命令を下した。行政命令の発動期間は23日0時から来月3日の24時までだ。5人以上の集合禁止は、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の最高段階であるレベル3で適用される「10人以上の集合禁止」よりも強い措置だ。新型コロナウイルス感染症の第3波が拡散の一途を辿っている中で、クリスマスと年末年始の期間に各種会合を通じて人的接触が拡大すれば、防疫システムが深刻な状態へと突き進んで崩壊しかねないという判断によるものだ」
韓国首都圏(ソウル市、京畿道、仁川市)は、人口密集地である。現在のコロナ対策は「第2・5段階」に止まっている。第3段階になると「ロックダウン」に等しく、これを行うと経済活動が麻痺することから、「会合基準」だけを厳しく制限して「5人以上」に罰金を科すというもの。
(2)「今回の行政命令は同窓会、同好会、ピクニック、忘年会、職場の会食はもちろん、互助会、引っ越し祝い、誕生会、還暦、卒寿のような、親睦を目的とするあらゆる社会活動が対象となる。ただし結婚式と葬式だけは、行事の例外的性格を考慮し、レベル2.5の基準である50人以下の容認を維持することになった。また行政・公共機関の公的な業務遂行、企業等の経営活動のための行事・会合は規制対象外」
今回の「5人以上の禁止」は、行政命令である。あらゆる私的会合まで適応されるという厳しさである。ただ、結婚式と葬儀は除外するという。
(3)「今回の措置によって、私的な会合の違反行為で摘発されれば、事業主と利用者双方に対して最大3000000ウォン(約28万円)の過料の賦課、告発などの行政措置が下される。ソウル市のソ・ジョンヒョプ市長権限代行はこの日、「爆発的なコロナ感染者の増加を乗り越えられなければ、街が閑散として都市が封鎖されるニューヨークやロンドンの光景がソウルでも広がる恐れがある」と協力を訴えた」
日本と較べた韓国の危機感は凄い。ソウルが、ニューヨークやロンドン並みに厳しい封鎖状況に追込まれかねないと警戒している。
(4)「ソウル、京畿、仁川の3自治体は、中央政府によるレベル2.5への引き上げにもかかわらず、この1週間で全国の感染者の71%が首都圏で発生していることから、同一生活圏内の接触を最小限にとどめるべきだとの共通認識に立ち、このかん対策を議論してきた。クリスマスイブを基点として年末年始の知人や家族の会合が大きく増えると予想される中、3自治体は、今回の措置により感染症伝播の可能性が低下すると期待している」
「5人以上」の私的会合に約28万円の罰金が掛けられるとなれば、この禁を破ってまで会合を開く「剛の者」はいなくなろう。ただ、政府はこれに協力する飲食店などに、それにふさわしい保障金を払うべきだ。
(5)「これまでに発表されたコロナ抑制策の中で、「5人以上の集合禁止」は最も強力な措置だが、取り締まりの実効性などに対する疑問も残る。京畿道のイ・ジェミョン知事は、「K防疫の成果は、政府の努力もあったが、何よりも国民の積極的な参加によるものだった。現在の状況の深刻さを伝え、国民の参加を誘導するという面もある」とし「違反行為に対しては可能な範囲で強く取り締まる」と述べた」
韓国は、違犯者を取り締まる。日本は、各人の良識に訴える。この日韓の違いは大きい。これから年末年始という最大の国民的イベント時期をどう過ごすか。それぞれ、国民の意識レベルが問われる局面になった。





