勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2021年02月

    a0960_005442_m
       

    WTO(世界貿易機関)の事務局長選で、大差で2位に甘んじた産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長が、慣例によれば辞退するはずだった。米国が突然、韓国候補者を次期事務局長に推薦すると言い出して以来、次期事務局長決定は宙に舞う異常事態に陥っていた。2月5日になって、韓国候補が辞退を表明したので、ようやくナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相が、次期事務局長として正式決定される運びだ。

     

    WTOの次期事務局長は、遅くとも昨年11月7日までには確定予定であった。それが、前記のような事情で遅れに遅れてきた。米国次期政権が発足しない限り、意見調整が終わらないためだ。それも終わって、選挙結果どおりの結論に落ち着くことになったもの。実に、3ヶ月遅れである。この間、WTO機能は麻痺していたのだ。

     

    『聯合ニュース』(2月5日付)は、「WTO事務局長選 韓国候補が撤退表明」と題する記事を掲載した。

     

    韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は2月5日、立候補している世界貿易機関(WTO)事務局長選から撤退する意向を表明した。近くWTOに伝えるという。

     

    (1)「兪氏は昨年6月、事務局長選への立候補をWTO側に届け出た。約7カ月にわたる選挙戦はこれで幕を下ろした。韓国からのWTO事務局長選への挑戦は今回が3回目。1994年と2012年にもそれぞれ立候補したが、選出されなかった。今回のWTOの事務局長選では、8カ国が候補を出し、第1ラウンドで5人に絞られ、第2ラウンドで兪氏とナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相が最終候補に残った」

     

    WTO事務局長選は、単純に票数では決められず、米国、EU、中国、日本などの最終意見を聞いて決まるというルールになっている。ただ、票数が基盤になることは当然だ。これを頭に入れて兪明希氏とオコンジョイウェアラ氏の票数を占うと、だいたいの見当がつく

     

    オコンジョイウェアラ氏は、アフリカ44ヶ国とEU27ヶ国が基礎票である。これだけで71票になる。WTO加盟国は164ヶ国であるから半数は82ヶ国だ。オコンジョイウェアラ氏は、基礎票71票にあと12ヶ国の支持を積み増せば過半数の83票になる。オコンジョイウェアラ氏は、投票前に79票を確保したと話していたが、決して誇大ではなかった。

     


    今回のWTO事務局長選の前に、「次の事務局長はアフリカ出身で女性」がコンセンサスになっていた。最終選考に残った二人の候補者は、いずれも女性である。そういう意味では、事前のコンセンサス通りに選考が進んだと言えよう。

     

    (2)「WTOは昨年10月28日、より多くの加盟国の支持を集めたオコンジョイウェアラ氏を事務局長に推薦し、事務局長に選出しようとしたが、米国が反対を表明したため、原則となっている全会一致での合意に至らず決着がつかなかった。兪氏は撤退の理由について、米国などと協議を進め、WTOの機能を活性化する必要性などを総合的に判断して決めたと説明した」

     

    米国だけが、WTO選挙結果を覆そうとした。EU・日本・中国はオコンジョイウェアラ氏を次期局長に推薦していた。米国の反対理由は、オコンジョイウェアラ氏が中国寄りという「偏見」に基づく。だが、EUも日本も支持したのだから、米国の反対理由は感情的なものと見られた。

     

    (3)「米国が新政権発足に伴い、オコンジョイウェアラ氏支持に方針を変更したものと受け止められる。兪氏の撤退により、WTO事務局長にオコンジョイウェアラ氏が就任するとみられる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4日に行われたバイデン米大統領との電話首脳会談で、WTO事務局長選に関して言及しなかった。産業通商資源部の関係者は「韓米首脳間が議論する事項ではない」とし、「これまで米国などと協議をしてきた」と説明した。兪氏は「わが政府は今後も責任ある通商強国として多国間貿易体制の復活・強化のために多方面で寄与していく」と述べた」

     

    韓国の兪氏は、米国の支持があったため独自判断で候補を辞退できないという辛い場面に立たされてきた。事務局長選の票数では、大差(投票結果は発表されない)をつけられていたので、それを覆しての事務局長就任が不可能な情勢であった。

     

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、約90カ国と電話首脳会談をしたり親書を送ったりして「兪明希支持」を訴え、総力戦を繰り広げてきた。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官も外交チャンネルを通じて支持を訴えてきた。康長官は、「毎日、電話での依頼が仕事である」とぼやくほど、韓国の外交網を総動員したのである。だが、EUや日本の支持を得られなかったことが敗因であろう。「反日」が招いた敗退とも言えるのだ。

     

    次の記事もご参考に。


    韓国、「往生際悪い」WTO事務局長選、大差で敗北も候補撤退せず居座る「見苦しさ」

    2020-10-30 

    メルマガ203号 WTO事務局長選で韓国敗北 文在寅の思惑が大外れ 日本を逆恨みする「反日・甘えの構造」

    2020-10-29 

     

    a0960_006624_m
       


    中国の半導体は揺籃期である。親の庇護がなければ成長できない時期だ。その貴重な段階で、米国に喧嘩を売ったばかりに制裁を受ける結果となった。中国は、日本から鉄鋼技術を学んだ。自動車技術は主としてドイツである。高速鉄道技術は日本。半導体技術は、米国から伝授されなければ生きていけない経済である。中国産技術はゼロである。こういう産業の脆弱性を忘れて、米国覇権へ挑戦すると言ったばかに塗炭の苦しみに遭っている。

     

    『日本経済新聞 電子版』(2月5日付)は、「中国SMIC、半導体設備の調達に遅れ 米制裁が影響」と題する記事を掲載した。

    中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)の趙海軍・共同最高経営責任者(CEO)は5日の記者会見で、半導体製造装置の調達に遅れが発生していると明らかにした。米国による中国企業への制裁の影響とみられる。先端半導体の生産や用途開発に支障が出る可能性がある。

     

    (1)「記者会見は2020年10~12月期決算に合わせたものだ。米国のトランプ前政権は昨年秋、先端技術を使った製造設備の輸出規制の対象にSMICを加えており、発注した設備の一部が「2月になっても到着していない」と趙氏は説明した。今後は「先端分野では生産能力の拡大を慎み、製造設備メーカーが米国で輸出許可を得られるよう努力を継続する」という。当面の影響は避けられない。今期の投資額は43億㌦(約4500億円)と前期比で25%減らす」

     

    SMICは、半導体の国内生産能力を構築する中国の取り組みで主要な役割を果たしている。米国のトランプ前政権が導入した制裁により、米企業からの調達が制限されている影響が大きく出ている。趙氏は、生産拡大に必要な装置を購入するため、ライセンス取得に向けてサプライヤーや米政府と協議を継続していると述べた。だが、今期の投資額は43億㌦(約4500億円)と前期比で25%減に追い込まれている。技術も装置もすべて「米国依存」である。そのことを忘れて、「米国挑戦」とは度が過ぎたのだ。

     

    戦前の日本が、同じ轍を踏んだ。米国から鉄くずを輸入して電気炉で鉄鋼を生産していたことや、海外から石油を輸入していた肝心の事実を忘れて開戦に踏み切ったのである。長期戦に耐えられるはずがない。東条英機首相も習近平国家主席も、技術を含む重要資源の不足に気付かなかったのだ。

     

    (2)「華為技術(ファーウェイ)向けに半導体を供給できなくなったのもマイナスだ。回路線幅が14なの(ナノは10億分の1)~28ナノメートルの比較的高度な技術を使った製品の比率は、昨年10~12月は5%と、7~9月の15%から急落した。「SMICの先端製品の供給不足が続けば、新製品の開発に影響が出る恐れもある」。中国のIT(情報技術)機器メーカー幹部は打ち明ける。あらゆるモノがネットにつながるIoTの時代を迎え、半導体はすべての産業に欠かせないためだ」

     

    高級半導体生産には、米国の技術や装置が不可欠である。米国が、その両方をストップさせたのである。バイデン米新政権は、中国に対してはトランプ前政権の強硬策を踏襲すると発表している。米国が、中国の経済力と軍事力に直結する、半導体技術と同装置の規制緩和に踏み切るとは考えにくいのだ。

     


    (3)「SMICの足元の業績は堅調だ。前期の売上高は25%増の39億㌦で、純利益は3倍の7億㌦まで増えた。世界的な半導体不足を受けて「自動車向けを含めて顧客からの増産要請が多い」(趙氏)ため、今期も増収を見込む。趙氏は米新政権に対する期待も示した。「詳細は話せないが、新しい政府担当者と交流している」という。米当局が輸出を許可して「6月には製造設備がそろい、8月には生産が開始し、今年のとても遅いころに出荷が始まるだろう」と述べた

     

    下線部のような期待は持たない方が無難だろう。「敵」に塩を送るような行為をするはずがないからだ。

     

    (4)「中国にとって、米国の企業や技術に依存する半導体は「最大の弱点」(政府幹部)だ。習近平(シー・ジンピン)指導部はSMICを柱に国内の半導体産業の育成を急いでいるだけに、同社の行方が中国の半導体産業の先行きを占う試金石になる」

     

    半導体は、研究費や設備投資を増やしたからすぐに増収増益になるものではない。基礎技術の欠ける中国が、いくら背伸びしても不可能である。

     

    次の記事もご参考に。

    2021-01-10

    中国、「大誤算」習近平の命取り、ハイテク産業の国家保護が「衰退招く」

    2021-01-18

    メルマガ224号 西側の技術封鎖! 中国は間違いなく「巣ごもり破綻」

    2021-01-21

    中国、「深刻」半導体不足、技術封鎖で自動車業界は数十年前に「逆戻り」

    2021-01-25

    メルマガ226号 「遠吠え」中国、手強いバイデン政権へ揉み手で接近も「空振り」

     

    a0960_005040_m
       

    英国は2月1日、TPP11(環太平洋経済パートナーシップ協定)へ加盟申請したが、韓国もこれを好機と見て準備作業に入った。

     

    韓国の各省庁は、TPP11に規定された規範を満たすよう、商法や競争法など通商関連の国内制度や法律をTPP11のレベルに合わせる作業に本格的に乗り出したという。これまでの「積極的な関心表明」の域を超え、加入要請が受け入れられるよう、具体的手続きに入ったわけだ。

     

    韓国が準備作業を急ぎ始めたのは、TPP11の商品自由化レベルは95~100%(品目数基準、関税即時撤廃~最長21年間で撤廃)で、追加加入希望国は「最も高い水準の市場アクセス(開放)提供」を義務付けられているため。こうなると、早く加盟した方がプラスという計算が成り立つようだ。

     

    『ハンギョレ新聞』(2月4日付)は、「韓国、CPTPP加入の準備に拍車、英国の参加申請が追い風に」と題する記事を掲載した。

     

    通商当局は、TPP11協定批准・加入を管理する寄託国のニュージーランドと、今年議長国の日本などを対象に非公式協議に入ったという。追加加入を希望する国は、正式な加入要請の前に11の既存の参加国と個別で協議を経なければならない。

     

    (1)「通商当局関係者は「デジタル電子商取引拡散と政府の輸出補助金問題など、グローバル貿易環境が急変しているにもかかわらず、世界貿易機関(WTO)が1995年発足以後、新しい通商規範を全く作り出せずにいる。だから主要国ごとに超大型自由貿易協定の枠組みで新しい通商規範を制定し、代替する流れが起きている」とし「世界7位の輸出大国である韓国も、新しい通商規範の制定に急いで合流しなければならない」と述べた。台湾とタイもTPP11への追加加入の意向を明らかにしてきた」

     

    WTOが、グローバル貿易環境が急変しているにもかかわらず、何らこれに対応できないことから、TPP11のような先進的な超大型自由貿易協定が必要になっている。韓国は、日本という強力ライバルが存在するものの、意を決しTPP11に参加する意思を固めたのだろう。

     


    (2)「韓国が加入交渉に乗り出す場合、最終妥結までは数年がかかる見通しだ現在としては既存の11カ国が韓国と英国など追加加入希望国を一つにまとめて市場開放交渉に乗り出すのか、それとも「11対1」の個別交渉の方式で進めるのかがカギだ。韓国としては、農水畜産物の敏感品目を含め、6000品目(国際6単位品目コード基準)別に市場開放譲許案(関税撤廃・削減スケジュール)を設けなければならない。これに対し、既存の11カ国の市場開放レベルは交渉対象ではない。追加加入希望国は「最も高い水準の市場アクセス(開放)提供」を義務付けられている。

     

    韓国は、数年先をメドの加盟実現を目指している。最大の壁は日本である。自動車の関税を引下げれば、韓国の自動車産業に大きな打撃になる。これを回避するには、準備万端、整えなければならないはずだ。

     

    (3)「韓国と英国の追加加入の動きは、米国のバイデン政権のTPP11の復帰時期、アジア太平洋地域をめぐり複雑な力学構図で展開されている米中通商覇権などの変数と直接からんでいる。既存の11の加盟国は、韓国と英国、台湾を先に引き入れるなら世界最大市場の米国をTPP11に復帰させることができると計算している。政府関係者は、「日本、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、シンガポールなど多くの既存の参加国は、参加国を拡大しようという立場」だと述べた」

     

    英国のTPP11加盟は、年内に実現すると見込まれている。そうなれば、TPP11の世界経済シェアは16%になる。さらに、韓国や台湾が加われば20%に接近する。こうなれば、米国はいつまでも復帰時期を遅らせられなくなる、と韓国は見ている。

     


    (4)「こうした中、中国の習近平主席も昨年11月のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で「TPP11加入を積極的に考慮する」と明らかにしている。これについて通商専門家らは、「中国の立場は(実際に加入するという意図というよりは)別の戦略的次元」であろうと解釈している。米国の追加加入を牽制し、TPP11の広範囲な拡大を遅らせるという目的があるということだ」

     

    中国のTPP11加入は、本欄が主張し続けているように国有企業が絶対的な障害になっている。本音は、台湾加入を阻止させようというのであろう。TPP11が、中国加入と台湾加入を天秤に掛けるだろうという単なる「思惑」に違いない。

     


    (5)「英国の政府研究所のジェームズ・ケイン研究員は、最近ロイター通信に「TPP11は国営企業の補助金などグローバル通商規範を破っている中国の慣行に対抗し、新しい規則を作るための共同戦線ブロック(TPP11=世界市場経済シェア13.5%)という点で、政治経済的性格の協定」と述べた。一部では、中国が後からTPP11への追加加入を申請しても、既存の参加国が拒否権を行使する可能性が高いと見ている。追加加入が実現するためには、既存の11の参加国がすべて賛成しなければならない」

     

    中国が将来、仮にTPP11へ加盟したいと希望しても、ベトナムが絶対反対であることは間違いない。中越関係は、中越戦争に象徴されるように、ベトナムが恨み骨髄である。TPPの性格は、「反中国」で結束する安保と経済のグループである。この本質を没却してはならない。

     

    次の記事もご参考に。

    2021-01-18

    中国、「意趣返し」王毅外相、ASEANへワクチン外交もベトナム除外「TPP11加盟希

    2020-12-03

    メルマガ213号 習近平の空疎なTPP参加論、国有企業が壁。只のジェスチャーで終わる

     

    テイカカズラ
       

    韓国の裁判は、情緒的とされている。国民感情に沿った判決をするという意味だ。憲法に則った判決よりも、国民情緒を優先する「国民情緒法」が存在するという揶揄である。韓国では今、大法院長(最高裁判所長官)が、判事の健康悪化を理由に提出した辞表を受理せず、国会の裁判官弾劾議論の進展を待っていたという驚くべき事実が浮上した。

     

    文大統領は、ことあるごとに「三権分立」を強調している。旧徴用工判決でも、これを理由に政府が問題解決に乗出さず、日韓関係を泥沼化させてきた。この「三権分立」論は、韓国では非常にいかがわしいことを証明した。司法が、国会の立法府に従属する動きをしているからだ。韓国司法が真に独立しているならば、国会の弾劾と関係なく判事の辞表を受理すべきであった。私が、韓国司法を「田舎裁判」と指摘する理由は、こういう裁判所の従属性にある。

     


    『朝鮮日報』(2月5日付)は、うそつき大法院長保有国、『文在寅の国』の真骨頂」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「金命洙(キム・ミョンス)大法院長が昨年5月、辞表を出した林成根(イム・ソングン)釜山高裁部長判事に「辞表を受理すれば、国会で弾劾ができなくなる」と語った問題で、金大法院長はそんなことは言っていないと否定していたがうそと判明した。林部長判事が当時の会話記録を公開したことで逃げられなくなった。判事は(裁判で)うそを判断する存在だ。ところが、一般の判事でもない大法院長がうそをつく。海外でも話題にされてしまう出来事だ。うそがばれても恥ずかしがる様子もない」

     

    金大法院長は、文政権が抜擢した人事である。文政権への忠誠心が極めて強い人物だ。大法院長就任に野党は反対した。理由は、文政権の意向を受入れ、裁判官の粛清を行うことが危惧されたのである。現実に就任後、約100人の裁判官をヤリ玉に挙げた。すべて、文政権が動いた結果である。金大法院長が、こういう政権と密着した行動を取ってきた以上、今回の国会の弾劾にも協力する動きをしたのは驚くに値しないだろう。

     


    (2)「大法院長が「うそ」をついた事実だけでも驚くべきことだが、そのうその過程には本当にあきれる。政治家や詐欺師が繰り広げる茶番レベルのおとぼけ、もみ消し、前言撤回などを大法院長が見せてくれた。金大法院長は「弾劾問題で辞表を受理できないという趣旨のことは言った事実はない」としらを切った。2人で会話していたので他に証人はいないと信じ、真っ赤なうそをついたのだ。良心を欠く人物だ」

     

    大法院長が、噓の発言をしたことが判明した。公的問題についての「噓発言」は、司法トップの人間に許されることでない。

     

    (3)「さらに驚くべきことには、そのうそを大法院名義の答弁書に盛り込み、野党議員に送ったことだ。国会で事実上の偽証までした。林部長判事が改めて「大法院長がそういうことを言った」と反論しても、それをもみ消して持ちこたえた。林部長判事が会話記録を公開しなかったとすれば、民主党は林部長判事をうそつきとして追及したはずだ。それでも足りないと思っている人物たちだ」

     

    大法院長の噓発言は、国会において行われたので偽証になる。辞職に発展する問題だ。ただ、政権・与党は一体になって、この「嘘つき」大法院長を守るに違いない。韓国司法に泥を塗ることになろう。

     


    (4)「
    林部長判事は検察の捜査を受け、体重が30キロも減り、大病まで患ったという。そんな人が辞表を出したのに、「弾劾しなければならないから、辞表を受け取れない」というのは人間の言葉だろうか。金大法院長は林部長判事に「はっきり言えば、(与党が)弾劾しようとあんなに気勢を上げているが、私が辞表を受理したということになれば、国会で話を聞いてどうするんだ」とも語った。国会とは言っているが、実際には民主党のことだ。司法府よりも民主党が重要な人物だ。金大法院長は林部長判事との面談前日と当日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領とさまざまな行事で相次いで会っていたという」

     

    金大法院長は、就任に当り野党の反対が強かったので、林部長判事らを通じて野党に根回しをしたという。金氏にとっては、因縁浅からぬ存在の林氏にもかかわらず、政権・与党へ媚びを売るべく平然として辞表受理を拒否したのだ。さらに、噓の証言までするのは、人間としても失格である。判事が、人事面で国会と関係を持つのも問題である。

     


    (5)「文政権は今、林部長判事に対する無理な弾劾で一線判事を脅しているが、大法院長は後輩判事をスケープゴートに仕立て上げた。自分を大法院長に任命した政権に恩返ししようと、司法権の独立を踏みにじった。金大法院長こそ弾劾に値する。しかし、国会を掌握した巨大与党が弾劾を行うはずがない。韓国は政権の手足のように動き、顔色をうかがううそつきが大法院長を務める国だ。非道なことを思い通りにやり、ばれてもむしろ堂々と顔を上げて怒る文在寅政権も大法院長らしいと言わざるを得ない」

     

    大法院長の醜聞は、韓国司法の信頼性を大きく傷つけた。文在寅氏が大統領を務める韓国は、道徳面で地に墜ちた存在である。

     

    a0960_008572_m
       

    旧日本海軍は、真珠湾攻撃直前に猛訓練したことが伝わっている。中国海軍の潜水艦部隊が最近、猛訓練しているという。このため乗組員の21%が精神不安を訴える事態だ。中国軍が、軍事行動を始める前兆なのか要注意である。

     

    『大紀元』(2月2日付)は、「南シナ海で活動する中国軍の潜水艦乗組員、2割が心の不調訴える 全体より高水準」と題する記事を掲載した。

     

    中国海軍軍医大学の最新調査研究によると、南シナ海で活動する海軍潜水艦の乗組員のうち、約2割がメンタルヘルス不調を訴えている。台湾専門家は、中国軍内のカウンセリング・診療体制に問題がある上、中国当局による頻繁な軍事演習も一因になっているとの見方を示した。

     

    (1)「香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(SCMP)1月31日付によれば、同調査は、潜水艦に乗船中の男性兵士500人を対象に行った。うちの21%の兵士には、心理的な問題またはメンタルヘルス上の問題があることがわかった。特に不安障害と妄想性障害がみられた兵士が多いという」

     

    潜水艦乗組員は、狭い艦内で音を出さない生活を強いられる点で、「極悪な居住環境」であることは間違いない。個室のあるのは艦長だけ。プライバシーはゼロである。日本の潜水艦乗組員は、精神面などの厳しい試験を経て選抜され、海上自衛隊では「最高のエリート集団」とされている。乗艦手当は45%つくという厚遇だ。

     

    中国の潜水艦乗組員も、日本同様の選抜基準で選ばれるのであろうが、「一人っ子」で大事に育てられた若者達である。メンタル面で弱いとすれば、戦闘行為に入って「発狂」の恐れも出かねない。

     


    (2)「重度の精神的問題を抱えた人の割合は、人民解放軍全体と比較して高かったという。調査報告書は、心の健康問題が生じた原因は2つあるとした。1つ目は、南シナ海における軍事演習の回数の増加だ。訓練のために潜水艦は通常、60~90日間水中航行を続けている。また、報告書は、潜水艦という閉鎖空間に長く滞在することも、心の不調をもたらす2つ目の原因であるとした」

     

    中国海軍の潜水艦部隊の猛訓練は、気になる動きである。開戦準備を始めているのであろう。現代の海軍では、潜水艦部隊の役割が大きくなっている。海中で待ち伏せし、敵艦攻撃する役割が与えられているからだ。日本の潜水艦部隊は、米国以上の能力を持ち折り紙付きである。潜航能力は世界一とされ、日本の潜水艦の上に、中国潜水艦が潜航しているケースもあるという。こうなると、漫画になる。

     

    (3)「台湾の軍事評論家である李正修氏は1日、米『ラジオ・フリー・アジア』(RFA)の取材に対して、「潜水艦の乗員は、他の部隊と比べて、より強いメンタルを求められている」と述べた。「多くの装備や武器が取り付けられている潜水艦の中で、人の活動できる空間が限られている。潜水艦は、敵側にその動きを感知されないように、外部との連絡をほぼ断っている。このような空間で、メンタルが弱い人は、非常に不安になるだろう」

     

    乗組員の精神的な強弱が、潜水艦能力を左右する時代になってきた。その点で、中国の一人っ子政策はマイナスになる。

     


    (4)「中国では昨年9月、江西省や雲南省など各地の若者が兵役を拒否したことが相次いで報道された。同月、中国SNS上で、中国軍の若い兵士らが中印国境地域に派遣される途中、自分を奮い立たせるために歌いながら、泣いていた様子の動画が投稿され話題となった」

     

    かねてから、一人っ子問題が懸念されていた。それが、いよいよ表面化している。

     

    (5)「台湾国立中正大学の林頴佑教授は、兵士のメンタルヘルスの管理に関して、中国が他国と異なっていると指摘した。「米軍には従軍牧師がいる。台湾国軍には(カウンセリングを行う)補導長がいる。中国軍の場合、それに当てはまるのは政治委員(政委)だ。しかし、政委が兵士らのストレスを低減できるか、あるいは兵士とコミュニケーションを取れているかは疑問だ」という。中国軍の政委は一般的に、心理カウンセラーの役割ではなく、兵士に対する中国共産党の思想教育を強化する役割で、軍内の党建設を担う」

     

    米軍には従軍牧師がいる。中国軍は政治委員(政委)が思想教育をする。この面で、米中は全くアベコベである。狭い潜水艦内で、マルクス・レーニン主義の説教を聞かされたら、むしろメンタルは悪化するばかりであろう。

     

    次の記事もご参考に。

    2021-02-01

    メルマガ228号 「暴走中国」 安保と経済で落とし穴に嵌まり 自ら危険信号発す

    2021-01-07

    メルマガ221号 「傲慢&無知」中国、欧米一体で封じ込め戦略、英独仏がアジアへ海軍派遣

     

    このページのトップヘ