勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2021年02月

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    韓国が待ちに待っていた米韓首脳電話会談は、4日(現地時間3日)に行われた。文大統領は、米韓首脳電話会談前に、中国の習国家主席と電話会談し中国共産党を絶賛するという「ヘマ」を演じ懸念されていた。過去に行われた、米国新大統領と韓国大統領の初電話会談の時期は、今回がもっとも遅かった。

     

    米議会上院で、次期外交委員長に内定しているロバート・メネンデス氏は、文大統領の中国共産党礼賛を厳しく批判するなど、事前に米国側の空気が伝わっていた。米国ホワイトハウスが発表した文書は「96単語」という。日本とは「150単語」の発表文章である。この単語の数から見ると、日韓首脳会談の中身が充実していたのでないか、と韓国メディアは懸念している。

     

    米国と韓国の正式発表文を比較すると、韓国発表で、米国発表にない部分が多く、会談の雰囲気が「冷たかった」ことを覗わせている。

     


    『中央日報』(2月4日付)は、「韓国大統領府『早期に対北戦略を用意』 米国側の韓米首脳会談声明にはなく」と題する記事を掲載した。

     

    バイデン米大統領が3日(現地時間)、文在寅(民主ムン・ジェイン)大統領と電話会談で、韓米同盟の強化に対する意志を強調したと、ホワイトハウスが明らかにした。バイデン大統領の就任後、初めて行われた韓米首脳間の電話会談だ。

    (1)「ホワイトハウスは声明で、「バイデン大統領は韓米同盟強化に対する約束を強調するため、文在寅大統領と電話会談をした」とし「韓米同盟は北東アジアの平和と繁栄のための核心軸(リンチピン)」と明らかにした。ホワイトハウスは、北朝鮮問題について「両首脳が緊密に協力することで合意した」と短く伝えた」

     

    このパラグラフは、意味深長である。次の2項目は、米国主導を示唆している。

    1)米韓同盟は、北東アジアの平和と繁栄のための核心軸(リンチピン)である

    2)北朝鮮問題について、両首脳が緊密に協力することで合意した

     

    いずれも、韓国が米国へ協力するという内容だ。1)で、インド太平洋戦略へ協力する。2)では、米韓が同一歩調であるから、韓国の突出した行動は認められないのであろう。

     


    (2)「青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)側が発表した、「できるだけ早期に包括的な対北戦略を用意する必要があるという認識で一致した」「韓半島(朝鮮半島)問題解決の主要当事国である韓国の努力を評価し、韓国と同じ立場であることが重要だ」などの内容は含まれなかった。「両首脳が韓日関係の改善と韓日米の連携が域内の平和と繁栄に重要だということに共感した」という青瓦台側の発表内容も、ホワイトハウスの声明にはなかった」

     

    韓国が発表した項目は、米国側の発表文にない以上、韓国の希望は述べただけで、米国の合意を得られなかったことを示唆している。このことは、米国発表文が「96単語」で短かったことでも理解できよう。韓国は、米国から踏み絵(中国問題)を踏まされたが、米国の納得する回答をしなかったに違いない。


    (3)「バイデン大統領は先月27日、菅義偉首相との電話会談後に発表した声明で、「中国と北朝鮮を含む地域の安全保障イシューを議論した」「朝鮮半島の完全な非核化の必要性を両首脳が共に確認した」など具体的に述べたのとは差がある。ホワイトハウスは、日本首脳との電話会談で中国・北朝鮮・韓半島問題など地域の懸案を議論したと公開した。韓国の首脳とは地域内の懸案を共に議論できなかったという印象も与える」

     

    韓国は、中国に対する明快な返事を保留したのであろう。

     


    (4)「ホワイトハウスが発表した声明は96単語で構成され、他の首脳との電話会談後に発表した声明のうち最も短いグループに入った。マクロン仏大統領(95単語)の次に短かった。菅首相との電話会談後に発表した声明は150単語で、最も長かった」

     

    米国と日韓双方との発表文では、明確な違いがある。韓国が日本の3分の2に止まったのは、それだけ米韓の合意事項が少ないことを物語っている。韓国は、米国から宿題を出されたのだ。


    (5)「バイデン大統領と文大統領の最初の電話会談は、先月20日にバイデン大統領が就任してから14日目だった。歴代米大統領が就任後、韓国大統領と最初の電話会談をした時点と比較すると、やや遅い。トランプ前大統領は就任9日目の2017年1月29日(現地時間)、黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行と電話会談をした。オバマ元大統領は2009年の就任13日目に李明博(イ・ミョンバク)前大統領と電話をした。ブッシュ元大統領は2001年の就任4日目に金大中(キム・デジュン)元大統領と電話会談をした」

     

     

    文大統領は、バイデン大統領との会談が就任後14日目と、過去で最も遅れた。これは、米国が韓国を試していたと見るべきだ。しかも、米国側の発表文が短いことも気になる点である。



    韓国側の発表によれば、「文大統領はバイデン大統領に『朝鮮半島の非核化と恒久的な平和定着を進展させるため、韓米両国が共に努力しよう』と呼び掛けた。バイデン大統領は、朝鮮半島問題の解決における主要当事国である韓国の努力を評価し、『韓国と同じ立場が重要であり、韓国と共通の目標に向けて緊密に協力していく』と述べている」のだ。

     

    この文章から、米韓の北朝鮮への合意が成立していなかったことが窺える。恒久的な平和定着には、北の核放棄が前提である。この点で米韓は食違いがあるようだ。韓国は、北の交流が恒久的平和定着に必要と従来の立場を強調したが、米国が同意していないのだ。

     

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    韓国、「叱正」米上院次期外交委員長、文大統領の中国共産党礼賛に苦言「朝鮮戦争忘れるな」


     

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    韓国国民の科学的知識は、小学生並みである。反原発市民団体は、原子力発電所にまつわる恐怖感を植え付けるために、非科学的な恐怖感をばらまいている。その格好の材料が、福島原発事故の災害を誇大宣伝して、多数の死者が出たとふれ回ったことだ。文政権は、この悪質な市民団体の悪宣伝を利用して、強引に正常運転している原発を止めたほか、建設中の発電所2基の工事を中断させてしまった。

     

    現在、韓国政界は文政権が北朝鮮へ原発建設案を提案したことが問題になっている。国内は、反原発で禁止方向でありながら、北朝鮮へは原発推奨では「ダブルスタンダード」だという批判である。しかも、この北朝鮮への原発建設案の一つに、韓国で建設を止めた発電所の建設を再開して稼働させ、その電力を北朝鮮へ送るという案が含まれていた。これでは、韓国世論が納得するはずがなく、文政権は「知らぬ、存ぜず」で逃げ回っている。

     

    原発は、世界的に見直される方向にある。二酸化炭素を排出しない点が、再評価のポイントである。韓国は、こういう世界の動きに背を向けて、韓国市民団体の暴走に力を貸しているのだ。それが、選挙の際に有利という判断である。

     

    『中央日報』(2月4日付)は、「『脱原発』の結果があまりにも重い」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のイ・ジョンジェ中央日報コラムニストである。

     

    文在寅(ムン・ジェイン)政権がたとえ北朝鮮に原発支援を計画したとはいえ、それがなぜ問題なのか。過去の金泳三(キム・ヨンサム)政権当時からしたことではないのか。文在寅(ムン・ジェイン)政権がたとえ北朝鮮に原発支援を計画したとはいえ、それがなぜ問題なのか。過去の金泳三(キム・ヨンサム)政権当時からしたことではないのか。

     

    (1)「対北朝鮮原発支援は可能だ。ただ、2つの前提が必要となる。北朝鮮の非核化と韓国の原発産業の発展だ。この2つが満たされてこそ名分と実利が生じる。保守政権の時代にはこうした前提を疑う必要がなかった。しかし文在寅政権では違う。大統領はいつからか北朝鮮の非核化を口にしない。「対話」ばかりを言う。南北連絡事務所が爆破され、西海で公務員が射殺されても「対話」を話す。したがって北朝鮮非核化の意志に対して国民の疑心が強まっている」

     

    文大統領は、南北交流を説くが非核化を口にしなくなっている。ただ、南北対話再開である。これでは、肝心の非核化が霞んでしまうのだ。米国バイデン政権も、文政権の動きに警戒観を強めているほど。この状態で、北朝鮮へ原発建設と提案されても疑心暗鬼になるだけである。

     


    (2)「もう1つの前提は言うまでもない。
    文大統領は2017年6月、「原発は安全でなく、安くもなく、環境に良いものでもない」と述べた。しかし翌年、チェコ首相に会い、「韓国は過去40年間にわたり原発を運営しながら、一度も事故がなかった」とセールスをした。原発に対する大統領の言葉が都合しだいで変わるため、国民が信頼できなくなる」

     

    文氏にとって徹底的な誤りは、原発危険説を唱えて国内原発を縮小方向に向けていることだ。一方、海外で韓国の原発が安全とPRしていることは、韓国国民に不信の念を植え付けているのである。

     

    (3)「原発は、南北をつなぐ平和の橋頭堡として適している。韓半島(朝鮮半島)の未来に対する真剣な悩みもなく政治的な真実攻防(注:疑惑解明)ばかりに流れれば、この政権はもちろん、次の政権も原発カードを失うことになる。結局、韓半島は原発も平和も失ってしまうだろう」

     

    北朝鮮経済を潤すには、電力が不可欠である。そこで、原発建設を支援する代わりに非核化を促進させるという、過去の取り決めに戻ることだ。1994年のジュネーブ合意に基づき、1997年に咸鏡南道(ハムギョンナムド)地区(新浦)で軽水炉建設を始めたが、2002年に北朝鮮の高濃縮ウラン(HEU)計画が明らかになって米朝関係がこじれ、結局、2006年に軽水炉事業が終了した。この原点回帰を目指すもので、可能性は残すべきだろう。

     


    (4)「このすべてのことの出発点に脱原発がある。脱原発は炭素中立(カーボンニュートラル)と粒子状物質の解決を難しくし、雇用と未来の産業を破壊した主犯だ。さらに今では対北朝鮮原発支援もできなくしている。リーダーの誤ったビジョンが招いた結果はあまりにも重い。これほどになればもう大統領が決断する時だ。この際、北朝鮮非核化+北朝鮮原発支援+脱原発撤回の3点セットを公開宣言し、国民的な同意を求めればどうか

    北朝鮮へ原発建設するならば、韓国国内の「脱原発」方針を廃止することだ。「北朝鮮非核化+北朝鮮原発支援+脱原発撤回」をワンセットにすべきだろう。韓国の非科学的な反原発市民団体を科学教育する。これも欠かせない事業だ。

     

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    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、内弁慶である。国内では「敵・味方論」で敵方に対して容赦ない扱いだが、海外要人には卑屈なまでに辞を低くするタイプである。その典型例が、中国の習近平国家主席との電話会談で、中国共産党礼賛をしたことに現れている。韓国は、この中国共産党の軍隊である人民解放軍義勇軍に侵略されたのである。

     

    米国議会上院で次期外交委員長に内定しているロバート・メネンデス氏が、先の文大統領の中国共産党礼賛に厳しく批判した。

     

    『朝鮮日報』(2月4日付)は、「中国共産党称賛の文大統領に向かって「なぜ我々は共に血を流したのか」と問いかけた米議員」と題する社説を掲載した。

     

    ロバート・メネンデス次期米上院外交委員長が本紙とのインタビューで、親中・親北朝鮮に傾く文在寅政権に対する懸念を吐露した。

     

    (1)「米民主党所属議員でバイデン大統領と近い同氏は、文大統領が習近平中国国家主席との電話会談で、中国共産党創党100周年を「心からお祝い」したことについて、「(中国共産党の)歴史を大いに喜ぶことに何があるのか、私はよく分からない」「失望したし、心配になる」と述べた。また、中国共産党の価値を韓米が共有することはできないと言った上で、「こんなことをしようと思って、我々は共に血を流して韓国の防衛と韓半島(朝鮮半島)非核化のために資源を投入し続けたわけではない」とも言った」

     

    文大統領は、もともと北朝鮮の「チュチェ思想」に心酔してきた人物である。共産主義に親近感があるのだ。だから、中韓首脳会談であのようなお世辞を平気で言えるのであろう。役者でなければ、心にもないことを言えるものではない。

     

    (2)「6・25(朝鮮戦争)で韓米軍は中国軍に対抗して国を守った。中国軍のために数多くの人が死に、統一はできず、今も我々は桎梏(しっこく=手かせ・足かせ)から逃れられていない。メネンデス議員は文大統領に「中国共産党を称賛するのなら、我々は当時、何のために血を流して戦ったのか」と問いかけているのだ。この問いかけを文大統領にしたいと思っている韓国人も多いことだろう」

     

    文氏は、学生運動家でもあった。民族統一派であるから共産主義でもいいので南北統一しようという、単純な民族主義者でもある。文氏が、北朝鮮へ原発を贈ろうと真面目に考えていたのは、民族主義者の象徴的な行動である。

     


    (3)「今、米国で超党派的な支持を得ている唯一のトランプ前大統領の政策が、「中国への圧力」だ。バイデン政権も公に「引き継いで発展させるだろう」と言っている。習近平主席の中国は覇権意識を露骨に見せている。香港と台湾を抑圧し、東シナ海・南シナ海では武力で影響力を拡大している。韓国の西海(黄海)も中国の内海と見なし、「西海工程」を行っている。その一方で、自国の少数民族の人権は踏みにじっている。米国の官民は今、このような習近平主席の中国に警戒心を大幅に強めている。ところが、文大統領はバイデン大統領よりも習近平主席と先に電話会談し、「中国の影響力が強まっている」と称賛した。そのような人物は世界の民主国家の指導者の中で1人しかいない」

     

    文大統領には、共産主義恐怖論はゼロである。むしろ、歓迎の立場であろう。韓国軍は、北朝鮮軍を「主敵」としてきたが、これを外させたのは文氏である。代わって、自衛隊が「主敵」になっている。海上自衛隊の「旭日旗」を嫌悪しており、韓国入港の際は旭日旗を降ろせと要求したほどだ。海上自衛隊は、これを拒否して釜山へ入港しなかった例がある。

     

    (4)「メネンデス委員長は、「6・25以降、韓国を経済的な虎にしたその原則を擁護してほしい」と言った。とにかく米国の側についてほしいというのではなく、民主主義・自由市場・法治・人権などの価値の側についてほしいということだ。戦火の灰にまみれた韓国を世界の主要国にしたのは共産党の独裁ではなく、自由市場と民主・法治だった。中国共産党の何を賞賛しようというのか」

     

    文大統領に、下線のような認識はゼロである。反市場主義の政策を行っており、韓国経済の基盤はガタガタになっている。皮肉な言い方をすれば、日本には好都合な大統領かも知れないが、韓国国民にとって不幸な大統領である。

     


    (5)「メネンデス議員は、「対北朝鮮ビラ禁止法」についても「北朝鮮の人々に情報を与えることは重要だ」と言った。さらに、シンガポール米朝首脳会談についても「トランプ(前)大統領がしたことはすべて、金正恩(キム・ジョンウン=朝鮮労働党総書記)を正当化した」「北朝鮮は核・ミサイル計画を進展させた」「こうした歴史を知りながら、なぜ(文大統領は)それがバイデン政権も継続すべき政策だと言えるのか、私はよく分からない」とも言った。そして、「もしも、その(シンガポール米朝首脳会談)ようなことを続けたいと思っているなら、それは『災いのもと』だ」とまで言った。これ以上、補うべき言葉はない」

     

    文大統領の頭には、南北統一論しかないのだ。それには、北朝鮮の言い分をすべて認めるという認識である。文氏が、民族主義者で共産主義受入れ論に立つだけに、限りない北朝鮮派になっている。米国バイデン政権とは、完全にスタンスが異なっている。

     

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    韓国の裁判所は、憲法や国際法に則った判決よりも、国民情緒法といわれる国民感情をくみ取った判決が多いと指摘されている。この「田舎裁判」が、日韓関係を決定的に悪化させ、文政権の手足をしばっている。

     

    文大統領が、弁護士出身だけに判決に対して、「三権分立の立場尊重する」と発言したばかりに、もはや打つ手がないのだ。さらに悪いことに、文大統領がこれを反日という政治目的に利用したので、もはや二進も三進も行かなくなっている。

     

    旧徴用工賠償判決や旧慰安婦賠償判決は、国際法の「司法自制の原則」(旧徴用工判決)や「主権免除論」(旧慰安婦判決)から逸脱した判決である。この両判決のキーワードは「人権」である。すでに日本から払われた賠償金が、「賠償金」名目でなかったという形式論で追加賠償を命じるという「三百代言」的判決を出して、国民感情に迎合したのだ。

     

    『中央日報』(2月3日付)は、「徴用・慰安婦判決の影響、裁判所の『記念碑的』判決でふらつく韓国外交」と題するコラムを掲載した。筆者は、魏聖洛(ウィ・ソンラク/前韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長・リセットコリア外交安保分科長である。

     

    韓国で外交が言葉ほど重視されていないのは公然の秘密だ。4強に囲まれた分断国ながらも、対外問題を国際観点より国内観点で裁くのが茶飯事だ。司法府もこのような雰囲気と無関係ではないようだ。最近、裁判所は外交事案が関連した訴訟で数回画期的な判決を下した。裁判所は法と良心に従ってそのように判断したが、その結果は韓国外交と国際地位に甚大な影響を及ぼした。

    (1)「例えば、大法院(最高裁)民事1部は2012年徴用問題に対して日本企業の賠償責任を否定した原審を破棄還送した。徴用は、1965年韓日請求権協定で解決済みだという韓国政府の立場に真っ向から反する革新的な判決だった。大法院全員合議体は2018年10月再上告審で原審を確定した。大法院民事1部の判決が最終的に確認されたといえる。日本は1965年請求権協定違反だと主張した」

     

    徴用工も慰安婦の判決も、人権擁護を前面に立てたが、国際法の前には異例の判決で受入れられない内容だ。韓国政府は、それを深く認識していなかった。「田舎判決」に酔っていたのだ。

     


    (2)「客観的に見ると、韓国政府は協定と判決の間に挟まった境遇に陥った。被害者である韓国が約束違反で守勢に追い込まれたのだ。しかし興味深いことに、政府はそのような認識には立たないで、三権分立と被害者中心主義を前面に掲げて判決側に立ってしまった。ここから事が難しくなった。守勢から抜け出すには政府が協定と判決の間で困惑している立場だという認識に立つべきだった。日本は1965年協定の紛争解決手続きである二国間協議と仲裁委員会の回付を順に提案した。韓国はこれを拒否して一連の解決法を出しておいたが、日本は大法院の判決履行を前提としているという理由ですべて拒否した」

     

    文大統領な、民事法の専門家であろう。国際法に疎かったに違いない。だから、判決に「人権擁護」と出てきただけで有頂天になったのだ。国際法の専門家に相談すべきだった。「生兵法は怪我の元」である。

     

    (3)「そのうち新たな難題が発生した。ソウル地方法院(地裁)は先月8日、慰安婦被害者が日本政府に対して提起した訴訟で、原告勝訴の判決を下した。反人道的犯罪という理由で日本の国家免除は否定された。人権の新たな地平を開く判決であるかもしれないが、国際慣習法に対する挑戦的な問題提起でもあった。政府にはまた守勢に追い込まれる素材ができたといえる。政府が徴用判決以降、裁判所側に確かに立ったことが意図せず類似の革新的判決が下されやすい雰囲気を作った点もある

     

    文大統領に国際法の知識があれば、徴用工判決の時、あれほど勝ち誇った態度を取ることもなかったであろう。あれが、韓国司法を「脱国際法」へ導いてしまったのだ。

     

    (4)「日本は国際法違反だと主張し、韓国政府の是正を要求した。政府は判決を尊重すると言った。大法院民事1部(注:徴用工)とソウル地方法院(注:慰安婦)の判決は、植民地支配の不法性、反人道的犯罪と国家免除に対する厳正な判断などの側面で記念碑的といえる。問題は判決が現在の国際社会の主流的な流れと大きく異なるというところにある万一、判決が国際的共感を得ることができるなら、政府も日本の国際法違反の主張に対して積極的に反論し、事案を仲裁委員会や国際司法裁判所に持っていくことも考えるだろう。しかし政府は、気の毒なほど何の反論もできないだけでなく、核心の争点を回避している。政府が国際法違反問題に対して判決文にある論拠も援用しないところを見ると、前後の事情を察することができる」

     

    韓国の日本に関する2判決は、いずれも国際法から外れている。だから、日本が要求した国際司法裁判所で再審を求める勇気が出ずに握り潰していたのだろう。

     


    (5)「
    裁判所は記念碑的判決を残して舞台の後ろに消えた。舞台に残された韓国外交は、判決の衝撃で足元がふらついている。韓国外交は相次ぐ難題と日本の組織的対応の前に追い込まれている。被害者である私たちが合意違反フレームにひっかかって、国際的な体面を傷つけられ、日本の叱責の前にまともに論駁もできない姿を見るのは苦しい。政府が打開策を出してほしい。そしてもうこれ以上、裁判所発の難題はなくなることを願う」

    日本の主張するように、韓国の2判決は国際法違反である。日本が韓国を批判し続けても、韓国政府は何もできずフラフラしているだけだ。これも、判決を反日という政治目的に利用した咎めである。韓国政府が、自己責任で解決するしかないのだ。

     

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    日英両政府は2月3日夜、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をテレビ会議方式で開いた。日英の2プラス2は2015年にロンドンで開催して以来だ。英国は昨年、中国が香港へ「国家安全法」を導入し、香港を失う形になった。これにより、いやがうえにもアジアとの関係を強化せざるを得なくなっている。

     

    英国はこの延長で、日本との関係強化に踏み出す。日英の「2プラス2」開催は2回目だが、これまでの会議と比べ、実質的な中身は濃くなっている。中国の海洋進出が顕著になっているからだ。

     

    現在の日英関係は、米国を媒介にして「準同盟国」の関係である。だが、1902年(明治35年)、日英同盟を結びロシアのアジア進出に備えた。1905年、1911年に改定され、1923年に破棄された。日本の中国への進出が目立ち始め、米国の強い圧力によって英国が破棄したもの。米国は、1911~12年に「オレンジ作戦」と称して、日本との軍事決戦の準備に入っていたのだ。

     


    こうした過去の日英の結びつきが、今度は中国の海洋進出で新たな「日英同盟」へと発展する可能性を秘めている。それは、英国が2017年就役の「クイーン・エリザベス」(全長約280メートル、排水量約6万5000トン)という英海軍最大級の艦船を、間もなく日本へ派遣するからだ。

     

    操艦要員は700人で、航空要員を加えると乗員は1600人に達する。展開時には垂直離発着型の最新鋭ステルス戦闘機F-35B2個飛行隊搭載し、45型駆逐艦なども随伴する。一昨年2月、英国のウィリアムソン国防相(当時)は「クイーン・エリザベス」の太平洋派遣を表明。英政府は日本など関係国と協議を進めていたもの。日本が、母港になる見込みである。このような日英関係強化を背景に、日英「2+2」が開催された。

     


    『日本経済新聞 電子版』(2月3日付)は、「英に尖閣・台湾への関心喚起 日本、アジア傾斜で好機」と題する記事を掲載した。

     

    日英両政府は2月3日夜、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をテレビ会議方式で開いた。英国は今春以降にインド太平洋地域に空母を派遣するなど中国の海洋進出を警戒した動きをみせる。日本は沖縄県・尖閣諸島や台湾情勢に関する欧州の関心を喚起する好機だとみている。

     

    (1)「茂木敏充外相と岸信夫防衛相、ラーブ外相とウォレス国防相が出席した。茂木氏は「東シナ海、南シナ海で一方的な現状変更の試みが継続している。強い懸念を共有したい」と述べた。岸氏は英国の空母派遣が「自由で開かれたインド太平洋の推進に貢献する」と伝えた。英国は欧州連合(EU)離脱後に国際社会での影響力を維持・拡大するためにアジアへの関与を強めている。英国が2月1日に環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を申請したのもこの文脈だ」

     

    英国は、EU(欧州連合)を脱退してアジアへ目を向けている。その核は日本である。旧日英同盟復活のチャンスが訪れている。英国は、経済面でTPP11へ加盟申請した。日本が議長国であるので種々、斡旋するであろう。

     


    (2)「(英国は)中国への不信感を深めている事情もある。新型コロナウイルスへの対応や宗主国だった香港への統制強化が契機になった。安全保障面の警戒も高めており、17年に就役した空母「クイーン・エリザベス」のアジア派遣は中国を意識している。日本政府は英国との協力を深化させる。英国が空母を展開する際には米軍の保有するステルス戦闘機「F35B」が参加する。海上自衛隊との共同訓練を想定する。空母は潜水艦や巡洋艦など複数の艦艇からなる「空母打撃群」を構成する。周辺国を威圧する効果がある」

     

    空母「クイーン・エリザベス」と潜水艦や巡洋艦など複数の艦艇からなる「空母打撃群」がアジアへ派遣されるのは、中国けん制上でも大きな力を発揮する。

     

    (3)「日本側は、今回の協議で尖閣や台湾を巡る認識を英国と共有するのを期待する。香港や南シナ海問題に比べて関心が薄いとみる。インド洋から南シナ海にかけてもともと英国の植民地だった国が多い。インドやマレーシア、ミャンマーなどだ。香港以北にも意識を振り向けるよう促す。2月1日には中国の海警局を準軍事組織に位置づける海警法が施行し、尖閣周辺での中国公船による強硬な活動に拍車がかかる見込みだ。台湾空域では中国の軍用機が挑発を繰り返す。外務省幹部は「尖閣や台湾について英国にきちんと状況を説明する必要がある」と話す」

     

    英国は、NATO(北大西洋条約機構)の主力国である。その英国が、日本と関係を深めることは、日本にとって安全保障上も大きな力になるはずだ。尖閣問題だけでなく、台湾防衛においても中国をけん制する。

     


    (4)「日本は尖閣問題が2国間の対話だけでの改善は難しいとみて、同盟国である米国に加え欧州の関心も呼び起こす。台湾有事は東アジアで起こりうる大きなリスクである。米国はバイデン政権の発足間もない1月23日、中国軍の戦闘機が台湾の防空識別圏に侵入すると、国務省が「台湾が十分な自衛能力を維持するよう支援していく」との声明を出した。日本は集団的自衛権の行使を認めたものの憲法9条で武力行使に制約がある。米国だけではなく欧州が関心を示せば中国に対する抑止になる」

     

    日本にとって当面の課題は、尖閣諸島への中国侵略阻止である。米軍だけでなくNATOとの関係を深める必要がある。その点で、英国の存在は大きな力となろう。

     

    (5)「中国の台頭に意識を傾けているのはドイツ、フランスも同じだ。ドイツは独海軍に所属するフリゲート艦を日本に送る検討を進め、フランスもインド太平洋地域に積極的に艦艇を派遣している。日英両国は安保協力を重ね「準同盟」とも言える関係に発展させてきた。情報や物資のやりとりをしやすくする協定などの整備を終えた。英陸軍と陸上自衛隊による共同訓練や、英海軍と海上自衛隊による北朝鮮の違法船舶の情報収集など協力を具体化している。装備品の分野で日本と英国はともに次世代の戦闘機開発に着手しており、両国で研究した新技術の活用を見据える

     

    日英関係は、「準同盟」とも言える関係を構築している。この関係強化は、日本の安全保障に大いに貢献するはずだ。

     

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