勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2021年04月

    a0960_008532_m
       

    中国の監視カメラの正体が、ついにカナダで掴まれた。人気火鍋店内の映像が、北京へ送られていたという。目的は明らかである。店内の映像から秘密情報を掴もうという算段であろう。危ない。

     

    中国の四川省で誕生した火鍋ブランドの「海底撈火鍋」は世界中に935以上の店舗を展開し、3600万人以上のVIP会員と6万人以上の従業員を持つとされる。日本では、東京、千葉、大阪、兵庫に計6店舗を展開している。ほかには台湾に14店舗、米国に5店舗、カナダに2店舗展開している。日本でも東京、千葉、大阪、兵庫に計6店舗を展開しているという。

     

    『大紀元』(4月27日付)は、「中国人気火鍋店のカナダ支店に監視カメラ 映像を中国に転送=インドメディア」と題する記事を掲載した。

     

    カナダにある中国人気火鍋チェーン店「海底撈火鍋(カイテイロウ ヒナベ)」は、店舗内に60台以上の監視カメラを設置し、その映像を中国に転送していることがわかった。中国の「社会信用(監視)システム」ともつながっているという。印メディア『Sunday Guardian』(4月17日付)は、「中国共産党の社会信用システムが密かにカナダに潜入している」という見出しで報じた。

     


    (1)「バンクーバーにある「海底撈」のライアン・パン・マネージャーは、中国本社の要請に応じて60台以上の監視カメラ、つまり各テーブルに2台ずつ設置したことを明かした。設置理由は「会社の規定に従わない従業員を罰し、追跡するために取り付けた」と従業員のモラルの監視のためだと主張するが、中国に転送される映像の用途については「機密」に該当するため、漏らすことはできないと述べた。

     

    中国では総人口を上回る監視カメラが設置されているという。写真手配によって、5分以内に「指名手配者」が拘束されるという。それほど、市街地では監視カメラが市民を監視している。こういう無敵の監視カメラが、公安情報として使われている。

     

    (2)「監視カメラは、新疆ウイグル人を迫害する強制収容所に、顔認証などの監視システムを提供しているハイクビジョン社の製品だ。バンクーバー店は中国領事館の近くにあり、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)カナダ支社から徒歩10分の場所に立地している」

     

    問題の火鍋店が、中国領事館や華為技術カナダ支社に近いことも暗示的である。火鍋店の映像を中継する上で最適な役割を領事館やファーウェイ支社が担っていると見られる。

     

    (3)「中国共産党政権が国民を監視するために近年、「社会信用システム」を導入している。市民の身分情報だけではなく、税金の納付状況やクレジットカードの利用状況、SNSの履歴、通信履歴などが紐づけられる。監視対象にランク付けし、スコアが高い者に恩恵を、低い者に罰を与える」

     

    監視カメラは、市街地で市民の交通違反も発見できる。その映像が、自動的に「社会信用システム」に蓄積され点数化されるシステムである。市民は四六時中、監視カメラの下で暮らさざるを得ないのである。

     

    (4)「米国の中国問題専門家ゴードン・チャン氏は同報道をリツイートし、「中国共産党が社会と政治をコントロールする機器を世界に広めている」と投稿した。台湾・時代力量(党)の邱顯智議員も報道を受け、「台湾の自由と民主主義を保障するために、中国資本または中国資本とつながりのある企業に対して厳密に審査する必要がある」と述べた。米対外政策評議会(AFPC)のインド太平洋問題専門家マイケル・ソボリック氏は、同報道は「必読だ」とツイートし、「このような中国企業が米国で事業展開するのは合法か?」と疑問を投げかけた」

     

    カナダの火鍋店の監視カメラ映像は、北京に送られていることが分かって、もう一つの「恐怖」の存在が浮き彫りになった。ファーウェイの次世代通信網「5G」が、北京で操作されるという危険性である。バックドアには、情報窃取の仕組みと北京からの逆操作が可能になるソフトが隠されていると指摘されている。今回のカナダの事件は、中国の情報謀略が、着実に進んでいることを証明した。

    a0070_000030_m
       

    韓国は、風水(占い)を信じる社会である。「風評」が、真実と受取る古代社会の遺風が生きているのだ。放射性問題になると、もはや韓国社会の理解を超えてしまっている。古代人に説明するような難儀を覚える。

     

    『WoW! Korea』(4月26日付)は、「韓国原子力学会 日本政府は謝罪し、汚染の情報を公開せよ 過度な恐怖を警戒」と題する記事を掲載した。タイトルを見れば、日本が悪者になっている感じだが、そうではなく韓国政府と社会へ警告した内容である。人騒がせなタイトルである。

     

    韓国原子力学会は4月26日、声明を通じて日本政府の福島原発処理水の放流決定に対する立場を明らかにした。

     

    (1)「それによると、「日本政府の計画通りなら、福島原発汚染処理水は2年後から放流するにもかかわらず、(韓国では)すぐに水産物忌避現象が起こるというのだから心配が先立つだけ」とし、「過度な放射能恐怖と韓国の水産物に対する不信が解消されることを願う」と明らかにした」

     

    韓国の国を挙げての騒ぎは、科学的知識の欠如を見せつけている。古代人が騒ぎ立てるようなものである。科学的に冷静な対応が求められる。

     

    (2)「韓国原子力学会は、福島原発汚染処理水の放流に対する影響を分析した。日本は汚染水の浄化を2回行い、30~40年かけて少しずつ放流する計画である。これにもかかわらず、韓国では汚染水の再浄化をせず、現在の貯蔵状態のまま全量を1年間海に放流すると非常に保守的に仮定して評価している。韓国原子力学会が検討の結果、汚染水が韓国の海域に到達する時間と海水による希釈効果などから、韓国国民が受ける放射線被曝線量は一般の線量限度の約3億分の1であり、無視できる水準である」と説明した」

     

    日本政府は、これまで100回も外交団に説明してきた。それが、韓国政府に何ら伝わっていないのである。あるいは、知りながら知らない振りをしているのかも知れない。汚水は2回も浄化してから海洋放水するが、30~40年かけて少しずつ放流するもの。下線のように、放射線被曝線量は一般の線量限度の約3億分の1にまで低下する。

     


    (3)「韓国原子力学会は、この分析は日本側の公開データに基づくものであり、後々検証が必要であるが非常に保守的な仮定の下でも放射線影響は微々たるものであると結論付けた。さらに、日本政府に対しては、一方的な放水決定に遺憾を表明し、透明な情報公開と謝罪を求めた

     

    日本は、国際原子力機関の協力下で汚水の浄化を行なう。日本政府は、これまで100回も外交団へ説明しているので、謝罪する必要はない。謝罪すべきは韓国政府である。事実を隠蔽して、騒ぎを大きくしているからだ。

     

    (4)「日本政府に対して、次の事項を要請する

    1)韓国国民に対する福島原発事故被害の謝罪。

    2)福島原発処理水の放流決定過程の公開。

    3)処理水の放流における朝鮮半島海域への影響の評価結果の公開。

    4)処理水放流が日本政府の明らかにしたとおりに履行されているか検証・監視する。

    5)処理水の放流計画の検証および監視過程への韓国専門家の参加保障。

     

    1)は、韓国へ何らの被害も出ていないで謝罪する必要がない。他の項目は、国際原子力機関へ問い合わせれば済むことだ。

     


    (5)「
    韓国原子力学会は、韓国政府に対して次の点を要請する。

    1)放射能リスクを誇張して脱原発政策を正当化する口実にしてはならない。

    2)政治的目的に助長された放射能恐怖が水産業界と自営業者の被害を加重する自害行為になり得ることを警戒しなければならない。

    3)韓国原子力学会は、韓国政府に国民の健康と関連産業の保護を最優先価値とし、政治的かつ感情的対応を自制し、科学的事実を土台に実用的に問題を解決していくことを促す」

     

    このパラグラフは、韓国社会がいかにトリチウム問題を政治化させているかを示している。1)、2)、3)いずれも、文政権が「反日」の一環として行い恐怖感を煽ってきた。トリチウム問題は、政治の問題でなく科学の問題である。

     


    『ハンギョレ新聞』(4月23日付)は、「福島原発汚染水の海洋放出、科学という名の横暴」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のキム・ソヨン東京特派員である。文政権支持メディアの『ハンギョレ新聞』記者が、古代人的発想のコラムを書いている。

     

    (5)「『心配いらない』と主張しているのは、日本政府と東京電力だけではない。韓国の著名な原子力教授らからもその主張に賛同している。東京電力が作ったグラフを見せながら「大げさに騒ぎ立てる必要はない」と言う。放射性物質が基準値以下なら、本当にそれでいいのだろうか。セシウムやストロンチウム、ヨウ素などの猛毒性物質は、普通の原発では海に流してはならないものだ。自然や食べ物、レントゲンなどによって、私たちは今もやむを得ず放射線にさらされている。さらなる危険を厳しく管理するのは常識だ

     

    人間は、生まれつき自然界の発する放射性物質の中で生きており、免疫を付けているのだ。

     

    (6)「韓国の福島産水産物の輸入禁止措置について、日本が提訴した事件で、韓国は一審敗訴の判定を覆し、上訴機構(最終審)で勝訴した。日本側は、福島産の水産物をサンプル調査した結果、セシウムなどが基準値を下回っており、他国の水産物と変わらないのに、輸入が禁止されるのは不当だと主張した。これに対し韓国側は原発事故後、放射性物質が流出するなど日本の特別な環境を他国とは異なる「潜在的危険」と捉え、「政府は国民の生命と健康のために危険要素を最大限下げる義務がある」という論理でWTOを説得し、貴重な勝利を手にした

     

    下線部は、韓国の風水的な風評社会の実態を示している。日本は、全ての無害データを揃えたが、韓国は被害がないので提出できるデータが存在しなかった。韓国は、WTO上級審で敗訴を覚悟していたが、切り札として「風評」という韓国特有の社会事情を持ち出し、現在も福島県ほか8県の海産物の輸入禁止を続けている。風評に頼るという身勝手な韓国である。

     

    a1320_000159_m
       

    韓国は、中国の属国になっている感じだ。「クアッド加入」について、これまで中国から数回問合せがあったというが、そのたびに「要請はない」と虚言を繰返してきた。米国が、韓国をクアッドに参加させたいのは事実である。

     

    この韓国の「虚言」は、THAAD(超高高度ミサイル網)導入時にも、中国から「クアッド」同様に、何回も同様の問合せがあったという。そのたびに、「要請はない」と回答した後に突然、導入した経緯がある。その結果、中国の怒りを買い経済制裁を受ける羽目に陥った。

     

    韓国は、元々こういう安全保障の重大問題に付いて、同盟国でない中国からの問合せに答える必要がないのだ。問合せを受けること自体が、主権侵害であると答えて「拒否」すべき案件のはずである。韓国のこの甘さが、中国に付け入る余地を与えた。自業自得である。

     


    『中央日報』(4月27日付)は、「『クアッド要請ない』と中国を安心させる韓国政府、THAAD『3No』デジャビュ」と題する記事を掲載した。

     

    米国が最近、ワクチン協力もクアッド(日米豪印戦略対話)を中心にすることを示唆した。しかし韓国政府はクアッドについて「米国から参加要請を受けたことはない」とし、選択を回避するような立場を見せている。2016年のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備前の「要請も、協議も、決定したこともない」とあいまいな態度で一貫してきた当時の政府の立場のデジャビュという指摘だ。

    (1)「米国が最近、クアッドとワクチン協力を連係するような発言を続けるのは、今後、インド太平洋地域で安定したワクチンサプライチェーンを構築する過程でクアッドという協議体を核心に置くという意味と解釈される。政府はワクチンという限定された資源を得るため米国の協力を積極的に模索すべきだが、クアッドとは別だとして一線を画している。米国産ワクチンを得るためにはクアッド参加が必須というわけではないという趣旨だ。中国も韓国のクアッド参加意思に注目している。香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は24日、複数の消息筋を引用し、「中国が韓国にクアッドに参加するかどうかを数回問いただし、これに対して韓国は『参加要請を受けたことはない』と答えた」と伝えた」

     

    韓国外交には、主義・主張という基本線になるポリシーがないから風見鶏のように、いつもフラフラしているのだろう。米韓同盟を結びながら中国を恐れるのは、米韓が芯から信頼しあえる関係を結べないから、中国へ秋波を送ることになるのだ。

     

    その中で唯一、一貫しているのが「反日」であるから笑える。日本は甘いと舐めている結果だ。日本が今後、韓国へ外交的に妥協しないことで、「恐日」を植え付ければ、日本へ真面目な対応をするであろう。今、それが始まっている。

     

    (2)「こうした「現実回避型」対応は、過去の政権でもあった。2014年6月に在韓米軍側が「朝鮮半島THAAD展開を米国政府に要請した」と明らかにしながらTHAAD問題が水面上に浮上すると、政府が苦心の末に決めた立場はいわゆる「3NO」だった。「(米国の)要請も、協議も、決定もない」とし、事実上、中国を安心させた。北朝鮮核問題で中国の協力を引き出すには韓中関係を強化すべきという判断からだ。しかし、2016年1月に北朝鮮が4回目の核実験を敢行し、同年2月に長距離ミサイルを発射すると、急激な状況転換が生じた。韓米は直ちに「THAAD配備に関する協議を始める」と発表した。続いて政府は同年7月にTHAAD配備決定を公式発表した」

     

    THAAD配備という国防上の重大問題について元来、中国からの問合せに答える必要はないのだ。なぜ、そういう回答をしなかったのか。「(米国の)要請も、協議も、決定もない」などと虚言をして、相手を安心させたのは最悪外交である。

     


    (3)「中国は、南シナ海領有権紛争に対してオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)が敗訴判定を出した直後であった。外交的に大きな打撃を受けた中国へ、韓国までが加勢してパンチを放った格好になった。THAAD配備決定を公式発表するのに最悪のタイミングだったという指摘が、外交関係者の間で出た理由だ。中国は経済・文化など複数の分野で韓国に報復を敢行した。結果的に韓国も対中リスク管理に失敗したと見なすことができる。THAADに関連してあいまいな態度で一貫していたが急激に態勢を転換したのが、中国の経済報復など「非理性的な措置」の口実を与えた側面もあるからだ」

    韓国は、THAADに関して、結果的に中国へ虚言をしたことになる。「無言」を貫けば、中国から報復を受けることもなかったはずだ。韓国は、自ら報復を招いた形でもある。

     

    (4)「専門家らはTHAAD配備やクアッド参加などのように米中の戦略的利益が衝突する事案では、政府が国益レベルで鮮明な原則を示すべきだと助言する。亜洲大のキム・フンギュ米中政策研究所長は、「クアッド問題でもTHAADのように『3NO』と似た立場を取りながら結局は実際に参加する場合、中国が失望したり強い憤りを感じる状況が憂慮される」とし、「ただ、THAAD当時とは違い、現在、米中ともに韓国に完全に背を向けるのは負担になる状況であるため、その空間で韓国の国益を見いだすことを模索する必要がある」と述べた」

     

    韓国は、先の米韓外務・国防「2+2会議」でクアッド加入を臭わせるような振舞をしている。米韓同盟の適用範囲を、インド太平洋地域まで広げているからだ。ここまで話をしながら、中国に対して「米国からクアッド要請はなかった」と言えるはずがない。こういう苦し紛れの対応が、韓国外交の墓穴を掘っていくのだ。中国へ敢然と拒否回答をすることが、長い目で見れば、韓国の信頼性を高められる要因になる。

     

     

    ポールオブビューティー
       

    昨年春以降、中国と豪州の外交関係は冷え切っている。豪州が、中国へ新型コロナ発生について厳密な調査を要求した結果、中国は豪州産の小麦・石炭・ワインなどへ関税引上げを行い、嫌がらせを始めた。豪州は、中国の制裁へ対抗し、ビクトリア州が中国と結んだ投資協定を無効処分にした。

     

    豪州にとって、中国は輸出第1位という重要な関係にある。それにも関わらず、中国からの不合理な経済制裁をはね返して、中国にとって大きな意味を持つビクトリア州との投資協定を破棄した。これによって、中国へ屈しないという強いシグナルを送った。

     

    韓国は、豪州と比べて中国の言われるままに振る舞っている。経済のためなら、中国に屈するという醜い姿だ。豪州の毅然とした外交姿勢を参考にすべきだろう。

     


    豪州による投資協定破棄は、中国にとってかなりの痛手になる。インフラ投資や生命工学の技術を習得できる機会を失うからだ。豪州が敢然と中国へ反撃した裏には、中国経済が苦境に向かうことを「ファイブ・アイズ」を通して知っている結果かも知れない。中国経済の落込みを察知して、強気の対抗措置を取ったとも見られるのだ。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月26日付)は、「中国の経済的な脅しに豪州が反撃」と題する社説を掲載した。

     

    中国は政治的な武器として、一段と経済力を振りかざしている。だが、反撃を食らうことも多い。最近の例では、オーストラリアだ。マリズ・ペイン外相は先週、新たな自由裁量権を行使し、ビクトリア州と中国政府が交わした投資協定2つを無効にした。

     

    (1)「中国はインフラや生命工学、高度な製造業とテクノロジーの分野でビクトリア州と協力する計画だった。先週無効にされた2018年の覚書と19年の包括協定は、中国の広域経済圏構想「一帯一路」の一環である。一帯一路は資金とソフトパワーを使って、中国の世界的な影響力を拡大しようとするものだ」

     

    ビクトリア州知事は、親中国派であることから中国と経済協定を結んだ。豪州政府は、地方自治体による外国政府との協定禁止の法律をつくって中国へ対抗した。これまで、中豪関係は密接であった。それが、今日のような対立関係に変わったのは、中国が大量のスパイを豪州へ送り込み、豪州政界を牛耳るまでになったことが主因である。豪州議会が、日本の潜水艦技術導入を阻止したのは、中国スパイの暗躍結果とされている。こうした事態の発覚で、豪州政府は中国へ警戒感を示すようになった。

     

    (2)「オーストラリアは、中国の容赦ない経済外交がどんなものか分かっている。豪政府は2018年、自国の次世代通信規格「5G」ネットワーク構築で中国の通信会社参入を禁止。また昨年は、新型コロナウイルスの起源を巡る独立した調査を支持した。中国はオーストラリアにとって第一の貿易相手国だ。中国共産党は豪州産のワインや牛肉、石炭、ロブスター、材木、大麦、砂糖、銅鉱石を対象に関税や貿易制限を課すことでこれに対抗している」

     

    豪州は、中国の政治的影響を阻止すべく、「5G」導入で中国通信会社参入を禁止した。豪州研究陣が世界で初めて、中国「5G」にバックドアが仕組まれていることを発見した。これは、自由陣営にとって大変なお手柄である。バックドアに気付かなかったならば、中国の支配下に陥るところであった。

     

    (3)「エコノミストのマーセル・ティリアン氏は、「すでに対象とされているモノとサービスは、オーストラリアの対中輸出の4分の1近くに相当する」と推定。「こうした貿易戦争のエスカレートが、オーストラリア経済が新型コロナウイルス流行前の軌道に戻らないと考えるもう一つの要因だ」と警鐘を鳴らした。それは言い過ぎかもしれないが、オーストラリアが一次産品の輸出で何十億ドルも失っていることは間違いない」

     

    豪州は、経済的損失が出ても安全保障を第一とする姿勢を貫いている。それだけに、日本との連携に強い期待感を見せている。昨年9月、菅政権発足と同時にモリソン豪首相が、わざわざ訪日して日豪結束を確認し合うほどの親密な関係を築いている。

     


    (4)「今回の背景には、オーストラリア連邦議会が昨年12月、外国の事業体と自国の州や準州、地方自治体、公立大学との協定を見直し、無効にする権限を外相に与えたことがある。議員は、国益を損なう協定を州政府や地方自治体に結んでほしくなかったのだ。ペイン氏は先週、中国とビクトリア州の協定がそれに該当し、「オーストラリアの外交政策と整合しない、もしくはわれわれの外交関係に反する」ものだと述べた。これに対し、中国外務省の汪文斌報道官は「両国間の正常な交流と協力を気まぐれに中断させ、両国関係と相互の信頼を著しく損なうものだ」と非難した」

     

    中国外交部は、下線のような批判をしている。最初の種を蒔いたのは中国である。それが、大きなブーメランになって、中国経済を襲っているもの。自業自得である。

    a0960_008426_m
       

    英語圏の5ヶ国(英・米・豪・カナダ・ニュージーランド)は、特殊情報の交換を行な目的で「ファイブ・アイズ」を形成している。最近では、テロ情報をいち早く通報し合い成果を上げている。この、「ファイブ・アイズ」へ日本を参加させるという議題が浮上した。駐豪州日本大使の山上信吾氏が、地元紙に対して日本の参加問題が着実に進んでいると答えている。

     

    一方、ニュージーランド外相は、中国の意を受けて「日本反対論」を唱えている。日本が加入すれば、ニュージーランドが脱退すると脅しを掛けている。だが、「弱小国」ニュージーランドの影は薄く、実態は「ホウ・アイズ」と陰口を言われているほど。ニュージーランドが日本反対を唱えても、その影響力は少ない。

     

    英米は1946年3月、第二次世界大戦中の情報協力を継続するために英米情報伝達協定(後にUKUSAと改名)を締結し、1948年にカナダが、1956年にはオーストラリアとニュージーランドが加わり、ファイブ・アイズが誕生した。この5カ国は70年以上にわたり、世界各地で情報収集やネットワークの構築を共同で行ってきた。

     

    『大紀元』(4月26日付)は、「日本のファイブ・アイズ参加に現実味か、山上信吾大使『着実に進展』」と題する記事を掲載した。

     

    中国共産党の脅威が高まる中、米英など5カ国で機密情報を共有する枠組み「ファイブ・アイズ(Five Eyes)の日本加盟が現実味を帯びてきた。山上信吾・在オーストラリア日本大使は21日、豪紙『シドニー・モーニング・ヘラルド』(SMH)のインタビューで、日本がファイブ・アイズへの参加に向けて前進していると述べ、「近い将来、この構想が現実のものとなることを期待している」と楽観的な見方を示した。

     

    (1)「山上大使は、「日本とオーストラリア、そして他のファイブ・アイズ加盟国の情報機関との間には、つながりの構築が着実に進められている。日本の政治家や政府関係者はその重要性をますます認識している」としている。オーストラリア国立大学の国家安全保障カレッジ学長のローリー・メドカーフ氏はSMHしに対し、利害関係や能力の観点から日本が最適な候補であると述べた」

     

    インド太平洋戦略の「クアッド」では、日米が核になる。それだけに、日本が「ファイブ・アイズ」へ参加するのは当然であろう。

     


    (2)「メドカーフ氏は、「中国を一番理解している国があるとすれば、それは日本だ」と力説。同氏によると、ファイブ・アイズは長い間、メンバーが固定されているが、時代の変化とともに進化していくことが重要である。日本の高い情報収集と評価能力は、有益な付加価値となるだろうという。同氏はまた、「ファイブ・アイズ諸国が極秘情報を共有し続けることができるのは、相互の信頼関係があるからだ」と述べ、日本がファイブ・アイズの規則や習慣を完全に受け入れるには、「制度上の大きな課題」になる可能性があるとした。そのため、シックス・アイズが正式に成立するまでは、「5+1」がより現実的なアプローチであると提案した」

     

    日本における中国研究の歴史は長い。明治時代からの蓄積がある。いわゆる「中国社会研究」でも成果を上げてきた。総合的な中国研究の結果、日本は中国の「一帯一路」やAIIB(アジア・インフラ投資銀行)にも参加せず、様子見に徹してきた。これも、日本の情報力の確かさがもたらした結果であろう。

     


    (3)河野太郎防衛大臣(当時)は昨年7月21日、英下院外交委員会のトマス・トゥーゲンハット委員長が主宰する保守党内の中国研究グループ(CRG)のビデオ会議で、日本が「第6の目」としてファイブ・アイズに参加する意向を表明した。トゥーゲンハット委員長は、その申し出を歓迎した。河野氏は、昨年8月の日本経済新聞のインタビューで、日本の安全保障に責任を持つ防衛大臣として、東シナ海や南シナ海での中国(共産党)の活発的な活動を非常に懸念しており、ファイブ・アイズとの連携拡大に意欲を示した」

     

    「ファイブ・アイズ」は、インド太平洋戦略と密接な関係を持っている。日本が参加してもおかしくはない。

     

    (4)「ファイブ・アイズは、最近のパンデミックの影響で、戦略物資の中国への依存を懸念している。昨年7月29日付の英紙『デイリー・テレグラフ』によると、ファイブ・アイズは、中国への依存度を下げるために、レアアース(希土類)や医療品などの重要部材を共有し、重要インフラでの同盟国との連携強化を図っている。その場合、ファイブ・アイズにおける日本の重要性が一層際立っているという」

     

    英国は、インド太平洋戦略の「クアッド」に参加する見通しになっている。日本が、逆に「ファイブ・アイズ」へ参加してバランスを取るのであろう。

     


    (5)「ニュージーランド(NZ)のマフタ外相は4月19日、ファイブ・アイズの役割拡大(対中包囲網の構築)に反対を表明した。22日付の豪学術系ニュースサイト「ザ・カンバセーション」によると、ニュージーランドはファイブ・アイズが中国に圧力をかけることに何度もためらいを見せている。これでは、ファイブ・アイズの結束と安定が損なわれるだけでなく、ニュージーランドがファイブ・アイズから離脱する可能性もあるという」

     

    中国の「差し金」による日本けん制である。ニュージーランドは、中豪対立の隙を突いて対中輸出が伸びているので、いつの間にか「中国傾斜」となった。みっともない振舞である。

     

    このページのトップヘ