進歩派が政権を失えば、文政権支持メディア『ハンギョレ新聞』もせっかく上向いた部数増が下落する。去年、創刊(1987年)以来の初配当を行なったほど業績は順調だった。「共に民主党」が政権を失えば、元の木阿弥である。それだけに昨年末から、文政権へ批判を始めた。
昨年12月中旬時点で、文政権支持率は36.7%へ低下した。自らを進歩派だと考える国民の10人に4人が文政権に背を向けたのだ。この状況になって、『ハンギョレ新聞』は、「進歩派が政権を失うかも知れない」という危機感を深めたのである。それまでは、野党の弱体化を鼻の先で笑ってきた。だが、民意の急速な離間に足場が大揺れであることを知ったのである。そして、次のような危機感を強めるコラムを掲載した。
「『朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率最低値、コンクリート支持層にひび』(2016年10月14日付、本紙報道)。現状況は4年前と見かけ上は瓜二つだ。チェ・スンシル国政壟断に対する安易な対応で支持層すら離反し、朴前大統領の支持率は急落した。様々な面で異なる二つの政権を比較するのは無理かもしれない。しかし、政治において最も重要なのは民意だという点は同じだ」(『ハンギョレ新聞』2020年12月16日付コラム「文在寅政権支持層の離反と『進歩の分裂』」)
要するに、いかなる政党も民意を失えば政権を離れるという単純な事実に直面して、進歩派は危機感に陥った。それを決定的にしたのは、4月のソウル市・釜山市の市長選において、与党候補が野党候補に大敗を喫したことだ。与党は、ここで政権を失う危険性を肌身に感じることになった。
『ハンギョレ新聞』(6月3日付)は、「『チョ・グク事態』謝罪した韓国与党代表若者たちに傷『痛烈に反省』」と題する記事を掲載した。
(1)「共に民主党のソン・ヨンギル代表は2日、チョ・グク元法務部長官の子どもの入試に関連した疑惑について、「国民と若者たちの傷ついた心をくみ取ることができなかった点を、もう一度お詫び申し上げる」と明らかにした」
チョ・グク元法務部長官は、娘を大学へ不正入学させたことで告発され現在、裁判中の身である。この人事は、長官任命前に多くの反対論があったにもかかわらず、文大統領が強行したもの。それだけに、世論の文大統領批判が猛烈な勢いで高まった。だが、文氏は国民に向かって謝罪せず、チョ・グク氏を庇うような発言をするほど倒錯していた。
(2)「就任1カ月を迎えたソン代表は、国会で「国民とのコミュニケーション・民心傾聴プロジェクト報告会」を開き、「いい大学を出て、いい地位と人脈で互いにインターンをさせてもらい、助け合いをするかのようにスペックを積みあげていくことは、たとえ法律には触れないとしても、そのようなシステムに近づくことさえできない多くの若者に挫折と失望を与えてしまった」と述べた。4月7日の再・補欠選挙(注:ソウル・釜山の市長選)での敗北の原因の一つと目された「チョ・グク事態」に対する党代表の公式の謝罪であり、2019年10月の当時のイ・へチャン代表に続き2回目だ」
韓国は、96%以上の大学(短大を含む)進学率である。不正入試は、絶対にあってはならない社会である。チョ・グク氏の場合、娘を親の七光りで一流大学へ不正入学させ、しかも医学部であったことが一層の憤激を招いた。下線部分は、この不正入試を指している。
(3)「ソン代表は、「民主化運動に献身しながら公正と正義を誰より大きく叫び、他人を断罪した私たちは、はたして自身の問題と子どもの問題でそのような原則を守ってきたのか、痛烈に反省しなければならない」とし、共に民主党の「ネロナムブル」(「自分がやればロマンスだが、他者がやるのは不倫」の略で、自分を棚にあげ他人を非難することの例え)の態度に対する自省を促した」
下線部は、朴槿惠・前大統領を公正と正義の実現を旗印にして罷免へ追込んだことを指している。その正義の味方を強調した「共に民主党」が、こともあろうに不正で娘を大学へ入学させた事件について反省の弁も述べなかった。それどころかこの事件を捜査した、前検察総長の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏を罷免に追込む逆立ちしたことをやったのだ。いくら、反省しても仕切れないほどの誤りを冒したのである。
(4)「ソン代表は、パク・ウォンスン前ソウル市長とオ・ゴドン前釜山市長の性暴力事件についても「すでに断続的な謝罪はあったが、もう一度、党代表として公式に被害者と家族、国民の皆様にお詫び申し上げる」と繰り返し頭を下げた」
この事件でも、被害者の名誉を逆なでする愚を冒した。特に、女性議員が被害者を擁護せず、加害者の側に立つという決定的な誤りを重ねた。二大市長選で敗北したのは当然のことである。
(5)「彼は、「権力型セクハラ事件に断固として対処し被害者を保護する基本的な措置さえ取らない無責任さによって、被害者と国民の皆様にあまりにも深い傷と失望を残した点は、どんなに繰り返し罪をつぐなっても足りない」とし、「本人および直系家族の入試や就職での不正、不動産投機、セクハラに連座した者には、ただちに離党措置を下し、嫌疑が晴れるまでは復党禁止などの厳格な倫理基準を適用する」と約束した」
下線のように、与党議員の中には公営の住宅建設予定地の情報を聞きつけ、先回りして土地投機する不心得者も出た。こういう腹黒議員を抱えている与党が、どのように誤りを認め一掃するのか。文政権は、「積弊一掃」と称して保守派=親日派を相次いで告発した。今度は、進歩派が「積弊一掃」の対象にされかねない事態を生んでいる。因果応報である。
こうして、文政権の4年間を振り返ると、失政の連続である。その上、日韓関係は最悪状態に落込んでいる。文在寅なる大統領は、韓国に必要でなかったことを証明している。
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