勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2021年06月

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    習近平氏は、また間違った選択をした。香港へ強引に国家安全法を導入して、西側諸国と対立の発端をつくり、さらに日刊紙『アップル・デイリー』を強制廃刊に追い込んだ。これで、民主主義国は、中国と一切の妥協をせず、民主主義をめぐる「価値戦争」へ突入するであろう。

     

    米国は、2019年11月に「香港人権民主法」を成立させてある。中国に返還された香港の「高度な自治」が十分に実施されているかどうか、米国務長官が毎年見直すことを義務付けるものだ。欠陥があるとみなされた場合、1992年の米国香港政策法に基づく特別な経済特権を引き下げる可能性がある。さらに、この法律には、香港市民の人権を侵害した中国と香港の当局者に対する制裁を課すことも含まれる。バイデン政権が、満を持して香港と中国へ制裁を科すことは確実である。

     


    『日本経済新聞 電子版』(6月24日付)は、「香港アップル・デイリー紙 24日付で廃刊」と題する記事を掲載した。

     

    中国共産党に批判的な香港紙『蘋果日報(アップル・デイリー)』を発行する壱伝媒(ネクスト・デジタル)は23日、同紙の廃刊を決めた。オンライン版の更新を23日深夜に止め、紙の新聞は24日付が最後となる。香港国家安全維持法(国安法)に基づいて当局に資産を凍結され、事業継続を断念した。

     

    (1)「蘋果日報は1995年に創刊した。芸能記事なども取り扱う大衆紙として人気となり、近年は香港で民主派支持を鮮明にする、ほぼ唯一の日刊紙だった。壱伝媒は声明で「26年間にわたる読者の熱心な支援や記者、スタッフ、広告主に感謝する」と述べた。同紙をめぐっては、創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏や張剣虹・最高経営責任者(CEO)、羅偉光・編集長、関連法人3社が国安法違反罪で相次いで起訴され、当局に一部の資産を凍結された。銀行口座への入金ができなくなり、従業員の給与支払いも難しい状況になった」

     

    米国にとっては、言論の自由を侵すことは「天罰」を受けて当然という高い価値観に支えられている。その「目玉」部分へ踏込んできただけに、米国は強い反応をするに違いない。

     


    (2)「6月末の国安法施行1年や、7月の中国共産党創立100年を控え、香港の言論統制は厳しさを増す。香港は「一国二制度」のもと、言論や報道の自由が保障されてきた。今回、当局が主導して主要紙を廃刊に追い込む異例の事態となり、中国の強硬姿勢が一段と鮮明になった。黎氏らは外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた疑いが持たれている。香港警察は記事を通じて外国に中国や香港への制裁を求めたと主張する。反中国的な言論行為を徹底的に抑え込む狙いがあるとみられる。今後は他の民主派メディアも取り締まり対象になる可能性がある」

     

    習近平氏は、中国共産党100年祝賀で、香港の『アップル・デイリー』を血祭りにして廃刊に追込んだことを己の戦果として誇るのであろう。だが、これによって西側諸国との関係が一段と悪化するということを考えていない。国粋主義、民族主義の大きな落し穴が待っている。

     

    『大紀元』(6月23日付)は、「香港の蘋果日報 25日に閉鎖決定、最終号100万部増刷へ」と題する記事を掲載した。

     

    台湾メディアによると、25日をもって休刊する見通しの香港紙・蘋果日報は、最終日に100万部を増刷する計画だ。また、同社のグループ週刊誌「壱週刊」の黄麗裳社長は23日、フェイスブック上で読者へのあいさつ文を掲載し、同誌の休刊を示唆した。

     

    (3)「台湾・中央社23日付によると、蘋果日報の社内情報筋の話を引用し、同社の多くの社員はこのほど、辞職届または休暇届を提出した。離職者の人数は不明だが、残った社員は今週金曜日まで職務を全うするという。情報筋は、26年間の歴史に別れを告げるために、同社は25日の最終号を100万部に増刷する計画だと話した」

     


    (4)「また、「会社の取締役会が25日に事業を継続するかどうかを決めることになるが、社員の大半は仕事を辞めるだろう。これは、最前線で動いている社員の共通認識だ」という。香港警察は17日、蘋果日報の本社ビルに対して家宅捜査を行い、香港国家安全維持法(国安法)へ違反したとして、同社の幹部5人を拘束した。また、蘋果日報と関連会社2社の資産、計1800万香港ドルを凍結した。資金凍結で、同社の運営は困難となった」

     

    強引にアップル・デイリーを閉鎖に追込む過程が明らかにされている。香港民主主義の終わりを告げている。

     

     

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    中国の新型コロナウイルスの発症源をめぐる調査で、ある動物学者がメンバーから除名された。この人物は、武漢ウイルス研究所から漏洩したとの説について、「陰謀説」を強く主張してきたことで有名な存在という。

     

    米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』(5月23日付)は、武漢ウイルス研究所の研究者3人が2019年11月、病院で治療が必要なほど体調不良に陥ったことが、米情報機関の未公開報告書で明らかになったと報じた。これを受けて、バイデン米大統領は5月26日、情報機関に対して新型ウイルスの起源をめぐる調査を強化し、90日以内に報告するよう命じるなど、慌ただしい動きを見せている。

     

    これまで、中国当局と歩調を合わせるように、武漢ウイルス研究所からウイルスが漏出したとの見方を否定してきた一部学者にとって、はなはだ都合の悪い事態の展開になっている。

     


    『大紀元』(6月23日付)は、「ランセットCOVID・19委員会 武漢ウイルス研究所と関係ある科学者を除名」と題する記事を掲載した。

     

    英医学誌『ランセット』のウイルス起源に関するCOVID-19委員会は、同委員会のメンバーで動物学者のピーター・ダザック氏を除名したことを発表した。ウイルスの起源調査をめぐって疑惑の渦中にある武漢ウイルス研究所との利益関係を開示しなかったためだという。COVID-19委員会は、「国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク組織によって設置された。

     

    (1)「同誌は6月21日、ダザック氏が昨年、「COVID-19の実験室流出説」に反対する声明に署名したが、医学雑誌編集者国際委員会の要求に従い、声明に関する利益相反の有無を開示しなかったと指摘した。ダザック氏を含む27人の科学者は、「COVID-19と闘う中国の科学者、公衆衛生専門家、医療専門家を支持する声明」に署名した。声明の中で、「我々は一致団結して、COVID-19の非自然な起源を暗示する陰謀説を強く非難する」と主張した。同声明は、ウイルスの発生初期において、最も影響力のある文書の一つとなった。また、ウイルスの起源に関する議論にも影響を与えた」

     

    下線のような声明書を出すこと自体、科学者としてやるべきことでなかった。科学は、あらゆる前提を置かず、純粋に追及すべきものだ。明らかに、中国の利益を守るための声明であった。今回、除名されたダザック氏はこの声明書を出す中心人物であったという。

     


    (2)「米・知る権利(US RTK)が入手した電子メールから、ダザック氏が声明の主な起草者であることを確認した。同声明の署名者は全員、「利益相反はない」と主張しているが、ダザック氏は武漢ウイルス研究所のコウモリコロナウイルスの研究に資金提供していた。それに加え、過去15年間、武漢ウイルス研究所と共同で20本以上の論文を発表していたと仏紙『ル・モンド』などが報じた」

     

    ダザック氏は、武漢ウイルス研究所へ資金提供し、自ら共同研究論文を執筆していた。それだけに、中国側に深く取り込まれていたという推測も可能である。

     

    (3)「ランセットは21日、同声明に署名した27人全員に利益相反の有無の再確認を求めた。ダザック氏は「報酬の全額は、所属するNGO『エコヘルス・アライアンス(』の賃金として支払われている」とする訂正声明を発表した。米ニューヨークを拠点とする「エコヘルス・アライアンス」は、武漢ウイルス研究所と提携してコロナウイルスの研究を行っている。両者の間には11年に及ぶ提携関係があるという。同NGOは武漢ウイルス研究所が行う「機能獲得」研究を支持し、米連邦資金を提供した。2019年末、同研究所で新型コロナウイルスの最初の症例が発見された」

     

    ウイルスの「機能獲得」研究とは、ウイルスの遺伝子を人為的変えて、どのような変化が起こるかを調べるものという。今回のウイルスでは、遺伝の配列が人為的操作されているという指摘があり、ノーベル賞受賞学者がそれを認めていた。だが、あと7人の学者はそれを否定する声明を出したことがある。当ブログでもこの事実を取り上げている。学者ともあろう者がグルになっていたとは仰天させられる。中国から裏の手が伸びていたのであろう。

     


    (4)「『エコヘルス・アライアンス』はかつて、米感染症専門家であるアンソニー・ファウチ氏が率いる米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)から資金370万ドルを受け取った。そのうち少なくとも60万ドルは武漢ウイルス研究所に割り当てられた。病原体の遺伝子を操作して機能を付加し、感染力がどう高まるかを分析する「機能獲得研究」は感染力の高い病原体を生み出す恐れがある。研究所から流出してパンデミックを引き起こすリスクもある」

     

    下線部が、「機能獲得研究」の説明である。今回のウイルスが、自然発生であればこれだけの強い感染力を持たなかったであろう。遺伝子操作されたウイルスである以上、「インド型」も出てきたに違いない。

     


    (5)「ダザック氏は武漢入りしたWHO調査団のメンバーでもあった。中国問題の専門家である横河氏は、「ダサック氏は中国の利害関係者であるため、調査を辞退すべきだった。しかし、それでもWHOが彼をチームメンバーに任命したのは、中国と一緒に芝居を演じるためだ」と指摘した。過去数週間、中共ウイルスの起源に関する調査を求める国際世論が高まっている。また、ウイルスが武漢ウイルス研究所から漏洩した説も注目を集めている」

     

    ダザック氏は、研究者としての良心に欠けるようである。自らが利益相反であることを告げて、原因調査班から身を退くべきであった。中国側の要請を受けて参加していたとすれば、二重の裏切り行為であろう。

     

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    20年長命の中国共産党

    ひ弱な内需主導経済基盤

    自ら敵を作った傲慢体質

    目的を達した中共の今後

     

    中国共産党は、7月1日で創立100年を迎える。最大の注目点は、中国共産党中央委員会総書記である習近平氏が、2022年に迎える2期10年という従来の任期制を廃して、どこまで中国トップの座である国家主席の座に止まるかである。

     

    習氏は、2035年までの経済目標を掲げている。それまでは、国家主席を務めるという意思表示と受け取られている。2012年に国家主席の座に就いたから、2035年までその座に止まれば、23年間もポストを独占することになる。

     

    共産党では、旧ソ連も同様に超長期政権が大きな特色である。その長期政権ぶりは、次のようなものであった。スターリンは、死亡するまでの32年間、ソ連共産党のトップに君臨した。後継者となったブレジネフは18年間も務めた。

     


    中国でも旧ソ連と同じ超長期政権である、毛沢東は死亡するまでの27年間、その座を独占した。その間に、国民に対して大躍進政策(1958~61年)と、文化大革命(1966~76年)という大混乱時代を経験させた。この混乱を終息させ、経済復興に着手した鄧小平は、最高指導者として11年務めて引退した。その後は、2期10年に限定して、江沢民と胡錦濤が国家主席の任を全うした。習近平氏になって事態は一変した。憲法改正によって、事実上の「無期限任期制」になったのである。

     

    習近平氏は、スターリンや毛沢東と同じく、死亡まで国家主席であり続けられる。これが、中国にとってどのような事態を招くかだ。中国共産党創立100年の後に、中国はどのようなコースを辿るのか。世界にとっても大きな影響が出る。それは、現在の領土拡張政策が止むのかどうかで、戦争と深く関わるからだ。

     

    20年長命の中国共産党

    旧ソ連共産党は、その運命が80年(1912~1991年)で終わった。これに比べれば、中国共産党は、この7月1日で100年を迎える。すでに、ソ連共産党よりも20年生き延びた計算だ。中国共産党は、ソ連共産党の実現できなかった世界覇権を目指している。だが、その実現性には明らかな疑問符がついている。その問題点を列挙すれば、次の5点に要約できよう。

     


    1)国内的には、経済の潜在成長率が急速な鈍化に向かうことである。具体的には、労働力人口の減少である。直近では、生産年齢人口の減少として現れる。超長期的に言えば、合計特殊出生率の低下によって、中国の潜在成長率低下が確実に予見されるのだ。この動かし難い事実が横たわっているにも関わらず、世界の論者はこれを完全に無視している。例えば、現在の経済成長率をそのまま将来に投影して、2027~28年ごろに米国経済を抜くと断定している。極めて乱暴な議論である。

     

    2)米国の潜在成長率を極端に過少評価している。これは、トランプ政権時代の国内的対立が永遠に続くという想定と、米国の労働力人口が中国よりもはるかに豊富という現実を見落としている結果である。さらに、米国で労働市場の逼迫化が起れば、移民を増やして労働需給を緩和できるという利便性を忘れている。中国では、移民を望むことは無理である。逆に、新疆ウイグル族の出生率を強引に低下させて、「断種」を狙うという非人道的な振る舞いをしている。

     

    3)中国には、古来より「人権思想」が存在しない。宗族社会であることから、「私」という概念を邪悪なものとして扱い、「私たち」という概念が成立している。こういう社会では、新疆ウイグル族の弾圧が治安維持上、許されると見る肯定的な中国世論をつくりだしている。この人権弾圧が、国際社会では摩擦を生んでいる。中国を孤立させる決定的な要因なのだ。

     


    4)
    中国の新疆ウイグル自治区では、100万人以上が不当に拘束されていると報告されている。この件について、国際社会の40カ国以上が6月22日に共同声明を発表した。国連人権高等弁務官ミシェル・バチェレ氏が、早急に自治区入りして調査を認めるよう中国に求めたものだ。前記の40ヶ国以上には、先進国が全て網羅されている。これが通商上において今後、中国の経済活動に大きな制約要因を課すはずだ。

     

    5)これまでの「政冷経熱」という時代は、終わったと見るべきである。従来は、政治的な対立があっても、通商面ではこれを分離して行なってきた。西側諸国では現在、中国の人権弾圧や領土拡張意欲をこれ以上、放置しないというコンセンサスが出来上がっている。G7やNATO(北大西洋条約機構)が、団結して中国封じ込めに動き始めたのだ。安全保障政策が、経済優位性の前に立ちはだかっている。

     


    ひ弱な内需主導経済基盤

    中国は、こういう新事態の出現に対してどのように対応するのか。すでに、「内循環性経済」を打ち出している。内需を中心にして経済循環を図るもので輸出への依存度を下げるという内容である。内需が中心となれば、個人消費はその軸になる。名目GDPに占める民間最終消費支出は、38.95%(2019年)に過ぎない。極めて低レベルである。

     

    中国政府は、この過少な個人消費をカムフラージュするべく、政府最終消費支出を加えた「最終消費支出」比率55.66%をあたかも個人消費として発表する「ウソ行為」を行なっている。世界のマスコミはまんまとこれに騙されて、「中国の個人消費は55%」と報じているところもある。正直正銘な民間最終消費支出比率は、世界212ヶ国中で195位とどん尻に近いところに沈んでいるのだ。(つづく)

     

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    韓国の中央銀行である韓国銀行は、これまで不動産や株式の高騰と家計債務の急増から、バブル崩壊の危険性を警告してきた。それにも関わらず、バブルは止む気配もなく悪化しつづけている。痺れを切らした韓国銀行はついに、初めて金融脆弱性指数(FVI)を開発。2008年のリーマンショック以来の最悪状態にあると発表した。

     

    パンデミック後、世界経済は流動性の過剰供給によって危機を凌いできた。中国は、すでに過剰流動性に伴う不動産価格高騰の抑制に動いている。米国もインフレ抑制で利上げが話題に上がり始めた。こうした動きの中で、韓国へも利上げの波が押し寄せることは不可避である。韓国の不動産や株式の相場急落は必至の状況だ。

     

    韓国銀行は、再三にわたって利上げ時期の接近を警告している。急増している家計債務が、直撃を受けるのは不可避である。韓国経済が、瀕死の重傷を被ることは確実だ。

     

    『朝鮮日報』(6月23日付)は、「韓銀も金融脆弱性を警告、家計債務・資産バブルが過去13年で最悪に」と題する記事を掲載した。

     

    韓国銀行は22日、過去最大にまで膨らんだ韓国の家計債務と不動産価格の高騰により、韓国の金融状況が2008年の世界的な金融危機以降で最も不安な状態にまで悪化したと指摘した。もし危機が起きれば、経済全体に衝撃が広がる危険性が高いと警告した格好だ。

    (1)「韓銀は同日発表した「金融安定報告書」で、コロナが終息し、金利が上昇するなど経済状況が急変すれば、過度の負債で膨らんだ不動産・株式市場の「バブル」が崩壊し、経済が打撃を受けるとの見方を示した。韓国の家計債務は過去最高の1765兆ウォン(約172兆円)に膨らんでおり、ソウルのマンションの平均価格が11億ウォン(約1億0700万円)を超えるほど不動産市場も過熱している」

     

    ソウルのマンション平均価格は、日本円で1億0700万円へ暴騰している。「億ション」になったことは異常を通り超えて、いつでも暴落するレベルまで跳ね上がっていることを意味する。文政権が生まれて以来、ソウルのマンションは8割値上がりした。20~30代の若者は、借金して住宅確保に動いている。マイホームを買えない若者は、借金での株式投資を始めるなど殺気立っている。これが、文政権不支持の大きな理由だ。

     

    バブルが崩壊すれば、文政権支持率はさらに低下する。来春の大統領選において、進歩派が敗北するのは不可避の情勢だ。

     


    (2)「韓銀によると、今年13月の韓国の金融脆弱性指数(FVI)は58.9で、08年の世界的な金融危機当時(73.6)以降の13年間で最高となった。韓銀が今回初めて発表したFVIは、融資の増減率、資産価格の上昇率、金融機関の健全性などを総合し、金融の中長期的な状況を評価する指数だ。通貨危機当時の1997年11月を基準値(100)として算出する。同指数が上昇すれば、将来危機が訪れた場合、金融と経済が受ける衝撃が広がるリスクが高いことを示す。韓銀のパク・チョンソク副総裁補は「資産価格の上昇と負債の増加ペースを見ると、FVIが08年の金融危機の状況に近いレベルにまで上昇する可能性がある」と指摘した」

     

    韓国の金融脆弱性指数は、今年13月で58.9である。現在は、さらに上昇していると見られるので、リーマンショック時の73.6に接近した危険性が指摘されていうる。この状態で金利が引き上げられたならば、不動産や株式の相場は暴落する。これが、家計を直撃して家計破産が続出するはずだ。韓国経済は、心臓部を一撃される大打撃を被るであろう。今、その危機の入り口に立っている。

     


    (3)「韓国の家計債務はコロナ拡大前の19年末に比べ165兆ウォン(約16兆円)増加し、四半期ごとに過去最高を更新している。住宅関連ローンに株式投資ブームによる借り入れが増えた結果だ。住宅価格も急上昇した。仮に今後住宅市場のバブルが崩壊し、価格が急落した場合、家計債務で最も高い割合を占める住宅ローン(747兆ウォン)にリスクが拡大しかねない。韓銀の分析によれば、昨年末現在で韓国の住宅価格対所得倍率(PIR)は前年比で13%上昇し、経済協力開発機構(OECD)加盟主要国で最も高かった。韓国を除く調査対象国の平均上昇率は4%だった」

     

    韓国の家計債務は、19年末から今年1~3月期で約16兆円も増えている。この状況で、不動産や株式の相場が暴落すれば、債務支払いは不可能になる層が続出するはずだ。韓国経済は、おもちゃ箱をひっくり返したような騒ぎとなるであろう。今年1~3月の所得に占める家計債務の割合は172%となり、前年同期に比べ11ポイントも上昇した。家計が体感する債務負担がそれだけ重くなったことを示している。

     

     

     

     

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    最近頻りと、中国政府の次官級高官が2月、米国へ亡命したと報じられている。しかも、重大な情報を携えていたとされている。バイデン米大統領が、武漢ウイルスの感染源再調査を命じた背景には、この亡命者によるデータに基づくものと、説明されている。

     

    『大紀元』(6月22日付)は、「中国高官の米亡命報道、ゴードン・チャン氏『事実なら共産党政権崩壊の可能性も』」と題する記事を掲載した。

     

    米国の作家で中国専門家のゴードン・チャン氏は、中国国家安全部(省)の董経緯副部長(次官級)が米国に亡命したのが事実であれば、「中国共産党政権が一夜のうちに崩壊する可能性さえがある」と発言した。米フォックスニュースなどの複数のメディアはこのほど、中国情報機関の高官が米国に亡命したと報じた。米メディアは、この高官は「史上最高位の亡命者だ」とした。これを受けて、ネット上では、亡命者は中国国家安全部の董経緯副部長だとの噂が広まった。

     


    (1)「1989年天安門事件以来、米国に亡命した前職中国外交官である韓連潮氏は16日、ツイッターに中国国家安全部のナンバー2とされる董経緯副部長(58)が米国に逃走したという内容のSMS(ショートメッセージサービス)の写真を掲載し、「事実であれば、大きな爆弾」と主張した。メッセージには、「董経緯氏が昨年4月に拘束された孫立軍前公安部副部長の事件にかかわった疑いで逃走し、今まで米国に亡命した最高位級」と記されていた」

     

    孫立軍氏は中国公安省副部長であったが、昨年4月中旬に「重大な規律違反と違法行為の疑い」で身柄を拘束された。孫氏は習近平閥の“太子党”と対立する“上海閥”の一員であることが判明したことで、両派の権力闘争の生贄になったとの見方もある。孫氏は、公安省で6人いる副部長のなかでも、最も重要な国内の治安維持を担当する「公安省第1局」の責任者であるばかりでなく、公共衛生管理学の専門家でもある。

     

    今回、中国公安部(治安関係業務担当)の董経緯副部長が米国へ亡命したとなれば、先に拘束された孫立軍氏と何らかの関係があることを覗わせている。

     

    (2)「ゴードン・チャン氏は19日、米メディア「Newsmax」とのインタビューで、「この報道は爆弾のようなインパクトがあるため、今後様々な影響が出てくると思う。米中の国交断絶もあり得るだろう」と述べた。各国の情報機関に詳しい米メディア「SpyTalk」によると、董氏は今年2月中旬、カリフォルニア州の大学で就学している娘を訪ねるという目的で米国に入国した。入国した直後に米国防情報局(DIA)に連絡したという」

     

    ゴードン・チャン氏は、中国から米国へ亡命した経歴を持つ。それだけに、中国の内部事情に詳しい。そのチャン氏の語るところによれば、董氏は今年2月に米国へ入国したという。入国直後に米国防情報局(DIA)へ連絡し、FBI(連邦捜査局)やCIA(中央情報局)でない点が、公安の専門家である董氏らしい行動に見える。

     

    (3)「SpyTalkによれば、董氏がバイデン政権に提供した情報によって、バイデン政権は武漢ウイルス研究所に対する態度を変え、新型コロナウイルスの起源について改めて調査を行うと指示した。また、董氏が提供した他の情報も、驚愕するものばかりだという。「彼は、中国共産党政権に情報を提供する米国民のリスト、米国で就職し、あるいは大学で勉強する中国人スパイのリスト、米ビジネスマンと公務員が中国当局から受け取った金品の記録などを提供した」

     

    董氏がバイデン政権に提供した情報で、武漢ウイルスの再調査が始まったとしている。このほか、中国人スパイのリストも携えているという。

     


    (4)「中国国営新華社通信は18日、董経緯氏は同日防諜会議を主宰したと報道し、火消しを図った。ただ、記事には同氏や会議の写真はなかった。新華社通信の報道について、チャン氏は「中国当局が関連報道や噂を恐れていることを反映した」と指摘。同氏は「中国メディアの報道の信ぴょう性に疑問が残る」とし、「SpyTalkや他の(米)メディアは詳しく報道し、私たちが知っている事と一致する部分がある。したがって、私は、(董氏の)亡命は本当のことだと考える」と話した」

     

    国営新華社通信は18日、董経緯氏の米国亡命説を否定している。中国で会議を主宰したというが、肝心の写真が掲示されず、信憑性に問題がある。

     

    (5)「チャン氏は、董氏が米連邦捜査局(FBI)などではなく、DIAに連絡したという報道に注目した。「中国当局のスパイと情報部員は、(米国内の)至る所にいる。私は、米複数の政府機関がすでに中国当局に浸透されたという報告書は信用できると言わざるを得ない。実際に、米国の州レベルの政府も同様に浸透された」。チャン氏は、次官級の董経緯氏は習近平国家主席と近い関係にあるため、「習氏から大量の情報を得ることができる。(同氏の亡命で)中国の政治体制が崩壊する可能性がある」とした。中国共産党内から、董氏の亡命をめぐって習近平氏の責任を追及する声が上がる可能性があり、「極めて短い期間に新しい指導者が現れれば、中国の政局が混乱し不安定になる」という」。

     

    董氏の亡命が真実とすれば、習近平氏の受ける政治的な打撃は量り知れない。習氏の手の内が全て曝されるだけに、習氏の政治責任へと発展するかも知れないという騒ぎである。

     

     

     

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