勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2021年11月

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    朝鮮近代化の基礎をつくったのは、日韓併合を行った日本である。近代化と無縁であった朝鮮が、産業革命に成功したのは昭和初期である。日本の技術と資本が、朝鮮の工業化を成功に導いたのだ。それには、教育機関、司法制度、インフラ投資が経済成長「離陸」へのお膳立てをしたことは言うまでもない。

     

    韓国では、日韓併合によって朝鮮を収奪対象にしたという素朴な「マルクス主義」を信じている。それは、教科書的な形式論である。鉄道を敷き、学校をつくり京城帝国大学まで開学した。世界の数ある植民地の中で、大学をつくったのは日本だけである。「愚民化政策」を取らなかった結果だ。

     

    台湾の故・李登輝総統は、日本の統治に深く感謝していた。台湾の統治も、朝鮮と全く同じ「教学化」にあったからだ。李登輝は、古くさい儒教教育を投げ捨て、近代化教育を行った日本を高く評価していた。台湾が現在、世界一の半導体製造の位置を占めている裏には、日本の教育政策があったのだ。

     

    日本が統治した台湾は、アヘンの流行に悩んでいたが、日本はこれをどうやって克服したか。罰則主義でなく、アヘンの輸入を徐々に減らすことで喫煙者の根絶に成功した。中国本土では、厳罰主義で臨んだのでなかなか減らなかったのだ。現在の、中国共産党は万事、厳罰主義である。こういう点でも、罰則DNAを引継いでいる。

     

    韓国ドラマの好きな方はお分かりと思うが、台詞に「日本語」の発音が出てくる。日本語の字幕でそれがすぐに確認できる。「約束」、「先輩」、「乾杯」など気付く。韓国ドラマに、このような言葉が出るのは、朝鮮李朝時代にそうした「概念」が存在しなかったことを裏付けている。

     

    「約束」は、近代を象徴することばであろう。それまでに朝鮮には、「約束」という概念がなかったからだ。約束は、欧州の市民社会の出発点である。約束=契約であるからだ。市民社会の根本は、市民同士の約束=契約を守ることで成立した。市場経済は、まさに約束の上に成り立っている。それは、一対一という対等な関係において成立するものだ。

     


    韓国が、日韓関係を悪化させている最大の要因は、日本との約束を守らないことである。朝鮮は、専制時代であったから「対等=契約」概念は成立しない。この流れが、現在も続いているのである。旧徴用工問題は、1965年の日韓基本条約で解決済みである。旧慰安婦問題は、2015年の日韓慰安婦合意で解決済みである。こういう法的に解決した問題を、臆面もなく蒸し返す裏には、契約概念が希薄であることを示している。

     

    韓国人は現在、半導体を生産できる。だが、その頭脳は李朝時代そのままなのだ。契約を守ることの重要性の認識が欠けているのだ。思考に関するDNAは、簡単に修正できないことを示している。

     


    『朝鮮日報』(2017年1月29日付)は、「理解が難しい日本式の漢字語をいつまで使うのか」と題する寄稿を掲載した。筆者は、ぺ・ヨンイル=ギョンアン神学大学院大学外来教授である。

     

    韓国人がよく使う言葉の中には、理解が難しい日本式の漢字語、日本語、漢字、英語式表記が少なくない。にもかかわらず、習慣のように使っているのは残念だ、としている。以下、その日本語を表記したい。

     

    「切取線」、「始末書」、「仮処分」、「見習」、「敬語」、「紺」「路肩」、「茶飯事」、「端緒」、「忘年会」、「船着場」、「手続」、「楊枝」、「持分」、「出産」、「売場」、「役割」、「割増料」、「宅配」、「談合」、「八百長」「行先地」、「耐久年限」、「飲用水」、「引継ぐ」、「差出す」、「呼出す」、「回覧」、「残業」、「節水」、「納期」、「納付する」、「独居老人」、「行楽の季節」、「所定様式」、「延面積」、「試運転」、「施鍵装置」、「ニュースレター」、「ガードレール」、「シナジー」、「チェックリスト」、「過年度」、「翌年度」、「改札口」、「売票所」、「高水敷地」、「復命書」、覆土」、「適宜の処置」、「夏節気」、「冬節気」。「綺羅星」、「傷」、「土方」、「肉体労働」、「玉」、「玉ねぎ」、「段取り」、「支度」、「取り締まり」、「皿」、「刺身」、「あっさり」、「襟」、「おでん」、「コチ、」「魚ムク」、「うどん」、「チラシ」、「宣伝紙」、「広告紙」、「フロック」、「デタラメ」、「お盆」

     

    これらの日本語を見ると、あえて「反日」騒ぎを起す意図がどこにあるのかいぶかしく感じるのだ。日本からはいってきた言葉が、韓国に定着したもの。同じ文化を享受しているのである。

     

    ムシトリナデシコ
       

    国際世論調査で、韓国の国民性は「物的豊かさ」を最大限に求める異色の存在であることが分かった。日本を含む他の先進国は,いずれも「家族」を第一に上げた。これは、外交に当てはめれば、韓国の「二股外交」、先進国の「同盟国重視」と爽やかに分けられる。韓国の二股外交は国民性のしからしむるもの。諦めるほかないようだ。

     

    『中央日報』(11月23日付)は、「韓国外交部次官『韓中が良い関係と悪い関係どちらが良いのか』、米国が回答」と題する記事を掲載した。

     

    外交部の崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官が最近、韓中関係が良いのと悪いのとどちらが米国に肯定的だろうかと発言したことに対し、米国務省が「中国に(韓米が)ともに対応すべき」と明らかにした。対中牽制に同盟がともに出るべきという米バイデン政権の立場が再び明確にあらわれたものと分析される。


    (1)「崔次官は訪米中の11月15日、ワシントンで韓国国際交流財団と戦略国際問題研究所(CSIS)が共同主催した韓米戦略フォーラムで、「韓中が悪い関係であるのと良い関係であるのとどちらが米国に利益なのか」という質問を投げかけた。崔次官はこの質問と関連し、必ず返答を聞ききたいと問うものではなく、「修辞的質問」ともした。続けて、「私には明確な答がなく、最近そうした悩みがある」と話した。明確には考えを示さなかったが、直前の発言では経済的利益などを挙げて韓国が中国を重視するほかない理由を長く説明したことから、事実上「韓国が中国とうまくやることが米国にも良いかもしれない」という趣旨で話したものと解釈できる発言だった」

     

    韓国が、中国と上手くいくというのは貿易面でのことだ。韓国の安全保障は、米国依存である。その米国は、中国と価値観で対立している。こういう場合、韓国外交はどうあるべきかという設問である。米国は、安全保障を優先させる。だから、韓国は経済的利益よりも安全保障を優先させて米国へ同調してくれ、ということである。

     

    韓国は、こうした外交構図を理解できずに米中の間をウロウロしているのであろう。日本や豪州を見るが良い。経済よりも安全保障重視の姿勢で、米国との同盟を基本にした外交政策である。

     


    (2)「こうした崔次官の「修辞的質問」に対して米国務省報道官室関係者は、「米国の指導者は権威主義が次第に拡大することにより到来する新しい(脅威の)瞬間に対応しなければならない」とし、対応すべき対象として「ここには米国と競争しようとする中国の大きくなる野心も含まれる」と指摘したと米政府系ラジオのボイス・オブ・アメリカ(VOA)が23日に報道した。崔次官の質問に答える意向があるかと尋ねると国務省関係者は、「われわれは感染症から気候変動、核拡散問題までますます深刻化し新しい瞬間を迎えている21世紀のグローバル脅威に対応しなければならない。米国1人ではできない。各国がともに協力してこそ解決できる」としてこのように話したということだ」

     

    中国は、「戦狼外交」が象徴するように権威主義的な振る舞いを行っている。韓国は、こういう中国外交に危機感を持たないのか。それが今,問われている。ただ、中国へ輸出して利益になれば良い、だけでは済まされない事態になっているのだ。韓国が、米国の同盟国である以上、同じ価値観に沿った行動を求められるのは当然である。

     

    (3)「中国の権威主義体制を「各国が連合しともに対抗しなければならない徐々に大きくなる脅威」と定義したもので、これは韓米同盟の対中牽制の役割に対する期待感を直接的に示したとみることができる。通常、韓国高位当局者の発言に対して問う場合、米政府は「韓国政府に問い合わせてほしい」として即答を避けたりするが、こうした直接的な立場を明らかにしたこと自体が異例だ」

     

    外交は、相手国のメンツを立てるという儀礼を重んじる。今回は、米国がはっきりと韓国への不満を表明している。韓国は、鈍感にもそのことに気付かないのだ。

     

    (4)「この日公開された米国務省関係者の答弁には、韓米同盟の特殊性と国防、経済、技術、外交分野で両国の「堅固で持続的な関係」を高く評価する内容も含まれた。VOAは「米国務省が、崔次官が韓中間の密接な関係を強調したことに対し、韓米関係はこれを上回る価値同盟という事実を想起させたもの」と評価した。こうした国務省の反応は、このフォーラムで崔次官が中国を「戦略的パートナー」と規定して韓中関係を強化すべき必要性を力説したのと無関係ではないと指摘される」

     

    下線部は、極めて重要である。安全保障の米韓同盟が最優位にあり、貿易面での中韓関係を上まわると規定していることだ。当たり前の話で、生命を賭して安全保障を履行する米国が、貿易面で優位の中国を上まわる関係に立つのだ。

     


    (5)「崔次官は、「韓中間の貿易規模が相当で、韓国は対中貿易で黒字を享受している。韓国が(韓中貿易で)稼ぐ大きな金額を無視することはできない」として中国を重視しなければならない理由を力説した。これに対し、当時同じフォーラムに参加したシュライバー前国防次官補は崔次官の発言に対し「興味深い」として中国の脅威をまともに対応しない点を遠回しに批判した」

     

    韓国の国民性が前面に出ている話だ。「物的豊かさ」を最大限に求める韓国の国民性は、家族(同盟)最も大切にする先進国の国民性と異なっている。その点で、「興味深い」のだ。

     

    (6)「シュライバー前次官補は、この日「(崔次官は)演説中に、われわれが適応し、進化し、今後しなければならない多くのことについて話したが、中国を省いた。中国による挑戦を必ず議論しなければならない」と指摘した。中国が提供する利益にだけ集中するような崔次官の発言に懸念を示したのと同様だ」

     

    韓国は、「金の亡者」から卒業すべきである。朝鮮戦争で守ってくれた米国の支援に感謝すべきである。ならば、米韓同盟を最上位において外交方針を立てることだ。

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    中国の数ある泣き所の一つは、石炭依存経済であることだ。エネルギー源の62%にも達している。二酸化炭素を世界にまき散らしており、もはや「脱炭素」は先進国の責任と言っていられない状況にない。異常気象が、確実に中国を襲っているからだ。このまま行けば、50年後に中国中枢部である華北平原は夏期、人間が住めなくなると予測されているほど。お尻に火がついた格好である。

     

    異常気象によって、中国の世界覇権狙いなど吹き飛ぶ形だが、住宅バブルに見切りを付けて、いよいよ、グリーン・エネルギーへ集中投資しなければならなってきた。石炭企業は厖大な雇用を抱えており、石炭閉山は失業者を生む。同時に、過剰債務を抱えているので、政府が救済する以外に道はなくなっている。泣き面に蜂というのは、いまの中国を指す言葉であろう。

     


    米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(11月23付)は、中国の景気刺激策、『グリーン』に切り替え」と題する記事を掲載した。

     

    中国の景気刺激策はここ10年ほど、住宅や鉄鋼業界を主役に据え、グリーンなインフラは脇役になる傾向があった。今回は、主役としてグリーンに目を向けているようだ。

    (1)「中国人民銀行(中央銀行)は11月8日、新たな「二酸化炭素(CO2)排出削減融資制度」を発表した。この制度は、銀行がクリーン電力、エネルギー効率化、その他の類似プロジェクトに再融資するための低コストの資金を提供するものだ。その規模はまだ明らかではないものの、今後数年で1兆元(約18兆円)に達する可能性があるとHSBCはみている。銀行にはこの制度を利用する強い動機がある。銀行間の7日物レポ金利が約2.1%、人民銀の主要な貸出制度の1年物金利が約3%であるのに対し、1.75%という極めて低い金利だからだ。これとは別に、国営メディアは先週、クリーンコール(環境に優しい石炭技術)への2000億元の追加再融資プログラムを発表した」

     

    銀行がクリーン電力、エネルギー効率化、その他の類似プロジェクトへは、破格の1.75%の低利融資を行うという。不動産開発投資が、もはや継続不能となって、新たなエース捜しが始まったところだ。

     


    (2)「これらの新しい制度が融資を促進することはほぼ間違いない。とりわけ、電力部門の借り手のほとんどは国有企業で、銀行にとっては魅力的な債権となる。一方、排出量を迅速に削減したり、経済を財政的に一段と持続可能な軌道に乗せたりすることに関し、こうした投資の効果の程はそれほど確実ではない。人民銀は、各銀行が排出削減量を公表し、適格な第三者機関による検証を受けるべきだとしている。それでも、資金繰りに苦しむ地方政府が、低コストの銀行融資を受けるためにプロジェクトを「グリーンウォッシュ(環境配慮を装う)」する問題が出る可能性がある」

     

    低利融資が魅力のために、「グリーンウォッシュ」で他へ資金を回す危険性も大きい。中国の金融機関ではやりかねないことである。それだけに、監督をしっかりやり、CO2排出削減量計算をさせるというのだ。

     


    (3)「もう一つ問題となり得るのは、中国が2020年に風力発電へ膨大な投資を行ったばかりであることだ。中国のエネルギー規制当局によると、2021年前半の風力発電の廃棄率は0.3ポイント減の3.6%だった。最近の電力不足もあるため、2021年後半も廃棄率は低位安定すると思われる。だが、ここに来て石炭発電が復活しつつある」

     

    風力発電投資は、2020年から拡大に向かっている。一方では、電力不足から石炭発電も復活させている。こういう状況下で、クリーンエネルギー投資がどこまで増えるか疑問視されている。

     

    (4)「さらに、昨年は風力発電の投資額の伸びが送電網の投資額を75ポイント近く上回ったため、新たな風力発電所や太陽光発電所が、それを利用する送電網の容量がないまま電力を生産することになる危険性がある。一方で、より機動的な送電網や、揚水発電(風力発電などの余剰電力がある時に、水を高所にくみ上げておいて電力を蓄える方法)のような蓄電方法に新たな資金を投入するのは、おそらく有効だろう。こうした発表は、グラスゴーで開かれた気候変動会議を後にして、中国の石炭政策への批判をかわすための単なる見せかけと一蹴されがちだ。

     

    中国では、風力発電投資をやっても送電線投資が足りず、無駄な発電になっていることが多い。今回もそういう調整がしっかりできているのか確証はない。統制経済であるため、投資主体が違えば調整がつかないのだ。これが、中国式社会主義の実態である。無駄の再生産に熱を入れている。

     


    (5)「その背景には根本的な現実もある。中国は気候変動に極めて影響を受けやすい上、不動産に代わる成長の原動力を必要としている。中国政府が大幅な規制緩和の導入を長らく先送りしていることを踏まえれば、住宅市場に起因する著しい景気減速はまだ不可避なようだ。グリーンなインフラとテクノロジーのブームがそれに取って代わることができるかどうかは、まだ分からない」

     

    このパラグラフは、中国の泣き所をぴしゃりと突いている。住宅部門不振をこのグリーン・エネルギー投資でカバーできる保証は全くないのだ。

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    K防疫モデル」と自慢してきた韓国政府が、「ウィズコロナ」に踏み切って3週間、重症患者は首都圏でレッドラインを突破した。医療関係者は、危機感を募らせており、集会人数の制限などを訴えている。政府は、「ウィズコロナ」手直しが大統領選へ響くと見て様子見である。

     

    『ハンギョレ新聞』(11月23日付)は、「韓国首都圏のコロナ危険度『非常に高い』 防疫当局、非常計画の適用を検討」と題する記事を掲載した。

     

    韓国で段階的な日常回復(ウィズコロナ)が始まって3週間で、防疫当局が首都圏の新型コロナウイルスの感染拡大の危険度を「非常に高い」と診断し、全国単位の危険度を「高い」と診断した。一部の専門家らは、危険度指標の悪い首都圏だけでも私的な集まりの人数制限など防疫を強化する必要があると提言しているが、韓国政府はひとまず、病床の確保やワクチン接種率の向上に力を入れる方針だ

     


    (1)「先週まで、「全国を基準に保健医療体制の対応能力は安定的なものとみている」と言っていた政府の態度も変わった。中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長(疾病管理庁長)は、「首都圏の集中治療室の病床は余力がほとんどない状況で、新規感染者数や実行再生産数など防疫先行指標が悪化している」とし、「全国的に病床余力は当分悪化する見通しであり、防疫指標の悪化を考慮して、現時点から防疫措置の強化が必要だ」と述べた。チョン本部長はウィズコロナを中止する非常計画の発動に関し、「非常計画の適用を含む防疫措置強化を検討する必要があるとみている」とし、「ただし、これは中対本を中心に論議しなければならず、今日ここで明確に言うのは難しい。中対本の議論や日常回復支援委員会の検討などを通じてお知らせする」と述べた」

     

    新規感染者数や実行再生産数など、防疫先行指標が悪化しているにも関わらず、「ウィズコロナ」を中止しないとは自殺行為である。いや、厳密に言えば「他殺行為」であろう。何を躊躇しているのか。世論の反発を恐れているにちがいない。具体的に言えば、大統領選への悪影響懸念だ。

     


    (2)「一部では、病床の確保だけでは現在の感染拡大を統制できず、新型コロナ危険度指標が悪い首都圏だけでも「非常計画」に準ずる防疫の強化が必要だという声もあがっている。翰林大学江南誠心病院のイ・ジェガプ教授(感染内科)は「政府が重症患者の病床を早期確保するとしても、感染者の増加のスピードがもっと上がれば、結局感染拡大を統制できない」とし、「私的な集まりの人数を制限し、ワクチン未接種者の人数を制限したり、首都圏を中心に防疫パスを強化するなど、防疫強化措置が必要だ」と述べた」

     

    下線部の対策でも早急に行うべきだ。

     

    (3)「防疫当局はひとまずウィズコロナを維持しながら、「病床の確保」と「ワクチン接種率の向上」に防疫対策の焦点を合わせる計画だ。政府はこれに先立ち、5日と12日の2回にわたって首都圏の上級総合病院22カ所に病床動員行政命令を下したが、今週からはこれによる病床の確保が行われるものとみている。中央事故収拾本部のパク・ヒャン防疫総括班長は「(行政命令から)3週間以内に拡充するようにしているため、今週から少しずつ増えている」とし、「今週末から来週までは当初目標だった首都圏準重症病床402床の追加確保を完了する予定」だと述べた。先週末に政府が追加で確保した病床は計162床(重症者7床、準重症者46床、感染専用病床109床)だ」。

     

    「病床の確保」と「ワクチン接種率の向上」に焦点を合わせるが、手遅れであろう。重症者の増加が上回っているからである。「ウィズコロナ」を中止しない限り、根本的な解決にはならない。

     

    日本の菅前首相は、自らの再選可能性の低いことを覚って防疫対策に全力を挙げた。この日本の選択に比べて韓国はどうか。与党候補の大統領選当選を狙って、国民の生命を犠牲にしようとしている。日韓のこの余りの違いに絶句する。

     


    (4)「新型コロナ新規感染者に対する保健医療能力は、新規感染者や重症者が急増する首都圏を中心に悪化し続けている。防対本の発表によると、新型コロナ感染専用病床の稼働率(21日午後基準)は69.49%で、全国の重症患者専用病床1134床のうち788床が使われている。政府はウィズコロナを中止し、防疫を強化するいわゆる「非常計画」を発動する緊急検討基準として、重症患者専用病床の稼働率75%を提示している」

     

    全国の重症患者専用病床のうち、すでに69.5%が稼働している。レッドライン75%はすぐに埋まる。もはや、待ったなしの状況で追い込まれている。

     

    (5)「新型コロナ重症者数も515人(22日0時基準)で、政府が提示した安定的に管理可能な患者数(500人)を連日上回っている。病床の稼動率が高くなるにつれ、病院に入院しなければならない新規感染者たちが家で待機する時間がだんだん長くなっているのも問題だ。首都圏で新型コロナ陽性判定を受けてから、病床の配分を1日以上待つ患者数が同日0時現在907人で、前日(804人)より103人増えた。待機日数別にみると、1日以上待機者が385人、2日以上が223人、3日以上が162人で、4日以上待機する患者数も137人にのぼる」

     

    新型コロナ重症者数は、515人(22日0時基準)である。政府が提示した安定的に管理可能な患者数(500人)を連日上回っている。ここまで悪化している以上、大統領選挙への思惑などと言っていられないはずだ。人命救助が優先である。

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    中国の著名テニス選手の彭帥さんが、中国共産党元幹部との不倫関係を告白した後に安否の懸念が出ていた。この問題で、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が21日、彭さんとビデオ通話したと発表した。

     

    IOCによると、バッハ会長は21日に彭さんとのビデオ通話し「北京市内の自宅で、安全かつ元気にしている」との説明を受けたという。IOCは約30分間の会談中にバッハ氏と笑顔で通話する様子を収めた写真を公表し、彭さんが安全な場所にいることを強調した。五輪開催前の来年1月に北京で開かれる夕食会に招待し、彭さんから快諾を得たという。以上、『日本経済新聞 電子版』(11月22日付)が報じた。

     

    彭帥さんは、3度の五輪出場経験があり、テニス四大大会女子ダブルスでは2度も優勝した実績をもつ。女子テニス界では、超有名人だけに今回の騒動は中国のイメージを大きく傷つけた。それだけに、中国政府は来年2~3月に開催される北京冬季五輪・パラリンピックへの悪影響要因を取り除こうと必死である。だが、彭帥さんのSNSを削除したりした人権問題が残っている。女子テニス協会(WTA)は、中国に対する疑念を強めているところだ。

     

    『ロイター』(11月22日付)は、「IOCとの通話で懸念解消されず中国女子選手巡りWTA」と題する記事を掲載した。

     

    中国の張高麗元副首相に性的関係を強要されたと告発した同国女子テニス界のスター、彭帥選手が国際オリンピック委員会(IOC)とビデオ通話を行ったことについて、女子テニスのツアーを統括するWTAは22日、彭選手の安否を巡るWTAの懸念を解消するものではないという見解を示した。

     

    (1)「IOCによると、彭選手は21日にバッハ会長とビデオ通話を行い、無事で健康に北京の自宅で暮らしていると説明があった。また、今はプライバシーを尊重してほしいとの意向を示したという。これに先立ち、20日に友人との夕食会、21日に北京で開催された子ども向けテニス大会に姿を見せたとする写真や動画を中国国営メディア記者や大会主催者が公開したが、懸念を払拭するには至っていなかった」

     

    彭選手は、自分から自らのプライバシーを公にした。だがこれからは、無闇にプライバシーに踏込まない欲しいという話である。メディアの接近はお断り、だ。

     


    (2)「WTAの広報担当者は、「動画で彭帥選手を確認できたのは良かったが、彼女の健康に問題がないかや、検閲や強制を受けずにコミュニケーションできるかという点についてWTAの懸念を軽減したり、解消したりするものではない」と述べた。IOCとのビデオ通話については「この動画で、彼女の性的暴行疑惑について検閲なしに完全かつ公正で透明な調査を行うという、われわれの要求が変わることはない。それがそもそもの懸念だ」と強調した」

     

    WTAは、彼女が中国政府の管理下に置かれて、自由を束縛されていないかを懸念している。人権侵害を何とも思わない国であるだけに、IOCのような暢気な立場と異なるようだ。

     

    (3)「この問題を巡っては、世界の人権団体などが中国の人権問題を理由に来年2月の北京冬季五輪のボイコットを呼び掛けている。WTAも中国からの事業撤退を警告している。張元副首相と中国政府は、この疑惑についてコメントしていない」

     

    張元副首相と中国政府は、黙殺して事態の鎮静化を待つ姿勢であろう。「人の噂も七十五日」なのだ。先進国と比べて、中国は100~200年も常識がずれている国である。

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