文大統領は、この上ない不名誉な理由で科学学会から批判されている。「研究の自由」を奪ったというもの。進歩派に属する文政権が、学問の生命線である研究の自由を圧迫したとすれば、一大事である。リベラル派であるべき韓国進歩派が、実態は専制派であったのだ。
『WOW!KOREA』(2月25日付)は、「科学技術界・学会など1250人が『尹錫悦候補支持宣言』 文政権の5年間 科学技術が崩壊」と題する記事を掲載した。
韓国では、科学技術界と学会・政府出捐(しゅつえん)研究機関長経験者など1250人が25日、野党第一党“国民の力”のユン・ソギョル(尹錫悦)次期大統領選候補への支持を公式に宣言した。
(1)「彼らはこの日、国会疎通館で記者会見を開き「ユン候補が検事総長在職当時、強い権力に屈服することなく脱原発の不義に立ち向かって憲法と法治を守ろうとした」とし「科学技術中心の国政運営と国民疎通をこれまで強調してきたユン候補こそ、大韓民国を再設計する適任者だ」と伝えた。この日の記者会見には、テ・ボムソク元国立ハンギョン(韓京)大学総長、ノ・ソッキュン元ヨンナム(嶺南)大学総長、チョン・ヨンオク
メディアコンテンツ学術連合会長、ハ・ジェジュ元韓国原子力研究院長をはじめとした7人が、1250人の科学技術関係者を代表して支持宣言文を発表した」
政治と無縁に見える研究者が、文政権による科学政策の矛楯に反対して、最大野党ユン候補の支持声明を発表した。1250人もの人々が起ちあがった理由は、文政権の脱原発が科学的合理性を無視して一方的に推進されたことへの大きな反発だ。福島原発事故の被害を過大に取り上げ、政治的反対に利用したもの。そこには、「学問の自由」を抹殺する強権さを見せつけてもいた。
韓国原子力学会が、福島原発事故の被害を科学的に究明すると、市民団体は学会発表の席に乗り込み謝罪させるという「暴力的行為」を繰り広げた。そのバックに、文政権が控えており、暴力的行為を排除することもなかった。文政権は、反原発市民団体を唆してきたのである。
(2)「彼らは宣言文を通して「ムン・ジェイン(文在寅)政権の5年間、科学技術は無惨に崩壊し、科学技術人たちは苦痛の時間を過ごした」とし「専門性が徹底して無視されたコード人事が国政運営を左右し、政治が科学者たちの上に君臨した」と批判した。つづけて、「科学技術さえ積弊の審判に遭い、出捐機関・科学技術部(省)の関連機関の長たちは任期を全うできず続々と交代した」とし、「法と制度を踏みにじった脱原発・カーボンニュートラル(炭素中立)計画・国民統制手段に転落したK政治防疫、さらには韓国型発射体『ヌリ号』の開発に献身的であった科学者たちさえも大統領の『看板』とし使われるなど、科学技術人たちの血のにじんだ成果は政権の成果に利用された」と付け加えた」
このパラグラフで指摘されている点は、文政権の侵した深刻な学問研究への圧力である。文氏は、科学研究を政治的に利用するという「介入」を行なってきたのだ。これは、進歩派政権の継続を可能にさせるべく、科学を政治の誇大宣伝に利用しようとしたことにほかならない。文氏は、何ごとも「針小棒大」に取り上げる人物である。
(3)「また、「ユン候補が提示した自由で創意的な研究環境づくり・デジタル融合経済推進の未来ビジョン・効率的デジタルプラットフォーム政府などの公約は、未来の大韓民国が備えるべき最も合理的な政府の構想だ」とし「ユン候補の当選と次期政権の成功的政策推進のため、積極的に協力していく」と明らかにした。“国民の力”のキム・ヨンシク議員は「きょうのこの支持宣言に参加した方々は、わが国を代表する科学技術界の碩学および最高の知性たちだ」とし「この方々がユン候補を公式に支持することを、非常に意義深く思う」と語った。つづけて、「国民の力は大韓民国の未来のために科学技術を国政運営の中心に立て、崩壊した科学技術人たちの誇りを回復し、国民との疎通もまた強化していく」と強調した」
ユン氏は、あらゆる点で文政権から政治迫害を受けた身である。身分保障されている検察総長ポストにも関わらず、文政権は強引に辞任させようと猛烈な圧力をかけ、ついに辞任させたのである。文大統領は、自らの権力を使って司法である検察トップを屈服させたもの。酷い政権である。これこそ、文政権の欺瞞性である。