韓国政治を観察していると、もはや救いがない感じを受ける。与野党が揃って低俗は争いを繰り広げているからだ。与野党ともに、支持率を上げるべき党代表に若手を起用し、選挙が終わると「用済み」とばかりに放り出し、内紛を起している。
与党では、30代の青年が代表に就任し、大統領選と地方選挙を勝ち抜いた。だが、事実関係は不明であるが、「性接待」とかいう韓国特有の騒ぎを起している。与党は、この代表を「6ヶ月間職務停止」とした。拙いのは、尹大統領が与党院内代表へ、「与党代表が職務停止で好都合」という主旨のメールを送り、それをメディアに報じられたことだ。
これは、大統領として絶対にやってはいけないことだ。自らの大統領選で協力してくれた党代表に対して、「使い捨て」の印象を与えるからだ。こうしたことも手伝い、尹大統領支持率は底なしの下落である。
『中央日報』(7月29日付)は、「尹大統領の支持率28%、就任後初めて20%に墜落」と題する記事を掲載した。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の支持率が就任後初めて20%台になった。韓国ギャラップが7月26~28日全国の18歳以上の男女1000人対象にした世論調査を実施した結果、尹錫悦大統領の支持率は先週より3%ポイント下落した28%となった。韓国ギャラップの世論調査上、尹大統領の支持率が20%台に落ちたのは就任後初めてだ。職務遂行をうまくやっていないという回答は前週より2%ポイント上がった62%だった。
(1)「否定評価の理由は、人事問題が21%で最も高かった。また、経験・資質不足/無能さ(8%)、経済・民生注力(8%)、独断的/一方的(8%)、疎通不足(6%)という理由が後に続いた。今回の否定評価には最近論議を呼んだ警察局新設(4%)と与党内部葛藤/権性東(クォン・ソンドン)院内代表職務代行のSMS(ショートメッセージサービス)露出(3%)などが追加された」
不人気である最大の理由は、人事問題だ。閣僚に、検察時代の同僚や部下を大量に採用した。「気心の知れた人物」を任命したことが非難の的である。ともかく、就任2ヶ月余で雑音が絶えない。一つには毎日行なう、即席記者会見で揚げ足を取られている。十分に考えた後で行なう「定例会見」という形式でない。毎日、情報発信しているから、感情的で矛楯したことも言っている。そこを突かれるのだ。いったい、これからどうなるのか。先行きが思いやられる状況になっている。
『中央日報』(7月21日付)は、「尹大統領の突破口は何か」と題する記コラムを掲載した。筆者は、同紙のシン・ヨンホChiefエディターである。
支持率を上げるためには何よりも優先すべきことがある。基本に戻り、野党と対話をして妥協することだ。尹大統領は何度か議会尊重の意思を表した。5月の国会演説で「チャーチルとアトリーのパートナーシップがいつよりも必要だ」と述べた時は期待が大きかった(政敵のチャーチルとアトリーは第2次世界大戦で戦時危機連立内閣を樹立した)。
(2)「大統領選挙直後に、朴炳錫(パク・ビョンソク)元国会議長に会って「議会主義を常に尊重する」とも話した。しかしまだに野党とまともに対話するのを見たことがない。実際、少数与党では大統領は何もできない。少数与党でスタートした金大中(キム・デジュン)大統領は就任演説で野党に向けて「切実に望む。あらゆることを相談する。1年だけでも助けてほしい」と頭を下げた。「何をするにも国会の協力が必要」ということを常に念頭に置いていた。なぜそうか。金大中大統領だけではない。金泳三(キム・ヨンサム)大統領も、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領も妥協がいつも基本だった。尹大統領もそうしなければいけない」
尹大統領は、まだ野党代表と会談していない。ここは、野党に協力を申入れる度量の大きさを見せるべきだ。金大中・金泳三・盧武鉉の各大統領も野党に頭を下げている。国会の円滑な運営には欠かせない。
(3)「政治は妥協であり、それが協治だ。望むものを得ようとすれば相手が望むものを与えなければいけない。マックス・ウェーバーの論理のように、主張ばかりすれば信念政治にすぎず、妥協を通じて望むところに進むのが責任政治だ。実際、現在の与野党をみると協治は可能だろうかという考えになる。与党の立場では野党の激しい攻勢と非難が耐え難いかもしれない。それでも野党のせいばかりにしてはいけない。それは無能ということだ。国会空転の被害は国民に向かう。国民のために野党に頭を下げる大統領なら支持率は低下しないだろう」
文政権は、主張ばかりしてすべての政策で失敗した。一切の妥協を拒否したのだ。この失敗例を見れば、尹大統領も妥協を通じた政治をしなければならない。それが、国民のためになることを肝に銘じるべきである。
(4)「野党の元老の柳寅泰(ユ・インテ)元議員は最近、筆者に「大統領が役割をし、国会が与えるものを与えて受けるものを受ければ支持率は上昇するはずだが…」と話したが、この言葉が耳から離れない。不可能に見えても大統領が努力する姿を見せれば、その響きは大きいはずだ。手を差し出しても野党が背を向ければ、それは国民が評価する。検察総長は行政を、大統領は政治をする席だ。政治は対話と妥協だ」
尹大統領は、元検察総長である。妥協は不必要な職務であった。現在は、妥協によって問題解決を図らなければならない政治が職務である。この区分けができなければ、「第二の文在寅」となろう。





