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習近平氏の政策は、すべて思いつきである。2020年の国勢調査で合計特殊出生率が「1.30」に急減したショックで思いつきオンパレードの政策へ踏み切った。出生率急低下の原因が、インターネットゲームによる高い課金と見て、先ずこれをヤリ玉に上げて規制を加えた。学習塾の学費も生活を圧迫していると見て、学習塾を廃止させたのだ。

 

実は、前記の二業種が大学卒の憧れの職場であったのだ。この規制によって、失業者が出る一方で、新規雇用の受け皿が消えてしまい「ダブル」で失業者を増やす結果になっている。すべてが、習氏の誤解が生んだ悲劇である。

 

『ブルームバーグ』(8月31日付)は、「職にあぶれる中国の若者たち、習主席の締め付けが生んだ新たな危機」と題する記事を掲載した。

 

中国の習近平国家主席は昨年、テクノロジー業界に対する締め付けを強化するとともに、自国経済を担う有望な若者たちの雇用危機を悪化させた。罰則を伴う一連の規制や企業買収・新規株式公開(IPO)凍結に加え、かつての急成長が止まったことで、アリババグループテンセント・ホールディングス(騰訊)、小米といった業界を代表する企業が今年に入り大量解雇を始めた。

 

(1)「こうした人員削減は、最大かつ最も人気の高い就職先であるテクノロジー業界がこれまで果たしてきた役割を根本的に変え、深刻な結果をもたらす可能性がある。今年は1100万人近い新卒者が労働市場に加わったが、業界はかつてのようなエキサイティングかつ稼げるキャリアの道を提供できなくなっている。16~24歳の都市部失業率は約20%と過去最悪の水準にある。若者の5人に1人が失業している現状では、多くの新卒者も職にあぶれると見込まれる」

 

大学卒の若者が希望する職種では、新規採用どころか解雇者が続出する始末だ。若者の5人に1人が失業しているの時代だ。

 


(2)「厳格なロックダウン(都市封鎖)などで、新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を習政権が堅持し、ハイテク各社が赤字に歯止めをかけようと苦しんでいる状況を踏まえると、雇用情勢が短期的に好転するとは期待できない。
情報サイト「layoffs.fyi」によると、中国の2大インターネット企業、アリババとテンセントは今年4~6月、計1万4000人を超える従業員を解雇テクノロジーセクター全体のレイオフの4割近くを占める大掛かりなリストラだ

 

アリババとテンセントは今年4~6月、計1万4000人を超える従業員を解雇した。これまでは「花形企業」であったのだ。IT企業では、4割近くがレイオフになっている。

 


(3)「ナットウエスト・グループの中国担当チーフエコノミスト、劉培乾氏は、「ゼロコロナ政策がまだ実施されている一方で、労働市場に加わる大卒者が増える」ため、高水準の失業率が7~12月(下期)も続く可能性があると予想。テクノロジー企業は長い間、意欲的な働き手を受け入れてきたが、それが止まると経済が不安定になる恐れがあるとし、「失業率が長期間にわたり高止まりすれば社会的・経済的安定に対する一段の重石となるかもしれない」と述べる」

 

このパラグラフでは、習氏がいかに理不尽なことをして若者から職場を奪っているかが分る。習氏の本心は、ゲームに現を抜かしていると革命精神を忘れるという精神論であろう。

 


(4)「公式データでの立証は困難だが、テクノロジー業界で満足していた職から追い出された若者の話には事欠かない。テンセントは約10年ぶりに人員を削減。モバイルゲーム開発に携わっていた約5000人が解雇された。中国企業として時価総額最大で、かつては中国初の1兆ドル(約139兆円)企業になる可能性が最も高かったテンセントだが、新しいゲームの認可を約1年受けていない。テンセントはその後、四半期売上高が初めて前年同期比で減少したと発表した」

 

テンセントは、中国を代表するIT企業である。ここでも、5000人もの従業員が解雇されている。いつまで、こういう状況が続くのか。習氏だけは、国家主席3期目を目指して意気揚々としているが、若者は職を探して目の色を変えている。不思議な組み合わせである。