勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2022年11月

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    中国がいつ、ゼロコロナの泥沼から抜け出すのか。新規感染者がゼロにならない限り、解除には進めないはずだ。そうでなければ、これまでのゼロコロナ政策と整合性がとれないからだ。来年の経済成長率については、中国国内からも予想が聞かれるようになった。最も強気説は、5.5%としている。これは、ゼロコロナをいつ止めるかにも大きく掛かっている話である。

     

    IMF(国際通貨基金)は、来年後半から徐々にゼロコロナから脱するという条件で、来年の成長率を4.4%と予測している。今年は、3.2%としている。だが、この見方はかなり甘い方である。3%割れが続出しているのだ。

     

    韓国紙『WOWKOREA』(11月24日付)は、「IMF、中国がゼロコロナを解除すれば『来年4.4%の成長』と展望」と題する記事を掲載した。

     

    MF(国際通貨基金)は「中国が来年後半に現在の “ゼロコロナ”政策を廃止すれば、中国の来年の経済成長率は4.4%に達するだろう」と展望した。

    (1)「IMF実務チームは、今月2日から16日まで中国政府および民間とのオンライン論議を経て、23日IMFのホームページに公開した報道資料で先のように展望した。IMFチームは資料を通じて、中国の不動産規制・ゼロコロナ政策による封鎖などを取り上げ「現在のゼロコロナ政策が来年後半に漸進的で安全に解除されるという前提の下、中国の成長率は2022年に3.%を記録し、2023年と2024年には4.%に上昇するものと予想される」と伝えた」

     

    23年の中国経済がどこまで回復するかは、ゼロコロナと不動産バブルの収拾策による。コロナが100%終わったという政府の発表がない限り、いつまた閉じ込められるか分からない状況では、経済活動が軌道に乗るはずがない。過去3年間、ゼロコロナに虐められてきただけに、そのトラウマは深刻である。甘く見ると大火傷は必至であろう。

     

    ゼロコロナが終結する条件は、医療施設の完備と有効なワクチン開発である。この二つが揃わない限り、ゼロコロナ終結宣言を出せないであろう。今さら、コロナを風土病へと認識を変える訳にもいかず、中国は地獄状態へ落込んでいる。最初のボタンの掛け違いが、現在の矛楯を招いた最大の理由であろう。独裁政治の恐ろしさが、ここに現れている。

     

    (2)「OECD(経済協力開発機構)は前日、ことしと来年における中国の経済成長率の展望値をそれぞれ3.%(2022年)と4.%(23年)と発表した。中国の今年における四半期別の成長率(前年同期対比)は、第1四半期に4.%を記録した後、第2四半期には0.4%へと急転直下し、第3四半期に3.%へと回復した。これらのことから、中国の第13四半期の累積成長率は3.%と集計された」

     

    個人消費の落込みが極端である。ローン返済が最優先されており、新たにローを組んで住宅を購入する人は極端に減っている。

     

    (3)「OECDとIMFはともに「今年の中国は3%台前半の成長率を記録するだろう」と予想していることから「ことし3月の全国人民代表大会(全人代)の時に打ち出した “2022年の成長率目標5.%前後”は達成が困難だ」という見方が一層確かなものとなっている」

     

    中国の今年の経済成長率は、3%前後になろう。弱気派は2%台前半もあるので、政府の目標は大きく外れたことになる。正確に言えば、ゼロコロナで意図的に目標を「外した」と言うべきだ。ゼロコロナに固執したには、習氏の国家主席3期目という政治目的が優先された結果である。

     

    だが、これによる「代償」は極めて大きい。ゼロコロナが、政府への信頼感を失わせ「トラウマ」になっていることだ。結婚を見合わせたことで、出生率の低下に拍車が掛かっているのである。昨年の合計特殊出生率は、1.16である。一昨年は、1.30であった。韓国に次いで低いことから、今年は1近傍の数字になろう。人口動態面で、中国は劣等国へ転落した。過剰人口国から一転して、過少人口国へと踏み出しているので、高齢者の社会保障が中国財政を圧迫することになる。軍事費拡大を行える余地は減るのだ。

     

     

     

     

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    中国が、台湾へ心理的圧力を加える「ウソ情報」を流している。これは、ロシアのウクライナ侵攻前と同じ手口だ。ロシア軍参謀総長ゲラシモフは、現代の国家間紛争の概念を再定義し、軍事行動を政治経済情報人道などの非軍事活動と同等に位置づけた。中国も、すでに台湾に対して同様の「非軍事的行動」を開始している。 

    ゲラシモフ・ドクトリンは、2013年に出版された。ロシアウクライナに関する行動は、このドクトリンに完全に沿ったものである。物資兵站、軍の強さといった伝統的な軍事的関心よりも、心理的・人間中心的側面を優先し、情報戦心理戦など非軍事的手段による段階的アプローチを強調する内容だ。ただ、これは破綻した。

     

    『日本経済新聞 電子版』(11月26日付)は、「中国軍、台湾へ心理的圧力 偽装発信やサイバー攻撃」と題する記事を掲載した。 

    防衛省防衛研究所は25日、中国の軍事動向を分析した報告書「中国安全保障レポート2023」を公表した。台湾へ非軍事的手段による心理的な圧力を強めていると指摘した。台湾発と偽装した有害情報の流布や年14億回以上のサイバー攻撃などを挙げた。 

    中国は認知戦で相手の意思決定を乱す「影響力工作」と呼ばれる方法を多用する国だと位置づけた。国際世論を誘導する「世論戦」と威嚇などを用いる「心理戦」、都合のよい法的根拠に基づいて支持を得る「法律戦」の「三戦」と軍事力を併用する発想がある。こうした手法は「台湾にとって大きな脅威だ」と明記した。

     

    (1)「報告書によると偽情報を拡散したうえで中国軍艦が台湾周辺で航行したり軍事演習したりして台湾内に心理的パニックを引き起こすことが想定しうる。習近平(シー・ジンピン)国家主席がめざす台湾統一に関しては米軍が介入する前に「戦わずして勝つ」作戦を志向しているとの台湾側の分析を紹介した。影響力工作はその具体的な手段になる。影響力工作にかかわる部隊として「戦略支援部隊」に言及した。習氏が15年の軍改革で新設した部隊でサイバーや電子、宇宙などでの作戦を担うとされる。報告書は「心理・認知領域の戦いにも深く関与する」と警戒感を示した」 

    中国は、ウソ情報を流して台湾への「影響力工作」を始めている。中国は強大な国家であり、対抗しても無駄という「諦観」を植え付ける工作である。台湾の人々が、こういう「ウソ情報」に引っかかるか疑問。「台湾人」というプライドが強く、「中国人」意識が低いのだ。

     

    (2)「サイバー攻撃を巡っては19年9月から20年8月までの1年間に台湾の政治・経済・軍事の重要機関へ14億回以上の攻撃があった。標的とした機関のデータ破壊や情報窃取が目的とみられる。台湾の国際的信用を貶めるなどの目的で台湾発と見せかけて有害情報を発信しているとの見方も提示した」 

    台湾の国際的信用を貶めるための工作は、西側諸国が台湾を半導体先進国として高く評価していることから、逆に中国の信用を落とす可能性が強い。 

    (3)「一例に挙げたのは世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が新型コロナウイルス禍の20年4月に「ネット上で台湾からの人種差別的な中傷を受けた」と唱えたことだ。当時、台湾は「中国から台湾人を騙(かた)って出されたものだ」と反論していた。報告書は「テドロス氏の思考をコントロールする工作の要素を含んだ攻撃」だったとの解釈を記載した」 

    ウソは一回、見破られると二度は使えない手だ。中国の「戦狼外交」が失敗して、多くの反感を買ったことでそれが分かる筈である。

     

    (4)「報道を利用して圧力をかけた事例も取り上げた。ロシアによるウクライナ侵攻直後、中国共産党系メディアの環球時報が「台湾独立派は米国に頼ることができない」と伝えた。

    報告書は、バイデン米大統領が米軍をウクライナに派遣しなかったことを踏まえ、台湾住民の不安をあおり米国への信頼を失墜させる狙いで流したと分析した。中国の情報機関などが台湾の政党や台湾軍元幹部へ情報工作や資金援助を働きかけるケースにも触れた」 

    下線部は、中国得意の「贈賄工作」である。記者や知識人を買収するが、書かれた記事を見れば直ぐにばれる。現実の中国が、真逆の動きをしているからだ。論より証拠なのだ。

     

    (5)「影響力工作は、相手への効果が分かりにくいため、中国側が過大評価する可能性もあるという。共産党による1党体制で習氏への権力集中を進める中国は判断を誤った場合に是正するメカニズムが弱い。相手の判断への揺さぶりよりも中国への反感をもたらす効果が大きい影響力工作を続けがちだと記述した。ロシアはウクライナ侵攻の初期、情報戦で優位に立てなかった。米欧の政府や企業がロシア側の出す偽情報を打ち消したためだ。報告書は中国に「非軍事的手段の活用の限界をみせる展開だった」と米欧の取り組みを評価した」 

    中国の「影響力工作」は、すべて西側諸国が知り尽くしている。ロシアのプロパガンダ同様に、影響を受ける人々はよほどの「非常識人」以外に考えられないのだ。

    あじさいのたまご
       


    皮肉なものだ。泣く子も黙る絶対的権力を握る習近平政権が、コロナウイルスに翻弄されている。国家資源をインフラと軍事に注ぎ込み、医療体制を脆弱なままにしてきた咎めである。

     

    中国国家衛生健康委員会の25日の発表によると、国内の新型コロナウイルス新規市中感染者が24日に3万2695人確認された。前日の最多記録を更新した。各都市でコロナ対策の規制が強化されている。北京市では、ほとんど自宅待機を迫られている。有効なワクチンもなく医療設備も不備な状況では、自宅待機しかないのだ。最悪である。

     

    米紙『ウォールストリートジャーナル』(11月25日付)は、「中国『ゼロコロナ』政策の報い」と題する社説を掲載した。

     

    新型コロナウイルスへの中国の対応が世界のモデルになるとみられていた頃を覚えているだろうか。西側諸国の公衆衛生の専門家たちは、感染拡大初期に実施されたロックダウン(都市封鎖)がひどい結果をもたらした後、「ウィズコロナ」政策へと移行した米国の厄介な民主的決定に代わるものとして、中国の「ゼロコロナ」政策を好意的に見ていた。そうした評価ももはやこれまでだ。

     

    (1)「新型コロナの感染が初めて確認されてから間もなく3年となる中、中国では記録的な感染者数が報告されている。1日当たりの新規感染者数は過去最高に達し、2カ月間にわたり封鎖された上海で4月に急増した際の水準を上回っている。中国全土で感染が拡大しており、複数の都市で再びロックダウンが敷かれている。ノムラは、中国の国土の5分の1以上が移動制限の対象になっていると推定している」

     

    中国は、全国民の2割を移動制限せざるを得ない事態だ。これが、GDP2位の国家が行なっている姿である。

     

    (2)「中国共産党はナショナリスト的な理由で、中国国産のワクチンより効果が高い西側諸国産のワクチンの受け入れを拒否している。長期のロックダウンが行われたことは、世界の他の地域の人々のように、ウイルスにさらされて、自然免疫を獲得した人がより少ないことを意味する」

     

    独裁体制自体が、非合理的存在である。その政権は、こともあろうに欧米製ワクチンの導入を拒否している。まことに符合した非合理的行動である。自業自得と言うほかない。

     

    (3)「中国の高齢者は、とりわけ脆弱(ぜいじゃく)だ。同国には、重病が広範囲に拡大した場合に対応できるだけの病院の収容能力や集中治療室(ICU)の病床が不足している。ある推測によると、活動が完全に再開されれば、10万人当たりのICU病床が4床を下回る国において、580万人が集中治療を必要とする状態になる可能性がある。中国の支配者の意図は不明瞭だが、ロックダウンは病気の流行を遅らせるだけで、経済や社会に大きな打撃を与えるという世界的な証拠があるにもかかわらず、同党がゼロコロナ政策へのこだわりを主張し続けるのは、これが理由かもしれない」

     

    中国のICU病床は、10万人当り4床を下回る。日本へ常時、ミサイルを向けている国が、ICU病床不足で国民を自宅に閉じ込めている。何とも、皮肉な話だ。それよりも先ず、ICU病床を増やすことだろう。

     


    (4)「習近平国家主席が抱える他の問題は政治的なものだ。独裁的な政権は、監視、強制措置、ロックダウンなど自分たちが最も得意とすることを常に実行できる。しかし、ゼロコロナ政策の打ち切りに伴って生じる痛みについて国民の支持を得るメカニズムが欠けている。民主主義は、さまざまな主張が存在する騒々しいものだが、事実に基づいて必要だと国民が考える時には、政策を変更し、適応するずっと大きな柔軟性を備えている

     

    中国のゼロコロナと民主主義国のウイズコロナ比較では、政治体制の違いを国民へ見せつけている。14億の中国国民に同情するほかない

     

    (5)「新たな一連のロックダウンによって中国経済は減速し、今年第4四半期と通年の同国の成長率は、当局者らが数字を操作しないとすれば、3%を下回るとみられている。最近、国際舞台での中国の好戦的姿勢が以前ほど目立たなくなっている。その背景には、新型コロナ対策と経済運営面での同国の苦況があるのかもしれない。しかし米国は、こうした状況が続くと思い込んではならない。新型コロナで中国が被った打撃から得られる、より大きな教訓は、ロックダウンが機能しないということであり、公衆衛生やその他すべての面で独裁体制は模範にならないということだ。独裁体制が模範になると信じた米国民は、あまりにも多過ぎた」

     

    最近の中国は突然、戦狼外交を止めて「ニーハオ」と微笑外交に転じている。下線部は、経済面での苦しさを表しているという推測だ。米国が10月、中国へ先端半導体の輸出禁止措置を決めたことから、絶望的な状態へ追込まれている結果であろう。戦前の日本は、米国などから石油とくず鉄の輸入禁止措置を受けてお手上げになった。中国は、まさにこの状態に追い込まれている。調子に乗りすぎたのだ。

     

    テイカカズラ
       


    中国人民銀は25日、預金準備率を0.25%引下げると発表した。景気の沈滞ぶりから言えば当然、政策金利引下げが行なわれる局面である。だが、切下げで米中金利差がさらに拡大し資本流出をまねくので、預金準備率の引下げに止まった。2018年初めには14.9%だった預金準備率を14回引き下げ、市中への流動性を10兆元以上も投入している。苦肉に策であることは言うまでもない。

     

    今回の預金準備率引き下げは、一部の小型地銀を除く金融機関を対象とする。人民銀行によると、計5000億元(約9兆7000億円)の長期資金が市場に放出されるという。銀行の資金コストは年56億元下がると見積もられている。

     

    『ロイター』(11月25日付)は、「中国人民銀、預金準備率0.25%引き下げ 長期流動性5000億元増加」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「キャピタル・エコノミクスの首席アジアエコノミスト、マーク・ウィリアムズ氏は、「今回の引き下げは、ロックダウン(都市封鎖)の影響を受けた企業のローン返済繰り延べを指示された銀行には一助となる」と指摘。その上で「ただ、この不確実な環境下で新たに借り入れようとする企業や家計はほとんどない」との見方を示した」

     

    このパラグラフの見方が、真相を突いている。預金準備率引き下げで銀行の資金コストが下がるので、銀行の不良債権処理や債務返済の繰り延べをしやすくなるという「終戦処理費」の引下げに寄与する。財政的に救済できる余地がないので、金融面で出動させるのが基本方針になっている。

     

    中国政府は、これまでに不動産開発企業の債務処理の金融的枠組を決めていた。支援策は全16項目ある。中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会が11月11日、金融機関や地方の金融当局に通知した。その内容は、次のようなものである。

     

    1)開発企業の資金繰り支援では、今後半年以内に返済期限を迎える開発資金について、融資を1年延ばすよう銀行に促す。銀行が延長に応じても不良債権の認定など貸し出し区分を見直す必要はない。建築中の物件を円滑に購入者へ引き渡すことを後押しする。

     

    2)販売不振などで短期的な資金不足に陥った開発企業の社債発行も支援する。

     

    人民銀行はすでに開発企業を念頭に民間企業の信用を補完する制度を設けており、約2500億元(約4兆9000億円)の社債発行を支援する。マンション購入者への支援では、地方政府に住宅ローン金利の下限や頭金比率の引き下げを求めた。

     

    こうした不動産開発企業への金融支援枠組をつくった上で、今回の預金準備率引き下げが行なわれたと見られる。それにしても、今頃になって不動産開発企業の救済とは、余りにも遅すぎる。習氏の了解が取れなかった結果であろう。習氏は、こういう面まで口出ししているのだ。

     

    『ロイター』(11月25日付)は、「中国人民銀行、不動産デベロッパー支援へ低利融資ー関係筋」と題する記事を掲載した

     

    複数の関係筋によると、中国人民銀行(中央銀行)は、不動産デベロッパーが発行した社債を購入する金融機関向けに低利融資を実施する。不動産部門に対する市場心理を改善させ、民間の不動産デベロッパーを支援することが狙い。

     

    (2)「低利融資は再貸出制度を通じて行われ、金利は基準金利を大幅に下回る見通し。今後数週間で実施する。民間デベロッパーの国内社債に対する金融機関の投資意欲を高める。人民銀行は、システム上重要な質の高い不動産デベロッパーで構成する「優良企業リスト」も作成中。リストに掲載された企業は財務改善に向け当局から幅広い支援を受けられる」

     

    不動産開発企業への融資は、基準金利をかなり下回るレートを適用する。さらに、金融システムを守る上で重要な地位を占める不動産デベロッパーで構成する「優良企業リスト」をつくる。この企業を集中的に再建しようという狙いだ。このリスクに入らない企業は、「野垂れ死に」という哀れな運命が待っている。

     

    (3)「龍湖集団、美的置業、新城控股集団など民間デベロッパー少なくとも3社は今月、総額500億元(70億ドル)の社債発行の認可を受けた。こうした新発債に対する投資需要が不十分な場合は、人民銀行が再貸出制度を通じて流動性を供給する可能性が高いという。関係筋によると、人民銀行は、経営の悪化したデベロッパーの不動産プロジェクトなどを買い取る国有資産運用会社向けに、買収資金として1000億元(140億ドル)を供与することも計画している

     

    下線のように、経営悪化の不動産開発企業の不動産プロジェクトを買い取る資金(約1兆9300億円)も、人民銀行は供給する計画のようだ。こうした、資金が準備されても離散した不動産人気の回復はない。すでに、住宅需要の先食いをしているからだ。

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    ロシアは、理由もなく隣国ウクライナを侵略。戦況が不利になると、ウクライナの発電所をミサイル攻撃し「エネルギー攻め」にしている。すでに零度以下になっているウクライナ国民は、電気も水もない中で寒さに震え苦痛を強いられている。ロシアは、残酷な仕打ちをしているのだ。

     

    『ロイター』(11月25日付)は、「ウクライナ政府、市民の苦痛終わらせること可能ーロシア大統領府」と題する記事を掲載した。

     

    ロシア大統領府(クレムリン)は24日、ウクライナのエネルギー関連施設に対する攻撃が民間人を標的としたものであるという見方を否定した。同時に、ウクライナ政府が紛争終結に向けロシアの要求に応じれば、市民の「苦痛を終わらせる」ことができるという認識を示した。

     

    (1)「ロシア軍によるウクライナ全土の主要インフラに対するミサイル攻撃によって、各地では停電や断水が発生。気温が氷点下となる中、数百万人の市民が数時間もしくは数日間にわたり、暖房や水のない生活を強いられる状況となっている。クレムリンのぺスコフ報道官は「『社会的』な標的に対する攻撃は行われておらず、細心の注意が払われている」と強調。ウクライナ市民の苦しみとプーチン大統領の立場についてどのように折り合いをつけるのかという質問に対しては、「ウクライナ指導部には、ロシア側の要求を満たす形で状況を解決し、ウクライナ市民の苦しみを終わらせるあらゆる機会がある」と応じた」 

    ウクライナは、ロシア側の要求通りに応じれば発電所攻撃を止める、としている。ロシアが、一方的に始めた侵略戦争である。要求に応じなければ、真冬に向かう中で「エネルギー攻め」にすると豪語している。21世紀の現在、こういう侵略国が存在するのだ。

     

    『BBC』(11月25日付)は、「ウクライナ、インフラ一部復旧も電力需要の50%しか満たせず ロシア軍の攻撃で」と題する記事を掲載した。 

    ウクライナの国営電力会社ウクルエネルゴは、主要インフラの修復が最優先だが、修復にはより多くの時間がかかるとした。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、首都キーウを含む15州で、電力だけでなく水の供給も「最も困難な状況」にあると述べた。冬の到来を迎えたウクライナ全土では降雪が観測され、気温は氷点下にまで低下。低体温症による死者が出ることが懸念されている。 

    (2)「キーウでは24日朝、市民の7割が電力を喪失していた。同市のヴィタリ・クリチコ市長はBBCウクライナ語に対し、電気、暖房、水が使えなくなる「最悪のシナリオ」を排除できないと述べた。しかしその後、ウクライナ当局はすべての地域で電気と水の供給が徐々に回復しているとした。ウクライナ大統領府のキリロ・ティモシェンコ副長官は、まず重要インフラの電力が復旧したと述べた。そして、「現時点で、一般家庭向けネットワークの接続が徐々に進んでいる」と付け加えた」 

    キーウでは24日朝、市民の7割が電力を喪失した状態という。ロシアは、苦しければ「降伏せよ」とせせら笑うような姿勢だ。戦争が終わった後、ロシアは世界中から糾弾されて、二度と立直れない程の罰を受けなければならない。

     

    (3)「ウクライナ当局によると、携帯電話を充電したり、お茶やコーヒーを飲んだりできる仮設の暖房テントが全国に4000以上設置されている。ゼレンスキー大統領は24日遅く、毎晩定例の演説で、ロシア軍は「戦い方を知らない」と述べた。「彼らにできるのは、恐怖を与えることだけだ。エネルギーテロか、砲撃テロか、ミサイルテロか。それが現在の指導者のもとで堕落したロシアのすべてだ」と憤る」 

    ウクライナ国民の団結は、さらに固くなろう。ロシアが期待するような、和平交渉への声が出てくるか疑問だ。ロシアは、ここでも道を間違えている。 

    (4)「こうした中、ウクライナのイリナ・ヴェレシュチュク副首相はBBCの番組ワールド・トゥナイトで、「テロリストのロシアは我々に対してエネルギー戦争を始めた。その目的は大規模な人道的危機を作り出すことだ。私たちにとって最大の課題は、高齢者や子供連れの女性、入院中の病人など最も弱い立場にある人達を守ることだ」と述べた。「(ウクライナ)国民は120日間持ちこたえなければならない。この日数が冬の期間にあたり、それこそがロシアの狙いだからだ。ロシアは冬の間、(ウクライナ)国民に最大級の苦痛を与えようとしている」。ヴェレシュチュク副首相によると、南部ヘルソン市など一部地域はいまも砲撃を受けており、ウクライナ政府はすでに自主避難の指示を開始しているという」 

    ロシアの目的は、ウクライナで人道危機をもたらすことだ。これによって、和平論の出てくるのを待っている。拷問と同じ手法である。ウクライナには、西側諸国が支援していることを忘れたような振る舞いである。 

    (5)「多くのキーウ市民は自分たちが直面している困難な状況を冷静にとらえ、それを乗り越える方法を見出しているように見える。実際、発電機を設置する人が増えている。ウクライナでは23日にミサイル攻撃を受ける以前から、水道水の確保もままならなくなっている」 

    こういう事態に、ウクライナ軍の前線部隊は、一段と士気を高めて領土奪回に向け奮闘するであろう。ウクライナ国民は、この試練を乗り越えれば、ロシア上回る強靱な国民性を身に付けるであろう。

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