中国がいつ、ゼロコロナの泥沼から抜け出すのか。新規感染者がゼロにならない限り、解除には進めないはずだ。そうでなければ、これまでのゼロコロナ政策と整合性がとれないからだ。来年の経済成長率については、中国国内からも予想が聞かれるようになった。最も強気説は、5.5%としている。これは、ゼロコロナをいつ止めるかにも大きく掛かっている話である。
IMF(国際通貨基金)は、来年後半から徐々にゼロコロナから脱するという条件で、来年の成長率を4.4%と予測している。今年は、3.2%としている。だが、この見方はかなり甘い方である。3%割れが続出しているのだ。
韓国紙『WOWKOREA』(11月24日付)は、「IMF、中国がゼロコロナを解除すれば『来年4.4%の成長』と展望」と題する記事を掲載した。
IMF(国際通貨基金)は「中国が来年後半に現在の “ゼロコロナ”政策を廃止すれば、中国の来年の経済成長率は4.4%に達するだろう」と展望した。
(1)「IMF実務チームは、今月2日から16日まで中国政府および民間とのオンライン論議を経て、23日IMFのホームページに公開した報道資料で先のように展望した。IMFチームは資料を通じて、中国の不動産規制・ゼロコロナ政策による封鎖などを取り上げ「現在のゼロコロナ政策が来年後半に漸進的で安全に解除されるという前提の下、中国の成長率は2022年に3.2%を記録し、2023年と2024年には4.4%に上昇するものと予想される」と伝えた」
23年の中国経済がどこまで回復するかは、ゼロコロナと不動産バブルの収拾策による。コロナが100%終わったという政府の発表がない限り、いつまた閉じ込められるか分からない状況では、経済活動が軌道に乗るはずがない。過去3年間、ゼロコロナに虐められてきただけに、そのトラウマは深刻である。甘く見ると大火傷は必至であろう。
ゼロコロナが終結する条件は、医療施設の完備と有効なワクチン開発である。この二つが揃わない限り、ゼロコロナ終結宣言を出せないであろう。今さら、コロナを風土病へと認識を変える訳にもいかず、中国は地獄状態へ落込んでいる。最初のボタンの掛け違いが、現在の矛楯を招いた最大の理由であろう。独裁政治の恐ろしさが、ここに現れている。
(2)「OECD(経済協力開発機構)は前日、ことしと来年における中国の経済成長率の展望値をそれぞれ3.3%(2022年)と4.6%(23年)と発表した。中国の今年における四半期別の成長率(前年同期対比)は、第1四半期に4.8%を記録した後、第2四半期には0.4%へと急転直下し、第3四半期に3.9%へと回復した。これらのことから、中国の第1~3四半期の累積成長率は3.0%と集計された」
個人消費の落込みが極端である。ローン返済が最優先されており、新たにローを組んで住宅を購入する人は極端に減っている。
(3)「OECDとIMFはともに「今年の中国は3%台前半の成長率を記録するだろう」と予想していることから「ことし3月の全国人民代表大会(全人代)の時に打ち出した “2022年の成長率目標5.5%前後”は達成が困難だ」という見方が一層確かなものとなっている」
中国の今年の経済成長率は、3%前後になろう。弱気派は2%台前半もあるので、政府の目標は大きく外れたことになる。正確に言えば、ゼロコロナで意図的に目標を「外した」と言うべきだ。ゼロコロナに固執したには、習氏の国家主席3期目という政治目的が優先された結果である。
だが、これによる「代償」は極めて大きい。ゼロコロナが、政府への信頼感を失わせ「トラウマ」になっていることだ。結婚を見合わせたことで、出生率の低下に拍車が掛かっているのである。昨年の合計特殊出生率は、1.16である。一昨年は、1.30であった。韓国に次いで低いことから、今年は1近傍の数字になろう。人口動態面で、中国は劣等国へ転落した。過剰人口国から一転して、過少人口国へと踏み出しているので、高齢者の社会保障が中国財政を圧迫することになる。軍事費拡大を行える余地は減るのだ。





