半導体産業は、今や国家の盛衰を左右するほどの大きな影響力を持っている。米国が、多額の補助金を付けて、半導体設備投資を奨励する時代だ。日本も国策会社「ラピダス」を設立し、最先端半導体へ乗り出す。
韓国は、半導体生産シェアでは世界2位だが、総合力では5位とランキングされている。基礎力が劣る結果である。そこで、半導体特別法を立案中だが、税額控除規模は8%にとどまった。韓国財政が逼迫しているので、「稼ぎ頭」の半導体産業からの税収減を恐れたものである。他国の手厚い保護から見て、韓国半導体に氷河期が来ると懸念されている。
『中央日報』(12月26日付)は、「大幅に後退した韓国の半導体特別法、業界は『半導体氷河期懸念』」と題する記事を掲載した。
韓国の半導体産業支援に向けたいわゆる「K-CHIPS法」(半導体特別法)が与野党の草案から大幅に後退したまま国会を通過し、未来競争力低下を懸念する声が大きくなっている。
(1)「半導体業界と財界・学界などは25日、国会が23日にK-CHIPS法の二本柱である租税特例制限法改定案を通過させたことに対し「こうしたことでは半導体氷河期がくるかもしれない」「未来の人材育成が水泡に帰した」として反発する雰囲気だ。この日、従来6%だった大企業の税額控除規模は、与党案の20%控除だけでなく野党案の10%控除にも満たない8%とわずかに引き上げられた。中堅企業8%、中小企業16%はそのまま維持される」
税額控除とは、「税額から直接差し引くことができるもの」である。端的に言えば、納税額がそれだけ減ることだ。半導体企業に対して、与党案では当初20%控除案が出ていた。それが、何と8%と大幅に圧縮されたのは、韓国に占める半導体産業のウエイトが大きい過ぎる結果だ。
韓国の財政当局は、半導体企業の税収がどの程度かというデータを公表していない。だが、韓国株式の時価総額でサムスンとSKハイニックスの占める比率が、12月20日現在で22%になる。たった2社で韓国時価総額の2割を占める現実から言えば、韓国法人税で前記2社が最大限2割程度になっていることを伺わせている。これは、「池の中の鯨」である。
(2)「企画財政部は、与党案の大企業20%が通過する場合、2024年の法人税税収が2兆6970億ウォン減少するとして反対したという。一部では「民生法案処理に半導体法案を抱き合わせた。企画財政部が不意打ちした」という話も出てきた。全国経済人連合会のユ・ファンイク産業本部長は「国会と政府が短期的な税収減少効果を懸念したようだ」と残念がった」
財政当局の企画財政部は、与党案の大企業20%が通過する場合、2024年の法人税税収が2兆6970億ウォン(約2700億円)減少すると試算して反対したという。韓国財政に穴が空くのだ。法人税全体の規模は分からないが、大きなウエイトに違いない。
(3)「米国と日本など競争国は税制優遇を「ニンジン」として半導体投資を積極的に誘致している。米国は自国に半導体工場を作れば企業規模と関係なく25%の税額控除をする「CHIPS法」を制定した。中国は半導体企業の工程水準により法人所得税を50~100%減免しており、2025年まで1兆元(約19兆円)を半導体産業に支援する。台湾も半導体企業の研究開発税額控除率を15%から25%に引き上げる法改定を推進中だ」
米国は、半導体設備投資に対して25%の税額控除を行なう。台湾は、研究開発税額控除率を25%に引上げる。このように、半導体育成に全力を挙げている。この点で、韓国は見劣りする。韓国が、半導体総合力ランキングで5位とは、それだけ将来の発展性が劣るという意味だ。ちなみに、日本は米・台に次いで3位である。韓国産業研究院(KIET)が、今年11月に発表したデータによるもの。
(4)「半導体ディスプレー学会のパク・ジェグン会長は、「韓国は補助金どころか税額控除率も低い。いま投資のタイミングを逃せば2~3年後には技術があっても生産できずに市場を奪われることになる。一度市場を失えば元に戻すことはできない」と話した。キム教授は「企業の立場では事業環境が良い側に投資するほかない、資金と人が流出すれば半導体氷河期に追いやられる恐れもある」と話した」
半導体は、技術開発が日進月歩の世界である。同時に、研究成果を設備投資に反映しなければ脱落する意味で、一種の「チキンレース」のような過酷さを持っている業界である。国家の運命が、この半導体の発展に懸っていることを考えれば、補助金や税額控除も必要であろう。
(5)「税額控除とともに専門人材養成、許認可簡素化なども大幅に後退したり空転が続いている。当初先端産業特別法改定案には「首都圏の大学の定員規制と関係なく半導体など戦略産業関連学科の定員を増やす」という内容が盛り込まれていたが、政府与党協議の過程で首都圏の大学優遇をめぐり論議が起き、大学内の定員で調整する方向に後退した」
半導体の人材育成は不可欠である。サムスンは、成均館(ソンギュングァン)大学と手を組んで、人工知能(AI)特化の人材を育成する採用連携型契約学科を新設する。学士から修士までの全額奨学金はもちろん、インターンシップなど様々な体験プログラムとサムスン採用にまでつながる学科という。『東亜日報』(12月26日付)が報じた。





