勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2023年08月

    テイカカズラ
       

    スマホは、世界的な需要不振に直面しているが、高級スマホは堅調である。販売不振は、中低価格ゾーンのスマホだ。アップルは、高級品で強みを発揮しており独壇場になっている。サムスンは、中低価格ゾーンの普及品で5位圏内という不本意な結果になっている。

     

    『ハンギョレ新聞』(8月30日付)は、「アイフォン、世界スマートフォン1~4位『総なめ』…ギャラクシーは普及型のみ善戦」と題する記事を掲載した。

     

    サムスン電子が今年上半期のプレミアムスマートフォン競争でアップルに完全に押された。スマートフォンの出荷量でアイフォン14モデルが13位を席巻した反面、サムスン製品では中低価格モデルのギャラクシーA14モデルだけが5位圏内に入った。

     

    (1)「28日(現地時間)、市場調査機関オムディアが今年1月から6月までのスマートフォン出荷量を調査した結果、アップルのアイフォン14プロマックスが計2650万台出荷され1位になった。アイフォン14プロマックスは、昨年9月に発売されたアイフォン14シリーズの最高級モデルで、韓国での出庫価格は175万ウォン(約19万円、128GB基準)から始まる。一緒に発売されたアイフォン14プロとアイフォン14基本モデルはそれぞれ出荷量23位を占めた」

     

    アップルの高級機種の人気が高いのは、カメラが優れているとも言われている。これは、ソニー半導体の優秀さが貢献している結果だ。ソニーは、熊本で半導体工場を増設するので、アップルと協力してさらなる高みを目指すのであろう。

     

    (2)「出庫価格が155万ウォン(約17万円、128GB)から始まるアイフォン14プロは2100万台、125万ウォン(約14万円、128GB)のアイフォン14基本モデルは1650万台が出荷された。4位はアイフォン13の基本モデル(109万ウォン=約12万円、128GB)だった。2021年下半期に発売され1年半が過ぎたが、1550万台が出荷された」

     

    アップルは、一貫して高機能化を図っている。アイフォン需要の天井は、高機能化で押し上げる戦略であり、見事に成功している。中国でも、アップルのシェアは上がっている。

     

    (3)「サムスン電子のギャラクシーは、アイフォンに押されて5位圏外に位置している。同社で最も多く出荷されたモデルは、20万ウォン(23万円)台の普及型スマートフォンであるギャラクシーA14モデルだった。韓国国内ではあまり販売されていないモデルだが、インドをはじめ東南アジア地域で多く販売された。ギャラクシーS23ウルトラモデルは960万台が出荷され6位に上がり体面を整えた。今年初めに発売された最高級モデルで、韓国国内での出庫価格は159万9400ウォン(約17万円、256GB)に達した。続いてギャラクシーA145Gは900万台、ギャラクシーA545G880万台、ギャラクシーA34 5G710万台それぞれ出荷されたことが分かった。いずれも2060万ウォン(27万円)台の普及型モデルだ」

     

    サムスンは、アップルに押されている。サムスンのカメラ用半導体が、ソニーの性能で及ばないとされる。サムスンも、量よりも質で勝負しなければならない時期に来ている。

     

    (4)「オムディアは、「消費者の購買選好度が中低価格モデルから最高級モデルに変化している。今年もプレミアム新製品であるアイフォンプロとマックスモデルの出荷量が増加すると見られる」と見た。業界では、全世界の景気鈍化でスマートフォン需要が減少した状況でも、600ドル以上のプレミアムフォン販売は増加する傾向に注目している。市場調査会社カウンターポイントリサーチの調査によれば、昨年の全世界スマートフォン出荷量は12%減少した12億4000万台である反面、プレミアムスマートフォンの出荷量は1%増加した25千万台だった。プレミアムフォンのブランド別販売比重は、アップルが75%で圧倒的1位であり、サムスン電子16%、ファーウェイ3%、シャオミ1%の順だった」

     

    下線部は、極めて示唆的である。普及品スマホは出荷が落ちているが、高級品は増えているのだ。高級品では、アップルが75%のシェアである。サムスンは16%で大差だ。

     

    (5)「サムスン電子は、プレミアムフォンの競争力確保のために下半期に発売したフォルダブルフォンのギャラクシーZフリップ5・フォルド5の販売に集中している。サムスンはフォルダブルフォン市場の成長傾向を反映し、新しいフォルダブルフォンシリーズの販売目標値を1200万台に設定した。ただ、プレミアムフォン市場でフォルダブルフォンが占める割合は10%半ばに止まっている」

     

    サムスンは、アップルに比べれば後発である。先発アップルには、やはり一日の長があるのだろう。

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    福島処理水放出は、IAEA(国際原子力機関)が承認の下に行われている。中国は、これを無視して「日本悪者」と叫び批判している。世界では、中国だけが一人芝居をしている。狙いは、中国国内の経済不安を打ち消すために外部へ敵を作るというありふれた手法を使っている。これは、中国の国際評価を落とすだけだ。

     

    フィリピンの世論調査では、中国にとって皮肉な結果が出ている。日本を「信頼する」と答えた人は92%でトップだった。一方、79%が中国を「最大の脅威」に挙げた。南シナ海で海洋進出を強める中国への不信感が浮き彫りとなった。中国は、自己過信で墓穴を掘っているのだ。

     

    『共同通信』(8月29日付)は、「中国、日本製品の不買拡大 旅行キャンセル相次ぐ」と題する記事を掲載した。

     

    中国の複数の大手メディアは29日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、日本への団体旅行のキャンセルが相次いでいると報じた。反日感情を背景に中国の交流サイト(SNS)では食品に限らず化粧品や電化製品など処理水と無関係な日本製品も標的に不買の呼びかけが拡大。最大の貿易相手国である中国で日本製品全体への風評被害が広がる懸念が高まっている。

     

    (1)「中国当局はネット上で広がる不買運動を容認しており、日本に経済的圧力を加え、海洋放出の中止を迫る考え。日本経済界は中国政府が10日に訪日団体旅行を解禁したことを歓迎したが、インバウンド(訪日客)回復は期待外れになる可能性がある。日本への嫌がらせが相次ぐ中、日本政府は中国側に冷静な対応を求めている。今後の日中関係が日本企業の対中ビジネスを大きく左右しそうだ。29日付の中国共産党機関紙『人民日報』系の環球時報は大手旅行会社の話として10月1日の国慶節(建国記念日)に合わせた大型連休を利用した訪日団体旅行のキャンセルが相次いでいると報道した」

     

    中国周辺国でも、中国観光客は予想ほどの数になっていない。中国人に高い人気のタイは、中国人観光客が少なくタイ通貨のバーツが値下がりする事態になっている。中国は、国内経済が逼迫していることから「外貨節約」策に出ているともみられる。団体での日本旅行を解禁したが、大量の旅行客が訪日して外貨を使うことを抑えようという可能性もあろう。

     

    中国が、日本を悪者にして日本旅行を抑えるという戦術を取っているとしても何ら不思議はない。中国は、ウソ情報を流すことで「実績」を持つ國だ。何をしてくるか分らない國であることを忘れてはならない。

     

    『朝日新聞』(8月29日付)は、「『日本を信頼』が92%でトップ フィリピン『最大の脅威』は中国」と題する記事を掲載した。

     

    フィリピンの政治コンサルタント会社パブリカス・アジアは、フィリピン人の外国や地域連合に対する信頼度を調べた世論調査の結果を発表した。日本を「信頼する」と答えた人は92%でトップだった。一方、79%が中国を「最大の脅威」に挙げた。南シナ海で海洋進出を強める中国への不信感が浮き彫りとなった。

     

    (2)「調査結果によると、日本を「とても信頼する」と答えた割合は55%で、設問で挙げられた計12の国・地域連合の中で単独トップ。「かなり信頼する」の割合を合わせた信頼度は92%に上り、フィリピンが加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)と並んで最も高かった。日本を「あまり信頼しない」は8%、「全く信頼しない」は1%にとどまり、フィリピン人の親日ぶりが表れている」

     

    フィリピンは、太平洋戦争で戦場になった國だ。その受けた傷を乗り越え、日本への強い信頼感を寄せている。ありがたいことだ。韓国とは全く異なる対応だ。

     

    (3)「『とても信頼する』の割合ではASEANが45%、カナダが44%と続いた。歴史的に関係が深く、安全保障面でつながりを強める米国は39%と、韓国やオーストラリアと同等の高さだった。対照的に、中国は9%、ロシアが14%だった」

     

    日本が、断トツの信頼感92%を得ている。中国は9%にすぎない。これは、中国がフィリピンへ経済支援すると約束しながら反故にしたことが大きく響いている。約束を守らない國、という印象を与えたのだ。

     

    (4)「一方、「フィリピンにとって最大の脅威は」との問いには、79%が中国と答え、米国が9%、ロシアが6%と続いた。中国への警戒感は群を抜いており、南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)周辺での緊張の高まりが背景にあるとみられる」

     

    中国を脅威とする世論が79%も占めている。今回の福島問題で、日本の水産物をすべて輸入禁止にしたことが、中国の評価をさらに引下げるに違いない。

     

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    中国経済の見通しに改善の兆しは見られず、エコノミストは景気回復や物価、貿易に関する予想を幅広く下方修正している。『ブルームバーグ』の最新調査(中央値)で2023年の国内総生産(GDP)は、前年比5.1%増へ下方修正した。従来予想(5.2%増)から見れば下方修正幅は微々たるものだが、世界各地で中国関連株の売却や中国関連通貨への売り圧力が加わっている。

     

    『ロイター』(8月29日付)は、「中国関連株や通貨に下落圧力、拡散リスクも」と題する記事を掲載した。

     

    中国経済の実情を政府統計だけに頼らず非公式データなどからも探ろうとしている投資家の目には、赤々とした警告ランプがはっきりと灯っている。そのため多くの投資家が、中国減速の影響を受ける世界各地の資産から資金を引き揚げつつあるところだ。

     

    (1)「こうした売りの勢いは、ロンドンやバンコクなどの株式市場を失速させ、豪ドルやニュージーランドの乳製品価格、資源大手BHPグループといった中国と関連が深い資産を圧迫している。結局、中国ではゼロコロナ政策解除後に期待された持続的な消費回復や、不動産市場の「雪解け」が起こらず、大半のアナリストの見立てでは、今年の成長率は政府目標の5%に届きそうにない。さらに経常黒字の縮小、膨張する預金残高、先行きに対する自信喪失を示唆するセンチメント調査といった材料は、投資家の悲観論を一層強める形になっている」

     

    中国から発表される経済データは、期待外れのものばかりである。投資家の悲観論を一層強める結果となっている。

     

    (2)「購買担当者景気指数(PMI)や実効為替レート、経常収支、成長率予想、流動性など7つの要素から各国のマクロ経済動向を点数評価しているジャナス・ヘンダーソンのポートフォリオマネジャー、サット・デュラ氏は、中国について「かなり弱い。PMIは低調に推移し、国内総生産(GDP)は下方改定されている。厄介な状況だ」と分析する。その上で「これらの動きが続いている中で、中国に対して強気の見方をする根拠は、どこにも見当たらない」と断言した。デュラ氏のファンドは中国に投資しているが、銀行や不動産、工業といった景気敏感セクターは対象外だ」

     

    中国経済については、強気になる材料は一つもないという。銀行、不動産、工業といった景気敏感部門は、投資対象外である。

     

    (3)「中国が、ほとんどの近隣諸国や主要国にとって最大の貿易相手になっているだけに、需要冷え込みの影響は広範囲に波及してきている。例えば、世界最大の乳製品輸出企業であるニュージーランドのフォンテラは「重要な輸入地域の需要減少」を理由に1カ月で2回も牛乳の卸売価格見通しを引き下げた。同社は以前、最も需要が鈍化したのは中国だと指摘していた。BHPグループが先週に発表した年間利益は過去3年間で最低を記録し、同社が非中核事業をスピンオフして設立した「サウス32」の利益は67%前後も落ち込んだ」

     

    ニュージーランドの世界最大の乳製品輸出企業は、中国市場の悪化を理由に1ヶ月に2回の卸価格を引下げる事態になっている。

     

    (4)「プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフ・グローバル・ストラテジスト、シーマ・シャー氏は、中国減速の影が欧州にも忍び寄ってきたとみている。投資家の間で、ドイツの製造業の命運は中国の顧客需要にかかっていると見られがちなことも、その理由の1つだ。シャー氏は「欧州に関しては幾分先行きの暗さが増している」と述べ、中国は米国株にもリスクをもたらすと付け加えた。BHPのような企業や豪ドル、タイバーツといった通貨に関して、今年は中国がコロナ禍から力強く回復して追い風が吹くと期待してポジションを構築していた投資家にとって、相次ぐ中国のさえない経済指標はまさに「寝耳の水」の事態だった」

     

    ドイツ企業は、中国減速の影響を強く受けるので投資家が警戒している。豪ドル、タイバーツといった通貨も売り圧力が掛っている。

     

    (5)「ふたを開けてみれば、タイを訪れる中国人旅行者はコロナ禍前の3分の1にとどまり、バーツは低迷。バンコク株の年初来下落率は6.5%に達し、アジアでこれより大幅な落ち込みとなっているのは香港株しかない。年初から好調に推移してきた日本株でさえ、UBPインベストメンツのポートフォリオマネジャー、ズヘア・カーン氏は、中国需要に依存する銘柄は売り持ちにするか、買いを避けていると話す。カーン氏は、中国で消費者物価と生産者物価が下落し、若者の失業率が20%を超えるといったデータから読み取れる問題の大きさからは、すぐに積極的な政策対応が必要なことが分かるが、今のところそれは打ち出されていない、と説明した」

     

    タイは、新たな世界的な避暑地として注目を集めている。だが、中国観光客が予想ほど来ないという見通しでパーツが売られている。中国需要に依存する銘柄は、売り持ちにするか、買いを避けているという。世界的なチャイナリスク回避の動きが始まっている。

     

     

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    中国経済が、瀕死の重傷を負っていることは覆い隠すことのできない事実として世界的な認識になった。とりわけ、長年にわたり中国でビジネスを展開してきた欧米企業は、一過性の景況感悪化でなく「構造不況」へ落ち込んだという判断を強めている。 

    『フィナンシャル・タイムズ』(8月28日付)は、「欧米企業、中国経済の回復遅れを懸念 業績に影響も」と題する記事を掲載した。 

    中国経済は厳格な「ゼロコロナ政策」の解除後も回復力が弱く、世界経済に影を落とす恐れがあると欧米企業が相次いで警鐘を鳴らしている。化学品から自動車、ヘルスケア、旅行に至るまで何十年もの間あらゆる業界に活発な市場を提供してきた中国について、世界の様々な企業が決算報告で懸念を表明している。

    (1)「米半導体メーカー、ビシェイ・インターテクノロジーのジョエル・シュメジカル最高経営責任者(CEO)は「中国の需要は低迷している」と嘆いた。高級ブランドなどを扱う英ネット通販、ファーフェッチのホセ・ネベスCEOも「回復は誰もが予想していたほど爆発的ではない」と語った。米計量機器メーカー、アジレント・テクノロジーズのマイク・マクマレンCEOは、2023年5〜7月期の減収の「主な要因」は中国事業だと述べ、年間の売上高目標を引き下げた」 

    中国依存度の高い欧米企業は、中国の景況悪化の強い影響を受けている。

     

    (2)「7月に発表されたデータによると、中国経済は4〜6月期に失速した。輸出の減少、小売売上高の低迷、不動産部門の不振が成長の重荷になった。4〜6月期の国内総生産(GDP)伸び率は前期比0.%と、1〜3月期の2.%から鈍化した。世界第2の経済大国が直面している苦境は世界経済の成長の足かせになっている。中国当局は8月、景気をてこ入れするために金融市場改革を発表し、利下げを実施したが、予想ほど踏み込まなかった。個人消費は上向かず、輸出は減少し、7月の消費者物価は下落した」 

    中国経済は、手詰まり感が強まっている。8月の景気テコ入れが小規模なこともあり、株式市場や為替市場には響かなかった。見透かされているのだ。 

    (3)「中国本土A株に特化した香港の投資ファンド、メガトラスト・インベストメントの王崎・最高投資責任者(CIO)は、消費者、不動産、企業の景況感がこれほど低迷した局面は記憶にないと話す。「これは単なる景気循環の問題ではない。長期的で構造的な問題だろう」と同氏は指摘した。中国有数の海外投資家である独化学大手BASFのマルティン・ブルーダーミュラー会長は「中国人は自国の政府に満足しておらず、信頼もしていない」と話した。同氏はさらに「今後数十年間、ファンダメンタルズは変わらないが、今年後半に回復に勢いがつくことはないだろう」との見方を示した。

     

    中国経済が、構造的な問題を抱えていると指摘されるにいたった。需要不足が顕著であることだ。ただ、「今後数十年間、ファンダメンタルズは変わらない」は、間違った認識である。人口動態の悪化こそ、ファンダメンタルズの悪化を意味するからだ。「今年後半に回復に勢いがつくことはない」としている。これが、ファンダメンタルズの悪化なのだ。 

    (4)「独化学大手コベストロのマーカス・スタイレマンCEOは利益が前年より約30%減ったことを明らかにし、「今年後半に中国の急回復は望めない」と語った。米旅行予約サイト大手のブッキング・ホールディングスは8月、中国人の海外旅行が減っていると指摘した。グレン・フォーゲルCEOは「中国経済はまだ本格回復していない。回復には相当長い時間がかかるだろう」と予測した」 

    中国人の海外旅行が減っているという。これが、正直なところであろう。 

    (5)「中国事業に関して、消費者向け企業には例外もある。米アップルのティム・クックCEOは、13月期の売上高は3%減だったが46月期は8%増に転じ、中国経済は「加速している」と語った。中国を第2の市場として重視する米スターバックスは、中国経済の回復力の弱さは同社の売上高に「目立った影響」を及ぼしていないと表明した。米小売り最大手ウォルマートは5〜7月期の中国での売上高が22%増えたと報告し、米高級衣料大手ラルフ・ローレンは中国での売上高は上海がロックダウン(都市封鎖)されていた前年から50%以上増えたことを明らかにした。同社のパトリス・ルーベCEOは「中国は我々にとって今後も最も急成長する市場の一つであり続けるだろう」と期待を示した」 

    アップル製品は、売れ行きが回復している。iPhoneの高機能性という商品特性が他社製品から乗り換えただけであろう。トータルのスマホは売れ行きが落ちているはずだ。

     

    (6)「英豪資源大手リオティントのヤコブ・スタウショーンCEOは、中国経済についてはなお「慎重ながらも楽観視している」と語った。「中国はこれまで何度も、景気後退に陥っても刺激策を通じてうまくかじ取りできると証明してきた」と同氏は指摘した。もっとも、先行きを見通せないと認める企業もある。英蒸気システムのスパイラックス・サーコ・エンジニアリングのニコラス・アンダーソンCEOは「景気回復のタイミングや規模を判断するのは至難の業だ」と話す。「中国の場合には、私の水晶玉は濁っており、霧が立ち込めている」と同氏は語った」 

    英豪資源大手リオティントCEOの発言は、中国政府を怒らせまいとする政治的発言である。中国の資源輸入が減っているからだ。

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    英調査会社のグローバルデータによると、16月の中国乗用車販売台数はVWグループが首位だったが、前年同期比で9%減った。一方、比亜迪(BYD)は8割増と急伸し2位に浮上した。ただ、売上げ伸び率では鈍化しており、値引き競争の影響を受けている。

     

    こうした競争激化は、中国自動車市場の主柱であるEV(電気自動車)が、マーケッティング理論で言う「キャズム」(溝)状態に入っていることを示している。EVと言えども、一本調子の上昇カーブを描くわけでない。必ず、「節」の段階を迎える。中国EVは、これから厳しい価格競争によって企業は体力消耗を強いられるはずだ。

     

    中国新興EV「御三家」とされる小鵬汽車(シャオペン)の副総裁(副社長に相当)で自動運転技術の開発を率いてきた呉新宙氏が、同社を退社したことがわかった。82日、小鵬汽車の創業トップで董事長(会長に相当)の何小鵬氏が、SNSへの投稿を通じて明らかにした。以下、『東洋経済オンライン』(8月28日付)から引用。これは、中国紙『財新』記事の転載である。

     

    「呉氏は小鵬汽車の社内だけでなく、中国の自動車業界で広く認知された自動運転技術分野のキーパーソンだ。呉氏のリーダーシップの下、小鵬汽車の自動運転技術は中国国内の最先端レベルに飛躍を遂げた。財新記者の取材に応じた小鵬汽車の関係者は、呉氏の退社は「唐突な知らせだった」と驚きを隠さない。呉氏の退社が、小鵬汽車の今後にどんな影響をもたらすかは未知数だ」。中国EV業界の実情の一端を示している。

     

    『日本経済新聞 電子版』(8月28日付)は、「中国で新車値下げ合戦再び VW系など優勝劣敗進む」と題する記事を掲載した。

     

    中国の新車市場の値下げ競争に再び火がついた。7月の新車販売(輸出を含む)は6カ月ぶりに前年実績を下回り、需要喚起のため独フォルクスワーゲン(VW)系などが相次ぎ値下げに踏み切った。市場が成熟に向かう中、企業間や車種ごとの優勝劣敗がさらに広がりそうだ。

     

    (1)「中国市場でのメーカー別の販売状況を見ると、企業間の優劣も目立ってきた。英調査会社のグローバルデータによると、16月の中国乗用車販売台数はVWグループが首位だったが、前年同期比で9%減った。一方、比亜迪(BYD)は8割増と急伸し2位に浮上した。VWは普及価格帯のガソリン車で高いシェアを握る。BYDはガソリン車の生産を22年に終了し、EVとPHVの車種が豊富だ。中国の新エネ車販売で16月に34%を占めた。強みとする低中価格帯に加え、高級車にも広げてシェアを伸ばしている。この構図は市場全体で見ても顕著で、EVなど新エネ車に注力する中国勢の多くが前年同期の販売台数を上回った一方、トヨタ自動車やホンダなど日本勢は苦戦した。グローバルデータの統計を基にシェアを算出すると、足元で中国勢が過半を超えている」

     

    BYDは、22年にガソリン車の生産を中止しており、EVとPHV(プラグインハイブリッド車)へシフトしている。EVがこれから「キャズム」(溝)状態に入っても、部分的に阿HPHVで支えるのであろう。ただ、BYDの成長性は低下する。

     

    (2)「こうした状況を打開しようと、VWは中国新興EVの小鵬汽車に約5%出資しEV2車種を共同開発する方針を決めた。傘下のアウディは上海汽車との提携拡大でも合意した。海外勢はリストラも相次ぐ。トヨタは広州汽車集団との合弁会社、広汽トヨタで約1000人を削減。三菱自動車も現地合弁会社が社員向けに人員整理を通知した。韓国の現代自動車も2工場の売却を決めた。「日本の完成車メーカーの中には部品の大幅値下げ要求をする企業も出てきた」(取引先の車部品メーカー)との声も上がる」

     

    VWは、小鵬汽車に約5%出資しEVの共同開発を行うという。冒頭に挙げた、小鵬汽車の副社長で自動運転技術の開発を率いてきた呉新宙氏が、突然の退社と何らかの関係があるのかも知れない。

     

    (3)「中国の自動車市場は世界最大であることに変わりはなく、日本勢を含む世界の大手メーカーは中国市場に引き続き力を入れる。ただ、中国市場は近年、拡大ペースが緩やかになり、成熟してきた。景気も減速し各社は構造改革を迫られている。EVなど新エネ車とガソリン車の明暗も鮮明だ。売れ筋の車種が変質する中で、単に店頭価格を下げるだけでは購入に結びつきにくくなっている。商品開発やコスト競争力を含むメーカーの総合力が問われており、企業間の差が今後さらに強まりそうだ」

     

    EV自身が、マーケッティング理論上で「溝」に入ったことは否めない。となると、中国の自動車業界はこれから数年、停滞局面で苦悩することになろう。

     

    次の記事もご参考に。

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