ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議は、6カ国の加盟を決定した。議長国南アフリカのラマポーザ大統領が24日、発表した。大統領によると、アルゼンチン、エジプト、イラン、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国が2024年1月1日にBRICSに加わる。
中国の習近平国家主席は、今回の決定はBRICSの協力メカニズムに新たな活力を注入する歴史的な拡大だと指摘した。加盟国の拡大は、他の途上国と団結し協力するという決意を反映するとし、「国際社会の期待に応えるもので新興市場と発展途上国の共通の利益に資する」と述べた。
『フィナンシャル・タイムズ』(8月22日付)は、次のように論じている。「中国の目的は、中国が主導する国々の集まりを数多く構築、拡大し、資金を賄うことによって、途上国世界でのリーダーシップを確立していくことだ。さらに、この戦略の狙いは主に2つあるという。ひとつは世界の大半の国々が、今後も中国の貿易と投資に対して開かれているようにすることだ。もうひとつは国連やその他の国際会議の場で、途上国による投票の力を使い、中国の国力と価値観を打ち出すことだ」
中国は、自国経済が今後も順調に発展するという前提で、こういう世界のリーダー国を目指しているが、足下の経済はどうなっているか。その冷静な認識がないようだ。
『レコードチャイナ』(8月24日付)は、「中国経済危機論、実際のところはどうなのかー独メディア」と題する記事を掲載した。
独国際放送局『ドイチェ・ヴェレ』中国語版サイト(8月22日付)は、中国経済の先行きに対して欧米メディアから懸念の声が出ており、「問題の根源は政治にある」との指摘も飛び出したことを報じた。
(1)「記事は、バイデン米大統領が8月中旬に資金集めのイベントで中国の経済問題を「時限爆弾」と呼び、これに対して中国の国営メディア・新華社が同大統領を批判した上で「課題はあるが、今年の中国経済の回復は堅調だ」とする評論を発表したものの、中国当局が発表した7月の経済指標は軒並み不調だったことから、海外の主要メディアからは中国経済が現在直面している問題や課題についての議論が起こり始めていると伝えた」
バイデン米大統領は、中国経済に対して「時限爆弾」という形容詞をつけたが、過剰債務を抱えていつ破綻するか分らない現状への警告である。
(2)「米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)が22日付の記事で「中国が貧困から抜け出し、大国としての地位を獲得した経済モデルは、もはや持続可能なものではない。単なる経済の低迷期ではなく、これは長い時代の終わりかもしれない」と指摘、 国際通貨基金(IMF)が中国の国内総生産(GDP)成長率について今後数年間は4%を下回ると予想しており、 このままでは、35年までにGDPを倍増させるという目標や、中国が長年抱いてきた「米国を抜いて世界最大の経済大国になる」という野望が実現しない可能性があると報じたことを紹介している」
WSJは、中国式経済モデルが持続不可能と指摘している。不動産バブルが支える経済の異常性を指摘したものだ。IMFも、中国GDPが今後、数年間は4%を下回ると推計している。これは、労働力人口の減少を重視している。
(3)「『ニューヨーク・タイムズ』(NYT)も同日、ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマン氏が「中国は持続不可能な不動産投資をより高い消費者需要に置き換える必要があるにもかかわらず、中国当局は銀行に融資を増やすよう働きかけることで潜在的な危機に対応しようというこれまでと同じやり方を進めており、人々の不安を募らせている」と論じた文章を掲載したと伝えた」
NYTは、ルーグマン氏のコラムで、中国経済再興が個人消費の上昇に掛っていると指摘する。ただ、中国の個人消費は対GDP比で40%弱である。米国の70%弱に比べて大差である。中国が、米国へ経済面で対抗する力はない。
(4)「中国市場に対して常に強気と見られてきた投資家のレイ・ダリオ氏でさえ、中国は現在の苦境から抜け出すために、早急に債務再編を行う必要があると述べており、ダリオ氏のファンドで中国企業に数十億ドルを投資してきたブリッジウォーターが、昨年よりは中国企業への投資を減らし始めているとの報道も出ていることを紹介した」
海外ファンドは、中国本土株市場から8月22日までに12営業日連続で計93億ドル(約1兆3500億円)相当の資金を引き揚げた。2016年にデータ追跡を開始してから最長の資金流出となっている。住宅不況の長期化で金融危機拡大のリスクが高まる中、中国本土株の指標、CSI300指数は今月に入り約7%下落と、世界の主要株価指数の中で下げが目立っている。売りの勢いが弱まる兆しはほとんどない。8月23日半ば時点で海外ファンドは70億元余りの売り越しとなっている。
(5)「シンガポール紙『聯合早報』(8月21日付)は、「問題は経済にあり、根源は政治にある」と題した非常にストレートな評論が掲載されたと紹介。著者である香港の実業家、劉夢熊(ラウ・モンホン)氏が「改革開放の最初の30年間は着実に上昇し、近年では負のスパイラルに陥っているという逆転現象の最も根本的な原因は政治にある。中国は今、世界で最も経済が政治に縛られている国だ」と論じた」
中国は、政治が経済に介入して負のスパイラルへ落ち込んだ。中国共産党は、企業を指導するということ自体が逆立ちしているのだ。中国経済は、習氏の登場で「破滅」の運命に陥った。





