IMF(国際通貨基金)は2月2日、中国経済の年次報告書を発表した。長期化する不動産不況を巡り、「存続不可能な不動産企業の撤退を加速させるべきだ」と指摘した。中国政府は、金融緩和で不良債権を凍結して、EV(電気自動車)・電池・太陽光発電の3事業を支援強化して景気回復を図る「待ち姿勢」である。IMFは、中国政府の姿勢へ真っ向から反対している。今の状態が続けば、25年の成長率は2.3%へ急落すると警告した。
『日本経済新聞 電子版』(2月2日付)は、「中国25年成長2.3%に失速も IMF 不動産対応遅れなら」と題する記事を掲載した。
国際通貨基金(IMF)は2日、中国経済の年次報告を発表した。不動産開発企業の整理・再編などの対応が遅れれば、2025年の成長率が2.3%に下振れする恐れがあると予測した。都市に住む世帯の増加ペースなどが鈍り「新築住宅を買う需要が今後10年で35〜55%減る」と試算した」
(1)「24年の実質経済成長率、4.6%と予測した。財政出動の拡大などを踏まえ、23年10月の前回予測から0.4ポイント引き上げた。それでも、不動産市場の低迷や外需の伸び悩みが響き、23年(5.2%)より減速する。先行きの見通しは下振れリスクが上振れを上回るとみる。中国の経済や財政は不動産市場に依存してきた。同市場が想定以上に縮小すれば民間需要が落ち込むとした。地方の財政難にも拍車をかけ、物価が上がりにくい「ディスインフレ」圧力につながると指摘した」
現状は、「ディスインフレ」ではない。金融引き締めによって起こった不況でないからだ。不動産バブル崩壊による不況ゆえ、「デフレ」と言い換えるべきだ。間違いである。
(2)「マンションの販売不振が続き、価格に下落圧力がかかる。家計はさらなる値下がりを期待して購入をためらうため、販売が一段と落ち込む悪循環に陥っている。需要に見合った価格調整が進まなければ、民間の固定資産投資も持ち直しにくい。IMFは住宅の価格調整や開発企業の再編が遅れた場合、25年の成長率が標準シナリオより1.8ポイント下振れする恐れがあるとはじく。1月時点で4.1%と予測した25年の成長率は2.3%に失速する。中長期的にみても新築住宅の需要は増えず、市場の本格回復を遅らせかねない。都市に住む世帯の増加ペースが落ち、再開発などに伴う住み替え需要も減るため、今後10年間で新築購入の需要は35〜55%減るとはじいた」
(3)「IMFは不動産市場の混乱を防ぐため、経営が行き詰まった開発企業の再編のほか、予約販売物件の早期完成を急ぐべきだと強調した。中国では20〜21年に強めた政府の不動産金融規制により、資金繰り難に陥った開発企業が工事を停止する例が全国に広がった。引き渡しの遅れへの不安も住宅取引を冷え込ませた。IMFの試算によると、中国の債務残高(除く金融部門)は23年、国内総生産(GDP)比で300%を超えた。新型コロナウイルス流行前の19年から50ポイント近く上昇したが、このうち3分の2は地方政府傘下の投資会社である融資平台を含めた政府部門の債務だ」
下線部では、中国の債務残高の対GDP比は300%を越えたとしている。現実は、350%を超えている。
(4)「IMFは、地方財政問題をめぐり、中央政府の主導で地方債務残高を圧縮するよう提起した。融資平台は多額の「隠れ債務」を抱えており、負債の償却や国有資産の売却を含む破産処理を通じて再編すべきだとした。財政の安定に向けて税制改革の必要性にも言及した。個人所得税の課税対象を広げて税率も高めるよう提言。固定資産税に相当する不動産税の全国導入も中期課題として求めた」
IMFは、現在も税制改革で注文をつけている。固定資産税の必要性だ。同時に、相続税も設けるべきである。税制制度が、まったく恣意的になっている。全て、土地国有制度がもたらした歪みである。




