半導体の「チップ4同盟」(日本・米国・台湾・韓国)の中で、日台が接近し、米国は国内半導体強化を打ち出している。韓国だけが取り残される形になった。ただ、「チップ4同盟」は、対中国への輸出規制では共同歩調を取っており、この面での連帯強化は不変である。
『中央日報』(2月23日付)は、「台湾・日本同盟に続いて「チームアメリカ」、追い込まれる韓国ファウンドリー」と題する記事を掲載した。
米国はインテルを後押しし、台湾と日本の半導体が接近している。だが韓国は、形勢を変えるような強力な顧客を取り込んでいない。「チップ4同盟」(韓国・米国・日本・台湾)のうち、韓国の直面している厳しい現実だ。サムスン電子は、世界ファウンドリー(半導体委託生産)2位である。1位のTSMCと差を狭めるのが容易でないうえ今後、2位を維持できるかも断言できない状況だ。急変する情勢に合わせたファウンドリー戦略が必要という指摘が出ている。
(1)「レモンド米商務長官が21日、「我々は、米国でより多くの半導体を生産しなければいけない。シリコンをまた『シリコンバレー』に引き込まなければいけない。私たちの世代がこの課題を解決しなければいけない」と、米カリフォルニア州サンノゼコンベンションセンターで開かれた「インテルファウンドリーサービス(IFS)ダイレクトコネクト」行事で語った。レモンド氏は、「私たちはすべての種類の半導体を作ろうというわけではないが、人工知能(AI)に必須の最先端チップは直接生産しなければいけない」と指摘した。レモンド長官は全世界の半導体関係者5万2000人が参加したインテルの初のファウンドリー(半導体委託生産)行事で「アメリカワン チーム」を強調した」
米国は、AIに必要な半導体を米国内で生産する意思を固めている。レモンド長官が、「アメリカワン チーム」を強調した理由だ。
(2)「レモンド長官はインテルのゲルシンガー最高経営責任者(CEO)との対談でも「インテルは米国のチャンピオン企業」と称賛した。また「私たち」という言葉を繰り返し、同じチームという点を暗示した。ゲルシンガー氏もサプライチェーン弾力性を理由に米国で半導体を製造するべきだと強調した。ゲルシンガー氏は「現在、世界の半導体の80%がアジアで生産されている。半導体生産は特定の地域・国に依存してはいけない」とし、「10年以内に米国・欧州が世界半導体の50%を生産できるようにする」と述べた。
インテルは、10年以内に米国・欧州が世界半導体の50%を生産できるようにする、としている。これは、インテルの米国や欧州の工場が担うという宣言である。TSMCへの強力な「反撃宣言」を出した。
(3)「この日、インテルがマイクロソフト(MS)を1ナノ級工程の顧客として確保したと伝えられた。事前録画映像に登場したMSのナデラCEOは、「MSはインテルの18A(1.8ナノ級)工程で半導体を生産する」と明らかにした。インテルがMSなどから受注した金額は150億ドル(約2兆2600億円)にのぼる。ファウンドリービジネスでは、顧客確保がカギを握る。インテルが、TSMCやサムスン電子よりAIで先頭を走るMSの手を握った形だ。この日、エヌビディアは昨年10-12月期の売上高を前年同期比265%増の221億ドルと明らかにし、純利益もウォール街の予想を上回った。半面、多くのエヌビディアの挑戦者は退却している」
インテルが強気になっているのは、マイクロソフト(MS)から1ナノ半導体150億ドルの受注を確保できたという背景もある。ただ、エヌピディアはAI半導体のトップ企業である。MSがこの牙城を崩せるか疑問だ。エヌピディアは、TSMCと一体化しているので、インテル・MS連合がTSMC・エヌピディアとどこまで対抗できるか、であろう。米IBMは、日本の国策企業ラピダスを技術・営業で全面的に支援している。
(4)「チップ4のアジア3カ国のうち、日本と台湾は急激に接近している。ロイター通信は過去2年間に9社以上の台湾半導体企業が日本で支社を設立したり事業を拡張したりしていると報じた。半導体事業の復活に取り組む日本と、米国の要求で「中国デカップリング(脱同調化)」をしなければならない台湾は、両国の必要の一致と円安効果で半導体協力が急速に進んでいる」
台湾の半導体企業は、TSMCを先頭に日本へ急接近している。物理的に増産体制が可能という背景のほかに、日本が政府・自治体が大歓迎しているからだ。台湾政府も日本進出へ後押ししている。安全保障面の配慮もあるのだろう。
(5)「TSMCは、24日に熊本県に第1工場を完工し、第2工場は2027年に完工するが、TSMCについて台湾半導体企業も日本に渡っている。TSMCは米国政府の勧誘および圧力で米アリゾナ工場を建設しているが、海外生産基地は日本に速いペースで構築されている。ロイター通信は「日本政府が寛大な補助金(最大50%)を迅速に支給し、人材も優秀なため」と分析した。TSMC日本工場は12-28ナノ級のレガシー(非先端)工程だが、車載用半導体やイメージセンサーなど日本産業の需要に合わせてチップを生産する」
日本政府が、TSMCへ出した条件は3つある。
1)10年間は撤収しない。
2)製造装置と素材の半分以上は日本国内で調達する。
3)半導体供給が難しい状況でも増産する。
日本は、将来を見据えた条件を出している。TSMCにとっては、なんら負担にならない条件ばかりだ。あえて言えば、3)であろう。日本国内での供給責任を果すことだ。





