4月25日に開幕した「北京国際自動車ショー」は、中国の自動車メーカーが人工知能(AI)などソフトウエアとの融合を打ち出している。「走るスマホ化」と言われるほどの変化をみせているのだ。
新興企業の小鵬汽車(シャオペン)は、AIを活用して高度な理解力やコミュニケーション能力を車に持たせ、車内操作や運転支援をするシステムを近く投入する方針を明らかにしたほど。100以上の機能を組み合わせ、運転者の嗜好や個性に合わせた車両になるという。『日本経済新聞 電子版』(4月27日付)が報じた。
『ロイター』(4月27日付)は、「『豪華装備』競う中国EVメーカー、西側と異なる消費者指向」と題する記事を掲載した。
競争が激しさを増す一方の中国の電気自動車(EV)市場では今、他の地域では決して目にされないような「豪華装備」を惜しげもなく提供し、消費者を引きつけようとする国内メーカーの動きが活発化している。
(1)「新興ブランドだけでなく国有の大手メーカーでさえ、2万ドル(約310万円)程度の低価格EVにも、かつては高級車向けと考えられてきた技術や性能を盛り込んでいるほどだ。2万ドルと言えば、米国の新車平均販売価格4万8000ドルの半分以下に過ぎない。こうした流れは、中国市場で売れ筋のEVを抱えるテスラやフォルクスワーゲン(VW)をはじめとする外国勢にとっては逆風が強まることを意味する。価格に関しては昨年、BYD(比亜迪)が「シーガル(海鴎)」を投入して業界に激震が走った。現在、シーガルの販売価格は1万ドル未満で、中国における販売台数は4位となっている」
中国EVは、激烈な低価格競争に移っている。この裏には、政府の補助金政策が働いている。純粋な競争ではない。
(2)「ただ、EV参入後発組の国有企業を含む他の中国メーカーも、25日に始まった国際自動車展示会「北京モーターショー」で1万ドルを切る車を披露し、BYDとの差を埋めた。それらよりやや高い2万ドル近辺のEVや、プラグインハイブリッド車(PHV)も市場にあふれている」
EVが、1万ドル(約154万円)を割って販売され始めた。採算が取れるはずがない。生きるか死ぬかの瀬戸際であろう。欧米のダンピング輸出への警戒が高まっているので、これを意識して低価格競争を演じさせている面もあろう。
(3)「注目されるのは、こうした車も高級車並みの内装や技術が装備されている点にある。ベイン・アンド・カンパニーのパートナー、レイモンド・ツァン氏は、中国の特に若い世代は自動車を選ぶ際に「技術面の豪華さ」を重視していて、中国メーカーはその面で優位に立ち続けていると指摘。「この状況は、多くの西側市場で車の買い手がなお品質や信頼性、乗り心地、操縦性などにかなり重きを置いているのとは非常に異なっている」と述べた」
低価格EVが、高級車並みの内装や技術が装備されている。中国では、ハイテク装備の豪華さを競っているが、欧米とは異なっている。西側市場のユーザーは、品質や信頼性、乗り心地、操縦性などにかなり重きを置いている。
(4)「一部の中国メーカーは何とか差別化を図ろうとして、消費者を面白がらせるような機能を車に取り付けている。ゼネラル・モーターズ(GM)と上海汽車(SAIC)の合弁企業が販売する小型EV「宝駿」(最低価格1万1000ドル前後)には、後方部分にドライバーが他の車に対して親切にされた場合に「ありがとう」やハートの絵文字をメッセージとして点滅させるためのスクリーンがある」
中国EVは、「オモチャ的要素」が重要部分となっている。中国の若者が好むからだ。
(5)「吉利汽車傘下のプレミアムブランド、ジーカーのEVセダン「001」のフロントグリルは、停車時に音楽を流しながら、歩行者に「いいね」の絵文字を送り続けることができる。国有の東風汽車集団が披露している「納米」は航続距離300キロで価格は9600ドルだが、テスラによって人気となった空力性能を持ち、スマートフォンで離れた位置からドアを開けられる」
1万ドルを割るEVも登場した。スマートフォンで離れた位置からドアを開けられるという
(6)「これまで中国では、国産ブランドよりも欧米ブランドがより豪華で品質も上だとみなされてきたものの、そうした構図は急激に変わりつつある。マッキンゼーのアナリストチームは3月に公表した中国自動車市場見通しで「外国ブランドの威光はほぼ消滅した。伝統的な高級外国車オーナーは、一方的に中国産の高級新エネルギー車オーナーへと移り変わっている」と分析した」
中国国産車は、高級イメージを売り込んでいる。外車ブランドの威光は、ほぼ消滅したという。中国自動車市場は急速に変わりつつある。




