勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2024年08月

    a0960_006602_m
       

    11月の米国大統領選挙まであと100日を切るタイミングで、ハリス氏が民主党候補になった。民主党は数週間前からバイデン氏ではトランプ氏に勝てないという絶望感から内部対立が生じていたが、彼女が候補になったことで、新たな熱気と活力を得た。最新の世論調査によると、わずか1週間余りの間に、全米だけでなく選挙の結果を左右しそうな激戦州でもトランプ氏のリードが消え去った。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(8月2日付)は、「米国の女性を勇気づけるハリス候補」と題する記事を掲載した。

     

    ブルームバーグ・ニュース/モーニング・コンサルトがハリス氏のアトランタ集会と同じ7月30日に公表した調査によると、勝敗の鍵を握る7つの激戦州におけるハリス氏の支持率は48%で、トランプ氏の47%とほぼ互角だ。ハリス氏の人気は、特に若者、有色人種、女性の有権者からの支持率の上昇に支えられている。民主党はハリス副大統領が投票日の11月5日までその勢いを維持することを期待している。特に女性有権者からの強い支持が、党史上最高の投票率につながることへの期待が大きい。

     

    (1)「民主党から地方選挙などに立候補する若者を募って支援する非営利団体「Run for SOMETHING」(立候補しよう)の共同創設者であるアマンダ・リットマンさんは、「ハリス氏の候補者指名が熱気を生み出している」と喜ぶ。「恐ろしいとしか感じられない選挙から本当に希望に満ちた、前向きでワクワクする選挙戦へと変わった。トランプ氏の当選を阻止するだけでなく、より良い未来がどのようなものかを示すことができる」。リットマンさんはヒラリー・クリントン氏の2016年大統領選挙運動にも関わった。「候補者が大切。候補者の物語が、そして彼らの人となりが大切」とリットマンさんは語る」

     

    下線部は,重要である。候補者が有権者の希望を叶えてくれるような「物語」を語れなければ当選は難しいとされる。利益誘導でなく、心と心の共鳴が当選の条件とされている。ハリス氏は、そういう「物語」を作れるかだ。

     

    (2)「ハリス氏は、出産に関する権利の確保と中絶手術を受けやすくすることを選挙運動の中心テーマにしている。アトランタでの約20分間の演説で、ハリス氏は「極端な中絶禁止をなくす」と述べ、73年に女性の中絶の権利を認めた歴史的な最高裁判決「ロー対ウェイド判決」で保障された権利を法制化する連邦法を推進すると約束した。しかし、ハリス氏はトランプ氏と共和党の副大統領候補バンス氏による個人攻撃や性差別的な発言のひどさを訴えた。先週だけでも、前大統領はハリス氏を「IQ(知能指数)の低い人物」だと評し、外国の敵にとって「遊び道具のような存在」になるだろうと述べた。また、彼女の(黒人としての)人種的アイデンティティーに疑問を投げかけた。」

     

    トランプ氏の「ハリス批判」は、中道派有権者の心を遠ざけている。もったいないことをしている。米国大統領としての気品が必要である。

     

    (3)「アトランタ集会の聴衆の中には、8年前のクリントン元国務長官の選挙戦を引き合いに出す人も見受けられた。クリントン氏は主要政党では初めての女性大統領候補になったが、激しい選挙戦の末、同氏を「性悪な女」となじったトランプ氏に敗れた。しかし、ほとんどの集会参加者は、16年以降、米国の政治は大きな進歩を遂げていると主張した。多くは、クリントン氏が「最も高く、最も堅牢なガラスの天井」と呼んだものをハリス氏は打ち破ることができると語った」

     

    クリントン女史が、女性大統領への「ガラスの天井」へヒビを入れており、ハリス氏が破りやすいようにしているかもしれない。

     

    (4)「16年以降、米国では、ウィメンズ・マーチ、ミー・トゥー運動など女性の権利に関する大きな動きがあった。22年には、最高裁判所が人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下した。この最高裁の判断を受けて、共和党が多数を占める州議会の多くは、反対論の強い厳格な中絶規制を推進しており、不妊治療や避妊の合法性を疑問視する場合すらある。政治学者のララ・ブラウン氏は、こうした動きに強い不満を持つ多くの女性有権者がハリス氏支持に流れているとみている」

     

    妊娠中絶禁止問題は、党派を超えて女性有権者の高い関心を得ている。トランプ氏は,この問題で劣勢に立たされている。

     

    (5)「もし女性が大統領になったら、自分は女性の1人として誇りに思うでしょう。しかし、それは私が候補者に求める一番大切なことではない」とコグインさんは語った。「候補者が男性であろうと、トランスジェンダーであろうと、気にしない。リーダーにふさわしい資質を備えている人に投票する」。しかし多くの人々は、ハリス氏が大統領候補者となったことの意義や、トランプ氏を打ち負かす可能性に熱狂している

     

    ハリス氏が、大統領に相応しいか。有権者は、その資質をハリス氏に感じているのだろう。

     

    a0070_000030_m
       

    米軍は、対中国抑止に向けてF35ステルス最新鋭戦闘の日本への配備を完了した。これにより、台湾有事に備える。万一の場合、中国本土のミサイル基地の攻撃が可能になるという。これだけの「実力」を見せつけることで、中国軍の「軽挙妄動」を抑止する意向だ。

     

    米国防総省は、在日米空軍が最新鋭ステルス戦闘機F35の在日米軍配備計画を発表した。7月初めに、青森の三沢空軍基地、山口の岩国海兵隊航空基地などにF35AF35Bを配備。7月中旬には、米海軍が岩国の第5空母航空団(CVW5)にF35C飛行隊を配備した。

     

    『朝鮮日報』(8月5日付)は、「J20戦闘機1000機でも突破困難 中国で米『ステルス機C型包囲網』構築に懸念の声」と題する記事を掲載した。

     

    米軍の配備計画が完了すれば、在日米軍に固定配備されるF35戦闘機数は80機ほどになるものとみられます。その代わり、1980年代から在日米軍で活躍して来たF15とF16、FA18ホーネットなど旧型戦闘機96機は一線から退きます。

     

    (1)「米国が西太平洋一帯の空軍力をF35中心に再編するのは、中国の空軍力増強に対応するためだと言えます。中国はステルス戦闘機「殲20(J20)」を年間100機のペースで生産し、空軍に配備しているところです。中国では、米国が、同盟国である韓国と日本、オーストラリアなどが保有するF35をひとまとめにして中国に対する「ステルス機C型包囲網」を構築しようとしているのではないか…という懸念の声が出ています」

     

    中国は、ステルス戦闘機「殲20(J20)」を増産しているが、ステルス性能でF35に及ばないとされている。

     

    (2)「米軍の『スターズ・アンド・ストライプス』紙は7月15日、米海軍が岩国のCVW5(第5空母航空団)にF35Cを装備する第147戦闘攻撃飛行隊(VFA147)を新たに配備すると報じました。VFA147は2017年からCVW5で活動して来たVFA115のFA18ホーネット戦闘機と交代することになる、と同紙は伝えました。有事の際に韓半島に投入される空母ロナルド・レーガンが今年5月、母港の横須賀を離れて帰国の途に就きました。代わりに空母ジョージ・ワシントンが、今年下半期に在日米軍に投入される予定です」

     

    米海軍もF35Cを装備する部隊編成を終えている。空母ジョージ・ワシントンが、今年下半期に在日米軍横須賀基地に配備される。

     

    (3)「米国が、在日米軍にF35を大量投入するのは、中国の空軍力増加に対応するためだといいます。中国はJ20ステルス戦闘機を開発し、既に300機近く配備したといいます。毎年100機ずつ増やして、2030年代には1000機まで確保するという計画です。最近では台湾の対岸に位置する福建省・武夷山空軍基地の主力機を大挙J20に入れ替えるということもやりました。加えて、空母艦載用の殲35(J35)も開発し、試作機を運用中です」

     

    中国軍は、西側諸国からベテラン空軍パイロットを雇って、最新鋭機の「教官役」にしている。製造技術は西側から窃取できても、操縦ノウハウがないのだ。J20ステルス戦闘機も多分、このケースであろう。

     

    (4)「J20は、ステルス性能、機動力などの側面で米国のF22やF35には及ばない、というのが専門家らの一般的な評価です。反面、一定水準のステルス性能を備えていて、高性能レーダーや赤外線探知装置、衛星通信装置などを搭載し、米国の制空権にかなりの脅威になるだろうという分析もあります。

     

    J20は、技術窃取の結果であろう。「本家」のF35にステルス性能で劣るのはやむを得ないであろう。中国ステルス戦闘機は、米軍よりも一世代、遅れていると指摘されてきた。

     

    (5)「米太平洋空軍(PACAF)の司令官を務めたケネス・ウィルズバック航空戦闘軍団(ACC)司令官は2022年、あるシンポジウムで「東シナ海で、われわれのF35戦闘機が近くからJ20を見守る機会が多かったが、懸念すべきレベルではなかった」としつつ「J20に対する中国の指揮・統制は相対的に印象的だった」と語りました。在日米軍からF35配備を本格化するのは、中国の台湾侵攻や南シナ海紛争に備えるためという側面も大きいといえます」

     

    米軍は、中国のJ20の「実力」を知っているようだ。その結果、「懸念すべきレベルではなかった」としている。

     

    (6)「F35は優れたステルス機能を基に、有事の際は中国のレーダー網を突破して侵入し、中国軍の指揮部や空軍基地、ロケット軍基地などに致命的な打撃を与えることができます。ネットワーク機能に優れ、F15EX・無人機などと連携して中国内部の目標を合同攻撃することも可能だといいます。台湾侵攻を夢見る中国軍としては、乗り越え難い障壁だと言えます」

     

    F35のステルス性能が優れており、中国軍の防御網を破って中国本土奥深く攻撃可能という。こういう事実を突きつけられると、中国は簡単に「開戦」ということにならないであろう。

    a0960_008564_m
       

    中国鉄鋼業界は、住宅建設の不振とインフラ投資の遅れによって、今年上半期の粗鋼生産量は、前年同期比1.1%の減少になった。だが、価格の落込みが激しく業界は軒並み赤字に陥っている。価格低下にも関わらず、生産ペースを実需に合せて減らしていないことが大きな要因である。

     

    『東洋経済オンライン』(8月5日付)は、「中国の粗鋼生産量が『上半期は微減』の背景 国内需要の低迷で鉄鋼メーカー軒並み赤字」と題する記事を掲載した。この記事は、中国『財新』の転載である。

     

    中国の粗鋼生産量がわずかながら減少に転じたことがわかった。中国国家統計局が発表したデータによれば、2024年上半期(16月)の中国全土の粗鋼生産量は5億3000万トンと、前年同期比1.1%の減少となった。「上半期の生産量の減少は、鉄鋼メーカーの消極的な減産によるものだ。国内の鋼材需要が低迷し、十分な受注量が得られない中、鉄鋼メーカーの多くが赤字に陥っている」。情報サービス会社、我的鋼鉄網のチーフアナリストを務める徐向春氏は、こう解説した。

     

    (1)「上場鉄鋼メーカー各社が開示した業績予想を見ると、2024年1~6月期の損益見通しは軒並み赤字である。遼寧省の鞍鋼集団の上場子会社・鞍鋼股份は、16月期の赤字額が前年同期の約2倍の約26億7900万元(約583億円)に拡大すると予告した。河南省の安陽鋼鉄集団も、上半期の赤字額が前年同期の約1.5倍の12億6000万元(約274億円)に膨れ上がると予想する。安徽省の馬鞍山鋼鉄股份は、前年同期に比べて約10億8700万元(約237億円)の損益改善を見込む。とはいえ、16月期の予想損益は11億4800万元(約250億円)の赤字であり、黒字転換には至らない」

     

    鉄鋼業界の赤字経営は、中国経済が深刻な需要不足に陥っている証拠だ。減産が不十分であることが,赤字幅を膨らませている。

     

    (2)「各社は、赤字見通しの理由について、「供給量に対して需要が弱く、鉄鋼業界全体が利益を生み出せない構造に陥っている」と釈明する。鋼材相場の低迷が続く中、(鉄鉱石や石炭などの)原材料相場も下がってはいるものの、鉄鋼製品の価格の下げ幅が原材料よりも大きく、鉄鋼メーカーの利幅が削られているという。中国国内の鋼材需要の低迷は、不動産不況の長期化で開発プロジェクトの新規着工が減少しているのが主因だ。さらに、(地方政府による)公共インフラ投資の執行額も例年の水準を大きく下回っており、需要不足に拍車をかけている」

     

    下線部分のように、公共インフラ投資の発注が遅れている。地方政府の赤字財政が原因である。住宅不況で、土地売却収入が減っていることで財源調達ができない結果だ。

     

    (3)「国内需要の不足を部分的に埋め合わせているのが輸出の拡大だ。とはいえ中国の鋼材輸出は、量を確保するために価格を犠牲にするジレンマに直面している。中国海関総署(税関)のデータによれば、2024年上半期の鋼材輸出量は5340万トンと前年同期比24%増加した。だが、平均輸出価格は1トン当たり778.8ドル(約12万2960円)と同26.9%の大幅下落を記録した」

     

    鋼材輸出量は24%増(前年同期比)でも、輸出額は26.9%減(同)という典型的な赤字輸出になっている。

     

    (4)「前出のアナリストの徐氏は、「消極的減産を余儀なくされた鉄鋼メーカーの一部は、鋼材相場の下落が一段落したら再び増産したいと考えている。だが、それは市場価格の再下落を引き起こし、悪循環を招きかねない」と警鐘を鳴らす。徐氏の見方によれば、2024年後半の鋼材相場の流れを決めるカギは(回復が期待できない需要サイドではなく)供給サイドにある。鉄鋼業界が自ら進んで減産に取り組まなければ、需給バランスの長期的均衡は望めないという意味だ」

     

    鉄鋼産業は、装置産業である。溶鉱炉に火が入れば、簡単に粗鋼減産ができない宿命を負っている。中国鉄鋼業界は、かつての日本が経験したように「廃炉」にまで進む事態になろう。

    a0960_008417_m
       

    韓国左派は、日本へ難癖を付けることが「生きがい」のように行動を続けている。「少女像」を世界中にバラマキ、日本の評価を落とすことを目的としているからだ。その韓国は、北朝鮮とロシアが軍事同盟を結んで対峙し、安全保障を脅かされる事態になっている。韓国の救いは、日本との協力である。こういう大きな時代転換の中で、日本の体面を汚す韓国左派の振る舞いは理解し難い行動である。 

    これまで、ドイツ・ベルリン市は韓国の少女像設置を認めてきた。事情がよく分らずに設置を許可したが、ついに撤去させることになった。これに付随して慰安婦教育プログラム支援も取り止める方向である。日韓が敵対関係にあるならば、こういう一連の「反日行為」をする背景が存在するのであろうが、現在は「友好国」になっている。その日本へ、敵対行動を続ける韓国左派とは一体、何者なのか。不可思議な存在である。

     

    『ハンギョレ新聞』(8月6日付)は、「『少女像撤去の危機』のベルリン、『慰安婦』教育プログラムにも支援中断」と題する記事を掲載した。 

    ドイツのベルリンに設置された「平和の少女像」(以下少女像)が撤去の危機に直面した中、ベルリン市長が日本政府との軋轢(あつれき)を懸念し、市民団体の「慰安婦」教育プログラムに対する支援も中断するために圧力を加えたというドイツ現地メディアの報道が出た。 

    (1)「ドイツの公共放送である「ベルリン=ブランデンブルク放送(RBB)」は8月3日(現地時間)、ベルリンのカイ・ウェグナー市長がドイツの市民団体「コリア協議会」が申請した8万7000ユーロ(約1390万円)規模の「慰安婦」教育プログラムへの支援を許可しないよう影響を及ぼしたと報道した。同放送はある消息筋の話として、ウェグナー市長が市のプログラムへの支援の可否を最終決定する諮問委員会のある委員に連絡し、日本政府と軋轢が生まれかねないとして、コリア協議会の申請を断るよう求めたと報じた」 

    岸田首相とドイツのショルツ首相は7月ベルリンで会談し、経済安全保障と防衛分野の協力を前面に押し出して協力強化する状況にある。こういう中で、ドイツ政府が韓国左派の反日政治運動へ協力するはずがない。国際情勢の変化がもたらした結果だ。

     

    (2)「コリア協議会は、ベルリン市が支援する文化教育のための基金を申請したが、4月に脱落した。諮問委員会は、ベルリン市上院など市政府の内部委員と外部委員で構成される。評価過程で審査団はコリア協議会プロジェクトへの支援を推薦したという。しかし、ウェグナー市長が諮問委員会に連絡した後に行われた表決で、コリア協議会のプロジェクトは支援対象から除外された。コリア協議会が基金支援対象から除外された後の5月、ウェグナー市長は日本の上川陽子外相と面会した際、「変化を作ることが重要だ」として少女像の撤去を示唆する発言をし、少女像撤去を求める主張を後押しした」 

    ベルリン市長といえば、日本の東京都知事にあたる。ドイツ政府の国際的な立場を深く理解しているはずだ。日本政府が忌避する「少女像」やそれにまつわるプログラムをベルリン市長が受入れる政治状況でなくなったのだ。日本の民間団体が、仮にソウルで「嫌韓運動」を始めるに当たり補助金を申請しても受理されるはずがない。あくまでもやりたいならば、自己資金で立ち上げるべきだろう。 

    (3)「諮問委員会の決定には、日本大使館も影響を及ぼそうとした情況も報道で明らかになった。日本大使館がベルリン中心部のポツダム広場にある5つ星ホテルに諮問委員数人を招待し食事をしたということだ。この内容を伝えた消息筋は、「当時、大使館の文化分野担当官が、最初は諮問委員の活動に関心を示していたが、話題を変えてコリア協議会のプロジェクトに反対票を投じるよう説得した」と語った」 

    日本大使館が、コリア協議会のプロジェクトに反対票を投じるよう説得したという。日本政府の立場から言えば、あり得ることだ。

     

    (4)「日本大使館側は、「(コリア協議会の)プロジェクトは少女像を一方の話だけを伝える用途に使われている」とし、「アジアに対する知識が多くない若いドイツ人に反日感情を植え付けている」と述べた。コリア協議会が、ベルリン市に予算支援を申請したプログラムは「私の隣りに座って」という名前のプロジェクトで、すでに2021年から今年上半期までベルリン市の補助金を受けて進めてきたプロジェクトの延長だった。市民の後援を通じて主に運営されるコリア協議会は、財政難の解消および歴史教育のためにベルリン市の支援を受けており、今回は6区で8つの青少年団体とともに活動する計画もあった」 

    ベルリン市が、これまで行ってきたコリア協議会プロジェクト支援に対して、今年は「中止」という政治的意味を考えるべきである。日独関係が,一段と強化される以上、日本を非難するプロジェクトへ援助することがどういうことになるか。ドイツ政府が決めたことである。韓国左派は、国際情勢と無頓着に感情のおもむくままに「反日運動」を行う限界が露呈されてきたのだ。

    a0960_008527_m
       


    米国最大の経済的課題は過去2年半、高インフレ退治に向けられている。FRB(米連邦準備制度理事会)は、この問題解決に全力を挙げてきたが、ここに大きな穴が開いていることが判明。失業率が急上昇してきた。8月2日発表された7月の雇用統計が驚くほど精彩を欠く内容となり、市場に動揺が広がっている。 

    ただ、この事態は事前に予測されていた。過去1年間の間に失業率が「0.5%ポイント」の上昇になれば、その後は急速に悪化するという経験則である。FRBは、これを無視して7月の利下げを見送ったことで、市場は米国経済のハードランディングという悲観論が支配的になっている。この結果、年内に最低でも合計0.75%の利下げ予測が強まっている。1.25%の引下げで中立金利(インフレでもデフレでもない状態)近辺へ戻すべきとの主張もみられる。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月5日付)は、「FRB、『硬着陸』リスクに直面 低調な雇用統計で」と題する記事を掲載した。 

    シカゴ地区連銀のオースタン・グールズビー総裁は8月2日のインタビューで、このところのインフレ率の低下を踏まえ、「今や問題は、完全雇用に落ち着きつつあるのか、完全雇用から遠ざかりつつあるのかだ。これは重要な問題だ」と語った。 

    (1)「景気全般の鈍化が今後何カ月かのうちに現実のものとなれば、既に変わりやすくなっている、ドナルド・トランプ前大統領とカマラ・ハリス副大統領による大統領選の情勢を一変させる可能性もある。ジョージ・W・ブッシュ元大統領の顧問を務めたエコノミストのマーク・サマーリン氏は「言うまでもないことだが、経済が反転すればハリス氏が大統領になる確率は低下する」と語った」 

    米国で失業率が高まれば、11月の大統領選でハリス氏の当選確率は下がる。

     

    (2)「最新の統計が、景気のソフトパッチ(踊り場局面)を反映しているのか、あるいはもっと不吉な景気悪化を反映しているのかは、今後何カ月かのFRBの対応や、金利の低下が減速する景気の支えになるかどうかにかかっているかもしれない。FRBのジェローム・パウエル議長は7月末、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが行われる公算が大きいことを示唆した。FRBが重視する指標によると、6月のインフレ率は2.5%と、2年前の高水準の7.1%を大きく下回った。7月の失業率は4.3%と、6月の4.1%や年初の3.7%を上回った。ローレンス・マイヤー元FRB理事は82日のインタビューで、「インフレはもはや『最重要の』問題ではない。状況は完全に変わった」と述べた」 

    失業率が、一定の水準を超えると急速に悪化することは、過去の例からも知られている。現在がその分岐点にある。 

    (3)「投資家はFRBの対応が遅れることを心配している。2日の雇用統計を受け、議論の的は当局者がいつ利下げするかから、9月の利下げ幅がどの程度になるべきかに移った。つまり、伝統的な0.25%の利下げか、より幅の広い0.5%の利下げかだ。2001年や2007年のリセッション(景気後退)直前には、0.5%の利下げが行われた」 

    1回の利下げ幅は、0.25%か0.5%かのいずれかだ。0.5%になれば、先行きの景気悲観論が有力になった証拠である。

     

    (4)「多くのアナリストは、FRBが今年の残り3回のFOMCで、0.25%ずつ利下げすると予想している。その通りになれば、FF金利(日本のコールレート)は現在の5.3%から4.5%をわずかに上回る水準まで下がる。一握りのエコノミストは2日、景気後退を回避する確率を上げたいのであれば、FRBがより迅速に動く必要があると述べた。金利は昨年、ドライバーが車のブレーキを踏むように、経済成長の減速を目的とした水準に引き上げられているからだ。景気が、FRBの予想以上に減速しているのであれば、FRBは事実上ブレーキから足を離し、中立と呼ばれる水準に金利を近づける必要がある。中立金利は正確には観測できないが、多くのエコノミストは3%から4%の間だろうと考えている」 

    多くのアナリストは、年内に0.25%ずつ3回で合計0.75%の利下げ予想である。 

    (5)「JPモルガンの米市場担当主任エコノミスト、マイケル・フェローリ氏は、雇用統計で見られた経済の弱さは、一部が誇張されているかもしれないと述べた。今回の失業率の上昇は、レイオフの急増を受けていたが、そのレイオフは恒久的ではなく、一時的なものだった。フェローリ氏は、比較的早い段階で、金利を中立状態に近い水準まで低下させるべきだと考えている。このため同氏は、次回9月とその次の11月のFOMCでの0.5%の利下げを含め、FRBが年末までに計1.25%の利下げを行うと予想している」 

    米国経済の安全性を担保するには、金利を早く「中立状態」まで戻すことが必要である。それには、年末までに計1.25%の利下げが必要とみる。現在の政策金利は5.25~5.50%であるから、年末には4.0~4.25%になるのか。これが実現すると、日米金利差は日本が0.25%と据置きとしても4%以下になる。円安相場是正への圧力は十分で、完全に「円キャリートレード」が姿を消す。

    このページのトップヘ