内閣府が25日に発表した2025年度の政府経済見通しでは、経済成長が4年ぶりに加速する。GDPの実質成長率は1.2%で名目成長率2.7%になる。政府の経済対策の押し上げ効果によって個人消費が改善し、内需が経済成長をけん引する。
『ブルームバーグ』(12月26日付)は、「25年度は実質賃金プラス定着へ 個人消費が成長けん引ー政府見通し」と題する記事を掲載した。
内閣府は26日公表した政府経済見通しで、2025年度も高水準の賃上げが期待される中、物価変動を反映させた実質賃金のプラスが定着するとのシナリオを示した。所得環境の改善が個人消費を喚起し、経済成長をけん引する姿を描いている。
(1)「政府見通しでは、25年度の消費者物価指数(総合CPI)が前年度比2.0%に鈍化する一方、名目賃金は24年度と同じ2.8%の伸びを維持すると見込む。可処分所得の増加に伴い、個人消費も実質で1.3%増にプラス幅を拡大する見通し。内需主導で実質国内総生産(GDP)成長率は1.2%に加速するとみている」
CPI上昇率が2.0%で、名目賃金は24年度と同じ2.8%増であれば、実質賃金上昇率は0.8%を維持できる。個人消費を実質1.3%増とみる根拠だ。久しぶりに日本経済に「快晴」が訪れる感じである。
ここまで来れば、「デフレ完全脱却」は言うまでもないことだ。デフレ脱却の4要因は、25年度の目標数値でいずれもクリアできる。
1)賃金上昇 2.8%増
2)投資の増加 3.0%増
3)消費の拡大 1.3%増
4)物価の安定 2.0%増
25年度の日本経済は、「健康体」を取り戻せる。
(2)「デフレ型経済からの脱却を掲げる石破茂政権は、「賃上げと投資がけん引する成長型経済」の実現を目指している。11月には物価高への対応や所得向上を柱とする財政支出21.9兆円規模の総合経済対策を決定した。来年1月発足のトランプ次期米政権で想定される保護主義的な政策に各国が身構え、世界経済の先行きに不透明感がくすぶる中、賃金上昇をテコとする内需の持続的な回復が経済成長の鍵となる」
25年度政府経済見通しは、明るい展望になっている。
(3)「25年にかけて物価上昇を上回る賃金上昇が定着するかどうかは、日本銀行の金融政策を見通す上でも注目される。植田和男総裁は25日の講演で、国内では「目先の大きなポイントは春季労使交渉に向けた動き」だと指摘。2%の物価上昇と整合的な賃上げを当たり前のこととして社会に定着させていくことが重要だとの認識を示した。内閣府によれば、25年度の成長率見通しが達成されれば供給制約の局面に入り、潜在GDPの直近実績値(年率0.5%)に基づくGDPギャップ(需給ギャップ)は0.4%と、18年度以来のプラスに転換するとみている」
植田日銀総裁は、2%の物価上昇と整合的な賃上げが「常識」として定着する社会の実現が重要だとの認識を示した。この発言の通りである。逆に言えば、日銀には2%の物価上昇に収まる金融政策を行う責任があるということだ。GDPギャップ(需給ギャップ)は、0.4%と、18年度以来のプラスに転換することも、明るい材料である。7年間も、GDPは需給不均衡のマイナス状況に落込んでいたのだ。
25年度経済見通しでは、内需の伸び率を24年度の1.1%から1.3%増と底堅いと見込んでいる。個人消費は、実質所得の底堅い伸びに支えられる。企業の賃上げ率は、24年並みの5%程度と予想される。日本経済に、晴れ間が広がることは間違いなさそうだ。



