中国人民解放軍の陳輝政治委員が、陸軍上将(大将)に昇進し、陸軍で政治的忠誠心の強化と人員の管理を担当する。陳氏は、陸軍勤務経験がない。国営新華社通信が23日報じた。陸軍経験のない陳氏の抜てきは予想外で、共産党の習近平総書記(国家主席)が、軍の統制強化を図ろうとしているとみられる。
中国軍幹部の昇進や異動は、政治工作部による評価過程の審査を経る。自らの昇進が、政治工作部の評価によって命運が決まるだけに、高い評価を得るために賄賂が横行すると指摘されている。政治工作部が、汚職の温床になっているのだ。
最近、驚くべきことは陳輝政治委員の上将昇進式で、およそ30人いるとされる現役上将のうち、4人がこの会合を欠席したと香港紙『星島日報』が24日伝えた。いずれも中国共産党の序列で上位約200人の中央委員を兼務している。欠席は、当局から「汚職嫌疑」を受けて調査されているとみられる。中国人民解放軍の汚職は、「底なし沼」となっている。
『ブルームバーグ』(12月24日付)は、「中国人民解放軍で異例の人事、臆測呼ぶー習氏の統制強化図る動きか」と題する記事を掲載した。
中国人民解放軍の陳輝政治委員が上将に昇進し、陸軍で政治的忠誠心の強化と人員の管理を担当する。国営新華社通信が23日報じた。陸軍経験のない陳氏の抜てきは予想外で、共産党の習近平総書記(国家主席)が軍の統制強化を図ろうとしているとみられる。
(1)「陳氏(61)は以前、空軍に所属し、今年4月に新設された軍事宇宙部隊の政治委員に任命されていた。陳氏は秦樹桐氏(61)の後任となるが、秦氏退任の正式な理由は明らかにされていない。秦氏の前任者は、事実上の定年である65歳で退任した。国営中央テレビ(CCTV)の映像によると、秦氏と陸軍の李橋銘司令官は、陳氏の昇進式に姿を見せなかった。これは明らかに異例の事態で、臆測を呼んでいる。秦、李両氏の欠席理由について、国防省にコメントを求めたが、すぐに回答はなかった」
中国軍の幹部クラスの交代は、ほとんどすべて汚職が原因で退任させられた「後釜人事」である。これほど、「カネの臭い」に弱い軍隊も珍しいが、「党の軍隊」であって「国民のための軍隊」でないことが生きがいを奪っているのか。あるいは、汚職が大将クラスの「権利」になっているのかも知れない。不思議な軍隊である。
(2)「人民解放軍は、現役の兵員数で世界最大の軍隊だが、2人の国防相が相次ぎ更迭され、複数のロケット軍幹部が解任されるなど汚職を巡る不祥事に巻き込まれている。米国の国防総省は、中国が軍の現代化を進めるという目標を達成する上で、汚職調査が障害となる可能性があると分析している」
汚職にまみれている人民解放軍は、軍隊としての規律も士気も保てないであろう。上官が、賄賂で懐を温めていることが知れ渡っている軍隊において、戦意は低くならざるを得まい。政治工作部の政治委員に「ゴマをすって」昇進を狙う。驚くべき軍隊である。
『日本経済新聞 電子版』(12月24日付)は、「中国軍上将4人が会合欠席、香港紙報道 汚職調査拡大か」と題する記事を掲載した。
中国人民解放軍の23日の重要会合に、軍階級の最高位である「上将」4人が欠席したことが波紋を広げている。中国軍では収賄など汚職による幹部の粛清が相次ぐ。規律を徹底するため調査を拡大した可能性がある。
(3)「中国軍の最高意思決定機関である中央軍事委員会は23日、北京市内で上将の昇進式を開いた。同委トップを兼ねる習近平国家主席が出席し、陸軍の陳輝政治委員を上将に任命した。香港紙の星島日報は24日、およそ30人いるとされる現役上将のうち、4人がこの会合を欠席したと伝えた。陸軍の李橋銘司令官と秦樹桐前政治委員、海軍の袁華智政治委員、人民武装警察部隊(武警)の王春寧司令官だ。いずれも中国共産党の序列で上位約200人の中央委員を兼務する。
上将昇進式で、およそ30人いるとされる現役上将の4人が、式典に欠席している。軍の重要な式典である。現役の上将が、こういう式典を欠席するのは尋常なことではない。軍人は本来、式典が好きなはずだ。きらびやかに飾って、出席する場であるからだ。
(4)「星島日報によると、秦氏と袁氏は10月下旬の軍の幹部会議、王氏は11月21日の全国公安機関のビデオ会議にもそれぞれ姿を見せていなかった。汚職調査の対象になった可能性がある。習指導部は6月、李尚福前国防相と魏鳳和元国防相について贈収賄などを理由に党籍を剝奪した。国防省は11月、中央軍事委の苗華委員の職務を停止し「重大な規律違反」の疑いで調べていると発表した。苗氏の職務停止により、中央軍事委メンバーは主席の習氏のほか副主席2人と委員2人の計5人体制となった。同委は17年以降、7人で構成してきた。事実上2人が欠員する異例の状況が続く」
腐敗する軍隊の士気は、高いはずがない。「上将」自体が、政治工作部に推薦によるのだろう。賄賂を贈って得た上将であれば、「賄賂資金」の回収をすべく収賄に陥るのだ。腐敗の連鎖である。



