韓国社会は、政治不安で消費を切り詰めるパターンがある。過去2回の大統領弾劾訴追では、個人消費が落込んでいる。これは、国民が無意識に政治不安におののき、消費切り詰めへ走らせているものとみられる。「街頭デモ」によって大統領追放運動に参加していても、心の底で「韓国政治はどうなるのだろう」と不安を抱えているに違いない。
『東亜日報』(12月20日付)は、「国民の53%『来年の消費支出を今年より減らす』」と題する記事を掲載した。
物価上昇と景気低迷により、国民の過半数以上が来年の消費を減らす計画だという調査結果が出た。19日、韓国経済人協会が世論調査専門機関「モノリサーチ」に依頼し、全国の18歳以上の国民1000人を対象に消費支出計画を調査した結果、回答者の53%は来年の消費支出を今年より減らす計画だと明らかにした。これにより、来年の家計消費支出は今年に比べて平均1.6%減少するものと予想される。
(1)「所得別消費の二極化も目立っている。所得1~3分位(下位60%)は、来年の消費は今年より減少すると予想した一方、4~5分位(上位40%)は増加すると見込んだ。国民は、来年の消費支出を縮小する理由として、「物価高の持続」(44%)を最も多く挙げた。所得減少・失職懸念(15.5%)、税金および公課金の負担増加(8.5%)等の順だった。消費減少を予想した品目としては、旅行・外食・宿泊(17.6%)、レジャー・文化生活(15.2%)など屋外・レジャー活動が多かった。一方、飲食料品や住居費、生活必需品など景気状況と関係のない必須消費財については、消費支出の増加が予想された」
大統領弾劾訴追ということは、異常事態である。一国元首を追放するというのだから国民が不安に思って当然であろう。一部の「確信的」な人を除けば、「この国はどうなるだろう」と不安感が増幅するのは自然の話だろう。
消費者の不安感が、個人消費へ与える影響をデータで見ておきたい。名目GDPに占める個人消費比率の推移の低下に現れているのだ。
名目民間最終消費支出対名目GDP比
03年 54.07%
04年 51.59%(盧武鉉大統領弾劾)
15年 48.54%
16年 47.96%(朴槿恵大統領弾劾)
17年 47.55%
(2)「消費支出の減少は、家計事情の悪化によるものと分析される。来年の家計事情が悪化するという回答は42.2%に達した一方、今年より良くなるという回答は12.2%に止まった」
韓国の人々は、政治不安が個人消費を減らすという明確な認識がないようだ。だが、データをみれば、名目民間最終消費支出対名目GDP比率は、明確に前年よりも低下している。
『東亜日報』(12月23日付)は、「『3日以降は注文がほとんど途絶えた』、戒厳の嵐まで襲った中小企業」と題する記事を掲載した。
すでに景気低迷の長期化と中国の低価格攻勢に苦しんでいた中小企業が、非常戒厳事態の衝撃まで襲い、枯死危機状態に追い込まれている。東亜(トンア)日報の取材に応じた中小企業の代表らは「通貨危機よりもっと大変だ」、「パンデミックの時がむしろ良かった」と悲鳴を上げている。大邱市(テグシ)の城西(ソンソ)工業団地にある繊維加工会社は3日、戒厳事態以後、海外取引先からの注文が途絶え、京畿道華城(キョンギド・ファソン)の玩具会社は18億ウォン分の金型だけを積み上げたまま開店休業状態に入ったという。
(3)「最近、中小企業中央会が輸出をする中小企業513社を対象に実施した実態調査でも26%が内政混乱で直接、間接的に被害を受けたと答えた。特に海外取引先が韓国の不安定な政局を理由に契約を遅延したり、取り消したり減少させたという被害が半分に迫った。この余波で、工場の稼動を中断したり、協力業者に支払わなければならない違約金が発生して流動性危機を心配する企業が次第に増えている。その上、為替レートへの対応能力が弱い中小企業は金融危機以後、15年ぶりに1ドル=1450ウォンを突破したウォン安ドル高にお手上げ状態だ」
海外取引先が、韓国の不安定な政局を理由に契約を遅延したり、取り消したり減少させたという被害が出ている。これは、政局不安を口実に使われている感じだ。




