勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2025年03月

    あじさいのたまご
       

    香港の大手複合企業、長江和記実業(CKハチソンホールディングス)は、中米パナマ運河周辺の2港湾を含めた世界41の運営権を、米国企業ブラックロック率いるコンソーシアムへ売却する。この案件を巡り、中国側が圧力を強めている。政府関係者が先週に国有企業に自粛を指示したことに現れている。既存の協業には影響しないが、新規案件は当局の認可が得られなくなるという。中国にとって、この港湾管理権売却がいかに痛手であるかを物語っている。

    『ブルームバーグ』(3月27日付)は、「中国、李嘉誠氏や一族との新たな取引停止と関係者-国内外の投資調査」と題する記事を掲載した。

    中国は香港の富豪、李嘉誠氏とその一族に関係する企業との新たな取引を見合わせるよう国有企業に求めた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。パナマ運河2港を世界的なコンソーシアムに売却する計画に中国は不満を募らせていた。


    (1)「非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、今回の指示は先週、高官の要請で国有企業に出された。既存の提携は影響を受けないという。この指示により、国有企業は李氏(96)と関係がある事業活動の認可を直ちに受けられなくなる。また、規制当局は李一族の幅広いビジネス取引に対する理解を進めるため、中国内外で一族がどのような投資を行っているか調査していると関係者は述べた」

    今回の港湾売却は、ゴールドマン・サックス・グループのバンカーが仲介した。当初は、96歳の李嘉誠氏にとって、変動が大きい事業からの有利な撤退として投資家に歓迎された。だが、トランプ米大統領はこの取引について、米国が中国の影響下からパナマ運河を取り戻したと主張。中国がこれに不満を抱き、李氏に圧力をかけている。

    中国が不満を示しているものの、交渉はまだ妨げられていないもようだ。非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、デューデリジェンス(資産査定)や税務、会計、その他の取引条件の最終調整が現在進められており、計画通り4月2日までの最終合意の署名がなお目標になっているという。


    中国政府系香港紙の『大公報』は売却を批判し、売却中止を求める報道を連日展開している。26日には「国益を顧みぬ企業は自ら基盤を損なう」とする記事を掲載したほど。中国共産党で香港政策を担う中央香港マカオ工作弁公室なども27日までに計3回、ホームページで大公報の批判記事を転載した。政治介入とみられないようにするため中国政府は慎重との見方もあるが、売却を自主的に撤回するよう圧力を強める構図が浮かんでいる。

    香港取引所への届け出によると、CKハチソンとブラックロック率いるコンソーシアムの独占交渉期間は145日間。このため、中国国有企業など他の買収候補が、交渉入りする余地はほとんど残されていないと関係者は指摘している。

    (2)「新たな取引の停止命令は、中国の国有企業と李氏に関連する会社との協力禁止を必ずしも意味するわけではない。だが、CKハチソンが米ブラックロック主導のコンソーシアムとパナマ運河などの港湾を売却する取引を行ったことで、同社は米中対立の矢面に立たされることになり、李氏に対する圧力も強まっている」


    中国が香港のCKハチソンに圧力をかけている背景には、港湾管理権の売却が中国の戦略的利益や軍事面に影響を及ぼす可能性があると懸念していることだ。中国の一帯一路計画へ悪影響を及ぼす懸念もある。

    中国政府は、この売却が国家安全保障や経済的利益に悪影響を及ぼす可能性があるとし、批判を強めている。この問題は、単なる経済的な取引を超え、地政学的な競争や国際的な影響力の争いの一環として注目される。

    CKハチソンが、なぜ世界主要港湾41の管理権を一括して売却するか。この背後には、中国経済の長期的な衰退予想が前提になっているとみるべきだ。となれば、今が売却のグッドタイミングという判断になろう。中国経済は、これから人口高齢化が急速に進み人口減社会へ移行する。そうなれば、中国経済の威光が薄れる。港湾管理権を高値(190億ドル=約2兆8600億円)で売却するするチャンスも消える。ビジネス感覚からすれば、当然の判断であろう。「売り時」であったのだ。


    ムシトリナデシコ
       

    米国トランプ政権は、ウクライナのインフラ復旧投資に関し,米国が管理権を要求していることが分った。ウクライナは「まな板の鯉」である。ウクライナは、米国の要求をすべて受入れない限り、念願の停戦状態にならないことから受入れざるを得ない状況である。膨大なウクライナの復旧では、EU(欧州連合)や日本などの介入を排除して、先ず米国企業が選択権を持つ形になりそうだ。

    『ブルームバーグ』(3月28日付)は、「米国、ウクライナに投資計画全ての管理権要求-欧州など他国排除」と題する記事を掲載した。

    米国はウクライナで将来行われる主要インフラ投資全ての管理権を要求している。欧州など他のウクライナ支援国は排除され、ウクライナの欧州連合(EU)加盟をくじくことにもなりかねない。


    (1)「ブルームバーグニュースが入手した草案文書によると、トランプ政権が要求しているのはインフラと天然資源に関連する全ての投資プロジェクトの「優先交渉権」で、ウクライナとの改定版パートナーシップ協定で規定される。ウクライナが受け入れる場合、道路や鉄道、港湾、鉱山、石油・ガス、重要鉱物の採掘などあらゆるプロジェクトで、米国が極めて大きな権限を握る。国土の広さで欧州最大を誇り、EUとの協調を強めようとしているウクライナに、米国の経済的な影響力が前例のない形で拡大することになる」

    米国は、ウクライナの道路や鉄道、港湾、鉱山、石油・ガス、重要鉱物の採掘などあらゆるプロジェクトで極めて大きな権限を握る。ウクライナの「属国化」である。トランプ氏は、米国民に「戦果」を誇るのだろう。

    (2)「ウクライナの特別復興投資基金は、米政府が管理し同基金に移管される利益について米国は優先的に請求できる。草案文書によると、米国は2022年のロシアによる全面侵攻以降にウクライナに提供された「物質的・金銭的便益」を同基金への拠出金と位置づけた。これは実質的に、戦争開始以降の米国の軍事・経済支援を払い切るまで、ウクライナは基金の利益を全く受け取れないことを意味する」

    米国は、ウクライナへ支援した全資金を回収する意思だ。だが、2026年に中間選挙を控える状況で、この「強欲作戦」は裏目に出る可能性が高い。非営利調査団体モア・イン・コモンが、3月9日に公表した世論調査結果によれば、米国人の67%、共和党員の65%が、米国は戦争終結までウクライナへの支援供与を続けるべきだと答えている。超大国の米国が、戦争被害国から支援資金を取り立てることに否定的である。


    (3)「米国とウクライナは2月に天然資源協定に調印する計画だったが、ホワイトハウスで会談した両国の首脳が激しい口論となり決裂。この後で米政府は協定内容を改定し、ウクライナ側に草案を先週末提示していた。ホワイトハウスは先週、ウクライナの重要鉱物を対象とした前回の合意よりも、もっと踏み込むと説明していた。両国の協議は継続中で、最終的な草案では条件が変更される可能性もある。事情に詳しい関係者がブルームバーグニュースに述べたところによると、ウクライナは今週、米国に対し修正案を提示する可能性が高い」

    ウクライナは、恐る恐る米国へ修正案を出すのだろう。トランプ氏のご機嫌を損ねれば、すべての努力が水泡に帰す。

    (4)「パリで開かれた欧州首脳との会議に出席したウクライナのゼレンスキー大統領は27日、米国が提示した合意案は「詳細な検討」が必要で、交渉過程で条件は常に変化していると記者団に説明。合意に至ったと断言するのは時期尚早だとしつつ、「われわれは米国との協力を支持する。米国にウクライナ向け支援の停止を促す恐れのあるシグナルは一つでも発したくない」と続けた。米財務省報道官はコメントの要請に対し、「この重要な合意の早期締結と、ウクライナとロシア両国の恒久的な平和の確保に米国は引き続き努めている」と述べた」

    ゼレンスキー氏は、米国にウクライナ向け支援の停止を促す恐れのあるシグナルは一つでも発したくないとしている。ウクライナにとって、米国が「命綱」であるからだ。


    (5)「ウクライナは、2022年にEU加盟候補国として認定され、正式加盟に向けた交渉が始まる見通しだ。ただ、交渉完了には長い年月がかかる可能性があり、ウクライナ経済の大部分における投資決定権を米国が実質的に握るとなれば、交渉は一段と難しくなる公算が大きい。ウクライナは以前、米国との合意がEUと結んだ連合協定と矛盾することがあってはならないと主張してきた。これまでの支援を共同基金への拠出金に位置づけようとする米国の働きかけも、拒否していた」

    ウクライナは、戦争終結と引き換えにしているので、米国と難しい交渉を迫られている。最終的に、米国の意向に従うほかないのだ。

    (6)「この草案文書によると、米国は基金の理事会メンバー5人のうち3人を指名し、決定を阻止できる特別議決権も得る。ウクライナ政府はあらゆる天然資源・インフラ関連の新プロジェクトから得る利益の50%を基金に払い込むことが義務づけられ、米国はこれまでの支援金額を完全に回収するまで、利益の全額に加えて年4%のリターンを受け取る権利を有する。ウクライナは全てのプロジェクトを「可能な限り早期に」基金に提示し、審査を受ける義務も負う。却下されたプロジェクトについて、ウクライナは「大きく改善した」条件で第三者に提案することが少なくとも1年間は禁じられる」

    米国は、ウクライナ支援金に年4%の金利を課すという。これは、米国民からみて余りにも情け容赦ない姿勢に映るだろう。来年11月、米中間選挙では争点にされるに違いない。トランプ氏の理由は、国債発行で得た資金だから、その金利分を払えと言うのだ。


    テイカカズラ
       

    トランプ米大統領の自動車関税25%引上げは、国内自動車メーカーにも大きな影響を与える。組み立て事業が、隣国カナダやメキシコで行っているためだ。こらが、関税対象になるので、GMやフォードの利益がゼロになるとの見通しが出ている。これを避けるには、自動車価格を1台80万も引上げねばならないほど。すべて、消費者負担へ転嫁される。

    『日本経済新聞 電子版』(3月28日付)は、「勝者見えぬ米自動車関税、部品・販売株が急落 物価高も」と題する記事を掲載した。

    トランプ米大統領が4月3日から米国が輸入する全ての自動車に25%の関税を課すと表明したことを受け、3月27日の米株式市場では自動車メーカーに加え部品メーカー、販売店まで幅広い業種が軒並み下落した。新車価格や保険料などへの価格転嫁が進めば米国の物価が0.4ポイント押し上げられるとの試算も出てきた。


    (1)「自動車メーカー株は米大手ゼネラル・モーターズ(GM)が前日比7%安、フォード・モーターは同4%安となった。一方で米国内での製造が主体の電気自動車(EV)のテスラやリビアン・オートモーティブは関税の打撃が少ないことから株価は上昇した。GMは米国内で販売する自動車の約45%、フォードは約20%をカナダやメキシコなど国外から輸入している。米国全体で2024年に700万台以上の自動車を輸入し、そのほとんどはメキシコ、日本、韓国、カナダが占めた。米国メーカーが国内で販売する自動車の部品の海外調達依存度は約2割と大きく、関税に伴う業績悪化リスクが自動車関連株下落の背景となった」

    トランプ関税の恩恵を受けるはずのGMは、米国内で販売する自動車の約45%、フォードが約20%をカナダやメキシコなど国外から輸入している。これが、GMやフォードの経営を圧迫する。


    (2)「米銀大手JPモルガン・チェースのアナリスト、ライアン・ブリンクマン氏は、関税の対象が世界各国に広がったことで、自動車業界全体のコスト負担の見積もりを従来の約410億ドル(約6兆1000億円)から2倍の約820億ドルに引き上げた。さらに各社の収益への打撃が大きいとして、GMとフォード、フェラーリの3社目標株価を引き下げた。スイス大手金融機関UBSのアナリスト、ジョセフ・スパック氏は「トランプ政権が米国に輸入される自動車と部品の両方に25%の関税をかけた場合、GMとフォードの2025年のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)予想額は全額消し飛ぶ」とみている」

    トランプ氏は、関税で巨額の歳入増になると「えびす顔」だが、実態は企業へしわ寄せされ、さらに値上げで消費者の負担増になる。国民が「被害者」となる。消費者物価上昇率は0.4ポイントと試算されている。

    (3)「関税の打撃は自動車メーカーだけでなく、部品や素材メーカーにも及んだ。部品メーカーのカナダ・マグナ・インターナショナルは前日比7%安、リアは同8%安と自動車メーカー以上に下がった。欧州でも自動車部品メーカーの株安が目立った。関税の対象に自動車部品が含まれたため「米国に部品を輸出して組み立てることで関税を回避するという手段をとることが不可能に近くなる」と独コメルツ銀行のビンセント・スタマー・エコノミストは懸念する」

    自動車部品にも関税25%がかかる。こうして、関税の打撃は広範囲へ波及することになった。


    (4)「米国内での自動車の価格転嫁が想定される。販売台数が減少するとの懸念から、販売会社のペンスキーは4%安、アズベリーも5%下落した。JPモルガンのアナリスト、ラジャット・グプタ氏は自動車メーカーが関税コストを消費者に転嫁した場合、ディーラーの平均販売価格は1台あたり最大5300ドル(約80万円)程度上昇する可能性があると見込む。月々の新車ローン支払額も6〜9%増えることになるとみている。「販売店の便乗値上げによる価格上昇圧力が国内製の自動車や中古車、修理サービスや保険料にも広がる」と英調査会社キャピタル・エコノミクスは予想する。同社では「仮にすべての自動車と部品の価格が10%上昇した場合、米個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率が全体で0.4ポイント上昇する可能性がある」とみている」

    ディーラーの平均販売価格は、1台あたり最大5300ドル(約80万円)程度上昇する可能性があるという。これが、物価を0.4%引上げる。

    (5)「トランプ米政権のもくろみ通り、今後は米国内での自動車生産は増える可能性がある。キャピタル社は、「米国の自動車生産の稼働率は低水準だ。輸入が減った分を国内生産で補う余地はある」としたうえで、「稼働率が過去のピーク水準まで戻れば国内での車両組立台数を最大で300万台程度増やすことが可能だ」と見込む。ただ、サプライチェーンの変更には多大な時間とコストがかかる上に、価格上昇による需要低迷が各社の業績に圧力をかける。大手米銀ウェルズ・ファーゴは「新型コロナウイルス以降で物価が大きく変動したため、企業は価格を上げることに対して以前よりも抵抗が少なくなっている」と指摘する。自動車関連株と経済への先行きは厳しい状況がしばらく続きそうだ」

    米国内の自動車工場の稼働率が低いので、いずれ今回の関税率引き上げで高まる。ただ、自動車価格引上げが需要を冷やすので、目論見通りに稼働率上昇に繋がるか。


    あじさいのたまご
       

    中国の台湾包囲演習が恒常化している。演習を装いながら侵攻作戦へ切替えた前例は、ロシアのウクライナ侵攻で実証済みである。トランプ米大統領は、かねがね「自分が大統領であったなら防げた」と豪語してきた。トランプ氏が、現職中に台湾侵攻が起こればどうするか。

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月27日付)は、「中国、台湾封鎖へ準備着々 その作戦とは」と題する記事を掲載した。

    中国軍は台湾を包囲して世界から遮断し、降伏に追い込むための準備をこれまで以上に整えている。もし中国が台湾封鎖に踏み切れば、世界的危機を引き起こす戦争行為となる。その結果、台湾による軍事的対応を引き起こし、ドナルド・トランプ米大統領は米軍が台湾防衛を支援すべきかどうかの決断を迫られ、世界貿易は混乱に陥り、欧州諸国は厳しい対中制裁を科さざるを得なくなるだろう。


    (1)「中国軍は一段と複雑さを増す軍事演習において台湾を包囲し、封鎖のシミュレーションを行っている。中国の準備が整えば整うほど、同国が予告なしに訓練から戦争へと移行するリスクは高まる。封鎖は、台湾が中国の権威の前にひれ伏すよう仕向ける習氏の強力な軍事オプションの一つであり、実戦経験のない中国軍にとって大きな課題となる「侵攻」の一歩手前だ」

    実戦経験のない中国軍が、「孫氏の兵法」通り「戦わずして勝つ」には、恫喝=演習が最適方法であろう。これだと、失敗しても習氏の威信に傷がつくことはない。

    (2)「軍事演習は、中国がいかに封鎖を実施するかについての手がかりを与える。米国防総省や軍事専門家の話、台湾による監視をつなぎ合わせると、具体的にどのような形で行われ、中国軍は実施に向けてどの程度準備ができているのか、その全体像が浮かび上がる。中国には多くの選択肢がある。台湾総統が指揮した最近の机上演習では、封鎖や類似の行動を約12パターン試したが、全てに共通する特徴があるという。この演習に参加した複数の人物が明かした。以下に、米国や台湾、独立系専門家が考える、中国軍(海軍から海上民兵に至るまで)が一丸となって台湾を孤立させる方法を図示する」

    中国は、戦わずして勝つ方法を研究し演習に応用している。12パターンがあるという。


    (3)「攻撃:中国は台湾封鎖に使えるさまざまな戦力(軍や民間、およびその中間的存在)を備えている。台湾のインフラ( 軍事施設、港湾、空港 、エネルギー拠点など)を狙った空爆から始まる。上空にジェット戦闘機やヘリコプター、ドローンが一斉に飛来する」

    先ず、制空権を獲得する。これは、戦争の常道である。

    (4)「封鎖:艦船が台湾を取り囲むが、台湾沿岸に配備された対艦ミサイルを避けるため、海岸から距離を置く。米軍などを威嚇・抑止するため、空母打撃群を南東方向に配置する。そこから「殲15」戦闘機を出撃させることが可能」

    次は,制海権を握る。

    (5)「連携:増強された中国海警局が沿岸近くで支援し、海上民兵の民間船がその間を埋める台湾の孤立化。商船が近づかないように、中国の潜水艦が台湾主要港の港内に機雷を敷設する。法執行船が船の接近を監視し、入港を阻止するために貨物船や客船を配置」

    海上民兵が動き出す。これは、中国共産党独特の海上ゲリラ作戦だ。

    (6)「ネット遮断とサイバー攻撃:貨物船が海底でいかりを引きずり、台湾をインターネットにつなぐ十数本の海底光ファイバーケーブル の切断を試みる。サイバー攻撃は台湾軍の指揮系統や金融システムを標的にする」

    海底光ファイバーケーブル を切断する。中国は、すでにこの「専用船」を一隻保有する。最近もこの切断被害を与えた。


    (7)「中国は自由に使える封鎖手段の備蓄を拡大し、毎日のようにその一端を誇示している。台湾国防部によると、昨年10月には台湾封鎖をシミュレーションする大規模な空海合同演習に、ジェット戦闘機やヘリコプター、無人機(ドローン)など過去最多となる125機の中国軍機が参加した。中国軍はこれについて海上・陸上攻撃や港湾封鎖を含む「戦闘即応訓練」だと説明した。中国は台湾攻撃に利用できる相当量の手段を有する。米国防総省によると、中国空軍は約1900機のジェット戦闘機と500機の爆撃機を運用しており、「ロケット軍」は台湾に到達可能な3000発余りのミサイルを保有。台湾国防部は、特に中国の能力が進化し、台湾が懸念を強めている分野としてドローン戦を挙げた」

    米海軍は、これら中国軍の動きを想定し、「壊滅戦術」を考案し演習している。

    (8)「大半の軍事専門家は、中国軍が幅110マイル(約177キロ)の台湾海峡を越え、水陸両面から侵攻する準備をまだ完全には整えていないという見方で一致する。海は荒れていることが多く、台湾の岸壁や干潟、防御を固めた海岸線は船の着岸を困難にしている。米国も供与している対艦ミサイルシステムも抑止力となっている。中国が行動を起こすかどうかを決める上で、台湾に対するトランプ氏の姿勢が恐らく最も重要な役割を果たすだろう。短期的には、封鎖や侵攻よりも「検疫」を行う可能性のほうが高いという。そのような措置は、米国や諸外国の対応する意思を試す一方、中国による海上での「新常態」確立を許す恐れがある」

    中国軍が、荒れる台湾海峡を攻めるには、台風シーズン直前のわずかな期間しかないことが分っている。台湾海峡が、「自然擁壁」になっているのだ。トランプ氏は、戦争が嫌いである。「恫喝外交」の本領を発揮すべき段階だ。





    テイカカズラ
       

    コメの価格が上昇している。農水省は、コメの流通過程で「買い占め」を臭わせている。だが、民間では、コメの保管問題に多額のコストがかかるので、買い占め行為は不可能だとされる。となれば、米価高騰は減反政策による供給不足が最大の理由である。この分りきった事実が、マスコミでは取り上げられず葬り去られている。敵は本能寺で、減反政策を指揮する農水省が最大に責任を負うべきだ。元農水省幹部が、このように指摘する。

    『PRESIDENT Online』(3月13日付)は、「備蓄米放出で『5キロ2100円』に半減するはずなのに…」と題する記事を掲載した。筆者は、キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹である。農相省で地域振興課長を務めた。

    昨年夏、令和のコメ騒動が起きてから、3月10日やっと農水省が備蓄米を放出した。これによってどれくらいコメの値段が下がるのか、マスメディアの人たちからさかんに質問を受ける。当面の価格の動きとして、私は次のようにコメントしている。


    (1)「農水省が、備蓄米を売り渡すのは農協等の集荷業者である。価格低下を嫌がる農協が放出される備蓄米と同量のコメを売り控えると市場での供給量は増えず米価は下がらない。仮に21万トンと同量の供給増加があれば、現在60キログラム(一俵)あたり2万6000円の生産者米価(農協と卸間の相対価格)は半分の1万3000円に、小売価格は5キロ2100~2200円に低下。つまり、コメの値段は0~50%の範囲内で低下する」

    農水省は、備蓄米を売り渡す相手が農協等の集荷業者である。農水省の「お仲間」である。あうんの呼吸で農水省の意図を汲んでいる。売り控えなければ、価格は、0~50%の範囲内で低下するという。誰かが、ブレーキをかけているのだ。公正取引委員会に出動依頼するテーマだ。

    (2)「もし、農水省がその存在を主張する投機目的で買い占められている“消えたコメ”が価格低下を恐れて慌てて売り出されると、生産者米価は今の3割の水準(7500円)に暴落し、小売価格は5キロ1200円程度に低下する(以上は、流通マージンも生産者米価と同率で低下すると仮定した)。今回、誰も存在すら確認していないのに、農水省が主張する“消えたコメ”の存在を無批判に報道した。突っ込んだ質問をしたり批判的な分析記事を書いたりすると、あとで取材に協力してもらえなくなると恐れるのかもしれない」

    農水省の宣伝する「消えたコメ」はないという。供給不足が招いた米価高騰である。その原因が、行き過ぎた減反政策にある。農水省の責任問題になるが、これを回避している。


    (3)「では、備蓄米の放出について農水省がどのように考え行動したのか推理しよう。本当に国民や消費者の利益を考えるなら、多くの人がコメ不足や価格高騰に苦しんでいるのだから、昨夏の段階で農水省は備蓄米放出という政策を出すべきだった。しかし、農水省の思考は逆である。備蓄米を放出すると米価は下がる。そうなると高米価で兼業農家を温存させてその兼業(サラリーマン)収入等を預金として運用して巨額の利益を出しているJA農協は困る」

    農水省が備蓄米放出を渋ったのは、米価下落が兼業農家の所得を減らし、農協への預金を減らせばJA農協が困るという論理を働かせたという。農協組織温存のために、高米価を維持させたというもの。

    (4)「23年産米が、減反と猛暑等で40万トン強不足した。それを端境期の昨年8~9月に24年産米を先食いしたので、24年産米が供給される昨年10月から今年の9月までの供給量は端から40万トン不足していた。コメの値段は需要と供給で決まる。農水省の主張に反して生産者米価が昨年7月の1万6000円から今年1月に2万6000円に上がったのは、供給が減ったためという単純な経済原則からである」

    現在の米価高騰は、23年産米の40万トン強不足が24年へ持ち込まれた結果だ。これが、現在のコメ高を招いた元凶である。


    (5)「決定的なのは、農水省が昨年8月からの米価の上昇を説明できていないことである。供給も不足していないし、需要も変化していないのに、なぜ米価が上がるのだろうか? 農水省は、根拠もなく誰かが投機目的で隠しているという主張をしている。通常年で起きたことのない現象が、なぜ今年起こっているのだろうか。何もないところで価格を吊り上げて売り抜こうとすれば、その業者はJA全農のように市場に影響を及ぼすほどの大量の在庫を持つ独占的な存在でなければならない。大きなウソである」

    農水省は、コメ投機説を流した結果、辻褄の合わない説明を強いられている。コメ投機をしたものはいないのだ。ただ、家庭での買い溜めがあるかも知れない。これも、先安感が出れば自然解消である。

    (6)「農水省が、農協の集荷減少分の21万トン(今は修正されて23万トン)だけについて消えたと言っているのは、備蓄米の売却先を農協とすることで、農協を救済したいためと米価の低下を好まない農協に、市場への供給量を増やさせないという目的からと思われる。農水省は、今年22万トンの生産増を見込んでいる。農水省が買い戻そうとする備蓄米の放出量21万トンとほぼ同じである。同省は、25年産の供給量の増加を相殺しようとしているのだ。米価維持のためである。これは、米価低落を回避するため生産を抑制的に指導したいとする数値である。農家はこれ以上に生産を増やすだろう。コメは容易に生産量を増加できる」

    農水省は、米価維持のため25年産の供給量の増加を相殺させよとしている。だが、農家は生産量を増やすであろう。機械で苗を植える時代だ。増産は簡単である。


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