勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2025年06月

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    米国は、イランの核濃縮施設3カ所を世界最強の誘導爆弾「バンカーバスター」(地下60~70メートル破壊)で攻撃した。韓国にも、地対地弾道ミサイル「玄武5」が存在する。最大射程は、およそ3000キロで地下100メートルの目標物を破壊する能力を持つ。昨年10月の「国軍の日」記念行事で初めて一般に公開された。北朝鮮が、韓国へ侵略したら20~30発の玄武5で平壌を焦土化する戦術とされる。

     

    『朝鮮日報』(6月28日付)は、「イラン核施設空爆に使われた米バンカーバスターを上回る破壊力、韓国の地対地弾道ミサイル『玄武5』とは」と題する記事を掲載した。

     

    米国がイランの核濃縮施設3カ所を世界最強の「バンカーバスター」と呼ばれる誘導爆弾GBU57でたたいたことに伴い、韓国型バンカーバスター「玄武5」に対する関心も高まっている。GBU57は爆撃機で空から落とす空対地誘導爆弾だが、玄武5は地対地弾道ミサイルで、最大射程はおよそ3000キロだ

     

    (1)「米軍は6月21日(現地時間)、イランのフォルド核施設にB2ステルス爆撃機6機を送り込み、GBU57大型貫通爆弾14発を投下した。GBU57が実戦に投入されるのは、2023年の戦力化以降、今回が初めて。GBU57は長さ6.1メートル、重さ13.6トンに達するバンカーバスターで、コンクリート構造物も地下60メートルまで貫通できる。GBU57はB2爆撃機から投下され、推進装置の助けを借りることなく目標地点まで自由落下し、攻撃する。米国は1カ所に複数のGBU57を投下したが、これは地表面を掘り下げて貫通力を高めるための措置だ。ちょうど、地面を掘るためにハンマーを1カ所に何度も打ち下ろすのに似ている。米国がイラン攻撃の作戦名を「ミッドナイト・ハンマー」と命名したのも、こうした背景だ」

     

    米国は、衛星写真で1カ所に3個のGBU57を投下した跡が分る。これは、地表面を掘り下げて貫通力を高めるための措置。3発の相乗効果で、貫通力を高めたもの。

     

    (2)「イランのフォルド地域の核施設は地下80~90メートルにある鉄筋コンクリート構造物だ。イスラエルも施設の破壊は困難で、米国側にGBU57の支援を要請していたと伝えられている。韓国の玄武5は弾頭重量が最大8トンで、GBU57(弾頭2.4トン)の3倍以上だ。玄武5の実際の姿は、昨年10月の「国軍の日」記念行事で初めて一般に公開された。当時、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長は「無駄にずうたいばかりやたらと肥大した武器」と酷評したが、市場からは「北朝鮮も刺激しかねない武器」という評価が出ている」

     

    韓国の玄武5は、弾頭重量が最大8トンで、GBU57(弾頭2.4トン)の3倍以上だ。ただ、火薬量を調整すれば弾頭重量を少なくできる。

     

    (3)「玄武5は高度1000キロまで上昇した後、ロケットモーターでマッハ10以上に加速して標的に突っ込んでいくので貫通力が高い。高速なので、既存のミサイル防衛システムでは迎撃が難しい。弾頭そのものの破壊力も大きいが、超高速の落下で生じる運動エネルギーで人工地震を起こし、地下バンカーを焦土化できる。爆発力は玄武5の方が上だという評価もある。玄武5は地下100メートルの深さにあるバンカーまで破壊できる。韓国軍は、北朝鮮が南侵したら20~30発の玄武5で平壌を焦土にする計画を立てた、と伝えられた」

     

    玄武5は、高度1000キロまで上昇した後、マッハ10以上に加速して標的に突っこむので貫通力が極めて高い。高速なので、既存のミサイル防衛システムでは迎撃が難しいという。

     

    (4)「米国のGBU57は、爆撃機に搭載すれば世界のどこであろうと攻撃できるが、玄武5は発射体が必要なので移動に制約がある。その一方、GBU57は重量がかさむので爆撃機に2発しか搭載できないが、玄武5は弾頭重量を減らせば射程を最大5000キロ以上に伸ばせる。GBU57の年間生産規模は20発だという。玄武5の生産規模は年間およそ70発だ。開発と試射は完了したことが分かっており、生産はハンファ・エアロスペースが引き受けている」

     

    玄武5は、弾頭重量を減らせば射程を最大5000キロ以上に伸ばせる。通常は、3000キロメートルだ。韓国からフィリピンの距離である。韓国は、玄武5の使用を米軍へ依頼している。いずれ、どこかの紛争地で使われるのかも知れない。

     

     

     

    あじさいのたまご
       


    習近平氏が、国内で政治的に苦境に立たされているのは確実のようだ。大手メディアは報じないが、中国専門家は経済的失敗や米国との対立激化などで、習氏がかつてない弱い立場へ追い込まれていると指摘する。習氏の側近が、次々と汚職などで追放されている裏には、習氏の統治力が揺らいでいる証拠とみられる。習氏は、前国家主席胡錦濤氏を満座の前で「大恥」をかかせ権力掌握を誇示してみせた。それから2年余、その胡錦濤氏の息子を「忖度」せざるを得ない屈辱を演じさせられている。権力の有為転変が激しいのだ。

     

    『時事通信』(6月27日付)は、「胡錦濤前主席の息子、謎の厚遇◇劣勢の習近平派が忖度?」と題する記事を掲載した。

     

    中国の胡錦濤前国家主席の息子が、公式行事でなぜか破格の厚遇を受け、次官なのに閣僚級のように扱われるという一件があった。しかも、その行事の中心人物は習近平国家主席派の有力者。政局で劣勢にある習派が、これまで冷遇してきた政権非主流派に対し、露骨に忖度(そんたく)した形となった。

     

    (1)「中国本土の金融センターである上海市で6月18~19日に開かれた経済フォーラムで「中国資本市場学会」の発足式典が行われ、共産党・政府機関の高官が出席した。ステージに登った高官は5人で、うち4人は閣僚級以上の高官。しかし、出席者たちは唯一の次官に最も注目した。それが胡錦濤前主席の息子、胡海峰氏(民政次官)だったからだ。この経済フォーラムは上海市政府と中国人民銀行(中央銀行)、国家金融監督管理総局、中国証券監督管理委の共催なので、資本市場学会の発足式典に上海市と中央金融委、中国証券監督管理委の代表が出るのは当然である」

     

    経済フォーラム「中国資本市場学会」の発足式典に、金融と無関係で民生次官の胡海峰氏が出席して注目されている。胡氏は、胡錦濤前主席の息子である。場違いの式典に一次官が閣僚級以上の高官と同席した。これは、習氏が胡錦濤氏へ「最敬礼」した意味だ。何らかの「取引」をしていることは確実だ。

     

    (2)「だが、民政省からの参加は不可思議だ。戸籍管理などを担う官庁と資本市場に何の関係があるのか。社会主義体制の中国では、政府機関の上に共産党があるため、閣僚など政府高官の実質的地位は他国より低い。中国の次官は日本で言えば、局長ぐらいのポストで、しかも、同じ官庁に何人もいる。次官にも閣僚級やそれに近いケースはあるが、胡海峰氏はただの次官であり、本来は公式行事で政治局員や閣僚級高官と並んで立つ資格はない。胡次官の登壇は、陳書記の意向だったと思われるが、陳書記は習派に属し、2027年の第21回党大会で最高指導部の党政治局常務委入りする可能性がある有力者。個人的思い付きではなく、習派としての判断で、胡次官を厚遇したと考えるのが自然だろう」

     

    胡次官を厚遇したのは、習近平氏了承の上での話だ。習氏が、胡錦濤派へ協力を求めたのか不明だが、これまでの路線変更するのだろう。

     

    (3)「胡錦濤前主席を巡っては、第15次5カ年計画(26~30年)策定で「科学的政策決定、民主的政策決定、法律による政策決定」を堅持せよという習主席の指示(5月19日公表)が話題になった。「科学的」など政策決定に関する三つの基本方針は、現役時代の胡主席が強調したものだったので、流動的な政局に絡む臆測を呼んだのである。ただ、胡海峰次官の不自然な厚遇という現象と合わせて考えると、「科学的政策決定」などの提起も、胡錦濤前主席への敬意、もしくは胡前主席ら共産主義青年団(共青団)出身者の勢力(いわゆる団派)への忖度という印象を与える」

     

    習氏は最近、第15次5カ年計画策定で現役時代の胡主席が強調した言葉を踏襲して注目されていた。胡錦濤派へ妥協サインを送ったのだ。その目的は何か。習派側近を狙い撃ちしないでくれという「哀訴」かも知れない。となれば、政局の主導権は、胡錦濤派へ移りつつあることを示す。

     

    (4)「胡錦濤前主席の直系で、一時は「ポスト習近平」の最有力候補といわれた胡春華氏が、人民政治協商会議(政協)常務委員会会議の開幕会を初めて主宰したことも、気になる動きだ。政協は議会形式の国政諮問機関で、政治の実権はないものの、格は高く、全国人民代表大会(全人代=国会)と並列。巨大組織なので、日常的にはその常務委員会が職責を果たす。今期(14期)の常務委会議は第11回まで王滬寧政協主席か石泰峰筆頭副主席が開幕会を主宰してきたが、6月23日に開かれた第12回常務委会議の開幕会は、序列2位の政協副主席である胡春華氏が主宰した」

     

    習氏に追い払われた胡春華氏が、復活してきた。胡氏は一時、首相候補でもあった。それが、習氏の「毒牙」で完全に「日陰の人間」にされていた。習氏は、こういう極端なことを平気で行ってきただけに、苦境に立たされると「一斉攻撃」を受ける弱点をさらしている。

     

    (5)「かつて団派の若手エースだった胡春華氏は、第20回党大会で政権中枢の党政治局から追い出され、その後、副首相から政協副主席に左遷された。政協の王主席が党内で政治局常務委員、石副主席が政治局員(党中央組織部長兼務)であるのに対し、胡副主席は閣僚級の中央委員にすぎない。中央委員が政治局メンバーの代役を務めるのは異例の段取りだ。胡副主席は開幕会で「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を指針として堅持するよう訴え、習主席をたたえるキャッチフレーズ「二つの確立」「二つの擁護」の意義を強調した。前回党大会人事の「負け組」代表格をわざとらしく前面に出して、習主席を称賛させれば、党内の団結をアピールできるということなのだろうか。本当に党内が習派を中心として団結しているのなら、無用のパフォーマンスであろう」

     

    胡春華氏は、胡錦濤氏の「秘蔵っ子」とされた。亡くなった李克強前首相の「弟分」になる。その胡氏が再び脚光浴びる。中国の複雑な政治模様の一端だ。

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    中国の李強首相は25日、天津市で開催された世界経済フォーラム(WEF)の夏季会合で演説し、中国は消費主導型経済への転換を図るとともに、急激に変化する国際貿易体制の中で安定をもたらす役割を担うと強調した。中国人民銀行(中央銀行)は、国内の需要不足やデフレ圧力といった課題が依然あるものの、中国経済には前向きな兆しが見られ、自信も高まりつつあるとの見解を示した。

     

    だが、掛け声だけで具体策はゼロ。空元気を付けているうちに景気が良くなるだろうという「他力本願」である。政府の土地売却収入は5月、10年ぶりの低水準に落ち込んだ。国内経済の大きな足かせとなっている不動産市場の低迷が依然として続いていることを浮き彫りにしている。「土地依存経済」にいつ陽がさすのか。誰にも分らないのだ。 

     

    『ブルームバーグ』(6月25日付)は、「中国、超大型の消費市場を構築-夏季ダボス会議で首相がアピールと題する記事を掲載した。

     

    李首相は、「中国は製造大国という堅固な基盤の上に、超大型の消費市場を築きつつある」と述べ、「これにより、あらゆる国の企業に広大な市場を提供できる」と語った。世界的な貿易摩擦が続く中でも、中国は経済サイクルを乗り越え、「着実に前進し、世界経済にさらなる安定と確実性をもたらし続ける」とも表明した。

     

    (1)「李首相は、トランプ米政権による関税措置やテクノロジー規制には直接言及しなかったが、「経済・貿易問題の政治化を避けるべきだ」と呼びかけ、中国のアプローチは自国にとっても相手国にとっても好ましい結果をもたらすと主張した。中国政府は、消費セクターを国内経済けん引役の成長エンジンとすることに自信を示している。だが、中国の大量輸出に各国が反発を強めており、中国経済の構造転換は一層差し迫った課題となっている」

     

    個人消費の重要性は分っているが、実行できない。中国は、こういうジレンマに立たされている。台湾侵攻を前提とした製造業重視政策は、中国の一枚看板である。絶対に下ろせない以上、個人消費の充実など二の次である。過剰生産力を蓄えて、いざという台湾侵攻時にフル操業という段取りである。これでは、不動産バブル崩壊後の中国経済が回復するはずがない。すべて、習近平氏の「中華の夢」に捧げられているのだ。この習氏が国内で追われる立場になってきた。少しは軟化して国内経済再興へシフトするのかどうか。すべては、習氏の胸三寸で決まることである。

     

    (2)「WEFが、毎年冬にスイスのダボスで年次会議を開くことから、天津での会合は「夏季ダボス会議」と呼ばれている。シンガポールのウォン首相やベトナムのチン首相ら各国の首脳やビジネスリーダーが今回の会議に出席した」

     

    「夏季ダボス会議」は、2007年に始まった。今では、注目度も下がっている。中国が、世界中へダンピング輸出して困らせる立場になって、関心が薄れているのだろう。いつまで、こういう会議を開くのか。習氏が、「大演説」するような環境にならなければ無理だろう。

     

    『ブルームバーグ』(6月24日付)は、「中国の土地売却収入、10年ぶり低水準-歳出急増で財政赤字拡大」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「中国財政省が、6月20日に公表したデータを基に、ブルームバーグが算出した5月の土地使用権売却収入は、前年同月比14.6%減の1941億元(約3兆9300億円)。2015年5月以来の低水準を記録した。4月は4.3%増と、3カ月ぶりに増加に転じていた。政府の歳入全体も減少。1~5月の累計で11兆2000億元にとどまっており、不動産市場の縮小が影響している。一方で、政府の景気下支えに向けた支出が急増し、同期間の歳出は14兆5000億元に膨らんだ。ここ3年で最も速いペースでの支出拡大で、財政赤字は3兆3000億元に達した」

     

    5月の土地使用権売却収入は、前年同月比14.6%減だ。1~5月の累計で11兆2000億元(約224兆円)にとどまっている。1~5月の財政赤字は3兆3000億元(約66円)である。習氏が、経済運営で弱気になってきた事情が良く分る。前国家主席の胡錦濤派に支援を求めてもおかしくはない状況だ。

    テイカカズラ
       

    「口は災いの元」というが、ハメネイ師の発言が、トランプ氏を激怒させている。

    トランプ米大統領は27日、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師を非難し、対イラン制裁緩和の可能性についても検討を打ち切ると表明した。トランプ氏はソーシャルメディアへの投稿で、イスラエルに対する勝利を宣言したハメネイ師を批判。ハメネイ師の命を助けようとした自身の努力に謝意を示していないと主張した。

     

    イラン最高指導者ホメイニ氏は26日、イスラエルとの停戦後に初めて発言、米国からの攻撃を今後受けた場合は中東の米軍基地に反撃すると表明した。ハメネイ師は、事前に録画された国営テレビでの演説で、イランへの攻撃は「大きな代償」を伴うとし、米軍の攻撃後にイランがカタールの米軍基地を標的としたことを指摘。「イランはアメリカを平手打ちにした。中東地域の重要な米軍基地のひとつを攻撃した」と述べた。『ロイター』が伝えた。

     

    『ロイター』(6月28月付)は、「トランプ氏、イラン制裁解除計画を撤回 必要なら再爆撃も検討」と題する記事を掲載した。

     

    トランプ米大統領は27日、イランの最高指導者ハメネイ師を厳しく批判し、対イラン制裁解除の計画を撤回した。また、懸念される水準までウランを濃縮している場合は再びイランへの爆撃を検討するとも述べた。

     

    (1)「トランプ氏は、ここ数日、イランに早期復興の機会を与えるため、対イラン制裁解除の可能性について検討していたが、ハメネイ師が26日、米国に対して勝利したと述べたことを受け、制裁緩和の作業を直ちに中止したことを明らかにした。その上で、「彼は自分の発言がうそだと知っている」とも述べた。さらに、自身のSNSへの投稿で、「私は彼(ハメネイ師)がどこに隠れていたか正確に把握していたが、イスラエルや世界で最も偉大で強力な米軍に彼の命を絶つことを許さなかった」とし、ハメネイ師を「非常に醜く不名誉な死から救った」と述べた」

     

    イランの最高指導者ハメネイ師は、国内向けに「虚勢発言」したことに、トランプ大統領が激怒した構図である。「敗者」のイランが、あたかも勝者のように振舞ってしまったのだ。

     

    (2)「ハメネイ師は26日、「イランはアメリカを平手打ちにした。イランが米国の中東での重要拠点に達して、必要ならいつでも行動できるという事実は重大だ。将来、攻撃が行われれば同じことが繰り返される可能性がある」などと述べていた。先週末に米国による爆撃を受けたイランの核施設については、国際原子力機関(IAEA)などの信頼できる機関が査察を行う完全な権利を持つことを望んでいるとの考えを示した。トランプ氏は、ホワイトハウスで記者団に、こうした機関の査察官による査察を可能にしたいと言及。米国とイスラエルによる攻撃後、イランが依然として核兵器の取得を望んでいるとは思わないとの見方も示した」

     

    トランプ氏は、イスラエルとイランが停戦合意した以上、争いに終止符を打つべしという「理想論」を述べてきた。このトランプ構想は、ハメネイ師が拒否した形である。

     

    (3)「さらにトランプ氏は、イラン核施設は「消滅した」と考えていると述べ、施設への被害が深刻ではなかったという報道を否定。懸念される水準までウランを濃縮している場合は再爆撃も検討すると明言した。また、イランが米国との協議を望んでいるとの見方を改めて示したものの、それ以上の詳細は明らかにしなかった」

     

    トランプ氏は、イランが懸念される水準までウランを濃縮している場合、再爆撃も検討すると強硬である。ハメネイ師は国民向けに虚勢を張っているが、イランにはもはや戦う力がなくなっている。虚勢もほどほどにすることだ。

     

     

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    米国政府は、イランの核施設急襲によって今後、数年にわたり核開発が困難との説を流している。だが、イランにはまだ未発見の核施設が山の下(145メートル)存在しているとの説が登場した。これが真実とすれば、イランの核問題は振り出しに戻ることになろう。

     

    『ハンギョレ新聞』(6月24日付)は、「フォルドゥより深い地下145メートルにイランの新たな核施設が存在する可能性も」と題する記事を掲載した

     

    イランが最近完成したと発表した新たな核施設が、米国の空爆を受けた既存の核施設を代替できるかに関心が集まっている。同核施設は、フォルドゥの地下核施設より深いところに作られた可能性もあるとみられている。

     

    (1)「22日(現地時間)、『ワシントン・ポスト』の報道によると、イスラエルが空爆を始める前日の12日、イラン原子力機関のモハマド・エスラミ事務総長は「新たな核施設は完全に建設され、安全で攻撃できない場所にある」と述べた。さらに「遠心分離機の設置が終わり次第、濃縮を始める」と述べた」

     

    『ワシントン・ポスト』が、未発見の核施設について報道した。

     

    (2)「『ワシントン・ポスト』は、問題の新しい施設が数年前から外部に知らされた「コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設」だと報道した。イランが国際原子力機関(IAEA)にこの施設に対するアクセス権限を与えておらず、同施設が完成したかどうか、遠心分離機が設置されているかどうか、ウラン濃縮準備ができているかどうかも明確に確認されていない。まだ、他国政府や西側の情報機関、IAEAなどが公にエスラミ事務総長の主張を確認したり、新しい核施設の正確な位置を特定したわけではない。現在としては衛星写真の分析を基に施設の位置と規模について推定しているだけだ」

     

    コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設について、イランはIAEAなどに未報告である。

     

    (3)「コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設」の建設が始まったのは5年前だ。米国の非営利機関である科学国際安全保障研究所(ISIS)の2022年の報告書によると、イランは2020年から、現在のナタンズの核施設から南に2キロメートル離れたコラン・ガズ・ラ山の地下にトンネルを掘って核施設を作り始めた。2020年、米国とイスラエルがサイバー攻撃と爆弾設置でナタンズの核施設内の遠心分離機の組立施設を爆破した直後だ。トンネル核施設は深い地下に位置し、攻略が難しかったフォルドゥの地下核施設よりさらに深いところにあるとみられている。同施設が作られたコラン・ガズ・ラ山は海抜1608メートル。フォルドゥの核施設が位置するクエダググイ山(960メートル)の2倍の高さだ。そのため、フォルドゥの核施設と似た角度で掘り下げると、地下110~145メートルに核施設を作ることができるというのがISISの計算だ。フォルドゥの核施設が作られた地下80~90メートルより30~55メートル深いということだ」

     

    「コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設」は、5年前に建設が始まった。イスラエル諜報機関が見落としていたであろうか。

     

    (4)「報告書は、「フォルドゥの核施設は深すぎて空中爆撃で破壊することは難しいが、『コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設』はさらに難しいかもしれない」と指摘した。イスラエルは、フォルドゥの地下核施設があまりにも深く、ミサイル打撃や特殊部隊派遣で確実に破壊することが困難であることから、米国の介入を求めてきた。結局、米国は21日、B2ステルス爆撃機6機でバンカーバスターの中で最も強力な「GBU-57 MOP12発を落とした。それでもイスラエル軍は初期分析の結果、フォルドゥの核施設は深刻な被害を受けたが完全に破壊されたわけではないとみている」

     

    フォルドゥの核施設は深すぎて空中爆撃で破壊が困難と言うが、「コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設」は、さらに破壊が困難という。

     

    (5)「『コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設』は、米国が21日にイラン核施設を空爆した際には標的にならなかったものとみられる。空爆の翌日、米民間衛星会社のマクサー・テクノロジーズが撮影した衛星写真によると、ナタンズの核施設に落ちたバンカーバスター2発の着弾推定地点は、いずれもナタンズの核施設の敷地内だった」

     

    衛星写真によると、「コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設」は爆撃されていないという。ここまで報道されると、存在している可能性が出てこよう。

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