米国は、同盟国日本へ高関税を課しているが、間違った政策である。この高関税が、米国製造業を強化するどころか弱体化させる。日本からの信頼を失い、自国製造業強化に役立たない政策にいつ気づくのか。日本国内からも、批判が強まっている。日本が発注した武器供給が遅れているのだ。この状況は、現在の高関税政策によってさらに、遅延する恐れを否定できないほど。日米供給網が、必要な時代になっている。
『ブルームバーグ』(6月25日付)は、「自民政調会長、防衛力強化は金額だけでない-米はGDP比5%に要求」と題する記事を掲載した。
自民党の小野寺五典政調会長は米国による防衛費の対国内総生産(GDP)比5%への引き上げ要求に対し、現時点では慎重な姿勢だ。日本は予算を増やしているが、米国からの装備品納入の遅れが続いており、まずは生産体制の充実が先決と指摘する。
(1)「ブルームバーグとの24日のインタビューで語った。小野寺氏は、日本の防衛に必要な装備品が米国の造船能力の低下や製鉄技術の劣化が原因で、発注しても納品が間に合っていない例も多いと指摘。「結局、お金をいくら積んでも物がなければ、買えなければ戦えない」と述べ、供給能力の向上が不可欠と強調した。その上で、日本の技術も生かし、造船や製鉄、ミサイルなどの生産で協力を模索すべきだとした」
米国は、造船能力の低下や製鉄技術の劣化が原因で、日本の防衛に必要な装備品納品が間に合わない状況だ。この状態で、高関税を掛けるという矛盾に陥っている。
(2)「トランプ米政権は、同盟国に対して防衛費のGDP比を5%相当に引き上げるよう要求している。石破茂首相は23日の記者会見で「GDP比でいくらありきということではない」と述べるなど、必要な装備を自国の判断で積み上げる方針を示してきた。小野寺氏は「金額ありき」の議論を否定した上で、米国の製造業の衰退による装備品調達の滞りを問題視した形だ。安倍晋三政権で防衛相を務めた小野寺氏は、米国の姿勢について自身が防衛費を見直し、同盟国にも要請をしていくということであると指摘。さらなる防衛力の強化について「日本としてもしっかり議論していく必要がある」と述べ、将来的な検討は否定しなかった」
米国は、各国へ防衛費の増強を要求している。武器供給では、米国へ依存するほかないが、米製造業の衰退によって装備品供給に滞りが起っている。こういう矛盾を抱える米国は、日本虐めをしないで協力を求める立場である。
(3)「北大西洋条約機構(NATO)諸国は、米政権の要求に呼応する形で、GDPの5%相当を国防費として拠出する目標で足並みをそろえつつある。内訳は中核的な防衛に3.5%、残る1.5%はインフラやサイバー防衛などの関連分野に充てられる。ヘグセス国防長官は5月末、日本を含めたアジアの同盟国に対しても、対GDP比5%に向け引き上げるよう、シンガポールでの演説で要求した」
NATOは、防衛費を対GDP比5%達成で足並みを揃える。日本もその方向であるが、日本の意思によって金額は決めるべき性格の問題である。これが、日本の基本的立場である。
(4)「日本は、22年12月に閣議決定した「国家安全保障戦略」で27年度には海上保安庁などの予算も合わせた予算水準が当時のGDPの「2%に達するよう、所要の措置を講ずる」としている。23年度からの5年間で43兆円程度の「防衛力整備計画」も決めた。小野寺氏は、防衛費目標に関しては、同計画の見直しが行われる場合に必要があれば議論を進めるとした」
日本にとって「5%」は、生やさしい目標でない。在日米軍基地の金額評価も計算に入れるべきであろう。
(5)「2022年に防衛費増額を決定して以来、日本は「有償援助(FMS)」を通じた米国からの装備品購入を増加させている一方、製品が自衛隊に届かない問題が発生している。23年度時点で、約113億円相当が未納入だった。24年度に予定していたF-35B戦闘機6機の配備も、納入の遅れで25年度にずれ込んだ」
日本への装備品供給で、米国は23年度時点において約113億円相当が未納入である。24年度引渡し予定のF-35B戦闘機6機も25年度へずれ込んでいる。
(6)「小野寺氏は、実際に米国のミサイル生産現場を視察した際、「このペースであれば、同盟国としても装備の充実に時間がかかる」という感想を抱いたという。既に民間航空機の生産では日本企業が大きな役割を担い、さまざまなミサイルのライセンス生産も行っており、「日本で作った方がより質の良いものを早いスピードで生産できる」と指摘。供給不足を補う面でも日本の生産力を活用する意義を強調した」
日本で武器製造を行えば、米国よりもはるかに高い生産性を実現するという。日米が、共同生産する時期になっている。
(7)「米国の生産能力に課題のある分野として、製鉄、造船、ミサイル生産を挙げた。製鉄に関しては「日本製鉄が、USスチールを後押ししてアメリカのもの作りを復活させなければいけない」との見解を示した。造船については日米双方が具体的に必要な船の数や種類、維持管理の計画を明確に示すことで、民間企業も設備投資や人材の投入ができると述べた」
米国は、製鉄、造船、ミサイルの生産でハンディキャップを抱えている。日本が協力すれば、武器供給はスムースに進むはずだ。




