米国で、複数のスタートアップ企業が間もなく、日常走行の相当な部分を、無料で降り注ぐ太陽光のみで賄う技術を売り出す。自動車業界でニューフェース登場だ。晴天時には充電不要で、最大640kmの航続距離も可能とのこと。しかも、冬季の北部気候でも約24kmは走れる設計になっている。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』(9月29日付)は、「ソーラーEVは実用間近、太陽光で1日60km走行」と題する記事を掲載した。
複数の米スタートアップ企業が間もなく、ドライバーの日常走行の相当な部分を、無料で降り注ぐ太陽光のみで賄う技術を売り出す。
(1)「アプテラ・モーターズ(本社・カリフォルニア州カールズバッド)は、太陽光のみで1日約15~40マイル(約24~64キロ)の航続距離を得られ、充電なしで最大400マイル(約640キロ)走行できる、価格4万ドル(約590万円)のEVを来年にも発売する構えだ。この技術革新の鍵は、太陽光エネルギーを電気に変換する効率性を高めたパネルではない。既存のパネルはその点ですでに十分優れている。真の突破口となったのは、既存EVの効率性アップを実現した技術と、太陽光から車載電池にエネルギーを送り込む新たなパワーエレクトロニクス技術だ」
「夢のソーラー・カー」を実現させた技術は、既存EVの効率性アップを実現した技術と、太陽光から車載電池にエネルギーを送り込む新たなパワーエレクトロニクス技術という。
(2)「EVに太陽光パネルを取り付ける場合、真っ先に浮かぶ疑問は、高速道路の飛び石や駐車場でのドア接触に耐えられるかということだ。ハイウエーでひょうが降る中を高速走行すると、岩の硬さの物体が時速100マイル(160キロ)超でボディーに衝突するような状況になる、とアプテラのソーラー技術部門トップ、リード・サーバー氏は話す。そこで頑丈なガラス表面を持つ太陽光パネルを開発した。同社のオタマジャクシ型三輪EVには、ボンネットや屋根、後ろが細くなるボディーを覆うように太陽光パネルが設置されており、上からも側面からも衝撃を吸収しなくてはならない。「当社は多くの標準や試験手順で推奨されるよりも、高速でのひょう衝突試験を実施している」とサーバー氏は言う。化学処理されたガラスは強靱(きょうじん)かつ柔軟性があり、スマートフォンの強化ガラス「ゴリラガラス」に似ている。パネルは、たとえ車の外部表面に亀裂が入っても機能するように取り付けられているという」
太陽光パネルを衝撃から守るために、化学処理されたガラスが使われている。スマホの強化ガラスに似ているという。
(3)「アプテラは、この太陽光パネルをテロ・トラックス(本社・カリフォルニア州サンカルロス)にも納入する計画だ。テロは500馬力のミニ電動ピックアップトラックを来年発売する見通しだ。コンパクトカーブランド「ミニ」のミニクーパーよりも全長は短いが、荷台はトヨタ自動車の中型ピックアップトラック「タコマ」と同じくらいある。ポリドロップス(本社・カリフォルニア州グレンデール)は、アプテラの太陽光パネルを採用した全電動キャンピングトレーラーをすでに一部顧客に販売している」
アプテラの太陽光パネルは、500馬力のミニ電動ピックアップトラック(来年発売)に採用される。すでに、全電動キャンピングトレーラーに採用されている。
(4)「アプテラの新EVモデルを記念する特別仕様車「ローンチエディション」には、ピーク時に約700ワットの太陽光エネルギーを吸収できるパネルが搭載される。理想的な環境は、ラスベガスの商業地区だ。全てのガラス張りビルが太陽光を反射し、車両のどの面にも光が届くという。夏季であれば、日照たっぷりの環境の住民は、太陽光パネルだけで1日最大40マイルの航続距離が得られる。冬季の北部気候では、この数字が1日約15マイルに低下する。アプテラの三輪EV(ローンチエディション)には700ワットの太陽光エネルギーを吸収できるパネルを搭載。1日最大40マイルの航続距離を達成するのに十分だ」
夏季であれば、太陽光パネルだけで1日最大40マイルの航続距離が得られる。冬季の北部気候では、1日約15マイルに低下する。
(5)「EVをここまで効率的にするには、収容人数などの面で妥協を迫られた。定員は2人で、車内は完全に密閉されているにもかかわらず、厳密にはオートバイに分類される。前輪駆動モデルは6秒でゼロから時速約60マイルまで加速し、最高時速101マイルだ。テロ・トラックスでは、価格4万1000ドル強(約603万円)の小型ピックアップトラックに約1万2000件の予約注文が入っている。テロのジェイソン・マークスCEOによると、注文の約4分の1で顧客は太陽光パネルを選択している。パネルは車両の屋根および荷台カバーに設置可能。それぞれ1500ドルと2700ドルの追加料金がかかる。パネルを使うと、航続距離350マイルの電動ピックアップトラックに1日15~30マイルを追加できるという」
テロ・トラックスでは、価格約603万円の小型ピックアップトラックに約1万2000件の予約注文が入っている。注文の約4分の1で顧客は、太陽光パネルを選択しているという。ソーラー・カーへは根強い支持がある。





