勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2025年10月

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    日米両政府は、人工知能(AI)や次世代通信規格6Gなど7分野の科学技術協力に合意する。信頼性の高いAIインフラや通信網を新興国に普及させるため、研究開発や国際規格づくりに取り組むことになった。先端分野の国際的な影響力を強める中国に対抗する。

     

    今回の日米協力に関する合意は、2025年7月に日本が表明した5500億ドル(約80兆円)の対米投資枠と密接に連動している。この投資枠は、日米間の関税交渉の一環として設定されたもので、AIや量子技術、次世代通信、医薬品、重要鉱物などの戦略分野が対象だ。日本政府は、JBIC(国際協力銀行)やNEXI(日本貿易保険)を通じて、米国内のプロジェクトに対して融資や保証を行う仕組みを整えている。

     

    『日本経済新聞 電子版』(10月24日付)は、「日米がAIや6Gなど先端7分野で協力合意へ 中国に対抗、新興国輸出」と題する記事を掲載した。

     

    高市早苗首相は28日、都内でトランプ米大統領と日米首脳会談に臨む。トランプ氏の来日にあわせて、関係閣僚間で「技術繁栄ディールに関する日米間の協力覚書」を交わす。両国で「イノベーションの新たな黄金時代」を構築すると明記する。

     

    (1)「協力分野として①AI②研究情報の保秘次世代通信規格「ビヨンド5G6G医薬品・バイオサプライチェーン(供給網)量子核融合宇宙――を挙げる。2月の日米首脳会談で合意した重要技術に関する協力を具体策に落とし込む。柱の一つはAIだ。覚書に「日米のAIインフラ、ハードウエア、モデル、ソフトウエア、アプリケーションの輸出を促進する」と記す。データセンターやスーパーコンピューターなどAI開発に必要な基盤設備を含む」

     

    1)AI分野では、日本企業が質の高いデータを活用した国産AIの開発に力を入れており、信頼性・安全性の面で中国製AIとの差別化が可能である。

    2)6G(ビヨンド5G)では、日本がNTTの「IOWN」の国際規格策定を主導する。世界通信インフラの次世代化において先導役を担う構えだ。

    3)量子・核融合・宇宙分野では、30年代の発電実証を目指す核融合技術や、量子通信・量子計算の応用研究など、日本の基礎技術力が活かされる。

    4)医薬品・バイオ供給網では、産官学連携によるサプライチェーンの強化を進め、日本の製薬技術と品質管理が信頼の柱となる。

    これらの分野は、日本が主導的役割を果たすことで、国際的な技術規範や市場展開に影響力を持つという意味合いが込められている。

     

    (2)「背景には、科学技術分野での中国の台頭への危機感がある。中国政府が、研究開発に巨額の予算を投じて技術力を高める一方、中国が開発したAIには個人情報保護や生成内容の正確さなどに懸念が指摘される。日米両政府には、新興国が中国のAIを採用して依存を深めていくことへの警戒がある。安全性・信頼性の高いAIの普及に向けて技術開発や国際規格づくりの主導をめざす。日本政府は2025年中にAIの研究開発や活用を推進するための基本計画を策定する。質の高いデータを使った国産AIの開発や、グローバルサウスなど海外市場への展開を支援すると明記する方向だ」

     

    日米両政府には、新興国が中国のAIを採用して中国への依存度を深めることへの警戒がある。日本技術が、新興国の中国傾斜を防ごうという狙いだ。

     

    (3)「ボストン・コンサルティング・グループが、24年に売上高5億ドル以上の日本企業の幹部82人を対象にAI開発への投資額を調査したところ、2500万ドル超との回答が半数ほどを占めた。日米の協働によって一段の投資活性化や国際競争力の向上を促す。日米両政府は覚書に基づいて「ビヨンド5G6G」の研究開発や国際規格の策定も主導する。日本が30年代の発電実証を目標とする核融合や量子、宇宙分野でも人材育成や共同研究を進める。産官学で連携して医薬品のサプライチェーン確保にも取り組む」

     

    日米両政府は、覚書に基づいて「ビヨンド5G、6G」の研究開発や国際規格の策定も主導する。5G普及段階では、中国ファーウェイの5Gがバックドドアを忍ばせていることが発覚した。米国は、先進国へファーウェイの5G採用中止を呼掛けるという事態にまで発展した。NTT開発のIWONは、次世代6Gの基幹技術として、米国が国際規格化を目指して協力している。

     

    米国は、NTTと連携することで、6Gの国際標準化を日米主導で進める意図がある。これは、将来の通信インフラの「設計思想」そのものに影響を与える重要な戦略だ。6Gは軍事・医療・金融などの基幹インフラに直結するため、安全保障上の重要技術と位置づけられている。米国は、NTTのIOWN構想(光・電波・音波を活用した超高速通信)に注目し、共同研究や実証実験を通じて技術的優位性を確保しようとしている。

     

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    EU(欧州連合)が、TPP(環太平洋連携協定)へ接近する構えをみせている。11月29日に予定される、豪州でのTPP参加国閣僚級会合に、EUの通産相であるマロシュ・シェフチョビッチ欧州委員会上級副委員長が出席することになった。EUが、米中の脅威を念頭にTPP加盟国と通商関係を強化する狙いとされる。

     

    EUのシェフチョビッチ氏は7月会見で「新市場を開拓し、ルールに基づく貿易を促進する」と述べて、TPPとの連携への関心を示していた。まずは、TPPとEUの対話の枠組みを設けて、デジタル貿易のルールづくりなどに共同で取り組む案である。各国が、米国の関税政策に翻弄されるなか、「ルールに基づく自由貿易の機運を維持する」(日本の交渉関係者)狙いが双方にあると指摘されている。

     

    『東洋経済オンライン』(10月27日付)は、「TPP加盟国と連携に舵を切るEUの勝算と落とし穴」と題する記事を掲載した。筆者は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員、土田 陽介 氏である。

     

    アメリカのトランプ大統領は、いわゆるGATT/WTO体制の下で構築された自由貿易の原則を反故にし、独善的な通商政策に邁進する。一方の中国は、重要鉱物、特に希土類元素(レアアース)の輸出制限をテコに、各国に圧力をかける。このような中で、EUは第三軸の形成を目指し、TPP加盟国に接近しているわけである。

     

    (1)「EUのTPPへの接近は、インド太平洋戦略の一環として捉えるべき現象でもある。EUは中国に代わる市場として、そして中国に代わる原材料の調達先としてインドに注目している。その延長線上に、ASEAN(東南アジア諸国連合)や太平洋諸国を位置付ける。そしてEUは、インドとの自由貿易協定(FTA)交渉を加速し、年内の交渉の妥結を目指している」

     

    EUにとってTPPは、連携できる最適の相手である。EUが、対米関係で多くの障害を抱えている以上、TPPがその代替役として浮上してきた。

     

    (2)「世界各国が米中から圧力を受けている。ゆえに「敵の敵は味方」の理屈から、新興国が世界3位の経済圏であるEUと通商関係を深めることは、ある意味で現実的な選択だ。ただし同時に、ほとんどの新興国が世界1位の経済力を持つアメリカと2位の中国との間で巨額の貿易を行っている。EUだけでは米中に代わる存在にはなれない事実がある。ここで問われるのは、EUの本気度にほかならない。具体的には、おのれの価値観を重視する外交姿勢を抑制し、実利的な新興国と渡り合えるかどうかが、TPP加盟、ひいてはASEANや太平洋諸国全般との通商関係の深化を図るうえでのカギを握る。自らが普遍的と定義する価値観の共有を相手に強いる外交姿勢を堅持したままなら事は運ばない」

     

    EUは、価値観が一致している集団である。この価値観は、対外関係でも生かされるのは当然であって、非難の対象にはならない。ただ、EUの原理原則重視の度合いは、どこまで緩めて交渉できるかという現実対応力が求められている。

     

    (3)「グローバルなルールメーカーを志向するEUは、自らが望ましいと定めた方向に各国を誘導しようとする傾向が非常に強い。端的な事例としては、脱炭素化に関する誘導がある。脱炭素化を重視するEUは各国に石炭火力発電の廃絶を訴え、電気自動車(EV)の普及を世界各国に呼び掛けた。特に前者に関しては、新興国の強い反発を招いた。それに、EUは法の支配や基本的人権の順守、民主主義を普遍的な価値観と定めている。言い換えると、これらが順守されない国々に対して、その改善を求めて圧力をかけたり、通商関係そのものを打ちきったりする。EUがそうした姿勢を前面に出すなら結局、EUは孤立するだろう」

     

    EUが、理想を高く掲げていることは、決して非難されるべきことでない。その意味では、TPPが、EUと交渉できる基本的資格を共有している以上、交渉は可能である。

     

    (4)「事実、EUにはかつて、ASEANと地域間FTAを締結しようとして、失敗した過去がある。両者は2007年5月に地域間FTAの交渉を開始したが、2009年12月にEUとASEAN加盟国の二者間のFTAを模索する方針に切り替えた。EUがミャンマーの人権問題に関する取り扱いを問題視したことで、ASEANとの交渉が決裂したためだ。この間にEUとのFTAを発効できたASEAN加盟国は、シンガポールとベトナムだけである。

     

    EUとASEANでは、経済発展レベルが違い過ぎる。ASEANとのFTA交渉が難しかったのは当然であろう。

     

    (5)「TPP加盟国は、一般的な自由貿易の原則を重視するからこそ、相互に関税を撤廃・軽減する。しかし、EUが求める自由貿易の在り方は、EUにとって有利なかたちでの自由貿易である。例えば脱炭素化を例にとれば、電気自動車(EV)の普及とガソリン車やディーゼル車の削減というルールを定め、自らに有利な方向にゲームを導こうとする」

     

    これは、双方の話合いで調整できるであろう。EUの通産相であるマロシュ・シェフチョビッチ欧州委員会上級副委員長が、TPP会合へ出席することは、相互理解を深める機会となる。日本が、橋渡してEUとTTPの関係密度を高めることが期待されよう。

     

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    南鳥島「宝の海」へ躍進

    一挙に崩れる中国優位性

    資源「武器化」は失敗へ

    迫る中国の国際的な孤立

     

    中国は10月、西側諸国に対して自国産レアアース(希土類)が0.1%未満でも含まれている場合、中国が管轄権を主張できると発表した。西側の製造業が、中国の許可なしには動けなくなるというほどの強烈さだ。中国にとって大きな賭になるが、「凶」と出ることは間違いない。

     

    中国が、世界の先端工業製品の「支配権」を握るにも等しい発表だが、これには大きな落し穴がある。レアアースの囲い込みという「資源独占」は、決して成功しないのが経済の常識だ。一時的に成功したようにみえても、新たな鉱床が発見されれば、立ち所に地位が逆転する。資源独占は、こういう脆弱性を抱えている。知識の塊である特許とは、異質な存在である。特許の少ない中国が、資源独占で対抗しようという切羽詰まった構図でもある。成功するはずがない。

     

    中国は現在、レアアース採掘の70%、分離・精製の90%、磁石製造の93%と圧倒的なシェアを握っている。天下無敵にみえるが、中国の確保している鉱床はすべて陸上である。この場合、鉱石採掘段階で採掘量の22倍の水と巨大エネルギーを必要とする。つまり、すさまじい環境破壊を覚悟しなければならない分野である。

     

    この「常識」が100%覆されるのは、日本による南鳥島レアアース開発である。海底6000メートルの深海から、中国陸上鉱床の20倍以上という高品位(0.5%含有)のレアアース泥が1600万トン(製品換算)も存在することが確認されている。日本は、26年1月から試掘を開始する。28年から商業生産に入る見込みだ。年産100万トンの能力を備えるもので、中国の年産27万トン(24年)をはるかに上回る量だ。

     

    日本が、一挙に中国の生産量を上回って断トツの世界一の座を掴めるのは、前述のレアアース品位が中国陸上鉱山の20倍もあることだ。つまり、南鳥島で採取するレアアース泥の品位は20倍もある。日中で同じ作業を1回行なっても、製品のレアアース量が20倍も違うという意味である。

     

    日本は、採取したレアアース泥を陸上鉱山のように水で洗い流す必要はない。すでに微粒子レベルでレアアースを含んでおり、粉砕や化学前処理が不要である。これによって、遠心分離や比重選鉱などは、AI(人工知能)によって物理的な機械処理で高濃度化が可能になる。つまり、AI(人工知能)とロボットが、すべての工程を処理できるのだ。世界最新の精錬過程によってレアアースが製品化される。

     

    南鳥島「宝の海」日本躍進

    前述の通り、日本が年産100万トンのレアアース生産体制が確立したとき、中国はどのように対応するのか、である。南鳥島のレアアースの特色は、生産コストが格段に安いことだ。レアアース泥1トンの採掘コストは2万円とされている。精錬コストは不明だが、AIやロボットが分類していくので人件費が掛らないという点も大きなメリットである。

     

    陸上のレアアース採掘現場は、地上に大きな穴を掘りながら採掘していく。鉱石は、大型ダンプで運び出して選鉱し精錬過程へ送る。このように、手間の掛る作業である。南鳥島のレアアースでは、選鉱過程まで自動化されて人間の作業が不要である。この事実を知るだけでも、その違いが理解できるであろう。これだけでない。南鳥島のレアアースは、大きな品質面の優位性が知られている。

     

    南鳥島のレアアース泥は、「重レアアースが豊富」という点で、陸上鉱山よりも優れている。重レアアースとは、高付加価値のレアアースという意味だ。次のような特質を持っている。

     

    1)用途が先端的 電気自動車のモーター、風力発電、医療機器、軍事技術など、精密で高性能な分野に使われる。

    2)供給が限られている 産出地域が限られ、分離精製も難しいため、希少性が高い。

    3)価格が高い 例えば、ジスプロシウムやテルビウムは、ネオジムなどの軽レアアースよりも市場価格が高い。

     

    以上のように、南鳥島のレアアースは、「低コスト」で「高付加価値」というごとく、願ってもない好条件を備えている。この結果、日本のレアアースが生産量と高品質の絶対的な2要件を備えることで、世界覇権を握ることは自明といえよう。

     

    かつて、世界最大のレアアース生産国であった米国は、環境保護を理由にして他国へ精錬施設を移譲することで、自らそのトップの座を降りた経緯がある。現在、中国のレアアースの輸出制限に慌てており、豪州で米豪共同のレアアース生産を始めることになった。

     

    米豪政府が、今後6か月以内に30億ドル(約4500億円)を共同投資する。プロジェクト規模は、総額85億ドル(約1兆2800億円)の重要鉱物生産で、すでに稼働準備済みである。これによって、26年中に操業を開始し総額約530億ドル(約8兆円)規模の生産を目指すとしている。肝心の技術は、日本が提供する。豪州アルバニージー首相は、「日本が参加するプロジェクトがある」と明言しており、加工技術や精錬工程への貢献が含まれているとみられる。

     

    日本は、南鳥島のレアアース開発と並んで、米豪共同レアアース開発事業の技術提供という役割を担うことになった。

     

    一挙に崩れる中国優位性

    日本のレアアースにおける存在が、世界中で認知されたとき、中国はどのような対応を取るのか。実に、興味深いのだ。これまでのレアアース優位性が一挙に崩れるからだ。

     

    中国のレアアース優位は、「精製能力」と「価格競争力」によるものである。日本が南鳥島のレアアースによって、高品位レアアースを大量に安価で供給し始めると、中国の戦略的優位は崩壊する。中国が、自国産レアアースを0.1%未満含む「製品の原材料・製造工程・流通経路を月次で中国政府に報告する」という追跡可能性義務は、空文化される。中国は一転、辞を低くして「購入を働きかける」立場へ追詰められるのだ。(つづく)

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    https://www.mag2.com/m/0001684526

     

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    中国のSNS『小紅書』(RED)に、「日本には本当に何度も行ってはいけない」との投稿があり、反響を呼んでいる。「日本の商品は、安いというよりもやっぱりモノがいい。中国の商品は本当に何とも言えない」「日本は、(中国と違い)実店舗が繫栄しているからね。大都市はショッピングをしていると本当に回り切れないくらい。足が痛くなって初めてショッピングモール2カ所を踏破していたことに気付く」「日本旅行には失業してから行った方がいいよ(お金を使わずに済む)」といった声も寄せられている。『レコードチャイナ』(10月26日付)が報じた。

     

    『ニューズウィーク日本版』(10月25日付)は、「中国人が「9月は反日、10月は親日」なワケ」と題する記事を掲載した。

     

    旧日本軍の731部隊を題材にした反日映画『731』は、公開初日の9月18日(満州事変の記念日だ)、3億4500万元(約73億円)以上の興行収入を記録した。7月に公開され最も話題となった反日映画『南京照相館』も興行収入は30億元(約630億円)を超え、観客動員数は8450万人以上に達した。中国語のSNS上は愛国スローガンや反日動画であふれ、子供も涙を流しながら「日本人を皆殺しにする」とコメントした。

     

    (1)「10月になると、全てが逆転した。まず10月1日から始まる国慶節で、大量の中国人観光客が日本にやって来た。延べ23億人以上が移動するこの連休で、最も人気の海外旅行先は日本である。そして諾貝爾奬(ノーベル賞)シーズンが到来すると、生理学・医学賞と化学賞をそれぞれ受賞した2人の日本人科学者が中国ネットで話題を独占した。坂口志文と北川進とは誰なのか? 彼らは何を発見したのか? どうやって何十年もの間、いちずに研究に打ち込めたのか? 愛国者の「小粉紅(シャオフェンホン)」たちも、日本の科学者の研究精神に「心から敬服する」と口をそろえる。官製メディアでさえ、日本の科学者たちの受賞は「実にふさわしい(実至名帰)」と評価している」

     

    9月の反日映画の黒幕は、中国政府である。こういう「悪徳日本」を破ったのが、中国共産党というプロパガンダだ。中国共産党の落ち目の人気を、反日映画でカバーしようという狙いである。10月は一転、「日本シーズン」に代わる。中産階級の人々は、日本の現状を十分に知っているだけに、日本の真の姿を知ろうとしている。今年は、ノーベル科学賞で二人の日本人研究者が受賞した。これで、科学賞受賞者は累計26人になる。中国はたったの一人である。中国人はなぜ授賞者が少ないか。独創性を重んじず、模倣で金儲けすることに無上の喜びを感じるという精神構造の違いであろう。

     

    (2)「ある中国人の動画ブロガーはこう語った。「愛国者たちは日本車を壊し、日本製品をボイコットし、愛国心で国産を選ぶ。だが、病気になって手術を受けるとき、彼らは本当に国産の医療器具を選ぶか? 答えは言うまでもない」。中国の体制は、「国家の力を集中して大事を成す」ことに優れているが、ノーベル賞のような独創性を重んじる賞では、学問の自由と長期的視野こそ不可欠。これこそ今の中国に最も欠けているものだと、中国人はようやく気付いたのだろう」

     

    精密機械は、日本の独壇場である。中国は、未だにジェットエンジンをつくれないのだ。米国技術に依存している。中国の体制は、「国家の力を集中して大事を成す」ことに優れている。これは、氏族制度の名残である。「私」は邪悪であり、「我々」が尊ばれている。独創研究は、「私」から始まる。中国には、この肝心な部分が存在しないのだ。

     

    (3)「9月は反日、10月は親日。中国人の対日感情は本当に複雑で理解し難い。しかし、その中から、日本が中国とどのように向き合うべきかが見えてくる。それは「徳をもって人を服させる(以徳服人)」こと。ここで言う「徳」とは、謙虚や忍耐や礼儀作法だけでなく、美しい歴史文化と強靭な科学精神も指す。どれも今の中国に欠けるものだ」

     

    日本が、中国へ向き合うには「美しい歴史文化と強靭な科学精神」を披露することにあるという。まさに、中国の中産階級が日本に憧れる部分はここにあるのだろう。中国で味わえない「知的興味」が、日本はふんだんに存在する。

     

    『レコードチャイナ』(10月26日付)は、「『鎌倉は中国人が多すぎる。来るんじゃない』、中国SNSで投稿に反応」と題する記事を掲載した。

     

    外国人にも大人気の観光地・鎌倉を巡り、中国SNSの『小紅書』(RED)では「鎌倉は中国人が多すぎる」との投稿にさまざまな反応が寄せられた。

     

    (4)「投稿者は、大勢の人で混雑している駅のホームなどの写真と共に「兄弟たちよ、鎌倉は中国人に『占領』された。来るんじゃない」と発信した。写真は他に、駐車場でカメラを構えるなどしている大勢の人を写したものもあり、投稿を見たあるネットユーザーは「ビザの手続きってそんなに簡単なの?」との反応を示した。また、「鎌倉は大人気だからそういうもんだよ。2日前に行った軽井沢にも大勢の中国人がいた」「報告!高松も同じ。鎌倉ほどの多さじゃないけど中国の方言に囲まれたよ」「今まさに鎌倉にいる」などの声も聞かれる」と大人気である」

     

    中国人観光客が、鎌倉、軽井沢、高松などと全国で旅行している。これまでの東京、大阪、福岡という定番からの広がりをみせている。それだけ、日本旅行がポピュラーになってきた証拠であろう。

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    米国トランプ大統領はドライで、経済的利益を得るためには「何でもする」という噂が強い。その一環として、「台湾問題で中国と取引」するとの懸念が出ていた。これは、日本経済新聞がこの種の報道を何回か行なったことで強まった面もある。台湾放棄は、米国覇権の基盤を売り渡すも同然の危険な政策である。米国が、覇権をめぐって中国と対抗している渦中で、そういう無定見な政策を行なうはずがない。本欄はこういう視点で、この問題を捉えてきた。

     

    『日本経済新聞 電子版』(10月26日付)は、「米国務長官『台湾見捨て中国と貿易協定ない』 レアアースで取引否定」と題する記事を掲載した。

     

    ルビオ米国務長官は25日、中国との貿易交渉で同国のレアアース(希土類)輸出規制緩和と米国の台湾政策修正を交換条件にするとの観測を否定した。「台湾を見捨てる代わりに貿易上の優遇措置を得る協定が結ばれることはない」と明言した。

     

    (1)「訪問先のカタールの首都ドーハで記者団に語った。台湾当局者から30日に予定する米中首脳会談の貿易交渉で合意するため、台湾問題が交渉材料になるとの懸念があると問われて答えた。ルビオ氏は、「なぜそうした懸念がなぜ生じるのか理解できない」と述べた。「台湾には多くの懸念事項があり、置かれた状況からすれば当然だが(米中首脳の)対話は両国の規模と重要性ゆえに外交的関与を維持する必要性に加え、主に貿易分野に焦点を当てている」と説明した」

     

    ルビオ氏が、国務長官としてだけではなく暫定的な大統領国家安全保障顧問として、政権中枢でいっそう広範な役割を担っている。今回のロシアへの経済制裁強化は、ルビオ氏がトランプ氏を動かした結果とみられている。ルビオ氏は、「反共」闘志でもある。米国がレアアースを欲しくて、「台湾を売った」となれば、米国と同盟を結ぶことがいかに危険かというたとえ話になるほどだろう。米同盟国は、米国が覇権国であるから同盟を結んでいるもの。その根幹である安保がぐらつけば、同盟の意味は消えるのだ。

     

    (2)「トランプ米大統領は30日、韓国で中国の習近平国家主席と会談する予定だ。台湾問題を取り上げると表明しており、台湾を含む安全保障問題と貿易で「ディール(取引)」するとの見方が浮上していた。24日に記者団から台湾に関する米国の政策変更に前向きかと問われ、トランプ氏は「いまはその件については話したくない。複雑な状況をつくり出したくない」と否定しなかった。中国が台湾への軍事威圧に出る可能性を聞かれ「そうしないことを望む。動けば彼らにとって非常に危険だ」と警告した」

     

    中国の台湾侵攻は事実上、困難になっているとの見方が強まっている。台湾の地勢的な面での難攻不落と並んで、中国経済の衰退傾向の強まりである。こういう状況を逐一把握している米国が、敵に塩を送るようなことをするはずがないからだ。

     

    (3)「米中両政府は25日、5度目となる閣僚級協議をマレーシアで始めた。トランプ氏は中国によるレアアース輸出規制に強く反発する一方、中国側も米国による中国への輸出規制を批判する。安全保障上の懸念がある製品を含み、両国が妥協点を見いだすのは容易ではない。トランプ氏は26日、アジア訪問で最初に立ち寄るマレーシアに到着した。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するほか、現地で参加国首脳との2国間会談に臨む。ルビオ氏は、ASEAN関連首脳会議について「このフォーラムは極めて重要だ」と述べた。「インド太平洋地域の関係者から『米国はこの地域に本当に関与するのか』とよく聞かれるが、大統領が現地を訪問することがその証左になる」と主張した」

     

    トランプ氏は、ルビオ氏への信頼度を高めている。米国内での孤立派の存在は無視できないが、米国覇権を危うくするような台湾政策を採用するとは考えられない。

     

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