中国は、半導体工場新設に対して無理な条件を付けている。国産設備を5割以上は設置せよというものだ。成熟半導体設備では可能であっても、先端半導体設備では、全く基礎研究も不十分な状態で不可能とみられている。中国共産党は、このように命令さえ出せば実現できるという甘い予測で補助金を出しているのだ。
『ロイター』(12月30日付)は、「中国、半導体工場新設に『国産設備50%以上』要求=関係筋」と題する記事を掲載した。
中国政府が半導体メーカーに対し、新たに生産能力を増設する際は国産設備を最低でも50%使用するよう求めていることが、関係者3人の話で分かった。この規則は文書化されていないが、工場の新設・拡張について国の承認を求める半導体メーカーは数カ月前から調達入札を通じて、最低でも半分は中国製の設備を使用することを証明するよう指示されているという。
(1)「関係者によると、この基準を満たさない申請は通常却下される。ただし当局は、供給状況に応じて一定の柔軟性も認めている。国内で開発された設備が十分にそろっていない高度な半導体生産ラインでは、要件が緩和される場合がある。別の関係者は「当局は50%よりはるかに高い比率を望んでいる。最終的には工場で100%国産設備を使用することを目指している」と述べた」
中国で国産化が進んでいる装置は、エッチングや洗浄などとされている。14nm〜28nmクラスでは、国産装置の導入が現実に進んでいると指摘されている。したがって、この領域なら「50%」達成は可能とみられる。しかし「先端プロセス(7nm以下)」では不可能とされる。理由は、先端ラインで不可欠な装置のEUV露光装置(ASML社の独占)は入手不可能である。EUV露光装置は、30年の歳月を掛けて開発されたASMLの「結晶」である。
ただ最近、キャノンと大日本印刷が露光に代って「プリント型」を開発して、ラピダスへ納入した。ラピダスは、EUV装置とプリント型を併存させて理由するとみられている。かつては、ASMLと競ってきたキャノンが、簡易型で挑戦しており注目されている。
(2)「関係者2人によれば、中国最大の半導体製造装置メーカー、北方華創科技集団(NAURA)は、中国の半導体受託製造最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)の7ナノ(ナノは10億分の1)メートル生産ラインでエッチング装置を試験中だという。NAURAは最近、14ナノのエッチング装置の導入に成功しており、国内サプライヤーの進歩の速さを示している。別の関係者は「政府が工場に最低でも50%の国産設備使用を求めたことで、NAURAのエッチング分野の成果が加速した」と指摘した」
NAURAは最近、14ナノのエッチング装置の導入に成功したという。しかし、先端プロセス(7nm以下)は困難とみられている。ここが、中国半導体業界の泣き所となっている。
(3)「高度なエッチング装置は、以前はラムリサーチや東京エレクトロンといった外国企業が中国向けに主に供給していた。しかし現在は、NAURAや中微半導体(AMEC)が一部を置き換えつつあるという。別の関係者は、「国内半導体設備市場は2─3社の大手メーカーが寡占する可能性が高い。その中でもNAURAは間違いなく有力な1社だ」と述べた」
中国の装置自給率は、2024年で 13.6% に過ぎないと言われている。露光装置などの核心技術が、依然として外国依存であるからだ。50%は「政策目標」であり、技術的裏付けは弱いのだ。ましてや、「100%国産化」目標達成は、完全に無理筋とされている。





