勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2025年12月

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    中国は、笛や太鼓で騒ぎ立てた「日本軍国主義復活論」が、空虚な響きに終った。1945年8月以来、戦争をしていない日本に対して、中国は、朝鮮戦争や中越戦争などを仕掛けている国である。さらに、南シナ海を「無血占拠」という荒々しいことをやっている。どちらが「好戦国か」と言えば、むろん中国である。この中国が、こともあろうに戦争をしていない日本へ「軍国主義復活論」を浴びせかけている。何とも,不条理な話だ。

     

    『時事通信』(12月23日付)は、「習政権、『日本軍国主義復活』断定◇日中関係の修復困難に」と題する記事を掲載した。

     

    中国の習近平政権は「日本軍国主義が復活しつつある」と断定する認識を明確にした。高市早苗首相の台湾有事発言だけではなく、日本が全体として過去の侵略をきちんと反省していないことが問題だとしており、日中関係の修復は長期的に難しいとみられる。

    (1)「中国の王毅外相は12月8日、高市首相の台湾有事発言を「中国に対する武力の脅し」だと決め付け、中国人民と世界中の平和を愛する人民には、「軍国主義復活を企てる日本の野心」を阻止する義務があると訴えた。中国側が問題視する高市氏の発言は11月7日の国会答弁だったが、中国外務省はすぐに反応を示さず、同10日にようやく同省報道官が「断固たる反対」を表明。さらに13日、コメントを出し直す形で発言撤回を要求し、「軍国主義の失敗を繰り返そうとしているのか」と問い掛けた」

     

    高市首相の台湾有事発言は、同盟国による自衛権の発動であり、国連憲章でも認められた固有の権利である。中国から批判される筋合いではない。軍国主義とは無縁である。

     

    (2)「共産党機関紙・人民日報の論評(11月28日)は高市氏の発言について、戦後日本の指導者が(1)初めて「台湾有事は日本有事」論を公式の場で鼓吹し、集団的自衛権と関連付けた。(2)初めて台湾問題に武力介入しようという野心をあらわにした。(3)初めて武力で中国を脅した─と解説した。(2)と(3)はかなりの拡大解釈だが、中国側の日本軍国主義復活論はこれらの見方に基づいていると思われる」

     

    台湾有事で日本に「存立危機事態」が生じれば、集団的自衛権を行使する可能性があるとの見解がなぜ、日本軍国主義復活につながるのか。集団自衛権の行使は、軍国主義とは呼ばないのだ。共同での自衛権発動である。中国は、軍民融合を行っているのですでに軍国主義に陥っている。中国人民解放軍こそ、他国侵略を行ってきた点で軍国主義である。言葉は厳密に使うべきである。中国の主張は、すべて「こじつけ」も甚だしいのだ。

     

    仮に、日本が他国による軍事行動の危機に直面するとすれば、同盟国との共同作戦を開始するはずだ。それは、自衛権の発動で固有の権利である。中国軍が、日本領土を略奪行動に出れば、日本政府は、日米安全保障条約に基づいて、粛々と自衛行動に出るだけである。

     

    (3)「中国側の批判対象は以下のように、高市氏だけではない。日本全体を糾弾している。

    1)高市早苗の頑固な立場は、日本右翼勢力が引き続き台頭し、軍国主義思想のあしき影響が消えていないことを暴露した。(人民日報=11月22日)

    2)日本学術界、文芸界、教育界、報道界などの分野には、大量の歴史修正主義の論調が存在し、侵略と植民の歴史をみだりに歪曲(わいきょく)、否定し、さらには美化する言論がよくあり、珍しくもない。一部の日本国民はその言論(高市首相の台湾有事発言)をよく考えもせずに支持しており、日本軍国主義の復活には相当な土壌があることを示している。これは、歴史修正主義が長年はびこってきたことのあしき結果である。(解放軍報=12月13日)」

     

    中国は、明らかに「上から目線」で日本を見下している。日清戦争前も、こういう調子であったのだろう。それが、開戦したら全く逆の結果に終った。またもや、日本を恫喝しているのだ。

     

    (4)「中国側にとって、日本軍国主義復活は高市氏個人の問題ではないということだ。日本という国の政治的土壌の問題なので、仮に高市氏が台湾有事発言を撤回したり、退陣したりしても、根本的解決にはならない。日中国交正常化は日本の侵略戦争反省を前提としていた。日本軍国主義復活論は、その前提が崩れたと中国側が判断したことを意味する。台湾の民進党や香港民主派を独立派として敵視する宣伝攻勢からも分かるように、中国共産党が対立勢力に一度貼ったレッテルをすぐ剥がすことはない。日中関係は今の険悪な状態が相当長く続き、いずれそれが常態化する可能性もあると考えるべきだろう」

     

    中国が、かつて中越戦争を仕掛けたときの理由が、鄧小平による「ベトナムを罰する」であった。結果は、開戦1週間で大敗した苦い経験を持つ。大言壮語は禁物なのだ。中国は、日本に対して取り返しのつかない「喧嘩」を吹っかけてきた。その代償は大きくなるだろう。日本が、28年以降に資源(レアアース)と技術(AI半導体)でリーダーシップを握るからだ。中国はその時、日本へ「追従」(お世辞)を言ってくるだろう。

     

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    韓国左派政権には珍しく、李在明大統領が日韓パートナーシップを強調している。この友好ムードはいつまで続くのか。それは、両国で敏感な歴史問題である「靖国・竹島」に、双方の政府が踏み込まないことが前提である。もう一つ、米国が日韓友好を強く要請しているという「外圧」が掛っている。米国にとっては、中ロ朝という三カ国が結束している手前、日韓が仲違いしていたのでは安全保障上で困るのだ。

     

    『日本経済新聞 電子版』(12月28日付)は、「日韓慰安婦合意10年、浸透する『実利優先』 歴史・領土を棚上げ」と題する記事を掲載した。

     

    日韓両政府が2015年に元慰安婦への救済問題で交わした「慰安婦合意」から28日で10年を迎えた。当時の日韓がめざした実利を重視する関係は10年の曲折をへて浸透する。高市早苗首相と韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は安定した日韓関係を定着させる責務を負う。

     

    (1)「日韓両政府には、良好な日韓関係を維持しようという姿勢がうかがえる。茂木敏充外相は23日の記者会見で慰安婦合意10年について「両政府が合意して進めようという意思は確認されている。ひとつひとつ残る課題を解決していきたい」と述べた。首相は10月、就任前に欠かさなかった秋の靖国神社参拝を見送った。12月17日の記者会見では「隣国ゆえに立場の異なる諸懸案はあるが、日韓関係を未来志向で安定的に発展させる」と語った」

     

    日韓が矛を収めている背景には、中ロ朝の結束がある。この対峙において、日韓が争っている場合ではないからだ。これが、安全保障上の判断である。韓国が、米国から強く要請されている点だ。

     

    (2)「韓国側も足並みをそろえる。李氏は大統領就任直後の記者会見で、歴史問題に関し歴代政権の合意を維持する方針を表明した。「国家間の関係は一貫性が必要だ」と話した。李氏は野党代表の時代は福島第1原子力発電所の処理水問題などで日本に厳しい言動が目立っていた。大統領就任後は「反日」を封印する。両首脳は26年1月中旬に、首相の地元の奈良で首脳会談を調整する。首脳の相互訪問「シャトル外交」が続く」

     

    李氏の野党時代の対日発言を思い出すと、ゾッとするほどの「反日」であった。これも政権を取る上での「便法」であったが、今なお釈然としないものが残っている。人間としての誠実性が疑われるからだ。

     

    (3)日韓にとって、安全保障では対北朝鮮だけでなく中国の軍事活動も共通課題になっている。一部で意見の隔たりがあっても、対中国では協力する構図となる。韓国メディアによると、中国は5月に就役前の空母「福建」を中韓に挟まれた黄海に展開し、艦載機の発着艦訓練をした。日本周辺では6月、12月と空母「遼寧」などの訓練が確認された」

     

    韓国には、在韓米軍の主要基地が日本にあることの有り難みを全く知らない「能天気」な人々が多すぎる。これが、日本社会での「反韓国意識」を高めている。

     

    (4)「元慰安婦への救済問題は長年、日韓関係に刺さるトゲだった。謝罪や賠償を求める韓国側と、解決済みと主張する日本側のあいだに隔たりがある。当時の岸田文雄、尹炳世(ユン・ビョンセ)両外相が状況を打開した。15年の年末に韓国政府が元慰安婦を支援する財団を新設する案で合意した。日本政府は10億円の拠出を決め「最終的かつ不可逆的な解決」を申し合わせた。アジア重視のオバマ米政権が日韓の和解を促した。北朝鮮の核問題に対処するうえで日韓関係の改善が不可欠と判断し、双方に働きかけた」

     

    文在寅政権は、異常な反日であった。学生運動の延長のような振舞をみせたのだ。安倍政権が、半導体素材3種の輸出手続を厳格化したことで、「日本が怒ると大変なことになる」という現実を学んだ。これは、生きた教訓になった。李政権が、この二の舞にならぬように慎重になっている理由であろう。

     

    (5)「火種がなくなったわけではない。日本政府は10月下旬、韓国空軍の飛行隊「ブラックイーグルス」が島根県の竹島(韓国名・独島)周辺で飛行訓練をしたことを把握した。竹島は韓国が実効支配する。韓国側にとっては「通常の訓練」との認識があった。高市政権は、航空自衛隊の那覇基地(沖縄県)で予定していた飛行隊への給油支援の中止を決めた。実現すれば、初めての協力事例となるはずだった。この時は竹島問題を前面に出して韓国を批判することは控えた。韓国側はなお懸念する。日韓双方で政権が代わっても、冷静な対応を維持する方向は共有されつつあるといえる。両首脳が現実路線を維持できれば、実利を重視する慰安婦合意の精神は定着する」

     

    日本は、竹島を固有の日本領土としており、韓国がこれを侵すような新たな行為は認めない。韓国は、日本の首相が靖国神社参拝は植民地統治を正統化するとして、神経を尖らせている。このように、竹島と靖国は日韓双方にとって、二大タブーになっている。


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    中国国家鉄路集団は26日、内陸部にある陝西省の西安と延安を結ぶ高速鉄道路線が開通した。これに伴って国内の営業路線が5万キロを超えた。2008年に営業運転を始めてから約17年5ヶ月という短い期間で、日本の新幹線の15倍を超す路線網を整備した。一方、採算は度外視だ。

     

    鉄道の万里の長城を築いている理由は、将来の内乱鎮圧目的である。中国の国土は広大で、東西5000km、南北4000kmに及ぶ。内乱が起った場合、鎮圧部隊が瞬時に移動するには高速鉄道の利用がもっとも便利である。中国の歴史では、反乱の鎮圧が遅れて同調者を増やして北京へ攻め上る形となっている。これを避けるには、反乱と同時に鎮圧することが必要だ。中国共産党は、ここまで「危機管理」を行っている。

     

    『日本経済新聞 電子版』(12月27日付)は、「中国の高速鉄道網、5万キロ突破 営業開始17年で日本の15倍超に」と題する記事を掲載した。

     

    中国国有鉄道会社の中国国家鉄路集団は26日、高速鉄道の営業路線距離が5万キロメートルを突破したと発表した。2008年に営業運転を始めてから約17年5ヶ月という短い期間で、日本の新幹線の15倍を超す路線網を整備した。

     

    (1)「中国の高速鉄道は08年8月に営業運転を始めた。路線が1万キロに達するまでにおよそ52カ月を要したが、その後は開業ペースが速まった。25年も約2000キロで新たに営業運転を始めた。人口50万人以上の都市の97%が高速鉄道でアクセス可能という。国際鉄道連合(UIC)によると、世界の高速鉄道の営業路線は23年時点で約6万4700キロ。中国は7割を占め、2位のスペイン(約4000キロ)の10倍を超す。1964年に世界で初めて高速鉄道の運行を始めた日本(約3200キロ)と比べても16倍近い長さだ」

     

    中国の高速鉄道は軍事利用の歴史をすでに持っている。建設初期から軍民融合の一部という位置づけである。2010年代に実際の軍事演習で利用されている。西部地域では、武警の治安移動に利用された。空路の移動では天候に左右されるが、高速鉄道ではそういう懸念はない。重要視されるのは、台湾侵攻が起こった場合に国内で不満分子が騒動を起こすリスクに備えている。

    例えば、高速鉄道が北京福建、              成都上海、武漢広州と短時間で兵力が移動できるように敷設されていることで、この間の事情が分るであろう。国民から選挙権を奪っている独裁政権は、いつ国民が反抗するか枕を高くして眠れないことが、高速鉄道敷設の路線から読み取れるのだ。

     

    高速鉄道網が、台湾有事のために東南沿海に集中している理由は、兵力の緊急移動に備えたものである。北京、上海、広州、厦門(台湾に最も近い)、 福州(台湾海峡の対岸)など、台湾海峡に面した沿海部に極端に集中していることでそれが読み取れる。

     

    (2)「節目を超えても延伸は止まらない。中国当局は2030年をめどに6万キロ前後まで延ばす計画を掲げる。技術開発にも力を入れる。内陸部の重慶と四川省成都を結ぶ路線では、近く世界最速となる時速400キロメートルでの営業運転も予定している。急スピードでの路線網の拡大によるひずみも明らかになっている。運営企業である中国鉄路の債務総額は6月末時点で6兆1947億元(約138兆円)にのぼる。開通にあわせて建設したが利用客が少ないために稼働を止めている「幽霊駅」も各地に点在する」

     

    中国鉄路の債務総額は、25年6月末時点で6兆1947億元(約138兆円)に上る。高速鉄道にまつわる赤字は、「国防費」「治安費」という扱いであろう。純粋な鉄道債務というカテゴリーには入っていないに違いない。だから、採算が取れなくても拡張しているのだ。

     

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    トランプ米大統領は、中国からの小包輸入品取り締まりを強化している。中国の越境EC業者は、これを乗り越えるべく欧州へ押し寄せている。その一部は、中国移民の家庭を利用してビジネスを拡大する強かさだ。上海から英国へ移住した専業主婦は最近、中国の業者から送られた衣類やバッグ、小型家具を裏庭の小さな倉庫に保管して、注文のたびに発送してかなりの利益を上げているという。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月26日付)は、「安い中国製品、欧州を席巻 『影の物流網』とは」と題する記事を掲載した。

     

    2021年に上海から英国に移住した40代の専業主婦であるシュエさんは最近、中国の業者から送られた衣類やバッグ、小型家具を保管するため、約30平方メートルの倉庫を建てた。こうした業者の多くは米国市場以外に事業を拡大することに熱心だ。シュエさんは注文が入ると商品を梱包して発送し、納期を短縮している。好調なときは月3000~5000ポンド(約62万5000~105万円)を稼いでいる。

     

    (1)「彼女の「ファミリー倉庫」は、中国の貿易黒字を今年初めて1兆ドル(約156兆円)を超える水準に押し上げた影の物流ネットワークの重要な一部だ。新興の貨物航空会社は、自らが「現代のシルクロード」と呼ぶ流通網を構築しており、中国の工場拠点と欧州の人口密集地を結んでいる。このような密集地では、中国系移民が自身の空き部屋に商品を保管することで報酬を得ている。中国の輸出を巡る方向転換は、トランプ氏の貿易戦争が世界貿易をどう再編したかを示す最も劇的な例の一つだ。中国は、同国を孤立させようとするトランプ氏の取り組みの裏をかいており、欧州と東南アジア向けの出荷は、米国向けの約20%の減少を補って余りある」

     

    中国製品は、販売で「正規ルート」を使わず、ゲリラ的商法で販売コストを切下げている。それが、家庭の主婦を使ったルートである。

     

    (2)「中国税関当局のデータによると、総額1000億ドル規模の中国による低価格小包取引で、EUは今年、初めて米国を抜いて最大市場となった。5月初旬以降、米国向けの低価格小包の輸出は40%以上減少している。「デミニミス・ルール」として知られる関税の抜け穴が閉鎖されたことにより、800ドル未満の中国からの小包も米関税の対象となったためだ。一方、EUと英国では中国の電子商取引(EC)が急成長している。EUでは150ユーロ(約2万7000円)未満、英国では135ポンド(約2万8000円)未満の小包が関税免除となっている。ハンガリーとデンマークへの出荷は4倍に増加し、ドイツ、フランス、英国への出荷は50%以上増えている」

     

    EUと英国では、中国の電子商取引(EC)が急成長している。ハンガリーとデンマークへの出荷は4倍に。ドイツ、フランス、英国への出荷は50%以上も伸びている。

     

    (3)「欧州市場にシフトするため、中国のEC企業はソーシャルメディアを席巻した。報酬を支払われた欧州全域のインフルエンサーが、テムのプロモーションで無料で入手したパジャマセットやヘアドライヤー、コーヒーカップなどの動画を数百本投稿している。このような販促活動が数カ月前、イングランド北東部に住むカレン・ジェームズさん(62)の目に留まった。孫がいるジェームズさんはこれまで、超低価格の中国ECプラットフォームをほとんど利用せず、実店舗での買い物を好んでいた。だが、40ポンド以上購入すれば10個の無料アイテムがもらえるという特典は抵抗し難いものだった。「これは当然の選択だと思った」と彼女は話した。「彼らはそういったもので消費者を引き付けている」と」

     

    欧州全域のインフルエンサーが、販路拡大に協力している。一定金額以上の購入には、無料アイテムがつくからだ。

     

    (4)「こうした荷物を中国から欧州へ空輸しているのは、ウズベキスタン人起業家のアブドゥルアジズ・アブドゥラフマノフ氏(36)のような人物だ。同氏の貨物航空会社マイ・フレイターは、世界で最も成長している貨物ルートの一つで台頭しつつある。この「新シルクロード」は中国から始まり、中央アジアを経由して欧州に至るもので、1000年以上前に商人が絹や香辛料を運んだ古代シルクロードのルートと似ている。空港のチェックイン担当者としてキャリアをスタートさせたアブドゥラフマノフ氏は、23年にマイ・フレイターを立ち上げた。現在は中国・欧州間で月間200便を運航し、主に欧州向けのEC小包8000トン以上を輸送している。テムは最大顧客の一つだ」

     

    中国から欧州へ空輸は、正規ルートではない。新興業者を使っている。中国・欧州間で月間200便を運航するほどだ。

     

    (5)「ロンドンのヒースロー空港やブダペスト空港など、欧州の主要空港で発着枠を確保することは、困難かつ高コストになっている。別の新興貨物航空会社であるワン・エアーは、2年前に使用年数32年のボーイング747型機1機を改造して事業を開始した。当初はロンドンの空港を利用していたが、その後、ダービー郊外のイースト・ミッドランズ空港に移った。 イースト・ミッドランズ空港の魅力はその立地だ。イングランド中部だがやや辺ぴな場所にあるため、交通量が少なく、夜間の騒音規制もそれほど厳しくない。近くの農地では羊が草を食み、トラクターを見かけることも珍しくない。別の拠点は、ベルギー東部リエージュにある旧軍用空港だ。同空港は中国語を話すスタッフを採用し、貨物機の駐機場と倉庫スペースを増やすために古い軍用格納庫の解体を計画していると、営業・マーケティング担当副社長のトルステン・ウェファース氏は述べた」

     

    新興航空業者は、名だたる空港を利用せず辺ぴな場所にある空港を利用している。ここででも、徹底的な輸送コストの切下げを行っている。

     

     

     

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    台湾では、自らを中国人として認識するか、台湾人として認識するかという、「自己認識(アイデンティティ)」の問題が、これまでたびたび取り上げられてきた。最近の調査(25年)では、「台湾人」としての認識が65%、「中国人」は2%である。一方で「中国人・台湾人」が28%となっている。広義の中国人意識は3割である。こういう状況に、中国への接近を意図する国民党が危機感を抱いている。中国語を話し,中華料理を食べるから台湾の人々は「中国人」という論法は、さぞかし習近平中国国家主席を喜ばせるであろう。

     

    『レコードチャイナ』(12月27日付)は、「『台湾人は中国語を書くから中国人』と国民党主席、ジャーナリストが猛反論―台湾メディア」と題する記事を掲載した。

     

    台湾メディア『自由時報』(12月25日付)は、台湾・国民党鄭麗文(ジョン・リーウエン)主席が、「台湾人は中国語を書くから中国人」などと発言したことに対し、ジャーナリストが猛反論したと報じた。

     

    (1)「記事によると、鄭主席は22日に東呉大学で講演した際に「台湾人は中国語を書き、中華料理を食べ、中国の神を祭っているのだから、当然『中国人』である」と主張した。これに対して、ジャーナリストの詹凌瑀(ジャン・リンユー)氏は24日にフェイスブック上で反論した。詹氏は「文化的な源流を政治的な帰属に無理やり結びつける論説は、論理的に全く破綻している。米国人は英語を話すからといって果たして英国人なのか。米国やニュージーランド、オーストラリアの人々はみな英語を話し、シェークスピアを読み、洋食を食べ、英国と文化的な源流を共有している。文化は共有できるものだが、主権と国籍は独立したものだ」と論じた」

     

    国立政治大学(NCCU)選挙研究センターが毎年実施している「台湾人/中国人アイデンティティ調査の最新版(25年)によると、「台湾人」意識が安定的に多数派(65%)であることを示している。特に注目すべきは、若年層(20〜39歳)では「台湾人」意識が7割を超える傾向が続いている。「中国人」との認識は一貫して低下傾向にあり、2%前後で推移しています。「両方」とする層はやや減少傾向にあり、アイデンティティの明確化が進んでいると解釈されている。

     

    国民党の鄭主席は、いささか乱暴な議論して猛批判を浴びている。「米国人は英語を話すからといって果たして英国人なのか」という、きつーい「一発」を浴びせられている。日本人が,英語を喋れば英国人か、という議論にもなる。国民党が焦るのは、本土から移住してきた人々が高齢化で減っていくことへの焦りと指摘されている。香港が、強引な中国支配で民主化を取消されたことで、台湾の人々は一段と「台湾人」意識を強めている。

     

    (2)「また、「シンガポールこそが最高の反証だ。シンガポールの華人も同様に箸を使い、旧正月を祝い、先祖を祭る。もし鄭氏の基準に従うなら、シンガポールも中国の一部になってしまうのではないか。私が台湾で寿司を食べ、アニメを見たからといって日本人になるわけではないし、ハンバーガーを食べ、ハリウッド映画を見たからといって米国人になるわけでもない。言語や食べ物はコミュニケーションや生活のための道具であって、政治的な忠誠を誓う契約書ではない」とも指摘した」

     

    シンガポール人口の6割が華人であるが、堂々と中国批判を行っている。中国語を喋っても、中国人意識でないことを明瞭に示している。


    (3)「鄭主席に対して、現代国家を構成する最も重要な要素が「公民意識」であるという点を見落としていると批判。市民のアイデンティーは文化やルーツではなく、「ともに信じる価値観、そしていかなる国家を築きたいと願うかによって決まるものだ」と結論付けている」

     

    市民のアイデンティーは、「ともに信じる価値観、そしていかなる国家を築きたいと願うかによって決まる」と指摘している。これが正論だ。

     

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