サムスン電子は、世界で初めて開発した10ナノメートル級DRAMの国家核心技術が、中国に流出した事件で、元サムスン幹部ら10人が起訴された。捜査網を避けるため、内部の行動指針や暗号を共有し、組織的に犯行に及んでいたことが分かった。金銭に目が眩んで、ここまで悪質行為ができるのか。国益喪失という認識がない、私利私欲の驚くべきストーリーである。
『聯合ニュース』(12月23日付)は、「先端半導体技術を中国へ流出したサムスン元幹部らを起訴 被害額は数兆円=韓国検察」と題する記事を掲載した。
韓国のソウル中央地検は23日、中国の半導体会社に国内企業の中核技術を流出させたとして、サムスン電子の元幹部ら5人を不正競争防止法違反や産業技術保護法違反の罪で起訴したと明らかにした。
(1)「中国の半導体大手、長鑫存儲技術(CXMT)の社員5人も同罪で在宅起訴した。検察によると、CXMTは2016年の設立後、サムスン電子の元部長を開発室長に起用した。元部長はサムスン電子独自の技術だった10ナノ(ナノは10億分の1)台のDRAM(半導体メモリー)工程技術を入手するため、サムスン電子の中核人材のヘッドハンティングに乗り出した。サムスン電子の研究員はDRAM工程の重要情報を持ち出してCXMTに転職。CXMTは当時、世界唯一の技術だった10ナノ台DRAM工程技術を確保した」
産業スパイ映画もどきの話だ。中国の半導体大手CXMTは、サムスンの技術を盗み出すために韓国へ支社を作るほど念入りな準備を行っていた。巨額な研究開発費を出さずに、口先だけのスパイによって盗み出させたのだ。
(2)「ソウル中央地検のパク・ソンヒョン検事は記者会見で、「600ほどの工程をノートに書き写して持ち出した」として、「退社前からCXMTと取引をし、計画的に技術を持ち出したとみられる」と述べた。CXMTはサムスン電子の社員を追加でヘッドハンティングし、本格的なDRAM開発に着手した。協力企業を通じ、韓国の半導体大手・SKハイニックスの半導体工程関連技術も確保した」
捜査過程で、SKハイニックスの技術も追加で流出したことが確認された。CXMTでクリーン工程を担当していた人物は、20年6月、SKハイニックスの協力会社を通じて、国家核心技術かつ営業秘密に当たるDRAM工程情報を不正取得したとして起訴された。検察は、今回の流出により、サムスンの24年の推定売上減少額だけで5兆ウォン(約5000億円)に達し、将来的な国家経済全体の被害は数十兆ウォン(約数兆円)規模に及ぶと見ている。
(3)「韓国企業の半導体技術を入手したCXMTは2023年、中国初で世界で4番目に10ナノ台DRAMの量産に成功した。検察によると、世界市場のシェア変化に基づいて推定したサムスン電子の2024年の売上高の減少額は5兆ウォン(約5200億円)に達し、今後の韓国の半導体企業に与える影響を合わせると、被害額は少なくとも数十兆ウォンに上ると推定している」
中国のCXMTは2023年、中国初であり世界で4番目に10ナノ台DRAMの量産に成功した。盗んだ技術で「10ナノ」生産に成功したというが、ノートに手書きの図で半導体を生産できるのだろうか。これも驚くべき話だ。中国の半導体スパイ戦の一部始終である。




