勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2025年12月

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    中国の輸出依存経済は、世界中から非難の的である。ダンピング輸出であり、「近隣窮乏化政策」であるからだ。こういう身勝手な政策は、これ以上は続けられない限界点だ。世界銀行のインダーミット・ギル上級副総裁兼チーフエコノミストは、中国の一人当たり国民所得は今後、停滞して「中所得国の罠」に嵌まる危険性を指摘している。

     

    『日本経済新聞 電子版』(12月20日付)は、「『貿易のゆがみが成長下押し』世銀上級副総裁 中国の輸出主導は限界」と題する記事を掲載した。

     

    世界銀行のインダーミット・ギル上級副総裁兼チーフエコノミストは日本経済新聞のインタビューで「米国の関税引き上げによる不確実性は薄れたが、2026年にかけては貿易のゆがみが下押し圧力となるだろう」と予測した。輸出主導で内需が弱い中国の成長が鈍化する可能性にも言及した。

     

    (1)「世銀は25年の世界経済の成長率予測を6月時点の2.%から2.%に上方修正した。年央にはトランプ米政権の関税政策が貿易や投資、消費を大幅に減少させるとみていたが、予想以上に経済活動が持ちこたえていると判断した。ギル氏は26年の成長率を2%台半ばと見込む。新型コロナウイルス禍前の10〜19年平均の3.%を下回る状況が続く。「貿易体制が根本的に変わるとは思わないが、これまでのような米国市場へのアクセスは維持されないだろう。(米国以外の)輸出が輸入を大幅に上回る状態が長く続くとは考えにくい」と述べた」

     

    世界経済成長率が3%を割れば、「不振」と位置づけられている。25~26年は、いずれも3%以下の予測である。トランプ関税が、巻き起こした部分もある。

     

    (2)「さらに、「米国の関税引き上げばかりが関心を集めるが、欧州や日本などの非関税障壁による貿易のゆがみもかなり大きくなっている」とした。世銀の報告書によると、安全認証や独自規格といった非関税障壁は貿易全体の90%に影響を与えている。その比率は1990年代後半の15%から大幅に上昇した。東アジア、とくに中国経済が多くの問題を抱えていると指摘した。「たとえばインドは内需が成長を支えており、生産年齢人口(15〜64歳)は40年まで高水準だ。中国は依然として外需が成長をけん引し、個人消費の割合が低い」と分析した」

    中国は、外需が成長をけん引するという異常事態だ。個人消費の割合が極めて低い結果だ。

     

    (3)「中国は、GDPに占める個人消費の割合をみると、40%にとどまる。米国の68%やインドの61%、日本の55%に比べて低い。10月の米中首脳会談を経て米国が対中関税を引き下げたとはいえ、中国は米国向け輸出が伸び悩んで内需の弱さをカバーしきれなくなるおそれがある。少子高齢化や人口減少が急速に進み、労働生産性が低下するリスクも抱えている」

     

    中国は、少子高齢化や人口減少が急速に進み、労働生産性低下のリスクを抱えている。こういう基本的脆弱性に対して、台湾侵攻という「国是」を抱えて製造業中心経済を修正できないジレンマに立たされている。戦争するには、製造業の過剰生産能力を抱えていなければならないからだ。

     

    (4)「中国が、成長途上で失速する「中所得国のわな」にはまる可能性も示唆した。中国の1人あたり国民総所得(GNI)は24年で1万3660ドル(約212万円)で、約3万6000ドルの日本や8万ドルを超す米国とは開きがある。世銀が、毎年7月にインフレを加味して定める高所得国の基準(1万4000ドル)に迫るものの、これから数年は不動産不況や人民元安の影響をうけ高所得国を目前にして伸びが鈍っていた。さらにギル氏は「チリのように2万ドルの壁を越えるのに苦労する国は多い」と語った。そのうえで、「内需が不足しているからといって、日米など先進国の需要に頼るのはもはや的確な戦略とはいえない。中国は債務水準も非常に高く、政府投資への依存も是正すべき不均衡だ」との認識を示した」

     

    中国経済は、「戦争か平和か」という重大な選択を迫られている。台湾問題が、中国経済を浮沈の瀬戸際に立たせているからだ。このジレンマが、皮肉にも中国を「中所得国の罠」に追い込んでいる。平和を選択すれば、製造業中心から脱して個人消費へシフト可能だ。

     

    (5)「26年にかけて世界経済が大きく崩れることがないとみるのは米国経済が堅調だからだ。「財政赤字の削減は必要だが、経済を引っ張っているのは政府ではなく民間部門だ。企業が激しく競争し、勝者が敗者の技術者らを雇用してさらに成長する仕組みが整っている。個人消費も非常に安定している」と強調した。米国以外の先進国では「投資が減り、人口動態が変わり、生産性が低下している。これらの要因を逆転させる必要がある」と語った」

     

    米国経済については、楽観的見通しだ。民間経済が堅調としている。だが、物価問題を抱えている。11月の鈍化はデータの「未整備」が原因との見方もされている。

     

     

     

     

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    旧統一教会(世界平和統一家庭連合)は、2022年の韓国大統領選を前に政界との積極的な癒着を試みていたことが裁判の過程で公開された。これを足がかりに、2027年の大統領選に挑戦しようとしていたという内部会議の内容が明らかにされた。統一教会が、ここまで政治へ深入りしようとした背景は、国家事業として日韓海底トンネル建設実現を目指したものとみられる。

     

    『朝鮮日報』(12月20日付)は「国会で議席獲得して青瓦台入り、2027年韓国大統領選に挑戦」 旧統一教会の政界工作、2021年の会議録で判明」と題する記事を掲載した。

     

    2022年の大統領選挙前、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)内部で「与野党国会議員の公認権を得て基盤を作り、2027年に大統領選挙に挑戦する」という議論が行われた状況が法廷で明らかになった。

     

    (1)「ソウル中央地裁刑事第27部(裁判長:禹仁成〈ウ・インソン〉部長判事)の審理で19日に行われた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁や世界本部長だった尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)被告らの政党法違反を巡る裁判で、世界本部新統一韓国処長オム氏に対する証人尋問が行われた。この裁判では、第20代大統領選挙時、旧統一教会が国民の力の市・道支部を分担して支援するなど政教癒着を試みた疑惑が裁かれる」

     

    旧統一教会は、国政へ進出して影響力を及ぼそうとしたが、狙いは日韓海底トンネル建設にあること間違いない。国費で、実現しようとしたのであろう。

     

    (2)「特別検察官(特検)チームは証人尋問で、オム氏が作成した2021年10月14日付の旧統一教会大陸会長会議録を公開した。会議録によると、尹鍈鎬被告や当時の各地域教区(地区)会長ら旧統一教会幹部11人が出席する中、当時ソウル・仁川地域を管轄していた第1地区会長のチュ氏が「我々の目標は青瓦台(大統領府)補佐陣に入ることだ。与党であれ野党であれ、国会議員公認権を与えなければならない。そのためには政策投票数の資金が必要だ」と述べた。また、「間違った選択をしたら大変なことになる。12月中に選択しなければならないが、本当に慎重にやらなければならない。そうでなければ逆風にさらされることになる」とも発言した」

     

    旧統一教会の目標は、まず青瓦台(大統領府)補佐陣に入ることに置かれた。また、与党であれ野党であれ、国会議員立候補の公認権を得なければならないとしていた。

     

    (3)「慶尚道地域管轄第5地区の会長だったパク氏も会議で、「国会議員公認権・青瓦台入りの基盤を築くのは決して容易ではない。2027年までこのまま行けば、大統領選への挑戦も可能ではないか」と言った。会議でこのような協議があったのか、特検チームが質問すると、オム氏は「覚えていないが、記録上、合っているようだ」と答えた。さらに、「旧統一教会は国会の政治に進出しようとしたのか」という特検チームの質問に、オム氏は「全ての人の意見かもしれないが、チュ氏個人の意見ではないかと思う」と答えた」

     

    旧統一教会では、2027年の大統領選への候補者を出すことも可能という楽観論が披露されている。この議論は、かなり飛躍しているようだ。その足場は、全くなかったからだ。

     

    (4)「宗教団体である旧統一教会の会議で、「大統領選挙」「青瓦台」「国会議員公認権」といった話が出た背景については、「当時の尹鍈鎬本部長が推進していた方針に合わせ、地区長が計画に悩み、協議していた状況だ」「本部長は毎月サミットを行い、旧統一教会の影響力が社会全般に及ぶよう努力していた」と語った」

     

    こういう国政への進出願望が、ユン前大統領夫人への贈物となったのであろう。しかし、国政進出が、夫人への贈物で可能とみたのは余りにも非現実的である。韓国大統領選の厳しさを理解していない証拠だ。

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    中国は、レアアースを武器にして西側諸国を威圧している。高市首相の台湾発言もこの延長線で「言いたい放題」である。日本への渡航自粛理由に「治安悪化」などと嘘情報をまき散らしている。その上、日本の軍国主義再現などと国連を舞台に騒ぎ立てる。何とも,手が付けられぬ振舞だ。

     

    こういう事態へ対抗するには、G7が結束するほかない。EU(欧州連合)では、「反威圧措置(ACI)」という規定をつくって中国の威圧に対抗可能だ。G7もこのACIに倣い、G7加盟国への威圧に共同して対応する、経済版「集団的自衛権」を発動させるべきであろう。

     

    『日本経済新聞 電子版』(12月20日付)は、「中国の威圧抑止、経済版『集団的自衛権』は機能するか 日米欧の構想」と題する記事を掲載した。

     

    いつまで中国の威圧に振り回されるのか。国際社会は経済力と豊富な資源によって優越的な地位を築いた中国への依存を減らすだけでなく、対抗策も考えるときだろう。2024年12月、バイデン前米大統領が署名した大統領令「中国の経済威圧に対抗するタスクフォースの創設」がヒントになる。同盟・有志国との協力をうたった内容だ。

     

    (1)「着想は、北大西洋条約機構(NATO)の根幹である北大西洋条約第5条にある。加盟国が武力攻撃を受ければ全加盟国への攻撃と見なして反撃する集団的自衛権を定める。この「経済版」といえる構想だ。「中国が行動に出た際に共同で反撃するため『第5条』のような経済的メカニズムが必要だ」。バイデン前政権で中国・台湾担当のホワイトハウス高官だったラッシュ・ドーシ氏が11月20日、米連邦議会の公聴会で構想の一端を説明した。中国による日本産の水産物輸入停止を経済的威圧だと認定すれば、枠組みに加わる国がともに報復措置を発動する仕組みとなる」

     

    NATOの第5条は、一ヶ国への攻撃が加盟国全体への攻撃とみなすとしている。これと同じで、「一ヶ国への経済的威圧は、加盟国全体への挑戦とみなす」という項目をつくり、「共同防衛」するものだ。

     

    (2)「貿易をテコにした中国による圧力は、いまに始まったわけではない。12年に領土問題を理由にフィリピン産バナナの輸入を停止した。20年には新型コロナウイルスの起源を巡る調査を提案したオーストラリアからのワインを事実上禁輸した。外国企業への不買運動も常とう手段で、米国のアップルナイキなどが標的になった。中国の国内市場の保護は主眼でない。中国が核心的利益と位置づける問題で、他国に政策を改めさせる目的がある。たとえば台湾やチベット、新疆ウイグル自治区に関する話だ」

     

    常識知らずの中国の振舞には、G7全体で防御することが必要だ。こういう抑止行為が必要とは、中国が「嫌われの国」であることの証明である。

     

    (3)「共和党・ブッシュ(第43代)政権のホワイトハウスでアジア部長だったビクター・チャ氏は、経済版の集団的自衛権で「中国の挑発を阻止して貿易戦争を抑止できる」と分析する。「核戦争を未然に防ぐ核抑止力と同じだ」と話す。チャ氏は、欧州連合(EU)の「反威圧措置(ACI)」という手段が参考になると提起する。経済的威圧を受けた場合、貿易や投資への制限で対抗することができる。23年末に導入した後、中国のEUへの威圧は目立たなくなったと語る」

     

    EUのACIが参考になるという。EUでは、これによって中国の「不法行為」が目立たなくなったという。効果はあるのだ。

     

    (4)「米戦略国際問題研究所(CSIS)によると主要7カ国(G7)とオーストラリア、韓国は計600品目の製品・原材料を中国に輸出する。最多が日本の147品目、米国が132品目、ドイツが95品目と続く。中国は鉄鋼・電気自動車(EV)産業で使うニッケルを日米独に頼る。そうした国が束になれば、中国を思いとどまらせる余地ができる。発動条件や結束は課題になるものの、G7に韓国や豪州などを加えた新しい連合も選択肢になる。カート・キャンベル前米国務副長官は、「米国だけでは中国にかなわないが、同盟国とともに戦えば(中国は我々に)太刀打ちできない」と断言する」

     

    西側は、中国へ計600品目の製品・原材料を輸出している。この品目は、中国にとってはアキレス腱だ。そこを「突けば」、中国もお手上げになる。 

     

    あじさいのたまご
       

    「百戦錬磨」とみられがちな中国外交が、何とも稚拙な日本非難戦略を立てて自己満足に陥っている。日本が台湾問題で介入すると非難すれば、日本は国際的に孤立して「台湾支援」に動けないという戦略だ。これによって、日米関係が分断化されて中国へ有利になるという「子供騙し」の戦術に酔っているという。

     

    中国の日本非難は、中国の焦りを示すものだ。日本を威圧すれば、日本は手出しできないという前提は、日清戦争前と寸分も異ならない戦術である。この間違った前提で、清国海軍は滅亡した。こういう歴史的経緯を忘れた中国外交は、何らの進歩もしていないようだ。

     

    『朝鮮日報』(12月20日付)は、「日本を追い込む中国の大きなビジョン」と題する記

     

    中国は日本から単なる「謝罪」を望んではおらず、国際社会で「判定勝ち」を収めてさまざまな方面で有利な立場に立つことを目指している。

     

    (1)「日本の高市早苗首相による「台湾有事に軍事介入」を示唆する発言後、中国の外交政策担当者は自国を訪問したフランス、ドイツの外相に中国支持を訴え、国連事務総長には何度も書簡を送った。世界が見つめる中で日本を「断罪」し、今後台湾問題で日本の介入を阻止し、米日安保協力を根本からつまずかせる大きなビジョンを描いているのだ」

     

    何と、視野の狭い話か。居丈高に叫ぶ中国に対して、日本は理路整然と反論している。どちらに軍配があがるか。騒ぐ方が不利である。よほど、日本に急所を握られていると勘ぐらせるからだ。台湾侵攻作戦で、日本がどう対応するか。中国への大きな抑止力になっている。だから、中国が空騒ぎするほかない。

     

    (2)「中国指導部は、今の対立状況で日本に対して非常に強硬な経済制裁ではなく、文書や規範を前面に出している。まず1972年の中日共同声明に基づき「日本は一つの中国という原則を守るべきだ」と主張し、さらに1978年の中日平和友好条約に明記された「内政不干渉原則」を改めて訴えた。また日本の台湾放棄を定めたポツダム宣言(1945年)を引き合いに出し「台湾帰属問題はすでに決着がついた」と主張している。最後に国連憲章に基づき高市首相の発言を「武力による脅威」として国際法違反だと責め立てている」

     

    ポツダム宣言は、一片の宣言にすぎない。対日講話条約がすべてである。この条約では、台湾の帰属先に触れていないのだ。中国が、対日講話条約に調印していないから無効とするのは横暴である。

     

    (3)「中国外交部(省に相当)が、古い文書を次々と持ち出した理由は、日本による台湾問題への言及を「戦後の国際秩序を揺るがす問題」としたいからだ。この構図が成立すれば、日本は単に中国を刺激した国ではなく、世界の平和を揺るがす「危険な国」になる。中国が「敗戦国・日本の再武装」というフレームを持ちだして攻勢を強めれば、米日同盟を基盤とする安全保障協力は守勢に立つしかない。台湾有事に日本が米国を軍事支援することへの負担も大きくなるため、そうなれば台湾防衛に致命的な影響が出るのは間違いない」

     

    この記事は、中国の言い分を一方的に認めた内容である。日本の敗戦時に存在しなかった「中華人民共和国」が、「敗戦国・日本の再武装」などとがなり立てて歩いても、どこの国が真面目にその言い分を聞くだろうか。南シナ海を一方的に占拠している中国が、他国を糾弾できる資格があるのか。自ら静かに問うべきである。

     

    (4)「もし、高市首相が中国の求めに応じて発言を撤回、あるいは謝罪した場合、中国はさらに厳しい外交カードを持ち出すだろう。中国は自分たちの正当性を認めさせることが最優先と考えているため、日本に対する経済面での報復は逆に自制するだろう。中国は2010年の尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題では日本を屈服させるためレアアース輸出規制というカードを性急に使い、国際社会から逆に「資源の武器化」と批判を受けメンツをつぶした。その一方で中国が日本との対立で手にする利益もある。新型コロナによる封鎖政策の解除後、「日本観光ブーム」で発生した国富の流出を阻止し、内需を促す効果を期待しているようだ」

     

    中国は、深刻は内需不振に陥っている。この救済で、中国人の「日本観光ブーム」へ水を掛ければ、外貨流出を止められるとは「噴飯」ものだ。「貧すれば鈍する」の類いである。地に墜ちた話だ。

     

    (5)「中国が、描く大きなビジョンに韓国が巻き込まれる不都合な現実も直視しなければならない。中日対立は今後、紛争ではなく、中国にとって新たなアジア秩序を構築する戦略の一部に変わろうとしている。また時間が過ぎるほど中国は韓国に「判定者になれ」という圧力をさらに強めるだろう。他国との対立で細かいことに規範を持ち出す中国の新たな外交方針が韓中関係に及ぼす影響を韓国は今から認識し、その備えに取り組んでおかねばならない」

     

    中国は、日本を追い落とし中国を核の「新たなアジア秩序」を構築しようとしているという。愚かな戦術だ。ASEAN諸国では、日本が最大の「尊敬国」になっている。中国があがけばあがくほど、地盤沈下に見舞われるであろう。大きい声を出す国は、信頼を集められないのだ。普段の誠実な振舞が、評価を決めることを忘れてはならない。

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    米国務省は17日、長距離弾道ミサイル「エイタクムス(ATACMS)」や自爆型無人機(ドローン)、高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などを含む、約111億ドル(約16兆4千億ウォン)相当の兵器を台湾に売却すると発表した。米国が台湾に売却する単一の兵器パッケージとしては、過去最大規模となる。

     

    米国が、台湾へ積極的に武器を売却するのは、来年11月の中間選挙を控えて,保守派の支持を取り付けたという狙いが込められている。世論調査では、トランプ支持率が低下しているのだ。

     

    『ブルームバーグ』(12月19日付)は、「米、台湾に過去最大規模の兵器売却承認 中国『断固反対』」と題する記事を掲載した。

     

    トランプ米政権は、12月4日に公表した国家安全保障戦略(NSS)報告書で、アジア地域の安全保障を巡り、中国に対する強い牽制姿勢を示した。特に「第1列島線(九州~沖縄~台湾~フィリピン)」の防衛の重要性を強調し、その中核の一つとして、台湾の軍事力強化を後押しする考えを明確にした。


    (1)「中国が、高市早苗首相の「台湾有事への介入」発言を巡って日中関係が緊張する中、米国が台湾に史上最大規模の兵器を売却することに、中国が継続的に不満を示すとの見方も出ている。一部では、来年4月に予定されるトランプ大統領と中国の習近平国家主席の北京会談でも、台湾向け兵器売却が議題に上る可能性があると見ている」

     

    中国にとって、高市首相の台湾発言と米国の台湾への武器売却を比べれば、どちらが実質的な意味を持つか。武器売却ほうがはるかに重い意味を持つはずだ。中国は、米国へ及び腰でも日本叩きに狂奔している。日本を弱いとみたのだろう。


    (2)「AP通信などによると、米国務省は同日、台湾向け111億ドル規模の兵器売却パッケージを承認したと発表した。計8件の契約で、ハイマース82基、エイタクムス420発、対戦車ミサイル「ジャベリン」などが含まれる。これらは、ロシアの侵攻を受けたウクライナに米国が供与してきた兵器だ。このほか、攻撃用自爆ドローン「アルティウス700M」や「アルティウス600」も売却する」

     

    米国が、台湾へ売却する武器は、ハイマース82基、エイタクムス420発、対戦車ミサイル「ジャベリン」などだ、いずれも最新兵器である。中国本土に危害が及ぶ物ばかりだ。


    (3)「トランプ氏の再選後、米国が台湾向け兵器売却計画を公表するのは2度目だ。米国は先月13日にも、台湾に3億3千万ドル(約4900億ウォン)相当の戦闘機部品を売却する契約を承認した。国務省は声明で、台湾の「兵器の現代化、信頼できる防衛能力を維持しようとする努力を支援する。これは米国の国家的、経済的、安全保障上の利益に合致する」と説明した。台湾海峡の政治的安定や軍事的均衡、経済的進展の維持にも寄与するとした」

     

    台湾国防部は、先に台湾議会へ独自で中国の奇襲攻撃を撃退できるとの報告書を送った。米国製武器で「即時対応」が可能な体制をつくり上げているのだ。

     

    (4)「米上院も同日、台湾への軍事支援強化を盛り込んだ2026会計年度(25年10月~26年9月)の国防権限法(NDAA)を可決した。来年、台湾に最大10億ドル(約1兆4600億ウォン)の軍事支援を承認するほか、来年3月1日までに無人システム開発のための米台共同プログラムを開始するよう求める内容が含まれた。台湾は歓迎した。最近、非公開で訪米した台湾の林佳龍外交部長は、「台湾の自衛能力と地域の安全保障に対する米国の支持に感謝する」とし、「NSSで掲げた『軍事力強化による台湾海峡の衝突抑止』を行動で示した」と評価した」

     

    台湾は、中国の露骨な軍事演習で身構えている。ドローンでは、独自の戦術を編み出しているという。

     

    (5)「NSSは、「第1列島線のどこにおいても侵略を抑止できる軍事力を構築する」と中国を念頭に明記し、特に中国が台湾を占領しようとしたり、防衛を不可能にする試みを阻止するため「米国と同盟国の能力を強化する」と強調した。中国は、米国の台湾向け兵器売却が「一つの中国」原則に反するとして強く反発した。中国国防部は、先月の兵器売却発表時にも「悪質な行為を直ちに中止し、両国関係に衝撃と影響を与える行為を避けるよう求める」と抗議した」

     

    米海兵隊は、無人島の島嶼部へ少人数部隊で潜入しており、中国海軍を奇襲攻撃できる態勢を練上げている。米軍は、世界一の軍事力というプライドにかけ、近代戦の経験がない中国軍に負ける訳に行かないのだ。

     

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