衆院が解散され選挙戦に事実上突入した。高い内閣支持率を保つ高市早苗首相の人気に頼る自民党も、合流効果に期待する中道改革連合も、それぞれ課題を抱える。首相は政策転換を問うとしており、経済財政や外交・安全保障のあり方も問われる。
立憲民主党と公明党が中道改革連合を結党し、野党間の関係性に影響が生じている。中道は、右派でもなく左派でもない幅広い勢力に結集を呼びかけるが、立憲とともに連合の支援を受ける国民民主党は独自路線を強調する。「野党共闘」を掲げてきた共産党とは溝が広がる。中道が野党勢力の中心になりつつあるが、立憲、公明以外には広がりを欠き、野党の乱立状態は続く。国民は、どのような判断を下すのか。
『毎日新聞 電子版』(1月23日付)は、「『高市頼み』の自民 抜き打ち解散で公約生煮え、首相発言に懸念も」と題する記事を掲載した。
(1)「高市政権は高い内閣支持率を維持し、自民党内の求心力を保ってきた。毎日新聞の世論調査による内閣支持率は、直近の2025年12月で67%にのぼり、過去に衆院解散・総選挙に挑んだ歴代の自民党政権と比べても異例の高さだ。自民は「高市人気」を前面に出し選挙戦に臨みたい考えだが、台湾有事を巡る答弁など、首相の発言には危うさも垣間見える。2月8日の投開票日まで、勢いが持続するかは不透明だ」
自民党は、支持率67%と抜群に高い「高市人気」に依存している。
(2)「首相は解散する意向を表明した19日の記者会見で、「高市早苗が総理大臣でよいのかどうか。今、主権者たる国民の皆様に決めていただく」と述べ、自身への信任を問う考えを前面に出した。 毎日新聞の世論調査を見ると、2000年以降で解散前後の内閣支持率は、「郵政解散」を断行した05年の小泉純一郎政権が46%、憲政史上最長の連続在任期間となった第2次安倍晋三政権でも14年が46%、17年は36%にとどまっていた。調査手法が異なるため単純比較はできないが、自民が大勝した小泉、安倍両政権を今回は大きく上回る」
「高市早苗が総理大臣でよいのかどうか。今、主権者たる国民の皆様に決めていただく」。この決め台詞が、国民の心をわしづかみにするか、だ。
(3)「石破茂前政権は、「リベラル」色が強いとの見方が一般的に広がったのに対し、高市首相はその揺り戻しとして保守層に強く訴える姿勢が支持率全体を押し上げていると党内では見られている。当初、解散には慎重な姿勢だったとされる麻生太郎副総裁も「支持率が高い時に解散するのは当然の常識だ」と理解を示す。ただ、政権発足から3カ月余りしかたっていない。本格的な実績を示していくのはこれからで、有権者に問うのは高市氏個人の人気や政権への今後の期待にならざるを得ない。首相の盟友である古屋圭司選対委員長は「高市首相選択選挙だ」と述べた。自民の政党支持率が伸び悩む中、「高市頼み」で自民への支持につなげたい考えだ」
高市人気が、自民党支持へつながるかだ。高市氏は、「選挙の顔」になっただけに、自民党が掛ける期待は大きい。
『毎日新聞 電子版』(1月23日付)は、「国民は独自路線、共産は反発 『中道』結集も広がり欠き野党乱立」と題する記事を掲載した。
(4)「立憲民主党と公明党が中道改革連合を結党し、野党間の関係性に影響が生じている。中道は、右派でもなく左派でもない幅広い勢力に結集を呼びかけるが、立憲とともに連合の支援を受ける国民民主党は独自路線を強調する。「野党共闘」を掲げてきた共産党とは溝が広がる。中道が野党勢力の中心になりつつあるが、立憲、公明以外には広がりを欠き、野党の乱立状態は続く」
日本世論の政策選択基準は、長いこと「中道路線」である。立憲民主党と公明党が結成し中道改革連合は、まさにこの「ツボ」へズバリ嵌まるが、選挙の結果はどうなるか。
(5)「中道の野田佳彦共同代表は22日、「中道のうねりを作っていけるチャンスと思っている。存在感が大きくなったときには、穏健な保守にも、リベラルな層からも支持され、大きな結集体になっていく可能性は十分ある」と記者団に衆院選への意気込みを語った。立憲と公明の衆院議員が合流して結党した中道には、両党から引退議員など一部を除く現職165人が参加した。衆院解散の間際には、国民民主、れいわ新選組、社民党から現職3人が衆院の中道会派に加わった。中道幹部によると、自民の元職なども、中道からの立候補に関心を示しているという。選挙戦では公明出身議員は比例代表に回り、各小選挙区で1万~2万票あるとされる公明票を立憲出身の候補者に上積みすることで、中道の議席を増やす戦略を描く。ただ、野田氏らが目指す政党同士の結集は見通せない」
中道は、右路線も左路線も包含する。自民党路線よりも、少しばかり左へ位置している。その意味では「近似路線」である。国民は、この「曲球」をどう読むか。野球に喩えれば、バットを出すか見送りかである。
(6)「国民民主は、中道からの結集呼びかけには否定的だ。現時点で立憲と公明の参院議員は合流しておらず、国民民主の榛葉賀津也幹事長は「自分たちも結集してないのに、他党に呼びかけるのはナンセンスだ。独自でやっていきたい」と強調する」
中道では、立憲と公明の参院議員が合流を見送っている。国民は、これを理由に中道へ合流しない。総選挙後に自民党との交渉余地を残しているのかも知れない。




