勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2026年02月

    a0070_000030_m
       

    8日の衆院選は、自民党が圧勝する勢いである。日本初の女性首相という「新鮮さ」も加わり、特に働く女性からの支持が圧倒的という。高市氏が出席する集会は、どこでも超満員だ。高市氏は、握手攻めになって指を痛めたと報じられているが、それほど高い人気を得ている。問題は、「積極的財政政策」が円安の引き金にならないかという、懸念である。そうなると、せっかくの「高市人気」が萎んで批判の対象になる。選挙後の経済政策によって、長期政権かどうかが決まるであろう。

     

    『ロイター』(2月6日付)は、「高市首相人気の要因と課題 選挙後に待つ『ジレンマ』」と題する記事を掲載した。

     

    高市早苗首相(自民党総裁)が8日投開票の衆議院選で大勝する公算が高まっている。報道各社は終盤情勢調査で自民の勢いが維持され、議席を大きく積み増す見通しだと伝えた。一昨年から大型選挙で連敗を喫してきた自民が支持を急回復している最大の要因は高市氏の人気によるものと言えそうだ。複数の関係者への取材から、高市氏が有権者に受け入れられる要因と今後の課題を探った。

     

    (1)「衆院選が公示された1月27日、東京都のJR秋葉原駅前でマイクを握った高市氏の第一声は、「日本列島を強く豊かに」から始まった。奈良県のサラリーマン家庭で育ったこと、地盤や知名度もない中で32年前に国政に打って出たこと、3回目の挑戦でようやく首相の座をつかんだことなど、演説は自身の生い立ちをたどるように続く。歴代首相の訴えに比べれば、個人的な内容が前面に出過ぎていると感じられるかもしれない。

    そこから高市氏は政策を畳みかける。「責任ある積極財政の肝は危機管理投資と成長投資だ」と口火を切り、「完全閉鎖型の植物工場」「次世代革新炉」「フュージョン(核融合)エネルギー」「サイバーセキュリティー」「特定の国に頼らないサプライチェーン(供給網)の構築」など、規模の大小を問わず具体策を列挙した。一国の首相の演説にしては各論に入り過ぎているとも見られかねない」

     

    現場で、高市氏の演説が聞こえるような感じだ。

     

    (2)「ただ、この演説に聴衆は熱狂した。「挑戦しない国に未来はありません」「皆様と一緒に未来をつくります。どうか力を貸してください。一緒に戦ってください」。高市氏が叫ぶと、演説会場は拍手に包まれた。「前回の衆院選と聴衆の反応が全然違う」と声を弾ませた候補者もいた。高市氏の政策に精通する政権幹部の一人は、「演説ではストーリーを伝えることを非常に重視している」と明かす。自身の政治家としての原点や抱いた問題意識を紹介した上で、自らの政策を実現するため挑戦を重ねて首相になり、議会で多数を獲得するため党幹部にも相談せず解散総選挙に打って出た「強い思い」につなげる。このストーリーが高市氏の演説に一貫して裏打ちされている。わかりやすいストーリーと、将来への希望を抱かせる言い回しが有権者に響いているという」

     

    高石市は、聴衆の反応を得るツボを心得ている。元ニュースキャスターの経験が生きているのであろう。

     

    (3)「ソーシャルメディア(SNS)での発信も力の源泉の一つになっているようだ。高市氏によるXでの配信の特徴は、その文面の長さにある。候補者の応援演説を紹介する投稿にも、細かい政策を長文で書き加える。最初は文章が長すぎて本当に読まれるのかと思ったが、これが若者を中心に響いている」と、前出の政権幹部は手ごたえをつかむ。政治家本人による発信に重きが置かれる時代背景もあり、「有権者はテレビや新聞ではなくSNSで情報を得る。国民民主党の玉木雄一郎代表も自身で政策を発信して支持を拡大した。高市氏も同じ手法だ」と指摘する」

     

    SNSで、若者の心を掴んでいる。新しい時代の選挙戦術を身につけている。

     

    (4)「実際、NHKの年代別政党支持率でも自民は全世代で1位を獲得し、1829歳の31.8%、30代の32.5%が支持している。こうした若者層はこれまで国民民主や参政党を支持していた層とも重なる。政府関係者は「高市氏が自身を前面に出し『私でいいのかを決める選挙』にしたことで自民党から離れた保守層と現役世代を中心とした無党派層の支持が一気に集まった」と解説した」

     

    高市氏は、自民党から離れた人たちを引き戻している。多党化といわれ始めた世評を覆している。

     

    (5)「ただ、高市氏の本当の戦いはむしろ選挙後に始まるのかもしれない。自民が大勝すれば高市氏が掲げる政策への期待感はより高まることになる。実際、高市氏が消費減税を選挙公約に掲げたことをきっかけに、財政見通しへの懸念から円安・債券安が続いている。こうした地合いが長期化し、物価高や金利上昇による生活への悪影響がさらに深刻化すれば、有権者の熱狂に冷や水を浴びせかねない」

     

    金融市場が、積極的財政政策をどう評価するかがポイントである。円安へシフトすれば、物価高へ拍車を掛けるからだ。

     

    (6)「自民にとっては、「高市人気」を背景に選挙で大勝することは吉報だろう。ただ、政策実現への期待が高まれば高まるほど、高市氏は市場と米国のプレッシャーをより強く受けることになる、と前出の政府関係者は語った。「選挙後、高市氏は壮大なジレンマと戦うことになるだろう」と危惧する」

     

    このまま円安が進めば、米国との間で摩擦が起る。高市氏は、米国との関係も目配りせざるをえなくなろう。高市氏の鬼門は、金融市場にありそうだ。

    a0070_000030_m
       

    中国は、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に強く反発し、軍民両用(デュアルユース)品の対日輸出規制にまでエスカレートした。悪化した関係を修復する糸口は、見いだせるのか。2月8日の衆院選では、自民党「大勝」の予測が増えている。この予測通になれば、中国の経済的威圧は緩むのか。中国は、日中の経済力からみて自国が断然有利であり、「日本威圧」政策を変えないという。傲慢姿勢の継続である。

     

    レアアースをめぐっては、状況が着々と変ってきた。米国の主導する重要鉱物「特恵貿易圏」構想が軌道に乗ると、日本が化学的精錬法を発展途上国へ供与することで、レアアース生産が増えるからだ。このレアアースが、関税無税・最低価格維持である特恵貿易圏へ出荷されて、対中国取引からシフトすることになる。中国は、こうして需要先を失うと同時に市場操作効果が減殺される。結果として、西側諸国はレアアース不足と価格変動に悩まされることから開放されることになろう。要するに、中国のレアアース世界市場支配力が大きく後退するのだ。中国は、こういう日米合体の戦略が進んでいることを知らずに「太平楽」を口にしている。

     

    『毎日新聞 電信版』(2月5日付)は、「日本の『大ばくち』注視する中国 長期戦でも国力差と国際情勢に自信」と題する記事を掲載した。

     

    台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に中国は強く反発し、軍民両用(デュアルユース)品の対日輸出規制にまでエスカレートした。悪化した関係を修復する糸口は見いだせるのか。

     

    (1)「中国外務省の報道官は127日の記者会見で、「日本側の言動は『再軍備化』を推進し、戦後秩序に挑戦しようとする右翼勢力の野心を再度さらけ出すものだ」。前日の民放番組での首相発言を念頭にこう述べた。習近平指導部は、訪日旅行やレアアース(希土類)を武器とする経済的威圧で日本世論を揺さぶり、高市首相を追い詰めようとしてきた。しかし、総選挙で自民党が大勝すれば、強硬姿勢が結果として「裏目」に出ることになりかねない」

     

    中国は、日本が軍備を持たないことを理想的な「平和主義」とみている。中国が、日本を威嚇し放題になるからだ。だが、自衛権は国家固有の権利である。日本は、中国の言いなりになるわけにはいかないのだ。

     

    (2)「中国国内の報道ぶりは、「高市首相の支持率急落」「台湾問題で再び妄言」などと、高市政権の敗北を期待するかのような否定的内容が目立つ。公明党と立憲民主党が結成した新党「中道改革連合」についても、新華社通信は「両党が手を結び、高市政権を『苦境』に追い込めるか」と題する記事を配信した。一方、専門家の間では、高市首相の高い支持率や日本の厳しい対中世論という現実を直視すべきだとする声も上がる」

     

    日本の国民世論が、何を選択するか。中国は、その帰趨に従うべきだろう。

     

    (3)「中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の項昊宇・特任研究員は、中国メディアの取材に「どのような選挙結果であろうと、短期的に日本の対中政策に大きな変化は起こりえない。我々は高い警戒心を保たなければならない」と分析した。ベテラン記者による時事評論コラム「牛弾琴」は、「(高市政権の)惨敗が喜ばしいが、率直に言えばその可能性は最も低い。我々は現実離れした幻想を抱いてはならない」と指摘。そのうえで「例え我々が嫌いでも、日本人の高市支持は高い。それが意味するのは、長期的な闘争になるということだ。我々は完全に自信がある。今の中国は昔とは違う」と強調した」

     

    中国時事評論では、「我々は完全に自信がある。今の中国は昔とは違う」と粋がっている。ならばお尋ねする。最近の、人民解放軍の粛清騒ぎは何を意味するかだ。歴史的に言えば、粛清は、政治的混乱の表れである。清朝末期もそうだった。中国内部は今、腐敗が急速に進行しているのだ。これも、「凶兆」の一つである。

     

    (4)「かつて習指導部は、高市首相と政治信条が近い安倍晋三政権との間で関係改善を果たしたが、その過程には数年を要した。中国からすれば、日中関係の冷え込みが国内経済に悪影響を及ぼす事態は望ましくない。ただ、長期戦になれば、国力で圧倒する自国に有利との計算があるようだ。今や国内総生産(GDP)は日本の約5倍に達し、巨大市場や重要な供給網も掌握している」

     

    日中対立が長期戦になれば、いまの経済威圧の継続であろう。さらに強化すれば、日本も輸出規制で対抗するほかない。これはGDP規模の問題ではなく、日本が中国の必需品を握っていることだ。高速鉄道のベアリングや半導体素材である。

     

    (5)「中国にとっては、最大のライバルである米国と「休戦」に持ち込んでいることが何より大きい。4月の訪中を成功させたいトランプ氏は、習氏を刺激する言動を避けている。米国防総省が1月に公表した国家防衛戦略(NDS)は「台湾」に直接言及しなかった。トランプ政権が対中取引(ディール)に前のめりになり、主要な先進国が「中国詣で」をする状況は、習指導部に外交的余裕を生んでいる。日中関係筋は「日本以外の西側との関係が安定しているだけに、日本との関係を動かす必要性を感じていないのではないか」と警戒心を示した」

     

    米中「休戦」は、表面的なことだ。米国は、着々と中国勢力駆逐策を取っている。米国の対中戦略の「凄さ」は、黙って実行していることだ。他国との間では「舌戦」を展開しているが、「口先」だけである。収まる所へ収まっている。舌戦は国内向けの政治ショーである。対中政策だけは全く異なる。沈黙を守りつつ要所、要所を締付けている。ベネズエラ急襲は、中国への見せしめである。台湾侵攻作戦をすれば、こうなるという事例である。


    テイカカズラ
       

    中国は3年連続して、通常では考えられないような5%前後の成長率を記録してきた。これは、過剰債務・過剰生産・乱売戦という最悪状態の中で生まれた統計上の奇跡だ。地方政府が2026年の目標を検討する中、しだいにはっきりしてきたことは、何がなんでも5%台の時代をもう1年続けさせることだという。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(2月5日付)は、「中国の成長目標『5%』 ただの数字ではない」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「ある中国の上級政策顧問が最近私に説明したところによると、この5%前後という数字は政治的な縛りとなっている。過去数年間のあらゆる主要な経済会議において、「2035年の亡霊」が中国政府に重くのしかかってきたと、この顧問は述べた。2035年は、習近平国家主席が中国の経済規模と1人当たりの所得を倍増させると2020年に述べた年だ。この日付があるため、経済の失速を防ぐのに習氏がどれだけの資金を投じる用意があるかは簡単に決まる」

     

    習近平氏は、自らの権威を守るべく是が非でも「5%成長」を実現させる方針だ。病人に100メートル競走させるような話であろう。権威主義とは、このような恐ろしいことを平気で行う政治である。

     

    (2)「目標を達成するには、中国は平均して年率約4.7%から5%の成長率を維持しなければならない。誤差の余地は狭い。この経済顧問が私に語ったところによれば、習氏にとってこの成長を維持することはもはや単なる経済目標ではなく、共産党の正統性を測る指標となっている」

     

    2035年ビジョンに合わせて、5%成長を実現させようとしている。これを裏返せば、習氏が2035年まで国家主席を務める意思の表れであろう。

     

    (3)「この重要性が頂点に達したのは2024年後半だった。数カ月間、各省からのデータは暗澹(たん)たるものだった。消費は横ばいで、住宅価格暴落による逆資産効果が中国の中間層世帯を守りの貯蓄者に変えていた。その年の9月までに、中国が5%目標を達成できない見通しであることが明らかになった。これは2035年ビジョンと直接矛盾するものと見なされる失敗だ」

     

    2035年ビジョンでは、2021年比で経済規模と国民所得を2倍にする目標だ。これに合せると、平均4.7%成長を達成しなければならない。客観的事実をみれば、とうてい不可能だが、自己保身で実現させたい。絵に描いたような権威主義政治である。

     

    (4)「元のデータが中南海の指導部に届いたとき、情報筋によると習氏は激怒した。その結果が9月のサプライズ」だった。突然の幾多にもおよぶ景気刺激策、利下げ、株式市場への救命措置である。これは、中国政府が単なる成長速度よりも「質の高い成長」の重要性について語る一方で、主要な指標での目標未達を依然として恐れていることを示した。官僚機構への指示は明確だった。どんな犠牲を払っても数字を達成せよ、と」

     

    経済成長のバランスを忘れた短期達成主義である。こういう無理を、2035年まで続けられるはずがない。

     

    (5)「過去数十年間、中国の成長の原動力は、国内総生産(GDP)成長率が昇進の主要指標とされてきた地方官僚だった。しかし、このシステムは壁に突き当たった。中央政府が目標を設定する一方で、地方政府は支出の約85%を負担している。そして今、彼らは「わな」にはまっている。膨大な債務の山に埋もれながら、成長を生み出すよう命じられているのだ。このわなは、経済を消費主導型に移行させようとする中国政府の努力を無駄にしている。地方の指導者にとって、意味のない橋の建設を命じる方が、不安を抱える市民に貯蓄を新車購入に充てるよう説得するよりもはるかに容易だ。投資は国家がコントロールできる手段だが、消費には安心感が必要であり、安心感は命令によって生み出すことはできない」

     

    中央官僚も地方官僚もすべて、釈然としない中でこういう無理な命令に従わなければならない。中国経済崩壊という現実が、迫ってくくるだけである。

     

    (6)「この緊張は、各省が2026年の目標を最終決定する中で明らかになっている。南部の広東省のような経済規模の大きい地方がより柔軟な目標を導入し、4.5%から5%を目指している一方で、残りの地域は依然として「5%前後」の命令に忠実に従っている。「米国では、指導者は財布を気にする有権者によって評価される」と政策顧問は述べた。「中国では、目標達成を気にする上司によって評価される」習氏にとって2035年ビジョンは、家計資産や不動産市場の安定といった厄介な現実よりも優先される。5%目標は政治的な盾となり、中国型経済の優位性を守るために使われている。国家の命令と経済の実態との乖離が峡谷へと広がる中でもだ」

     

    権威主義政治には、習氏の権力を制約するシステムが備わっていない。「己の欲するところが法律になる」という典型例である。もはやこれ以上、論評をする気持ちも失せるほどだ。

     

     

     

     

    a0960_008532_m
       

    中国の高速鉄道で導入されている「静音車両」において、乗務員が物理的なプレートを掲げて乗客に静粛を保つよう注意喚起を行うという「ローテク」ぶりが注目を集めているという。車内では静粛にするのがマナー。中国では、こういう常識が通用しない「公私」の区別が付かないようだ。GDP規模では世界2位だが、常識では、さてどの程度のランクなのか。

     

    『レコードチャイナ』(2月5日付)は、「高速鉄道の静音車両のローテクぶり、中国ネットで話題に」と題する記事を掲載した。

     

    中国メディア『極目新聞』(2月4日付)は、中国の高速鉄道で導入されている「静音車両」において、その手段が「ローテク」として注目を集めていると報じた。

     

    (1)「中国では、これまで鉄道の「静音車両」サービスが小規模で試験的に導入されていたが、今年の春節(旧正月)特別輸送態勢開始を翌日に控えた今月1日に、サービスを高速鉄道などの列車8000本以上に大幅拡大した。記事は、3日にネットユーザーが高速鉄道の静音車両を利用した際、車内で乗務員が「静音車両、ご静粛に願います」と記された専用の注意喚起プレートを掲示している様子をSNSに投稿したことを紹介」

     

    高速鉄道の静音車両を利用すると、係員がプレートを掲げて「静音車両、ご静粛に願います」と注意喚起プレートを掲示するという。この程度のことまでやらなければ、車内が静かにならない。公衆モラルが低いようだ。

     

    (2)「投稿者の姚(ヤオ)さんの話として、当初は特殊な遮音素材などの科学技術的な手段で静音が実現されていると想像していたが、実際には人為的な秩序維持によるものだったと伝えた。また、乗務員の対応について、駅で客が乗車するとプレートを掲げて歩き回り、大音量で動画を流す乗客がいれば、音量を下げるよう説得に当たっていたと姚さんが説明し、車内が極めて静かで仕事に適した環境が保たれ、全体的な体験は良好だったと評価していることを紹介した」

     

    中国の人は、やたらと「地声」が大きく「お喋り好き」であるから、悪意はなくても「騒音」になる。

     

    (3)「その上で、同メディアの記者が4日に鉄道カスタマーサービス「12306」に確認したところ、一部列車では確かに各駅で客が乗車後に乗務員がプレートを掲げており、騒音が過度な場合にはプレートを見せて回り静粛を促すこともあるとの回答があったことにも触れた。そして、乗務員側が利用客に対して、騒音に遭遇した際は現場の乗務員へ報告するか、座席横のQRコードから「鉄道マナー違反フィードバック」として知らせるよう呼び掛けたことを伝えている。この運用について、中国のネットユーザーからはさまざまな反応が寄せられた。まず、プレートによるアナログな手法に対し、「人力のミュート機能だ」「乗務員の採用に当たって、学級担任の経験者を優遇すべきだ」といったユーモアを交えた指摘が相次いだ」

     

    どうも高速鉄道に乗るよりも、馬車かバスに乗る方が相応しいようなモラルの人たちが多そうである。習氏は、こういう実態をみて「選挙権を与えなくてもいい」などと勝手に決めているとしたら、国民は大変な損害を被っていることになる。

     

    (4)「また、「自分は乗客11人の口に粘着テープを貼るのか、それとも猿ぐつわでもくわえさせるのかと思った」「犬の首輪のように、ほえたら電気が走る仕組みだとでも思ったのか」など、ハイテクに対する期待を揶揄(やゆ)するかのような意見も見られた。一方で、「普通車で自分でプレートを掲げれば料金を節約できるのか」「価格に違いはあるのか」といったコスト面への関心や、「子どもが騒ぐのを止められないので、静音車両は怖くて選べない」といった当事者としての戸惑いも示された。さらに、注意を聞かない大人の存在を実体験として紹介し、人為的な管理の限界を指摘する声も上がった」

     

    中国の人は、すぐに「小話」へ仕立て上げる。これは、他民族にみられない「笑いの精神」である。不思議な才覚である。

    a0960_008527_m
       

    半導体世界最大手のTSMCは5日、熊本県内の第2工場で人工知能(AI)向けの半導体生産を検討すると表明した。従来の計画を変更し、回路線幅3ナノ(ナノは10億分の1)メートルの先端品をつくる。世界で争奪戦となっているAI半導体の国内安定供給へつながる見通しだ。一方、台湾に半導体生産が集中しすぎているとの主要国政府の懸念緩和にもつながるとみられる。TSMCが、地政学的配慮をした結果であろう。

     

    『ブルームバーグ』(2月5日付)は、「TSMCが熊本での3ナノ半導体生産計画前倒し、2028年まで-関係者」と題する記事を掲載した。

     

    TSMCの魏哲家会長兼最高経営責任者(CEO)が5日、都内での高市早苗首相との面談で直接伝えた。魏会長は、「日本政府の揺るぎない支援に感謝」するとした上で、「この工場は地域経済の成長にさらに貢献し、最も重要なこととして日本のAI(人工知能)ビジネスの基盤を形成するものと確信している」と述べた。

     

    (1)「高市首相は、TSMCの熊本工場は大きな経済効果を生んでいて3ナノ生産は経済安全保障の観点からも大きな意味があるとし、「ウィンウィンの連携を一層強化していきたい」と話した。赤沢亮正経済産業相は同日午後記者団に対し、3ナノ半導体はAIロボティクスなどに使われ、AIの社会実装を進める高市内閣の戦略に「完全に合致するものだ」と述べた」

     

    TSMCが、建設中の熊本第2工場で3ナノという最先端半導体生産へ切替えることで、日本経済にもプラスだ。今後、AIロボティクスなど「フィジカルAI」需要が増える見通しにだけに合致している。

     

    (2)「TSMCは、熊本県内で建設する第2工場で、現時点で可能な最先端半導体技術を導入すると決めたと、関係者らが明らかにした。当初は27年末までに7ナノ半導体の生産を計画していたが技術レベルが引き上げられたという。ただ関係者によれば、日本での計画は協議の初期段階にあり、変更の可能性もあるという。TSMCの日本における生産増強は、高市首相が推進する国内での半導体製造能力強化構想を後押しする見込みだ。高市首相はこれまでの政権からの政策を継承し、経済産業省は来年度予算で先端半導体やAIへの支援額を約1兆2300億円と、現在の約4倍に増額する方針だ」

    TSMCの日本における生産増強は、国内での半導体製造能力強化構想を後押しする。米国のTSMC工場は、4ナノ生産を始めており2ナノ生産計画を推進中だ。日本で3ナノを生産することは、TSMCの長期戦略によるものであろう。

     

    (3)「米調査会社オムディアの南川明シニアコンサルティングディレクターは、熊本第2工場で元々計画されていた7ナノなどはTSMCにとってはもう市場が見込めない製品となった一方、AI関係で想定より早く3ナノや2ナノといった最先端品に需要がシフトしており、「台湾有事のリスクが高まっている環境もあり、決断したと思われる」とコメントした。さらに最先端工場が近くにできるというのは装置メーカーや部材会社を含む日本の半導体業界にとって、「間違いなくプラス」とした上で、今後3ナノを超える先端品を日本で生産する流れにつながる可能性もあるとも述べた」

     

    TSMCは、中国の台湾統一への強硬姿勢から地政学的配慮をして、ユーザーへの安心感を与える必要もある。その点で、日本であれば安心できる。

     

    (4)「台湾当局とTSMCは、最先端の半導体について台湾内での開発・維持を掲げている。台湾内で土地や電力供給の問題が深刻化している中で、より成熟した世代の製品については海外で生産能力を増強する動きを進めている。こうした動きは中国が自国領土と主張し、将来的な併合も視野に入れている台湾に半導体生産が集中しすぎているとの主要国政府の懸念緩和にもつながるとみられる。TSMCによる熊本での3ナノ半導体量産の設備投資の規模は170億ドル(約2兆6000億円)に増やす計画」

     

    台湾での半導体生産は、土地や電力供給でしだいに限界をみせつつある。日本は、そういう制約条件がないので将来、第4工場まで建設計画が取り沙汰されている。

     

    このページのトップヘ