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文大統領は、新年に入って景気回復の芽が出て来たと、「景気好転説」を吹聴してきた。だが、中国の新型ウイルスの襲来で環境が大きく変った。中国への輸出不振で景気が失速しかねない懸念が高まっているからだ。これでは、4月の総選挙がとても戦えないと頭を抱えている。

 

『朝鮮日報』(1月31日付)は、「経済好転と言い張っていた与党・青瓦台、今度は景気を懸念」と題する記事を掲載した。

 

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と与党「共に民主党」のイ・ヘチャン代表が30日、そろって経済状況悪化への懸念を示した。これまで、各種指標の悪化が続いているにもかかわらず「すぐに景気が反騰するだろう」と楽観論を繰り広げてきた韓国政府および与党が、「武漢肺炎」をきっかけに少しずつ態度を変えている、という分析がなされている。

 

(1)「文在寅大統領は30日、政府ソウル庁舎で「新型コロナウイルス感染症対応総合点検会議」を主宰し「過度の経済心理萎縮が懸念される」として「全ての部処(省庁に相当)が経済状況の管理に万全を期してもらえることを、特に求めたい」と発言した。さらに「国内外の金融市場不安、輸出・投資・消費など韓国経済に及ぼす影響に対する総合的な点検と対策が必要」だとして、金融の不安定性拡大の可能性にまで言及した」

 

文氏が、経済面でこういう詳細な点につい触れたことは初めてである。とりわけ「金融の不安定性拡大」などと、株価とウォン相場の下落に言及したのは珍しい。側近が、株価と為替に関心を持ち始めたのは、危機感が高まっている証拠だ、

 

1月31日のウォン終値は、1ドル=1191.8ウォンである。1200ウォン割れになると、通貨危機への導火線になりかねない。これまで、「暢気な父さん」であって文氏にとっては、試金石になる場面がきた。中国経済は、1~3月期に4.5%成長率まで低下するリスクが高まっている。そうなったら、韓国はひとたまりもない。

 

中国は、WHO(世界保健機関)の事務局長を「籠絡」して、「異常事態」宣言を出させないように工作してきた。それが逆効果で、世界中に感染者を増やす結果になった。しかも、中国国内の防疫体制はめちゃくちゃである。治療現場では、防護服なども不足しておりレインコートで診療するほど。医師が、SNSで寄付を呼びかける窮状に落込んでいる。詳細は、私のブログ記事を読んでいただくとして、GDP2位の国家とは考えられない脆弱さである。これでは、新型ウイルスが短期で終息する期待は持てず、中期スケジュールを立てざるを得まい。

 

こうなれば、韓国の対中輸出はストップ同然になろう。韓国の全輸出の4分の1強が中国向けである。金融不安が起こってもなんら不思議でない事態になってきた。

 

(2)「与党のイ・ヘチャン代表も30日、党の会議で「新型ウイルス問題のせいでアジア全域が緊張せねばならない状況」だとして、「今年上半期が韓国の貿易を増加させる良い時期だったのに、別の状況が発生し、容易ではなさそうだ」と発言した。武漢肺炎のせいで上半期の輸出が打撃を受けかねない、と主張したのだ。これは、わずか数日前まで「経済は回復しつつある」という主張を繰り返してきたのとは異なる流れだ。与党内部には危機感も見られる。「共に民主党」のある議員は「旧正月の民心はただならぬもの」だとして「経済問題まで重なったら総選挙で本当に深刻な結果が出かねない」と語った」

 

下線部分は、与党にとって深刻な事態になっていることを伺わせている。与党議員によれば、「旧正月の民心はただならぬもの」という。韓国経済の疲弊のほかに、チョ・グク事件によって明らかにされた文政権の腐敗が、民心を離反させているのだ。さらに、中国の新型ウイルスがもたらす経済混乱が加われば、総選挙で敗北必至という危機感が高まっているに違いない。

 

私は率直に言って、進歩派政権を一期止まりにしないと、韓国経済が崩壊すると見ている。日本の民主党政権に似た「反米志向」が強い政権では、日米韓三ヶ国の結束を維持できないのも難点だ。「反日」を基本政策とする進歩派政権が継続されれば、自由主義陣営にとって、取り返しの付かないデメリットに落込む。異端の政権は、長続きしないものである。