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4日、新型コロナウイルスに感染した患者数が、3日の発表から新たに3235人増えて、2万438人になった。また死亡した人も、感染拡大が最も深刻な湖北省で新たに64人増え、合わせて425人となった。湖北省では3日、プレハブ建設された専門病院で患者の治療が始まっている。約1000人の受け入れ可能だが、1日で患者が新たに2000人以上増え、医療体制が追いつかない状況が続いている。NHKが2月4日午前11時58分に伝えた。

 

中国当局は、解決への楽観的な見通しを語っている。「2月8日がピーク」とか、「2月15日が峠」などと断片的に情報を流しているが、診察から見放されている市民も多く、「地獄絵」そのものである。

 

中国では、情報管理されているため詳細な状況が不明であった。だが、『大紀元』情報によって、新型コロナウイルス感染者は、病院の検査キットが不足して、満足の行く検査も受けられずにいる現実が判明した。中国当局は、意図的に楽観的情報を流しているが、早期の沈静化は期待できない状況だ。

 

『大紀元』(2月4日付)は、「新型肺炎、封鎖された武漢市『検査キット不足で確定診断できない』」と題する記事を掲載した。

 

新型肺炎の発生源である中国湖北省武漢市の各病院では、新型コロナウイルスを診断する検査キットの不足が続いており、患者の大半が検査を受けられないと市民が訴えた。

 


(1)「市の中学校教諭の戢琳(シユウ リン)さんは、夫を看病した際、新型コロナウイルスに感染したとみられる。夫は120日から微熱が続いたため、当初は一般的な風邪だと考え、市販の風邪薬を服用していた。23日、武漢市政府が封鎖措置を突如、実施したため、夫婦は新型肺炎に感染した可能性があると疑い始めた」

 

1月20日から微熱が出始める。23日に新型肺炎に感染したと疑い始める。

 

(2)「中国政府系メディアが、症状の軽い市民は、交差感染を避けるよう、自宅で自主隔離した方がよいと宣伝したため、夫婦は自宅で様子をみていた。しかし、130日になると、戢さんの夫は症状が急激に悪化したため、市の普仁医院でCT検査を受けた。その結果は、肺がすでに白くなったことが判明。31日に呼吸困難に陥った」

 

1月30日に急激悪化。肺がすでに白くなったと判明。31日に呼吸困難に陥る。

 

(3)「その時、戢さん自身にも新型肺炎の症状が現れた。その後、戢さんの家族は夫婦2人を、新型肺炎の指定治療病院である協和医院や同済医院など5つの病院へ連れて行ったが、新型肺炎の感染は確認されなかった。「5つの病院に、検査キットが足りないから、新型肺炎の確定ができないと言われた」と戢さんの姪が話した。感染確認ができないため、入院ができず、自宅で隔離するしかないという。「武漢市には、新型コロナウイルスの検査キットが置いてある病院は10カ所しかない。各病院では毎日、ウイルス検査を受けるために市民が長蛇の列を作っている」

 

病院に検査キット足りず、感染確認ができない。各病院では毎日、ウイルス検査を受けるために市民が長蛇の列を作っている。

 

(4)「数千人の患者に対して、病院側は10個、または100個の検査キットしか提供できないのが今の武漢市の現状だ。検査キットをもらえない患者はみな、新型肺炎の感染の疑いがあると診断されている。こういう人たちは、患者の89割を占めるだろう」。親族によれば、市内の交通機関がすべて停止されたため、病院へ行くのも一苦労だ。「110番を2時間ダイヤルして救急車を要請しても、なかなか来ない。市の救急車は全部出動していると言われた」。戢さんの家族は、武漢市内は今、「まるでゴーストタウンだ」と話した。

 

検査キット不足で、「感染者認知」ができない状態だ。検査キットが十分に配られれば、感染者数は、一挙に増加することは間違いない。「感染者」に数えられることは、幸運というべき状態だ。

 

3日、共産党の最高指導部、政治局常務委員会は、「今回明るみに出た、対応の欠陥や至らなかった点を教訓とし、緊急対応の能力を高めなければならない」と一連の対応に問題があったことを初めて認めた。共産党の最高指導部が対応の不備を認めるのは異例とされる。

 

先に指摘したように、病院に検査キットが僅かしかない現状で、爆発的に増える感染者に「満足な診察もできない」地獄絵が続いている。最高指導部は、国民に向けて対応の欠陥を認めるほかないのだ。