ムシトリナデシコ
   

新型コロナウイルス蔓延の直撃弾を受けて、韓国格安航空会社(LCC)6社の経営がお手上げ状態に陥っている。このほど、LCC6社は、韓国政府に経営支援を求めることになった。昨年7月以降の反日不買運動で、韓国から日本への乗客が急減して危機状態になっていた。そこへ、今回の新型コロナウイルスで集団発症に陥っており、LCCの経営危機はさらに深まった。

 

反日不買は、韓国政府が引き金を引いている。反日不買は、日本の半導体3素材輸出手続き強化が発端である。結果的には、日本からの輸入数量に何らの支障も発生せず、空騒ぎに終わった。日本は、繰り返し「数量規制」でなく、輸出管理手続き問題であると説明した。だが、韓国の感情的な反発によって冷静な判断をできず、LCC6社の経営を苦境においこんでしまった。

 

新型コロナウイルスの集団発症は、韓国政府の「中国偏愛」によるもの。習近平国家主席の早期訪韓実現のために、あえて中国に対する防疫対策を強化しなかったことが理由だ。中国外交重視であり、防疫対策を二の次にした咎めが出たものである。

 


『中央日報』(2月28日付)は、「『もう限界』、韓国LCC6社、政府に緊急資金支援を要請」と題する記事を掲載した。

 

新型コロナウイルス感染拡大の直撃弾を受けた韓国の格安航空会社(LCC)6社が政府に緊急資金支援を要請した。

 

(1)「エアプサン、エアソウル、イースター航空、チェジュ航空、ジンエアー、ティーウェイ航空のLCC6社の社長団は28日、共同建議文を出し、「LCCは昨年の日本不買運動に続く新型コロナ事態で絶体絶命の崖っぷちに立っている」とし「いかなる経営改善策も効果がなく退路も見えない」と訴えた。続いて、「航空産業は一般産業とは違い、利潤追求よりも国民の便宜と公共性を優先する国家基幹産業」とし「観光、宿泊などサービス・物流から航空機の整備にいたるまで関連産業につながる経済サイクルの出発点として、国家経済への波及効果は極めて大きい」と強調した」

 

航空会社は、ナショナル・フラッグ(国旗)を掲げた国家基幹産業である。私営であるが、完全な公益的企業である。反日不買や新型コロナウイルス発症による経営危機である以上、韓国政府が支援すべき性格のもである。

 

(2)「LCC社長団は建議文発表の前日の27日、ソウルで会議を開き、現在の危機が特定の航空会社だけでなく国内格安航空産業全体の危機という点に同意したという。LCC社長団は政府に無担保・長期低利など条件を大幅に緩和した緊急経営安定資金の支援を求めた社長団は「負債比率が高い航空会社の構造上、赤字が累積した現時点で都市銀行の商品を通じた資金調達は事実上不可能」とし「今すぐ流動性改善のための資金調達が必要」と緊急金融支援を要求した。また、コスト構造改善のために空港使用料および税金の猶予でなく全面的な減免措置も求めた。現在、政府が提示した空港使用料など各種コスト支援は減免ではなく納付猶予であり、実質的な支援にはならないということだ。航空機財産税、航空燃料輸入関税など各種税金の減免支援が至急という主張だ」

 

航空産業や海運産業は、韓国経済の骨格をなしている。朴槿惠政権では、韓国最大手の韓進海運(世界8位)を救済せず、意図的に倒産に追い込む愚行を演じた。政権に協力しなかったという「私怨」による感情問題に端を発した倒産である。

 

LCCは、韓国政府の責任で救済すべきだ。仮に見殺しにすれば、韓国経済の将来に大きな禍根を残すだろう。インバウンド消費増に多大の貢献をするからだ。



(3)「LCCは雇用維持支援金比率の一時的引き上げも要請した。社長団は「運航路線の縮小による休職人員の発生が避けられないため、航空会社勤労者の休業手当に支援される雇用維持支援金の比率を現行の50%から70%に一時的に引き上げることを望む」と伝えた。
韓国LCCは過去最悪の危機に直面している」

 

LCCは、薄利での運航で利益を上げている。それだけに、今回のように感染症がパンデミック(大流行)状態に落込めば、不況抵抗力はない。

 

(4)「昨年の日本不買運動や香港デモなどの余波が消える前に、中国発の新型コロナ事態が発生し、主力路線の中国、東南アジア路線の多くの運航を中断した。役員辞任、賃金返納、有給・無給休職など経営改善策を施行しているが、新型コロナ拡大で外国の入国統制が強まり、LCCは追加の運航中断を迫られる状況を迎えた社長団は「LCCはいかなる改善策も効果がない危機に直面している」とし「現在の国家的災難は航空会社が独自の努力だけで克服できるものではない。政府レベルの前向きな支援を要請する」と訴えた」

 

反日不買は、韓国政府が音頭を取って始めたこと。日本から輸入面で何らの被害を被った訳でなく、韓国が被害を受けるという自殺行為になった。感情過多症の韓国らしい経営蹉跌である。