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英国は、ジョンソン首相までが新型コロナウイルスに感染する緊急事態で、中国の情報隠蔽に強い怒りを示している。コロナ終息後、中国へ損害賠償を求める案や、ファーウェイ(華為技術)の5G導入も再検討を漏らすなど、対中国への怒りが充満している。英国も、米国に次いで険悪な雰囲気を漂わせている。

 

『大紀元』(3月30日付)は、「英、中国の感染情報隠蔽で被害甚大、華為5G参入見直すも」と題する記事を掲載した。

 

英メディアによると、英政府の閣僚は、中国当局が中共肺炎(新型コロナウイルス肺炎)の感染情報を隠ぺいしたとして怒りをあらわにし、中国通信機器大手、華為技術の次世代通信規格5G参入を見直す可能性があるという。同国ではこれまで、チャールズ皇太子やボリス・ジョンソン首相とマット・ハンコック保健相の感染が確認された。英紙ガーディアンなど複数のメディアによると、マイケル・ゴーブ内閣府担当大臣は329日、感染情報を隠ぺいした中国当局は、英政府が感染拡大阻止に失敗した責任を負うべきだと非難した。

 

(1)「マイケル・ゴーブ大臣はBBC番組「アンドリュー・マー・ショー」で、中国では昨年12月に最初の症例が確認されたにもかかわらず、「中国当局の報告では、この感染病の規模、性質、感染力について明確に示されなかった」と述べた。メール・オン・サンデー紙は328日の報道では、ジョンソン政権の閣僚や高官らが虚偽の情報を提供した中国当局に憤り、政権が通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の5G網参入を禁じる可能性があると示した。同紙は政府高官3人を取材した。高官らは、「今、最も重要なのは危機に対処していくことだ。感染が終息すれば、(中国当局に)責任を追及していく」と表明し、「中国当局がやり方を変えなければ、孤立した国家(Pariah State)になるだろう」とした」

 

事態は、思わぬ方向へ動いている。中国は、感染者数や死亡者数を過少に報告して、情報隠蔽を図ったことで、英国のコロナウイルス被害を拡大させた。この理由で、中国の責任を追及すると怒りを顕わにしている。「中国当局が、やり方を変えなければ孤立した国家」になると警告している。ファーウェイの5Gも再検討を臭わせている。導入の白紙化であろう。

 

米国はすでに、米議会上院で対中損害賠償法案が提出されている。下院でも、中国非難決議案が上程されている。英国も、米国同様の法的な措置に出るのだろう。米英が、一致して中国へ法的な措置に出れば、中国の打撃は大きい。

 

(2)「同報道によれば、英政府は、中国当局が中国国内の感染者数を隠したことに怒りを隠せない様子だ。英科学界と医療界の専門家の推測では、中国国内の実際の感染者数は当局公表の1540倍だという。中国当局は、感染症例81470件しか報告していない。最近では、新規感染者数が「ゼロだ」と宣伝している。メール・オン・サンデー紙は、ジョンソン首相に近い情報筋の話として、英政府は感染情報を隠ぺいした中国との外交関係を見直す可能性が出たとの見解を示した。また、5G網構築に関して中国のファーウェイに友好的な態度を示したジョンソン首相に対して、同盟国の米国および英国内の保守党議員らが異議を唱えてきた」

 

本欄では、コロナウイルス死亡者数が、当局によって情報操作されている事実を事細かに報じてきた。中国は、WHO(世界保健機関)を抱き込んで、台湾の出席権まで奪う徹底的な「中国寄り」を見せて顰蹙を買うほどだ。WHOが、政治的な中立性を放棄する姿は、中国のテコ入れによるものだ。英国は、こういう中国に毒されたWHOにメスを入れるべきである。中国は、WHOを抱き込んでいるので、感染者数や死亡数を誤魔化してもばれない、と高を括っているに違いない。

 


(3)「ジョンソン内閣の閣僚1人は、『メール・オン・サンデー紙』に対して、虚偽の情報を提供して「世界経済を台無しにした中国当局を見て見ぬふりをしてはいけない」と述べた。同閣僚はまた、「われわれはファーウェイのような企業を(英国内)経済活動に参入させ、しかもインフラ設備において重要な役割を果たさせた」ことについて、今後「中国のサプライチェーンや戦略的なインフラ設備に頼るすべてのプロジェクトを早急に見直す必要がある」と語った」

 

中国による虚偽情報は、世界中を惑わせている。こういう噓八百を平然と行なう中国の企業が、誠実なビジネスを行なうとはとうてい思えないのだ。同じ穴の狢(むじな)である。今回の新型コロナウイルス感染は、世界中に多くの教訓を残した。