中国共産党は、新型コロナウイルスを世界中に蔓延させたことで、沸き起こっている中国批判に焦っている。これが、中国国内に跳ね返って、共産党批判に転じることを恐れているからだ。中国人民を弾圧する一方で、最も恐れているのは中国人民という臆病な姿を見せている。
『ロイター』(4月27日付)は、「『中国のコロナ対策に前向きなコメント』を中国がドイツに要請」と題する記事を掲載した。
(1)「中国の外交官が、同国の新型コロナウイルス対策について前向きなコメントを出すよう、ドイツ政府に働き掛けていたことがドイツ内務省の書簡で明らかになった。中国政府からそのような働き掛けがあったのかと質問した緑の党の議員に22日付で送付された。ロイターが26日に書簡を入手した。内務省はこの書簡で「ドイツ政府は、中国の外交官が同国の新型コロナ対策について前向きなコメントを公式に出すよう個人的に働きかけていたことを把握している」とし「連邦政府はこうした要請には応じていない」と主張した」
中国は、先進国のドイツに対してすら、こういう厚かましいことを依頼するのだ。発展途上国に対しては、どのような圧力をかけるか、すぐに想像できるだろう。中国が、新型コロナウイルスで、世界中に大きな被害を与えていることを認識している証拠だ。こういうコメントを出させて、後から賠償請求されないように早手回しの準備をしているのであろう。
(2)「内務省のコメントは、ドイツ紙ウェルト日曜版が最初に報じた。同紙によると、在ベルリンの中国大使館はこの報道を事実ではなく無責任だとして否定している。内務省はこの書簡で、ドイツ政府は中国側から要請されなくても、中国が特に1月23日以降に新型コロナ対策を進めたことを認めていたと指摘。中国政府に対して、こうした対策では透明性が重要だとの考えを伝えたことも明らかにした。ロイターは24日、複数の関係筋の情報として、中国が新型コロナの感染拡大について偽情報を流したとの報告書をEUが発表するのを阻止しようとしていたと報じた」
感染症対策では、何よりも透明性が求められる。具体的には、ウソ偽りなく事実をありのままに公表することである。その点で、中国は落第である。感染者数と死亡者数を大幅に、過少報告しているからだ。これでは、防疫上において貴重なデータが失われ、有効な対策が打てないのだ。厳密に言えば、人類への犯罪である。
『ロイター』(4月27日付)は、「豪外相、中国の経済的な威圧を批判、新型コロナ独立調査で」と題する記事を掲載した。
オーストラリア政府が、世界保健機関(WHO)加盟国に新型コロナウイルスの発生源や感染拡大に関する独立調査を支持するよう求めていることに関連し、同国のペイン外相は27日、中国政府に対し「経済的な威圧」をやめるべきだと主張した。
(3)「(WHOに関する)独立調査に反対する中国の成競業・駐オーストラリア大使は、27日付の『オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー』紙の一面に掲載されたインタビュー記事で、中国の一般市民がオーストラリア製品の購入やオーストラリアへの留学を考え直すかもしれないと発言。「普通の市民は、なぜオーストラリア産のワインを飲まなければならないのか、なぜオーストラリア産の牛肉を食べなければならないのか、と思うだろう」と指摘。観光客がオーストリアへの旅行を「考え直す」かもしれないと述べた。また「学生の親も、子供を留学させる一番良い国なのか考えるだろう」と語った」
豪州政府は、WHOが政治に左右されずに公正な運営をしているか、調査すべきとしている。これについて、豪首相は米国・ドイツ・フランスの首脳と電話会談し独立調査を呼びかけた。中国は、これに対して嫌がらせをしているもの。この独立調査が、中国における豪州産製品や豪州留学に悪影響を及ぼすと牽制している。中国が、WHOに影響力を与えていることを認めているような動きだ。
(4)「これに対し、豪ペイン外相は27日、オーストラリア政府は新型コロナ感染症の独立調査について「理にかなった要求」をしたと反論。「経済的な威圧はこうした調査の呼び掛けに対する適切な対応ではなく、そのような考え方を拒否する。私たちに必要なのは国際協力だ」と述べた」
中国の妨害工作は、豪外相から早速批判されている。当然のことだ。WHOは、各国国民の健康を維持する責務がある。そのWHOが、中国という特定国の「支配下」にあるのは、由々しき事態だ。独立性を調査して、改革しなければならない。これは、先進国共通の希望である。
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