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薫風の5月は目前であるが、「ステイホーム」で家籠もり生活を余儀なくされている。何とも無粋な毎日だ。だが、新型コロナウイルスは現在、第一波に過ぎない。今秋以降に第二波が来る見通しが濃くなってきた。新薬もワクチンもできていない現状では、ウイルスの第二波を防ぐ手立てはあるのか。日米の研究陣が、総力を挙げる。

 

『中央日報』(4月29日付)は、「米保健当局者、『秋に新型コロナ第2波来るほぼ確信している』」と題する記事を掲載した。

 

米国ホワイトハウスの新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)対策タスクフォース(TF)で主導的な役割を果たしている米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチ博士が、「米国に新型コロナ流行の第2波が来ることをほぼ確信している」と話した。

(1)「4月28日(現地時間)、CNNはファウチ氏はこの日テレビ会議で行われた米ワシントンDCの行事「エコノミッククラブ」で、米国で新型コロナの第2波がやってくる可能性に関する質問に「私はコロナが戻ってくることをほぼ確信している」と語ったと報じた。ファウチ氏は「私の考えでは、このウイルスが戻ってくることは必然的だ」とし、今年下半期に第2波が来れば「それをどのように扱うかによってわれわれの運命が決まるだろう」とした」

米国は、第二波の「コロナ戦」にも敗れる訳にいかない。世界の盟主としての立場がある。医薬品関連では、国内生産体制を敷くべく企業をプッシュしている。サプライチェーン見直しの第一弾になるであろう。医療用マスクを輸入するのでなく、「防疫安全保障」という考え方から、国内生産に切り替えさせる方針だ。

 

(2)「続いて、「新型コロナは地球から消えないだろう」と述べたファウチ氏は、「現在議論されている措置が講じられるとするならうまく乗り切れるだろうが、そうできない場合には『良くない秋』と『良くない冬』を迎える可能性もある」と付け加えた。この日、FOX(フォックス)放送に出演したホワイトハウスのデボラ・バークス新型コロナ対応調整官も「普通、北半球の呼吸器疾患が夏の間に南半球に移るのはそこが秋だから」としながら「夏に(新型コロナ)ウイルスにどんなことが起きるのか知るために、オーストラリアとニュージーランド、南部アフリカ、チリ、アルゼンチンを見守るのは非常に興味深いこと」と話した」

 

これから南半球が、コロナウイルスにどのように対応するか興味深いという。ウイルス菌の変種も出てくるであろう。それを見届けるというのだ。

 

(3)「バークス氏は、医療用個人防護具(PPE)、無症状者を含めた新型コロナ患者を追跡する監視システムなどに言及して、「秋に何が起きようともコロナへの準備が整っているよう動いている」と強調した」

 

米国は、コロナとの緒戦で苦戦を強いられた。だが、米国のトップレベルの科学者と億万長者、経済界の大物たちで構成される十数人のグループは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)問題で解決策があると主張している。彼らは、米政府にこうした計画を持ち込むための戦略を立てている。その概要は、次の記事で明らかにされている。

 


『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月28日付)は、「
新型コロナ対策、極秘計画『マンハッタン計画』とは」と題する記事を掲載した。

 

(4)「これら科学者とその支援者たちはグループの取り組みについて、第2次大戦中に原爆開発に関わった科学者グループにちなみ、ロックダウン(都市封鎖)時代の「マンハッタン計画」と表現している。ただし今回の科学者らは、世界中から集められた非凡なアイデアを精査するために頭脳と資金を駆使している」

 

このグループは、ボランティアであり利益目的でない。コロナ菌を早急に撲滅するために、既存の薬剤を組み合わせたりしながら目的達成を目指している。ボランティア参加者は全員、医薬品株を持たぬ条件であり、米国のために尽くす。それが同時に、世界に役立つという信念である。

 

(5)「グループは自らを「COVID-19を食い止める科学者たち」と呼んでいる。その中には、化学生物学者、免疫学者、神経生物学者、時間生物学者、腫瘍学者、胃腸科専門医、伝染病学者、原子物理学者などが含まれている。生物学者で2017年にノーベル生理学・医学賞を受賞したマイケル・ロスバッシュ氏もプロジェクトの中心となっている科学者の1人だ。彼は「計画への参加資格という点では、私が最低ランクの人物であることは間違いない」と述べている

 

あらゆる分野の科学者が、「全員集合」である。これで、「国難」に立ち向かうという姿勢を前面に出している。計画の概要は、ホワイトハウスに提出され、副大統領の手元に渡っているはずだという。提出された計画が実行されるか否かはまだ不明。実行されれば、世界に旋風を巻き起こすという。