テイカカズラ
   

文政権の「正体」が、次第に明らかになってきた。中朝に気を使って、日米韓三カ国防衛相会談を欠席したからだ。「敵側」に気を使って「味方」を袖にするとは、なんとも説明できない行動である。韓国国内からは任期5年の文政権が、国民の選択を経ることなく、勝手に「中朝陣営」に加わるような行動に批判と不安が高まっている。

 

『朝鮮日報』(8月31日付)は、「朝・中の顔色をうかがって先延ばししている間に一人ぼっちになった韓国」と題する記事を掲載した。

 

米国と日本の国防相が29日にグアムで韓国抜きの会談を行った。これは、北朝鮮と中国を意識した韓国政府が会談への参加に消極的な態度を示しことが理由だった。米国は当初、韓国の国防長官を含む3カ国によって北朝鮮問題と中国問題について話し合うことを希望していた。韓国政府は、コロナや国内での日程などを理由に明確な態度を示さず、今月末になって「出席は難しい」との意向を伝えたという。最終的に米国と日本の国防相だけで、北朝鮮の大量破壊兵器など韓半島問題について意見を交換する形となった。

 

(1)「韓国の不参加については、「対北朝鮮制裁の趣旨に反する」という度重なる警告にもかかわらず、南北交流事業を強行しようとする韓国政府の態度も影響したようだ。外交関係者の間では「韓国がいるべき場所に姿を見せず、やってはならないことをやる事態が相次いでいる」との指摘も出ている」

 

文政権の外交感覚は、完全に狂っている。「親中朝・反日米」路線にそった外交路線を歩んでいるからだ。自由世界の潮流から完全に外れたコースである。

 

(2)「ある外交筋は、「韓国にとって安全保障面での最大の脅威は北朝鮮だ。その北朝鮮の大量破壊兵器や弾道ミサイルへの対応策を話し合う場から、肝心の韓国が抜け米国と日本だけで頭を突き合わせた」とした上で「韓米日の三角協力体制が弱体化している」と指摘した。一部からは「米中が激しく対立する状況で、韓国政府が米国の側に立つという形を避けるため、今回の会議に参加しなかったのでは」との見方も出ている。コロナと国内の日程は表面的な理由にすぎないということだ」

 

下線の見方が正しいであろう。中朝に気を使い日米を袖にしている。これが、「独自外交」と嘯(うそぶ)いているのだろうが逆である。孤立外交の道である。

 

(3)「米国のエスパー国防長官と日本の河野太郎・防衛大臣はこの日行われた会談で、北朝鮮と中国による域内での挑発行為への対応策について集中的に意見を交換した。両国は「北朝鮮の全ての大量破壊兵器と弾道ミサイルの廃棄に向け、国連安保理による制裁決議を完全に履行することが重要との点で意見が一致した」と説明した。米国防総省によると、エスパー長官は「北朝鮮の大量破壊兵器とその生産手段、運搬手段の完全な除去など、トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長による2018年の(シンガポール)首脳会談で発表された共同声明について、これを完全に履行する約束を強調した」という」

 

下線部分は、韓国にとって困るのだ。北朝鮮が核を保持し続けて、将来の南北統一時には統一朝鮮の大きな「資産」になると踏んでいるに違いない。文政権は、南北統一が夢である。その夢実現を打ち壊す会談には出席したくないのだろう。

 


(4)「会談では、南シナ海情勢と東シナ海情勢についても意見交換が行われた。エスパー長官は「中国による周辺国に対する悪意を持った行動が続いている」「地域を不安定化させる中国の行為に反対する」と発言した。双方は尖閣諸島(中国名、釣魚島)が米国による日本の防衛義務を定めた米日安保条約第5条の適用範囲であることも再確認した」

 

日米防衛相会談では、日米同盟の絆の深さを再確認して尖閣諸島防衛で同一行動を取る。韓国にとっては、この日米の結束がまぶしいであろう。

 

(5)「複数の外交関係者からは懸念の声が相次いでいる。米国、英国、フランス、ドイツなど国際社会の多くの国が進めている対北朝鮮政策の流れに韓国が逆行し、完全に孤立する状況を自ら招いたというのだ。実際に韓国統一部(省に相当)は先日、南北物々交換事業を推進しようとしたが、北朝鮮側の業者が安保理の制裁対象だった事実が明らかになり、事実上中止した。これについても米国など国際社会から「対北朝鮮制裁を守らねばならない」との指摘が相次いでいる。それでも統一部の李仁栄(イ・インヨン)長官は28日「個別観光の形で金剛山事業が再開されるチャンスを積極的に開いていきたい」と述べ、北朝鮮と協力する政策を強行する意向を明らかにした」

 

韓国の北朝鮮政策は、国際社会へ背を向けている。これは、韓国外交が孤立している証拠だ。ここまでして、北朝鮮のご機嫌取りをしようという狙いは、将来の統一を視野に入れた行動だ。

 


(6)「外交次官を経験したある外交官OBは、「韓国が米日と疎遠になることを中国は望んでいる」「今回の会談に参加しなかったことは、中国にとっては『良い知らせ』だったはずだ」との見方を示した」

 

韓国外交は、日米と溝をつくり中朝へ接近するという異常な行動である。『朝鮮日報』(8月31日付社説)は、次のように嘆いている。

 

(7)「この政権は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長による「非核化の意志」といううその幻想をつくり上げたかと思えば、今度は中国と北朝鮮の顔色うかがいが完全に日常化している。保身しか頭にない軍の関係者たちは権力に迎合するばかりだ。韓米日の協力関係から離脱し、中朝の側に向かうことに国民は同意したのか。任期が5年しかない政権が、5100万人の国民をどこに引っ張ろうというのか」

 

文政権は、恐るべき青写真を描いている。韓国を中朝へ「身売り」したいと策しているのだ。