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中国の開発しているコロナワクチンは、治験情報を伏せているので、海外では評価のしようがないとサジを投げている。その中で、英医学誌『ランセット』が17日、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発するワクチンについて、初期段階の治験データを分析した論文を掲載した。それによると、有効性は「中程度」とされる。

 

中国は一時、世界のコロナワクチン開発の最先端を走っているような印象を与えていた。現実は、米国2社の開発から大きく遅れているようだ。それは、ワクチンの製造方法に違いがあるからだ。米国2社は、「mRNA」ワクチンで、遺伝子情報を体内へ送って免疫性を強めコロナを死滅させる最新方法である。中国は、従来の「不活化」ワクチンである。mRNAワクチンは、短時間に大量生産できるメリットがあるほか、コロナが変種した場合、mRNA情報を書き換えるだけで対応可能という「夢のワクチン」とされている。

 


『日本経済新聞 電子版』(11月26日付)は、「中国ワクチン足踏み、予防効果が不十分との指摘」と題する記事を掲載した。

 

中国企業による新型コロナウイルスワクチンの開発に不透明感が漂っている。臨床試験(治験)中に大規模投与に踏み切り、一時は世界の開発レースの先頭にいたが、予防効果や検証が不十分とする指摘が出ている。欧米勢の実用化は秒読みの状況で、中国が力を入れる「ワクチン外交」にも影響が出かねない。

 

(1)「英医学誌『ランセット』が17日、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発するワクチンについて、初期段階の治験データを分析した論文を掲載した。論文はシノバックなどの研究チームがまとめたものだ。治験結果から、「感染を防ぐ予防抗体は(コロナ感染から)回復した人のレベルより低い」とし、有効性は「中程度」と評価していた」

 

シノバックの有効性が「中程度」とは、50%前後であろう。米国2社は、いずれも95%前後である。この差は歴然としている。米中の「科学力」の差とも言えよう。

 


(2)「有効性「90%以上」をうたう米ファイザーや米モデルナ、「70%」とする英アストラゼネカなど、最新技術を使った欧米勢のワクチンと比べて、見劣りするデータだ。シノバックのワクチンは病原性をなくしたウイルスを使う昔ながらの手法を採用する。インフルエンザワクチンなどで長年使われている手堅い技術だ。安定した予防効果が見込まれただけに論文の内容は波紋を呼んだ。論文で研究チームは「抗体が確認され、安全性も問題ない」とし、最終段階の治験に進むデータとしては十分な結果だと結論づけた。また、シノバック幹部の孟偉寧氏は20日、オンラインの国際会議で「12月中には最終治験のデータが得られるだろう」と発言し、今後の有効な解析結果に期待をにじませた」

 

シノバックのワクチンは、病原性をなくした(不活化)ウイルスを使う昔ながらの手法を採用する。これは、不活化ウイルスを「原料」にするから、有効性はもっと高くて当然であるようだ。それが、「中程度」とは科学力が足りないのだろう。

 

(3)「世界で治験の最終段階にある11種類のワクチンのうち4種類が中国のワクチンだ。中国は1月からワクチン開発を急ピッチで進めてきた。けん引役はシノバックと、国有製薬大手である中国医薬集団(シノファーム)だ。両社は78月から、最終治験の途中段階にもかかわらず、国内で緊急投与に乗り出した」

 

両社ともに、不活化ウイルスによるワクチンである。

 


(4)「シノファームは今月18日には、緊急投与によるワクチン接種が100万人近くに達したと発表した。9月時点では約35万人だったが、国有企業の社員などを対象に2カ月で3倍近くに増やした。「9月にワクチンを接種したが、シノファームから何も連絡がない」。国有企業に所属する複数の社員はこう証言する。
開発中にもかかわらず、接種後に健康状態などを確認していない可能性が指摘される。通常であれば、直後はもちろん、半年から1年以上の時間をかけて、経過を観察することが求められる」

 

接種後、経過観察もされないという杜撰な状況である。治験データは、まともに処理されているのか。データねつ造の中国ゆえに、新たな懸念が生まれるのだ。中国製ワクチンは遠慮したい。